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128 - 衆 - 大蔵委員会 - 2号 平成05年11月09日


米田委員 
 税制論議が、所得減税イコール消費税増税とセットで論議をされているというふうに思います。政府税調の論議は現在報道されているとおりなんですか、大臣。
藤井国務大臣 
 これは税制調査会のことでございますから、私がとやかく申し上げるのはいかがかと存じますが、私が国会なりでお答えしていることをもう一度繰り返すならば、税制調査会は、今後の経済社会あるいは福祉のあり方等々を見渡して、我が国の税制のあり方の基本的理念を御議論になっていると考えております。
米田委員 
 新聞報道によりますと、所得減税を先行実施して、タイムラグを置いて消費税の増税を平成六年三月に行う方針と言われておりますが、これはどうでしょうか。
 また、消費税を上げれば当然消費が落ち込むことが予想されるわけでありまして、今回の不況の要因の一つが、先ほどからの論議のように消費支出が伸びないことと言われているわけでありますから、所得減税を行っても、景気が回復しないと思えば、将来の生活への不安からかなりの部分が貯蓄に回ることになるとの各所の試算も行われているわけでございます。現に大蔵省の従来の主張はたしか、減税をしても貯蓄に回るので景気対策としては減税は効果がないという御主張であるというように理解をしておりますが、仮に五兆円程度の所得減税を行った場合に、政府としてはどれだけが消費に回り、どれだけが貯蓄に回る、こんなふうな試算はされておられますか、大臣。
藤井国務大臣 
 細かい数字の話は、もし必要であれば事務当局から答えさせますが、私はさっきから申し上げているように、所得減税というものが経済に全く効果がないということはあり得ないわけです。ムード的にもいいことはもう間違いないわけであります。
 ただ、御指摘のように減税をしたらどれだけ消費に回るかということについては、今先行きの見通しが非常に難しい段階においてそんなに多く消費には回らないだろうという一部の議論というか、相当の議論は、これは正しい面を含んでいるように思っております。しかし、減税論者が言っておられるように、やらないよりやった方が非常にムードが明るくなるという、そのアナウンスメント効果を否定してはいけないと考えております。
米田委員 
 タイムラグを置いて消費税率のアップを図るというのは、これは間違いないですね。
藤井国務大臣 
 そのようなことは一切承知をいたしておりませんし、私の国会の議事録をお調べいただいても、そういうことは一切申しておりません。
米田委員 
 今そういう大臣のお答えでございましたが、ここでひとつ政府と政府税調の関係について、改めて確認の意味でお尋ねをしてみたいわけであります。
 政府税調とはそもそも何を行う機関でありますか。
藤井国務大臣 政府税調は内閣総理大臣の諮問機関でございます。内閣としていろいろな税制の方向を御議論いただくときに、有識者として税制調査会の御意見をいただくことは極めて大事なことだと考えております。しかし、物を決定するのは政府であり、また連立与党を中心としたこの国会の各党の皆様の御意見のもとに決定するものと考えております。
米田委員 
 細川総理は、所信表明演説や我が党議員の代表質問あるいは予算委員会等での質問に対する答弁で、政府税調の検討結果を尊重すると再三発言しておられますが、大臣、そのとおりですね。
藤井国務大臣 
 そのとおりでございます。ただ、総理が言っておられますように、税制調査会で基本的な物の考え方を御討議いただき一定の御結論をいただこうという段階において、お願いした立場の者が、自分たちはこう思うということを余り軽々に言うことはいけないというのが総理の御意向だと思っております。
米田委員 
 そういうお答えをしていただいているわけでありますが、重ねてお尋ねしてまいります。
 新生党の愛知議員は政策幹事というお立場だと聞いておりますが、その役割はどういう役割なのでしょうか、党内で。大臣も新生党の所属でいらっしゃるので伺いたいのです。
藤井国務大臣 
 私は実は連立与党の中のいろいろな細かいお役割については承知をいたしておりませんので、お答えできないことをお許しいただきたいと思います。
米田委員 
 十一月五日の新聞報道によりますと、政府税調は専門的、技術的に調査をして意見をまとめるのが役割で、その答申で政策的方向づけまですべきでない、それは政治の仕事だと、はっきりと政策幹事である愛知議員が政府税調の事務局であるところの大蔵省に注文をつけたという報道がございました。細川総理は政府税調の総会で、所得税減税を含めて直間比率の是正等税制の抜本的改革について十分な審議をいただき、適切な指導を賜ることをお願い申し上げる、私は税制調査会での検討の成果を尊重してまいりたいと。いわば政府税調に全面的にげたを預けている、こんなふうに理解できる発言をしておられると思うのですね。この政策的方向を示すべきでないとする愛知政策幹事と総理の発言のどちらを大臣はおとりになるのか。
