魔剣X

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魔剣X - (2008/06/26 (木) 00:28:13) の編集履歴(バックアップ)


魔剣X

>>24-299


299 :魔剣X:2006/08/20(日)03:06:47ID:wcuM1eE+0
PS2版、魔剣爻と(おそらくストーリー同じ)

イマージュ。
別次元に存在する高位の自我。
証明された魂の存在。
約束されたはずの豊かな未来の予感。
でも「彼ら」はそれを認めない。

世界に目を向ければ、

欧州で続く無差別テロの恐怖。
追い討ちをかけるような「石死病」の猛威。
汚染されてゆく土壌、大気、そして食料。
心の支えであるはずの宗教は人々に「来世への旅立ち」を勧める。

原因不明の突然死や自殺、そして無気力により急激に国力を低下させ、死にゆくインド。

反米主義とアジアの結束を謳い、急激に勢力を拡大する中国。
西側諸国への石油供給を全面停止し、中国を支援するOPEC。
深刻なエネルギー危機と、強大な敵国の出現に態度を硬化させるアメリカ。
米中首脳会談は開始5分で決裂し、両国の激突は回避不能、第3次世界大戦まで秒読みかと思われていた。

そのような時代のなか「あなた」つまり魔剣は生み出される。
最新のイマージュ理論を応用した精神医療器具。
直接相手のイマージュに干渉し、病んだ精神を切除、矯正し修復する画期的な治療方法。
病み、壊れていくこの世界の精神を救うことさえも期待されていた。
-表向きには。

しかしその真の目的は人類破滅を裏で操る盤古の脳髄「天尊流星」を倒すこと。
天尊流星のこの世界における姿は一振りの剣。
しかしながらその本体はイマージュ世界に存在する。
魔剣でなくては天尊流星は切れない。
人の精神に干渉し、自在に操る天尊流星はもとは人を導く存在だった。
盤古の死とともにその亡骸は森羅万象となり、その肉体に湧いた蛆は人となった。
その蛆を導き、世界を滞りなく進め、全てを調和させる。
初めはそうだった。
だがしかし、盤古の死より幾万、幾千の月日が過ぎようとも人の愚かさは変わることがなかった。
天尊流星はついに人間を、その精神を自らの支配下、保護下に置くことを決断する。
しかし天尊流星は封じられた。
封剣士の一族が封じたのだった。
封剣士-それは天尊流星とともに世界を導く人間の一族。
世界の安寧秩序の為にあるときは悪人を切り、またあるときは英雄と称されるものををも殺す。
全てはただ歴史を進めるため。

<続く>

302 :魔剣X:2006/08/20(日)17:08:59ID:z7wc7qrl0
軽く用語解説
・盤古(ばんこ)世界を創造した巨人。人面蛇身とも。
 起き上がったことで世界は天と地に分かれた。
 死後、その肉体は大地に。右目は太陽に。左目は月に。息吹は風に。声は雷鳴に。
 毛は植物に。そして湧いた蛆は人間に。脳髄は全てをすべる一振りの剣になった。
・天尊流星(てんそんりゅうせい)盤古の脳髄。盤古の分身ともいえる存在。
・封剣士(ふうけんし)中国奥地の崑崙(こんろん)山脈に拠点を置く一族。
 イマージュ理論の完成前からその存在を知り、自在に操る術を持つ。
 天尊流星を用いて歴史を裏から調和させていた。その事実を知るものは少ない。

だがしかし。
天尊流星の封印は破られた。
悪心を起こした封剣士によって天尊流星は持ち去られ、封剣士の分派にして犯罪シンジケートの「三業会」へと持ち込まれた。
三業会-封剣士として世に出ることもなく、世のためと称して悪人善人、さらには己までも殺すことに嫌気がさしたものたち。
もてる術を己のために使うことを目論んだものたち。才能なく、封剣士にもなれず、死ぬことを定めらた者たち。
そうしたものが寄り集まった組織。封剣士打倒を掲げる者たちの組織。
しかし。
三業会は瞬く間に天尊流星の手中に落ちた。三業会は天尊流星の実行機関に成り果てたのだった。
そして三業会からも天尊流星が姿を消して幾年。
 
