久遠20の質問

Q1:我々は先祖伝来のものによって形作られます。顔つき、肌の色、身長、体格、種族、素質でさえ親から子へ伝わる遺伝子に影響されます。
また、思想は自身の人生と先祖伝来の文化に関する情報を両親によって教えられます。
キャラクターの出身地はどこですか? その家系の由来は何ですか? 両親はどんな人ですか? 両親から何かを受け継ぎましたか?

「シアトル出身だ。
 両親の顔は知らない。気付けばレドモンド地区に一人、置き去りにされていた」
「なので、受け継いだもの、等は存在しない」
「ストリートの泥の中を這いずっていた頃、気紛れで俺を拾ってくれたのが師だった」
「剣術を始め、戦い方の基礎を師が叩き込んでくれたから、今俺は生きていられる」

中の人より:孤児としてストリートの最底辺を生きていた久遠は、当時の記憶の殆どを欠落しています。
 彼の中にあるのは、気紛れに自分を拾ってくれた剣の師である老人との出会い以降の自分です。
 剣士としてはともかく、人間的には欠陥だらけの師ではありましたが、大人になっても久遠は彼を尊敬しています。


Q2:両親は子供を誇りに思うか、または出産したことを後悔することができます。愛している人ものいれば、無関>心な人もいます。
両親は皆、メタヒューマンにすぎず、子供に関する自身の意見があります。話すかもしれないと仮定する場合、両>親はキャラクターに関して何を言うでしょうか?

「特に興味はないな。
 お互い、相手が生きているかも判らないんだ。どういう事情があったにせよ、今更言う事があるとも思えない」
「一方で、師が何を言うかは簡単に想像がつく。『相変わらず、才能の欠片もない未熟者め』。むしろ、これ以外が浮かばんな。何も言わずに叩きのめされる、はあるかもしれんが」

中の人より:出会いから数年、虐待まがいの修行を行っていた師匠は、「旅に出る」と書置きを残して姿を消しました。
 以来音信不通ですが、久遠は今もどこかで、師らしく生きていると確信しています。

Q3:多くの人々は生涯の中で特定の歴史的な出来事を覚えています。21世紀初頭の10年内に生きている者にとって、ジョン・F・ケネディの暗殺や天安門事件、ベルリンの壁の崩壊、あるいは2001年9月11日の同時多発テロになるでしょう。最初にこれらの出来事について聞いたとき、自分達がどこで何をしていたかを覚えています。
『シャドウラン』の歴史には、ダンケルザーン大統領の暗殺やクラッシュ2.0、テクノマンサーとAIの出現などの重大な出来事があります。
最近の『シャドウラン』の歴史から出来事を選び、キャラクターに尋ねます。その時どこにいましたか? その出来事を覚えていますか? 何をしている時でしたか?

「クラッシュ2.0の時が一番記憶に残っているな。
 当時は、師が姿を消し、荒事の腕でストリートギャングとしての生きていた。チームに家族と認められた頃だったが、街中が大騒ぎで、歳下のメンバーを落ち着かせるのに苦労した」

中の人より:師と別れた後、久遠は腕っ節を活かしてストリートギャングに加わりました。
 歪な形ではあっても、彼にとって初めての『家族』であり、彼なりに大切に考えていました。

Q4:シャドウランナーになることを選ぶ人々はほとんどいません。おそらく、それは混沌で冷淡な世界に人生を投じることだからです。
影に入ると意識的に決断したとしても、その決断は周囲の世界による影響を受けています。
キャラクターはどうやってシャドウランニングを行なうようになりましたか? なぜその道を行くことになりましたか?

「……よくある話だが、属していたストリートギャングのチームが全滅し、俺一人が生き残った」
「学んだ事は、生きていくにはより強い力が必要だって事だ」
「だから、それを求めて影の世界に飛び込んだ」

中の人より:チームが壊滅し、大事な家族を守れずに生き延びた久遠は、更なる『力』
を求めて影の世界に飛び込みました。
 無謀なランを繰り返す中、出会ったのが今も世話になっているフィクサー、『ご隠居』ことカザワです。

Q5:人々は自身の生活アレンジメントを管理します。
クレヨンとテープをいっぱいに使いきるほどの幼児から家族写真と猫の絵を壁一面に張りつける年配の寝たきり病人まで、誰もが自身の生活空間は自身にとってより快適なものにします。
キャラクターの生活空間は何に似てますか? 独自のものにするために何かを加えたり変更しましたか?