藤井国務大臣 
 私は、それは同じことを言っておられるように思います。当然のことながら、総理が諮問されるに当たっては、繰り返しになりますが、今後の経済社会の中において、また活力ある福祉国家を築いていくためにどういう税制がいいのかということを聞かれた。そして、聞かれた以上その御結論を尊重するというのは、これは当然のことだと思います。したがって、そういうことを総理が国会でたびたび答弁されていると思います。
 しかし、同時にまた、その税制調査会の今の御議論というのは、物の考え方の基本を今議論されているように思いますが、その中で、具体的にどういう仕組みというのでしょうか、それを取り込んでいくか。例えて言えば数字など、これは政府が責任を持って、国会に対して責任を持って決めていくものであると考えております。
米田委員 
 大臣の解釈は承りましたけれども、それにしても、政府税調の幹部が減税規模や消費税率について、あたかも所得税減税と消費税率アップが既にセットで決まったかのような、私見とはいえ、予断を与えるような発言をいろいろな場所で、あるいは雑誌等でも報道関係におきましても繰り返しておられるわけでありますが、これについてどう思いますか。ちょっとしゃべり過ぎではないですか。
藤井国務大臣 
 私は、個々の方がどういう意見を言っておられるか全く承知をいたしておりませんもので、その点については一切責任を負いかねます。しかし、最終的に国会に対して責任を持っているのは私であるということを改めて申し上げます。
米田委員 
 景気回復の先行きが見えにくいとき、もし仮にこのタイムラグを置いたところの消費税の引き上げと引きかえの所得減税が行われるとするならば、その効果が半減されるばかりか景気回復の足を引っ張ることになりかねないというふうに考えます。したがって、消費税の引き上げと所得減税のセットの議論について反対の意見を申し上げておきたいと思います。
 次に、この際、私見でありますが、私案でありますが、ちょっと大臣に提言をしてみたいというふうに考えておるわけであります。
 一回限りの金券による所得減税を行ってはどうか。一世帯十万円なら約五兆円規模としまして、金券には三カ月程度の使用期限をつける。そして、この金券は買い物、旅行、飲食等あらゆる消費に利用できるけれども現金との引きかえはできない、こういう仕組みをつくれば、限られた期間内に全額が消費に回り、確実に消費拡大、GNPプラスに貢献すると思うのであります。財源は、すべてが消費に回るため、短期償還の国債でも容認されるのではないでしょうか。本格的な所得減税と税制改革は一年間経済の情勢を見ながらさらに検討を行うということで、減税の実施は担保しておく。
 この方式ならば、後から消費税の引き上げがついてくる所得減税よりはるかに景気対策として有効ではないかと思うのです。詳細は承知しておりませんが、かつて米国政府が小切手をもって今申し上げたような減税を実施したという話も聞いているわけでございますが、ぜひ検討されたいわけであります。大臣のお考えをお尋ねしたいと思います。
藤井国務大臣 
 貴重な御意見だと思うのでありますが、一種の戻し税だろうと思うのです。戻し税というのは昭和五十二年と五十三年と五十六年と三回やったと思うのですが、いずれもこれは総括して評判が物すごく悪いのですね。すごく評判が悪いのです。
 そういうことなどを考えますと、しかもこれは残念ながら一過性なのですね。そういう意見を私は持っているということをあえて申し上げさせていただきます。
米田委員 
 せっかくの提案でございましたが、一蹴されました。私も研究をいたしますが、大臣ももうちょっと真剣に考えてください。
 次に、相続税についてお尋ねをいたします。
 ここ数年というよりもバブルの崩壊後、相続税の延納、物納が急激にふえていると思いますが、どのくらいふえているのか、またふえた要因をどうお考えかお尋ねいたします。
藤井国務大臣 
 私は、基本的には一部の地域において土地の価格が暴騰したことによって、一部の地域に非常に納税者がふえた、このように認識しております。
岸田委員 
 私は、広島一区から参りました岸田文雄と申します。先ほどの米田議員と同じく自由民主党初当選でございます。どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、私もいろいろお伺いしたいものがあるわけでありますが、まずもって大変興味の中心であります景気対策から始めさせていただきたいと思います。
