著作権法の存在を無視し、「出版社が原稿をどうしようと文句は言えない、
一般社会人なら当然そうあるべき」という誤った理論で
著作権法や出版界のことを知らない人を騙し、漫画家を悪者にしたてあげるのは、
セコいの一言。
もし、まんだらけ社長が著作権法や出版界のことを知らず、
本当にそう思っているのなら、
それはそれで、漫画古書専門店の社長として問題がある。
どこかの出版社の新人賞を取ったばかりの漫画家さんなら、
いやいや新人賞をとれば立派なものですから、
そうではなく編集者さんのお情けで、
たまたま穴があいた所の埋め原稿でデビューしたという新人さんならいざ知らず
大家、大御所といわれるような方達なら堂々と出版社とそうした契約は交わせるはずですし、
そうすべき社会的な義務(漫画家のステイタスの向上という意味からも)があると思うのです。
だから、契約をいちいち交わさなくても、著作権法で出版物にかんする取り決めは、
決まってるんだって!
ところが実際はそうしたずさんな原稿管理をしておいて、返却されなくても、
なくなってさえも騒がないでおいてですね、
「まんだらけが売っていたんだと、とんでもない奴だ!盗っ人め!」
では私達はうかばれません。
だから、さくら出版は、作者に倒産を知らせず、原稿をガメたまま、
責任者が逃げたんだって!
それを、漫画家の怠慢のせいにする理由がわからん!
ここからまた別の問題が始まります。
それでは何故まんだらけでこうした原稿が売られていたのでしょうか?
いまこうして書いている途中でも現実にすでに私は何十万かの原稿を買っているのです
(今日は土曜日ですので少し多いのですが)。
↑その原稿も盗品じゃないの?
今回のように問題になる原画原稿はおそらくまんだらけが取り扱う量の
おそらく1パーセントもないと思います。
じゃあ1パーセント以下なら盗品(今回のものも盗品とは決まっていないのですが)を扱ってもいいのか、
と言われるとそれは(NO)でしょう。
しかしここが問題です。
↑原稿を扱う量が全体の1パーセント以上ある方が異常。
まずは盗難品であるかどうかの選定ですが、これはかなり難しいものです。
単純に、
「漫画家の原稿が市場に出るはずがないのだから、持ち込まれる物はすべて盗品だろう」
とまあそんな風に考える方は少ないと思いますが、いらっしゃらない事もない訳です。
↑業界人や大型中古書店主なら
「漫画家の原稿が市場に出るはずがないのだから、持ち込まれる物はすべて盗品だろう」
と考えるのが常識。
世界は自分達だけで回っている状態の人達ではお話にならないのですが、
↑まんだらけ社長だって、かつては漫画家であった訳で、
「世界は自分達だけで回っている状態の人達」の仲間だった。
その上、漫画専門の古本屋という職業からも、出版業界には詳しいはずである。
盗品でない漫画家の原稿なるものも皆さんが思っていらっしゃる以上に
沢山世間には埋もれているのです。
↑ここにも、数のトリックがある。
①「埋もれている」、、、という数えることのできない物の数を
推測し引き合いに出している。
②「皆さんが思っていらっしゃる以上に沢山」という数の概念は個人によって異なり、
どれだけの数なのか明確でない。
例えば、埋もれている原稿が10万枚と考えてる人がいたとしよう、
その人にとっては「思っていらっしゃる以上に沢山」という数は10万枚以上になる。
逆に、埋もれている原稿が100枚と考えてる人にとっては、
「思っていらっしゃる以上に沢山」という数は100枚以上になる。
③原稿が返却されなかった時代の原稿と、
現在の原稿とを一緒にカウントしている。
現役の漫画家の原稿で盗品でないものは、少ないはずである。
そうしたものの多くはまんだらけの流通網が出来はじめて、初めて少しずつ世間に流通し出したのです。
これまでの原画・セル画等の流通はいわゆる(ヤミ)で行われ、
その多くが逆に盗品だったろうと想像されます。
それでどれだけ多くの漫画家の原稿・原画がヤミに消えていった事でしょう。
それは(ヤミ)であるが故にまったく問題にならなかったのです・・・出版社や漫画家が問題にしない限り。
しかしまんだらけは買い取った原画・原稿はほとんど公開します
(ほとんどと申し上げたのは売る方の事情から公開して欲しくない・・・
もちろん盗品ではありません・・・という事もありますが)。
↑まんだらけだって、東映アニメに盗品のセル画を返すよう訴訟を起こされてるし、
現に、さくら出版から流出した盗品の原稿を売っていた。
すでに、まんだらけによって、いくつかの原稿は売られてしまい、
それらはヤミに消えていった。
それに今回は、大量の原稿があったため作者の知るところとなったが、
少ない数の原稿なら、作者が知らないまま、原稿が売買されてたかもしれない。
まんだらけが正当な売買と主張する過去の売買でも、実はそれが盗品の売買で、
作者が知らないうちに、それがヤミに消えていった可能性だってあるのだ。
そういうシステムから問題がある原画・原稿が発見される場合があります。
今回の件はそういうものでしょう。
しかし今回に限って申し上げますなら、あの多くの原稿は、
まんだらけが仕入れなければどこかでヤミで取引されたか、
あるいはわけの分からない所で眠り続けていたか、最悪廃棄されていただろうと思います。
↑盗品の原稿が持ち込まれた時点で警察や作者に連絡し、原稿を差し押さえ、
、売りに来た人を警察署で調べてもらえば、被害が少なかった可能性がある。
盗品と分かっていて公開するバカがいるでしょうか?