日本。金沢総合研究所。イマージュ理論の第一人者、相模広光が所長を務める施設である。
いまここで、魔剣の覚醒実験が行われようとしていた。
立ち会おうのは所長相模広光。研究員のアン・ミラー、そしてJ.J.ジョーンズの3名である。
そこへ封剣士の一人、李飛爪(リー・フェイシャオ 通称フェイ)が所長の娘、相模桂(ケイ)とその幼馴染の山城弘(コウ)をつれて来た。
覚醒実験に立ち会いたいというのだ。
コウは無理やり連れて来られたようだが。
フェイが魔剣の前に立ち、魔剣に自分のイマージュを分け与える。
人工知能に魂が入れられ、魔剣は自我を持った。
周囲のクォーク物質を触手で集め、本体を守る鎧を作り上げる魔剣。
その姿は名前にふさわしい刀剣となった。
フェイが魔剣を手にしようとしたその時。爆発音とアラートが鳴り響いた。
それと同時に硬くロックされたはずの扉をこじ開け、男が侵入してきた。
ロシア軍の軍帽、ウシャンカをかぶり、ウールの付いた襟、袖。
サディスティックな形状の黒革のブーツ。
何より異常なのは背中に背負った得物。巨大なメス。
青白い男の顔に表情はなく、鳶色の双眸が相模所長を捉える。
他には目もくれず、大股で相模所長に近づく男。
男の背後からコウが飛び掛る。厳格な祖父から質実剛健な日本男児育つべく叩き込まれた武術の数々。
結局コウはなんだかナヨナヨとした男に育ったが、武術は一人前-剣道では全国に名を轟かせていた。
が、しかし。
繰り出す技を軽く捌かれ、逆に顔面に蹴りを叩き込まれ昏倒するコウ。
男はすばやく相模所長に当身を食らわせ担ぎ上げた。
去り際、父に駆け寄ろうとしたケイに向かって、大きく口を-耳元まで裂けた大きな口から、
グロテスクな形状の舌を突き出した。
舌の先にはメスが生えていた。
次々にケイに向けてメスが発射されていく。
しかし、メスに斃れたのはフェイだった。咄嗟にケイをかばったのだ。
「血の・・・契約に従い・・君が魔剣を・・・」
そう言い残すとフェイは事切れた。「いやぁぁぁッ!!」
慕っていた家庭教師を目の前で失い、錯乱するケイ。
フラフラと立ち上がり、魔剣をその手にする。
魔剣を振りかざし、振り返るケイ。その顔からは全ての感情が消えていた。



192 :魔剣X:2006/09/14(木)13:34:37 ID:cpUxYe6F0
父を取りもどすため、襲撃者を追うケイ。
行く手を阻む三業会の構成員を打ち倒し、ヘリポートにまでたどり着いた。
そこには先ほどの襲撃者、八卦アンドレイが待っていた。
ケイが来たことに気づくと、めんどくさそうに立ち上がり、地面につけていた膝の埃を払い落とすアンドレイ。
すばやく口からメスを乱射し、ケイに切りかかった。
しかし三業会の構成員のイマージュを喰らい、成長した魔剣の敵ではなかった。
切り伏せられ、その場に倒れる八卦アンドレイ。
ヘリポートからは今まさにヘリが離陸したところで、最早追うことは出来ない。
ヘリの中に父の姿を見たケイは、その場に倒れるのだった。

その後再び研究室内へと運ばれたケイ。アンとJ.J.ジョーンズの解析によって、
ケイのイマージュは魔剣のイマージュと同居した状態にあり、ケイの体の主導権が魔剣に握られていることを知る。
そこへ魔剣開発計画の出資者で、封剣士の長老である李護手(リー・フウショウ)から連絡が入る。
先ほどおきた騒動の顛末を護手に伝えると、そのもの達が現在の世界荒廃を裏から操る天尊流星の手下であり、魔剣が天尊流星打倒の切り札であることを告げる。
事情をうまく飲み込めないコウたち3人だが、護手は魔剣に相模博士奪還と、天尊流星を討つことを命じる。
反発する3人だったが、魔剣に取り込まれたケイの意思もあって、魔剣は行動を起こすことになる。

