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*無限桃花~嵐の前に①~
287 名前:無限桃花~嵐の前に①~[] 投稿日:2010/02/16(火) 23:33:02 ID:tDGFde0/
「せんぱ~い!生きてますかぁ?」
「当たり前だ馬鹿。縁起でもない事いいやがって」
「あ~。相変わらず可愛いげない所みると大丈夫そうですね」
黒丸は都内某所にある個人病院に入院していた。『ヤタガラス』の息がかかったそこは院長始めスタッフのほとんどがヤタガラスメンバーである。出動回数が多く戦闘での負傷が多い『ヤタガラス』は指令室にも医療スタッフが居るが、手に負えない場合はここへ収容される。
今回のように重傷の場合は緊急医療設備のあるここへ直行で送り込まれるのだ。メンバー用のベッドを用意しておけば貴重な人材がたらい回しにされる事も無い。
「お前はどうしてた?相変わらず餓死寸前か?」
「怪我人のクセにホント変わらないですね先輩。桃花さんには物腰柔らかいのに。」
「そうだ。その桃花さんはどうしてる?」
「昨日起きました。今はもう帰ってるんじゃないですか?」
地下での闘いの後、そこから救出された桃花は指令室で眠り続けた。
目覚めたのはつい先日の事であり、実に二日もの間桃花は意識を取り戻せずにいた。だが、その間に肉体のダメージはほぼ全快に近いレベルまで回復し、今はまったく闘いの疲れや怪我は無い。
救出された当初は傷だらけだったが、桃花には治療の必要は無かったのだ。医師が手を出せないほどの回復力を見せていたのだから。
「もう動けるのか‥‥?結構な怪我だと聞いてたが‥‥」
「あの~先輩‥‥?実は桃花さんが話があるって言って‥‥明日ここで会えないかって‥‥」
「話?構わんがどうした?」
「あの~先輩。実は‥‥アレ。桃花さんに言っちゃいました‥‥」
「アレ?アレってまさかお前の妄想の事か‥‥?!」
「そうなんです‥‥‥‥」
「この馬鹿‥‥‥」
「でも‥‥桃花さんのほうが最初に言い出したんですよ。彼方を止めなきゃ‥って。それでどういう事か聞いてる内に‥‥つい」
288 名前:無限桃花~嵐の前に①~[] 投稿日:2010/02/16(火) 23:34:47 ID:tDGFde0/
「それで‥‥桃花さんはなんて?」
「いや‥‥意外とすんなり聞いてたんで驚いたんですけど‥‥もっと驚いたのが桃花さんも似たような事考えてたらしくて‥‥」
「お前の推理はあながち間違いじゃないかも‥‥って事か。どういういきさつでそう思ったかは知らないが」
「桃花さんも‥‥‥何か急に悟ったように言い出したんで、ちょっと怖かったんですよ。
あと、例の天狗の件なんですけど‥‥」
「何か進展は?」
「それがおかしいんです。今までは結構活発に都内に出入りしてた寄生が今は出ていく一方で。新たに侵入してくる寄生はほとんどいません。静かなもんです」
「出て行く?どこへ?」
「知る訳ないじゃないですか。都内しか観測出来ないんですから」
「そうだよな‥‥」
「寄生された人間もガンガン出てってるんで、このペースだと目に見えて人口減りますよ。いままでこんな事無かったじゃないですか。これって多分‥‥」
「急に一定の動きになりはじめた。つまり連中の行く先に婆盆が居る可能性があると考えたんだな?」
「そうです。しかもな~んかイヤな予感するんですよね‥‥。連中が集まった所で桃花さん一人に対抗出来ない。出来るとしたら婆盆みたいな四天王だけ。たとえ影糾を護衛するったって、盾にもならない連中集めても意味は無いし。きっと別の意味ありますよ」
「だろうな‥‥‥。解った。上と掛け合う。今の制度じゃどうにもならない」
「先輩‥‥。明日退院ですよね?」
「ああ。今でもいいんだがな」
「ダメです!ホントはまだまだ先のハズなのに‥‥‥。院長に無理言ったんでしょ?」
「‥‥‥バレてたか」
「あんまり無茶しないで下さい」
「分かってる」
「‥‥‥‥ウソつき」
「何?」
「前も似たような事ありましたよね?大ケガして入院して‥‥‥その時ももう無茶しないって‥‥言いましたよね?」
「言ったか?そんな事?」
「覚えてるクセに!いつも生返事ばっかりで!どうせまた無茶するんでしょ!」
「何怒ってんだよ」
289 名前:無限桃花~嵐の前に①~[] 投稿日:2010/02/16(火) 23:35:44 ID:tDGFde0/
「だって‥‥‥心配なんです。このままだと先輩‥‥死んじゃいますよ。わざと無茶してるみたいに見えます‥‥‥」
「そのつもりはないさ」
「‥‥ウソつき」
「何なんだよ一体?」
「馬鹿!」
「何だと!?」
「人の気も知らないでムリするなって言ってんの!もし先輩死んだりしたら‥‥‥」
「何だよ」