↑盗品でも、買った当時は知らなかったと言えば、公開し売っても罪には問われない。
作者が気付いて、店頭価格で買い取ってくれれば、古物商は得をする。
つまり、金儲けのため、盗品と分かって公開する人は存在する。
私達は買い取りに最善を尽くしますが、その上であえて(公開)という光を当てる事によって、
出来る限り問題を無くして行こうと考えているのです。
その上で問題があるのなら私達はもちろん修正いたします。
商人が商品を高く早く売るために、多くの人に公開するのは普通のことである。
それは、声高らかに公言するようなことではないし、偉いことでもない。
しかしその問題の多くは他にあるのではないでしょうか?
今回私はその事を言いたいのです。
私達はこのまんだらけ流通システムに誇りを持っています。
まだまだ至らない所は沢山ありますが、ポスシステムも順調に稼動し始めております。
買い取りも近代化して、ダイレクトなコンピューター入力システムも導入しております。
こうした事によりこれまで一点一点の商品情報が曖昧だった物が
すべて明確に確認出来るようになって参りました。
今回この様な問題が浮かび上がって来ましたが、
しかし作家さん達の対応はこれまでと変わっていないのです。
↑コンピューターを導入しているまんだらけが 盗品を買わされるのは、
全て漫画家が悪いと言っているように聴こえるが、
今回の盗品売買事件とコンピューター入力システムは、全然関係ない。
ですが冒頭で述べましたように、今お話しようとしている漫画家さんは社会派マンガの大御所です。
私もよく読ませて頂いている方ですので、お話すれば必ず分かって頂けると確信しているのです。
まんだらけが態度を改めないと、
社会派マンガの大御所の漫画家さんには、
分かってもらえないと思う。
何故冒頭で弁護士に対して私があのような応対をしたのか書きます。
まずあの弁護士さんは出版社御用達の弁護士さんだと思われました。
あるいは出版社に紹介(漫画家さんが)された弁護士さんかも知れません。
初めから横柄な態度で、まるでこちらが犯罪者であるかのような扱いでした。
とてもその漫画家さんの代理人ではなかったのです。
もしそうなら私はもうお会いしたくないですね。
犯罪者のような扱いとはどういうことなのか?
「あの原稿は○○先生のものです、返して頂きたい」と弁護士が言ったことがそうなのか?
不明。
そこで
「どんな条件なら返してもらえるのか?」
と訪ねられましたので、
「直接漫画家さんとお話させて下さい」
とお願いしたのです。
↑「どんな条件なら返してもらえるのか?」という質問に対し、
まんだらけ社長がちゃんと答えなかったから、
弁護士は怒ったんじゃないのか?
ちなみに、
盗品を買った人が持ち主に 買い戻せ と言うのは違法行為らしい。
中古書店は盗品の所有権を主張し手放さず、
持ち主が店頭価格で買い戻すと言うまで待っているのが
得策である。
弁護士の「どんな条件なら返してもらえるのか?」
という質問に、
まんだらけが明確な回答をしないのは、
そういう理由からではないかと考えることもできる。
私は今回の問題をいつものように出版社任せにして、「悪者はまんだらけ」にしておいて、
お金で解決・・・はいおしまい・・にはして欲しくなかったのです。
↑私はこれを読んで、
「漫画家がお金を出し まんだらけから原稿を買い取って解決するのは当然のことだが
まんだらけは悪者になりたくない」という意味合いの印象を受ける。
まんだらけが悪者になりたくないなら、
無償で漫画家に残った原稿を返せばいいだけの話である。
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最終更新:2015年06月22日 20:25