「ダウンタウン地区の外国人街、その外れにあるマンションの一室で暮らしている」
「師と暮らしていた頃から、日本に対する憧れがあるんだが……シアトルで和風を生活様式に取り入れようとすると、どうしても金がかかるからな」
「客間や居間はマンションのデフォルトのままだが、自室は和風で統一している」

 中の人より:基本的に質実剛健な生き方の久遠ですが、日本文化への拘りはその例外です。
 自室は畳敷きの上、床の間を作って水墨画の掛け軸を掛け、刀台を置いて脇差と刀を安置している上、香を焚いて座禅を組むのを日課としています。
 ただ、憧憬が過ぎるせいか、純粋な和風というには大げさなそれになっています。

Q6:誰にも信念があり、多くの信念は確信といってもじゅうぶんなほど堅固です。宗教的なもの、政治上のもの、社会的なもの、あるいはそこにいる理由だったりします。
キャラクターの何を信仰しますか?(もしあれば)信念は何ですか? そしてなぜそれらを抱いているのですか?

「信念・信仰という程ではないが……強いて言えばプロのランナーである事、か」
「ある人に言われた。影の世界で生きたければ、プロフェッショナルであるべきだと」
「プロの定義も様々だろうが、俺は『一般人に被害を出さない事』を第一にしている」
「SINを持つ一般人、特に非武装のそれをランに巻き込めば、警察企業等余計な面倒事を増やす事になるからな」

中の人より:プロであるべき、は『ご隠居』より教わった考え方です。
 さらりと述べていますが、一般人を巻き込まない事に対する拘りは、それで久遠自身を危険に晒しても構わない、というレベルで徹底しています。
 またこれ程ではありませんが、チームの仲間を裏切らない、という事についても、ひどく拘っています。
 これらの拘りに、過去のトラウマが関係しているのは間違いないでしょう。


Q7:誰にでもその人柄の一面が気に障る人がいます。親友同士でさえ時々一方を苛立たせます。性格の欠点は資質と同じぐらい重要です。
キャラクターの人柄に関して何が最も嫌ですか?

「ランナーである以上、値踏みされたり駒として扱われるのはやむを得ぬ事は理解している」
「が、礼節もなく、こちらをそれだけとして扱う相手に対しては、好意的である必要を感じない」


Q8:第六世界は大衆によって制御しきれず空転していると考えられています。制御できるとしたら『10大』のAAAメガコーポでしょう。
これらの多国籍企業は、2070年代に日常生活への多くの影響を及ぼします。
キャラクターが最も高く(あるいは最も低く)配慮しているのは10大のどこですか? もっとも好ましくないものはどこですか? そして、その理由は何ですか?

「アレス重工の動きは注視している。未だ明確になっていないが、その一派閥は、俺に対して含む所があるらしい」
「仕事上、ビッグA――アズテクノロジーとは何度か対立している。必ずしも敵視している訳ではないが、警戒は必要だと考えている」

Q9:人々は知人と友人を作るため変化しにくいです。人間は社会性動物です。
これは知人以外にあなたが持っていない力を借りることができるのような影では特に正しいことです。関係あるすべての人の背景に物語があります。
キャラクターとコンタクトの間の物語は何ですか?

「影の世界に足を踏み入れたばかりの頃、無茶なランを請けては死にかけ、手に入れた金でサイバーウェアを埋め込んでいた」
「そんな俺に、『ランナーとして生きたいならプロであるべきだ』と説いてくれたのが、ある仕事で知り合ったフィクサーの『ご隠居』殿だ」
「ランナーとしての基礎を教わり、サムライの端くれになれるまで、何くれと面倒を見て頂いた」
「無論親切心だけでなく、手駒のランナーを増やしたかった、という一面がある事は理解している。が、それでも恩はあると思っている」

Q10:日曜日の朝です。キャラクターには翌日の午後まで予定がありません。
その日は何をしますか?

「最初に洗濯や部屋の掃除等、溜まっていた家事を片付ける。
 それが終われば、日課の瞑想を行った後、装備やサイバーウェアの定期メンテナンスと、銃や近接戦闘のトレーニングだな」


Q11:あなたのキャラクターは何を知っていて、ノウハウがある範囲はどこかを定義する能動技能と知識技能のリストで示される特定の技能のセットがあります。
どのようにしてこれらの技術を習得するようになりましたか?  そして、どのようにしてそれらのレベルを上昇させましたか?

「戦闘技術の基礎は、幼少時に師より学んだ」
「『お前には才能なんてない。剣だけで生きていけるわけがないだろう』とよく怒鳴られ、銃や素手の基礎も文字通り叩き込まれた」
「その後は、実戦を通しての我流だな。隠密行動や、周囲を知覚する術も生き残るには必要だから、覚えた」

中の人より:幼少時、師匠が課した修行は虐待とも言える過酷なものでした。
      それでも感謝しているという辺りに、子供がスラムで生き延びる難しさが表れていると思います。

Q12:誰しも限界があります。後ろ暗いことがある人もいますが、多くの人々の本能は特定の行動と思考に一線を画し、自身の道徳的な信念を保ちます。
あなたのキャラクターは受けた仕事を実施するにあたって道徳的な限界はありますか? そして、どんなシャドウワークに従事することを拒否しますか?

