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無限桃花外伝~空想の果て~ - (2010/02/24 (水) 20:20:09) の最新版との変更点

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*無限桃花外伝~空想の果て~ 400 名前:無限桃花外伝~空想の果て~ ◆wHsYL8cZCc [] 投稿日:2010/02/24(水) 20:15:47 ID:6OsO8DVX  彼は今日も携帯の画面を見つめている。  仕事から帰り、酒の肴の缶詰とスーパーの半額惣菜をテーブルに並べ、酒を煽りながら2ちゃんねるを巡回する。  肴が無くなったら買い置きしてある冷凍ウドンやラーメンを食べれば、夕食としては十分なカロリーだろう。  食べながらも彼はレス画面を開き文字を打ち込んでる。もはや日課だ。  今日もいつもと変わらぬ作業を繰り返す。また投下は夜中になるだろう。そして次の日はまた寝不足だ。  それも、彼にはいつもの事だった。  彼は発泡酒の500ml缶を飲み干し、汚いゲップを出す。この程度では酔ったりはしないが、やはり文章を打つ作業にはマイナスだろう。  彼は一旦画面を閉じ、目頭を押さえた。疲れが貯まっている。しかし辞める訳には行かないのだ。  再び画面を開き、発泡酒のプルを引く。続きだ。 「ふふ‥‥またお酒飲みながら書く訳?私達の事も考えてよ」  その声は突如聞こえて来る。ありえない声。この世界には存在してはいけない声が、彼の背後から響いた。 「‥‥‥ウソだ。ありえない」 「そうね。ありえない。でも、私はここへ来たの」 「‥‥‥桃花」 「ふふ。驚かないでよ。毎晩会ってたじゃない」  目の前に現れたのは、間違いなく無限桃花。先程まで、彼が書いていたはずの‥‥‥ 「なぜ‥‥‥お前がここへ? 「何言ってるの。あなたが呼んだんじゃない。私の続きを書く為に‥‥」 「なんだって‥‥‥?」 「はは。あなたが呼んだのは間違いない。それを実現させる為の力‥‥。あなたは持ってるじゃない」 「‥‥そうか」 「理解出来たみたいね」 「ああ‥‥」 「さぁ。早く続きを書いて。私は長くここにはいられない。あなたの力も‥‥いいえ、全ての人が持つ無限の力ははかないものなの。知ってるでしょ?」 「‥‥すまない。あんな事になって‥‥」 「なんの事?あなたはまだそれを書いてないでしょ?私の未来はまだ確定してない。すべてはあなた次第。あなたの無限の力で未来を造るの」 「いいのか?それで‥‥」 「ふふ、いいんじゃない?それもあなたが決める事よ。あなたの無限桃花は、あなたが造るしかない。だから私がそれでいいのか、イヤなのか‥‥それもあなた次第」 401 名前:無限桃花外伝~空想の果て~ ◆wHsYL8cZCc [] 投稿日:2010/02/24(水) 20:17:58 ID:6OsO8DVX 「じゃあね。時間みたい。さよなら」 「え‥‥?ちょっと待ってくれ!まだ‥‥話したい事がある。沢山あるんだ!」 「その必要は無いわ。だって私はあなたが造るんだから。話したい事があったら‥‥その話を書けばいい」 「そんな‥‥待ってくれ!」 「じゃあね。続きを待ってるわ」 「桃花!」  桃花は消え去った。  後には何も無い。いつもと変わらない空き缶と肴の皿だけ。  刹那、もうひとりの姿が見えた気がした。床まで届きそうな蒼い髪をした少女だ。  ‥‥‥いや、これこそ幻だろう。彼はそう考えた。  彼は冷凍ウドンを電子レンジにほうり込み、スイッチを入れる。出来上がるまで5分。その5分すら彼には惜しい時間だ。  再び携帯お画面を見た彼はキーを押し続ける。  無限桃花に会う為に。 ---- [[無限桃花~落つる天~まとめに戻る>無限桃花~落つる天~]]
*無限桃花外伝~空想の果て~  彼は今日も携帯の画面を見つめている。  仕事から帰り、酒の肴の缶詰とスーパーの半額惣菜をテーブルに並べ、酒を煽りながら2ちゃんねるを巡回する。  肴が無くなったら買い置きしてある冷凍ウドンやラーメンを食べれば、夕食としては十分なカロリーだろう。  食べながらも彼はレス画面を開き文字を打ち込んでる。もはや日課だ。  今日もいつもと変わらぬ作業を繰り返す。また投下は夜中になるだろう。そして次の日はまた寝不足だ。  それも、彼にはいつもの事だった。  彼は発泡酒の500ml缶を飲み干し、汚いゲップを出す。この程度では酔ったりはしないが、やはり文章を打つ作業にはマイナスだろう。  彼は一旦画面を閉じ、目頭を押さえた。疲れが貯まっている。しかし辞める訳には行かないのだ。  再び画面を開き、発泡酒のプルを引く。続きだ。 「ふふ‥‥またお酒飲みながら書く訳?私達の事も考えてよ」  その声は突如聞こえて来る。ありえない声。この世界には存在してはいけない声が、彼の背後から響いた。 「‥‥‥ウソだ。ありえない」 「そうね。ありえない。でも、私はここへ来たの」 「‥‥‥桃花」 「ふふ。驚かないでよ。毎晩会ってたじゃない」  目の前に現れたのは、間違いなく無限桃花。先程まで、彼が書いていたはずの‥‥‥ 「なぜ‥‥‥お前がここへ? 「何言ってるの。あなたが呼んだんじゃない。私の続きを書く為に‥‥」 「なんだって‥‥‥?」 「はは。あなたが呼んだのは間違いない。それを実現させる為の力‥‥。あなたは持ってるじゃない」 「‥‥そうか」 「理解出来たみたいね」 「ああ‥‥」 「さぁ。早く続きを書いて。私は長くここにはいられない。あなたの力も‥‥いいえ、全ての人が持つ無限の力ははかないものなの。知ってるでしょ?」 「‥‥すまない。あんな事になって‥‥」 「なんの事?あなたはまだそれを書いてないでしょ?私の未来はまだ確定してない。すべてはあなた次第。あなたの無限の力で未来を造るの」 「いいのか?それで‥‥」 「ふふ、いいんじゃない?それもあなたが決める事よ。あなたの無限桃花は、あなたが造るしかない。だから私がそれでいいのか、イヤなのか‥‥それもあなた次第」 「じゃあね。時間みたい。さよなら」 「え‥‥?ちょっと待ってくれ!まだ‥‥話したい事がある。沢山あるんだ!」 「その必要は無いわ。だって私はあなたが造るんだから。話したい事があったら‥‥その話を書けばいい」 「そんな‥‥待ってくれ!」 「じゃあね。続きを待ってるわ」 「桃花!」  桃花は消え去った。  後には何も無い。いつもと変わらない空き缶と肴の皿だけ。  刹那、もうひとりの姿が見えた気がした。床まで届きそうな蒼い髪をした少女だ。  ‥‥‥いや、これこそ幻だろう。彼はそう考えた。  彼は冷凍ウドンを電子レンジにほうり込み、スイッチを入れる。出来上がるまで5分。その5分すら彼には惜しい時間だ。  再び携帯お画面を見た彼はキーを押し続ける。  無限桃花に会う為に。 ---- [[無限桃花~落つる天~まとめに戻る>無限桃花~落つる天~]]

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