 今回の不況、一説には通常の景気循環、平均十五カ月という説もあるようでございますが、そういった見地から考えましても大変深刻なものがあると思うわけであります。加えて、ことしは冷夏、災害、そして円高、公共事業の発注、施行のおくれ等々特殊な要因がたび重なりまして、先行きの方は大変暗いものを感じるわけであります。
 そういった中で、政府は九月十六日、緊急経済対策を発表されましたし、また九月二十一日には公定歩合一・七五%、これは史上最低水準であるわけでありますが、そういった決定をされたわけでありますしかるに、その後の状況を見ておりましても、平均株価二万円割れ等々の現象を見る限り、顕著な効果はあらわれていないのではないかなというふうに思う次第であります。そういった状況の中で国民の不安は大変大きいものがあると思うわけであります。
 そこで、先ほど米田議員の方からも所得税減税について御質問があったわけでありますが、私も多少表現を変えまして、このあたりをお伺いできればと思う次第であります。
 やはり、こういった厳しい状況の中で、私自身
としてはアナウンス効果のある景気対策の目玉としまして大幅な所得税減税、これは必要であると思うわけでありますが、これにつきまして細川総理も再三その答申を尊重するとおっしゃっておられますようでございます。政府税調におきましては、この場合、予算単年度主義あるいは減税食い逃げ防止の見地から所得税減税と消費税税率アップとを確約する形でセットで行うという説があるようでございますが、私自身はそれについて疑問を感じておるわけでございます。
 そもそもこの議論を聞いておりますと、直間比率の見直しというあるべき税体系という問題と景気対策とを何かごちゃまぜにしておられるのではないかなというふうに思うわけでございます。景気対策という見地から考えました場合、この所得税減税と消費税税率アップはセットで考えるということに関しては、二つの理由から疑問を感じるわけであります。
 一つは、景気対策における心理的効果という面から、また一つは、この所得税減税と消費税税率アップを仮にセットで考えてみました場合、その結果としまして高所得者層には大幅減税が結果として出てくると思うわけでありますが、中あるいは低所得者層に関しましては結果として減税効果は小さい、あるいは負担が大きくなるという結果があるのではないかと思うわけであります。
 そもそも景気対策ということから考えますと、消費の拡大を主な目的にこういった議論が行われておることから考えますと、もともと高所得者層はどちらかというと貯蓄性向が大きく消費性向の方が小さい。逆に低所得者層の方が消費性向が大きいということが言えると思うわけであります。そういったことから考えますと、この所得税減税の財源を消費税の税率アップに求めることにますます疑問を感じるわけでございます。景気対策として、消費拡大の目的のために所得税減税の財源を消費税税率アップに求めるのではなくして、財源の方は時限立法による国債の発行あるいは経費節減等の政府の自助努力あるいは景気回復時の税収アップ等々に求めるべきではないかというふうに思うわけであります。
 もともと大蔵省の方は、先ほども米田議員のお話にもありましたが、所得税減税の効果については疑問を感じておられる、反対であるというような意見ではなかったかと思うわけでございますが、そういった中で、重なる部分もあるかもしれませんが、もう一度政府税調の論議等も踏まえた上でこの辺のお考えをお聞かせいただければと思うわけでございます。よろしくお願いいたします。
藤井国務大臣 
 今岸田委員のお話のように、あるべき税制の姿と景気対策としての減税は違う、これはもうそのとおりだと思います。
 そこで、景気対策としての減税はどうかということについて、もう一度繰り返しますけれども、今まで各種の施策を講じてきて、やはり次は減税だなという話が出てくるのはこれはもう当たり前のことだと思っています。また、大蔵省が言っておりますのは、公共投資政策と減税対策はどっちが経済効果が大きいか。あれは世界経済モデルで持ってきたんだと思うのですけれども、世界経済モデルからいうと公共投資政策だということから、前政権もそちらに力を入れてこられた、こういうことですね。私がさっき申し上げたのは、それはさりながら心理的効果があるでしょうということを申し上げたわけです。
 しかし、この財源を垂れ流し的赤字国債でやるということはとても受け入れられないことだ。私は過去の、十五年間かかったわけですね。昭和五十年度補正予算のときは私は大蔵省の役人やっておりまして、このとき赤字を初めてやったんです、大平大蔵大臣の時代なんですけれども。十五年間かかった。しかも昭和五十四年度というのは経済が物すごくいいんですよ。いいにもかかわらず四〇%の国債依存度になり、そのうちの半分以上が赤字国債だったのです。これは一たんやってしまうといかに難しいかということの証左なんですよ。このことを考えますと、私はどうしても垂れ流し的赤字国債には反対であると申し上げざるを得ません。
最終更新:2013年09月15日 17:13