「非武装の一般人が標的だったり、彼らを巻き込むような、暗殺・破壊工作に類する依頼は断っている」
「依頼人が企業だろうと犯罪組織だろうと構わんが、影の世界の揉め事は影の世界の住人で片付けるべきだ」

Q13:もし覚醒者やテクノマンサーのキャラクターだった場合、あなたの様式やストリームを考えてください。
メジャーな確立された魔法様式や最近出現したテクノマティックなストリームの中でさえ、個別化の余地があります。何がその特別なパラダイムに引きつけられたのか自身に尋ねてください。 
それはどのように世界と魔法を見る方法に作用しますか? それはどのように導師精霊やパラゴンの選択に翻訳されますか? 
そして、それはどのようにあなたが召喚したり、コンパイルする精霊やスプライトの外観に影響しますか?

「生憎、そういった天賦の才は持ち合わせていない」


Q14:承認とバイアスは場所によって異なりますが、人体強化――サイバーウェア、ジーンウェア、ナノウェア、バイオウェア――は第六世界でますます一般的で利用可能です。
しかしながら、個人への技術的強化はそれほど安いわけではなく、ランナーの所持している多くの移植機器が制限されています。
どのようにしてあなたのキャラクターは人体強化を持つようになりましたか? どのように代価を支払いましたか? そして、(キャラクターが選択したなら)何がその選択を動機づけましたか?

「既に答えたように、生きる為に更なる力が必要だった」
「代価は仕事で稼いだ。今思えばバランスの破綻した仕事ぶりだったが、生きる術だったからな。人間、やれば出来るものだ」


Q15:シャドウランナーの人生は定義上「正常な」人生の領域の外にあります。スラムや大邸宅に住んでいるか否かに関係なく、シャドウランナーは世間一般の人々の人生にまったく収まりません。
あなたのキャラクターは平凡な人生や主流の文化、それらにとどまる人についてどう考えますか?

 「それらは、俺が生きているものとは別の世界の話だ。たまさか、触れるには興味深いものではあるが、根本的に俺とは相容れない」
 「かといって、どちらが優れている、という話でもない。単に『違う』だけだ」

中の人より:ストリートで生きて死ぬのが自分の人生であると、久遠は思い定めています。
      そんな彼にとって、光の世界は文字通り『異世界』であり、自分とは縁のないものであると、自然と考えています。


Q16:誰もが悪夢を見ます。目覚めとともに完璧に夢を忘れるときもあれば、脳裏を去らなかったり回想される悪夢もあります。
あなたのキャラクターに長引く悪夢や根強い恐怖があるのなら、それはいったい何でしょうか? そして、なぜそれが恐ろしいのかがわかりますか?

「ふむ……。すまん、回答を拒否する」

中の人より:ストリートギャング時代、『家族』を守れなかった事はトラウマとして久遠の中に焼き付いています。
      それが『よくある事』だと表層では納得し、割り切っているかのように振舞っていますが、時折夢に見る事はあるようです。

Q17:人々は彼等の所有物や近くにいる人々に感情的な価値をつける傾向があります。彼等はこれらを間近にあって安全であることを保つために努力します。
あなたのキャラクターの「神聖な物」や「近しい人」とは何ですか? そしてそれらはどのような由来でキャラクターにとってとても重要なものになりましたか?

「近しい人、については。強いてあげればよくチームを組むランナー達だろうが、ここで語るには迷惑がかかる可能性がある。控えさせてもらおう」
「神聖なもの、というわけではないが、日本の文化、特に禅の思想や、武士道には惹かれるものがある」
「ただ、それがどういうものか、口で説明するのは難しい。――修行が足りないな」

Q19:人の外観は多くのことを語ります。ファッションセンスから、好みの色、歩き方やしゃべり方までです。人柄が外観を決めることもあれば、世界を選ぶ外観が人柄に影響することもあります。
あなたのキャラクターは何に似ていますか? そして、何が彼の選択を示唆しましたか?

「特に、模倣した個性等はないな」
「ファッションは良く判らん。服装については、防寒性や収納の多さといった機能性で選んでいるが」
「色?……目立たない事と、夜間の隠密行動用に、黒系統を選ぶ事は、多い気がする」


Q20:誰にでも名前はありますが、ランナーの通り名は影との繋がりの表現です。
ランナーは自身のあだ名を選ぶ場合もありますが、より多くがあだ名として与えられるか、(悪い)珍しい出来事を通して得ます。
あなたのキャラクターはどのようにして通り名が知られるようになりましたか?

「本名、というのを持った事はない。その時名乗っている名と、偽造SINに書かれた名前くらいか」
「今は久遠と名乗っている。確か東洋の宗教用語だったと思うが、深い意味はない」
「ランナーとして最初の仕事で名乗った名前が、そのまま定着し、他を考えるのも面倒だったから、それを名乗っているだけだな」
最終更新:2019年07月12日 22:04