「‥‥‥‥いえ、やっぱ言うの止めときます。今は」
「何だ。気になるだろ」
「先輩‥‥‥やっぱり馬鹿です‥‥」
「なんだお前?」
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*無限桃花~嵐の前に①~
「せんぱ~い!生きてますかぁ?」
「当たり前だ馬鹿。縁起でもない事いいやがって」
「あ~。相変わらず可愛いげない所みると大丈夫そうですね」
黒丸は都内某所にある個人病院に入院していた。『ヤタガラス』の息がかかったそこは院長始めスタッフのほとんどがヤタガラスメンバーである。出動回数が多く戦闘での負傷が多い『ヤタガラス』は指令室にも医療スタッフが居るが、手に負えない場合はここへ収容される。
今回のように重傷の場合は緊急医療設備のあるここへ直行で送り込まれるのだ。メンバー用のベッドを用意しておけば貴重な人材がたらい回しにされる事も無い。
「お前はどうしてた?相変わらず餓死寸前か?」
「怪我人のクセにホント変わらないですね先輩。桃花さんには物腰柔らかいのに。」
「そうだ。その桃花さんはどうしてる?」
「昨日起きました。今はもう帰ってるんじゃないですか?」
地下での闘いの後、そこから救出された桃花は指令室で眠り続けた。
目覚めたのはつい先日の事であり、実に二日もの間桃花は意識を取り戻せずにいた。だが、その間に肉体のダメージはほぼ全快に近いレベルまで回復し、今はまったく闘いの疲れや怪我は無い。
救出された当初は傷だらけだったが、桃花には治療の必要は無かったのだ。医師が手を出せないほどの回復力を見せていたのだから。
「もう動けるのか‥‥?結構な怪我だと聞いてたが‥‥」
「あの~先輩‥‥?実は桃花さんが話があるって言って‥‥明日ここで会えないかって‥‥」
「話?構わんがどうした?」
「あの~先輩。実は‥‥アレ。桃花さんに言っちゃいました‥‥」
「アレ?アレってまさかお前の妄想の事か‥‥?!」
「そうなんです‥‥‥‥」
「この馬鹿‥‥‥」
「でも‥‥桃花さんのほうが最初に言い出したんですよ。彼方を止めなきゃ‥って。それでどういう事か聞いてる内に‥‥つい」
「それで‥‥桃花さんはなんて?」
「いや‥‥意外とすんなり聞いてたんで驚いたんですけど‥‥もっと驚いたのが桃花さんも似たような事考えてたらしくて‥‥」
「お前の推理はあながち間違いじゃないかも‥‥って事か。どういういきさつでそう思ったかは知らないが」
「桃花さんも‥‥‥何か急に悟ったように言い出したんで、ちょっと怖かったんですよ。
あと、例の天狗の件なんですけど‥‥」
「何か進展は?」
「それがおかしいんです。今までは結構活発に都内に出入りしてた寄生が今は出ていく一方で。新たに侵入してくる寄生はほとんどいません。静かなもんです」
「出て行く?どこへ?」
「知る訳ないじゃないですか。都内しか観測出来ないんですから」
「そうだよな‥‥」
「寄生された人間もガンガン出てってるんで、このペースだと目に見えて人口減りますよ。いままでこんな事無かったじゃないですか。これって多分‥‥」
「急に一定の動きになりはじめた。つまり連中の行く先に婆盆が居る可能性があると考えたんだな?」
「そうです。しかもな~んかイヤな予感するんですよね‥‥。連中が集まった所で桃花さん一人に対抗出来ない。出来るとしたら婆盆みたいな四天王だけ。たとえ影糾を護衛するったって、盾にもならない連中集めても意味は無いし。きっと別の意味ありますよ」
「だろうな‥‥‥。解った。上と掛け合う。今の制度じゃどうにもならない」
「先輩‥‥。明日退院ですよね?」
「ああ。今でもいいんだがな」
「ダメです!ホントはまだまだ先のハズなのに‥‥‥。院長に無理言ったんでしょ?」
「‥‥‥バレてたか」
「あんまり無茶しないで下さい」
「分かってる」
「‥‥‥‥ウソつき」
「何?」
「前も似たような事ありましたよね?大ケガして入院して‥‥‥その時ももう無茶しないって‥‥言いましたよね?」
「言ったか?そんな事?」
「覚えてるクセに!いつも生返事ばっかりで!どうせまた無茶するんでしょ!」
「何怒ってんだよ」
「だって‥‥‥心配なんです。このままだと先輩‥‥死んじゃいますよ。わざと無茶してるみたいに見えます‥‥‥」
「そのつもりはないさ」
「‥‥ウソつき」
「何なんだよ一体?」
「馬鹿!」
「何だと!?」
「人の気も知らないでムリするなって言ってんの!もし先輩死んだりしたら‥‥‥」
「何だよ」
「‥‥‥‥いえ、やっぱ言うの止めときます。今は」
「何だ。気になるだろ」
「先輩‥‥‥やっぱり馬鹿です‥‥」
「なんだお前?」
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