194 :魔剣X:2006/09/15(金)03:18:48 ID:8+XHJPTG0
他者のイマージュを喰らい、脳を乗っ取る魔剣の力、ブレインジャック(以下BJ)。
護手は魔剣に八卦アンドレイの肉体を奪い、敵に関する情報を抽出するように命じる。
ケイのイマージュが魔剣と一体化していることから、BJに反対するアンだったが、ジョーンズは魔剣がケイの肉体から離れることで元に戻るのでは?と賛成する。
八卦アンドレイをBJする魔剣。太刀の形状をしていた魔剣はまばゆい閃光とともにその形状を巨大なメスへと変える。
それと同時に倒れるケイの体。アンとジョーンズは計器を見ていたが特に変化はなかった。
護手は魔剣に香港へと向かい、フェイの妹である李飛扇(リー・フェイシャン)と接触した後モスクワへ向かい、最強の封剣士にして封剣士長のカティと合流するように言われる。
魔剣はそのことを聞くと研究室の出口へと向かう。その背に向かって護手が語りかける。
「魔剣よ、汝の持つ力は世界を救うことも、破滅させることもできる。汝の魂が善なることを、期待する・・。」

魔剣は護手の手配した大型旅客機に乗り、香港へ向かうのだった。

222 :魔剣X:2006/12/24(日) 21:44:27 ID:k+hq9IPm0
八卦アンドレイの肉体を乗っ取り、大型旅客機「リンカードン」に乗り込んだ魔剣とケイ。
天尊流星討伐の旅は無事に始まろうとしていた。

イマージュ世界で会話をするケイと魔剣。
自分の精神が魔剣に取り込まれているにもかかわらず、健気にも魔剣と打ち解けようと自己紹介するケイ。
自分のこと、学校のこと、そして唯一の家族である父のこと。
ケイが魔剣に必ず父を助け出してほしいと頼んだその時、ケイが異変を感とった。
「・・・・何か近づいてくるわ」
魔剣が窓から外を見ると三業会の代紋が描かれた大型機がリンカードンに取り付いていた。
激しい揺れとともに警報が鳴り響く。
「お客様」
突然女性添乗員が話しかけてきた。
「大変危険ですので、シートベルトをご着用のまま・・・」
「・・・私どもに斬られてくださいませ。」
「ウフフフ、機内の雰囲気から罠だと気づかなかった?」
たしかに乗客は魔剣一人である。
「あなたの旅はここで終わりよ。」
添乗員は三業会中堅幹部のクロウの仮面をかぶり、正体を現した。

添乗員を追いかけ、機内を走り回る魔剣。三業会の刺客が襲い掛かってくるが八卦の肉体の敵ではなかった。
ラウンジまで到達したそのとき、ひときわ大きな爆発音とともに新たな警報が鳴り響く。
「・・・緊急事態、緊急事態、エンジンが破壊されました。乗員は直ちに脱出ポッドに退避してください・・・。」
貨物室を抜け、脱出ポッドの乗り場前まで来たが、先ほどの三十二卦・クロウが立ちふさがる。
難無くクロウを倒し、脱出ポッドへとたどり着く魔剣。
脱出ポッドの前に誰か倒れている。
「・・・パイロット?」
既に瀕死の状態だ。
このまま脱出ポッドに乗ればオートパイロットでどこに着陸するかわからない。
だが彼の肉体を使えば目的地の香港にたどり着けるだろう。
ただ非戦闘員でどこまで戦えるかわからないし、八卦アンドレイの肉体は回収不可能になる。

・パイロット(稲葉 豪 30歳)をブレインジャックしますか?
 
 ニア 
   はい
   いいえ 
以下投票

246 :魔剣X:2006/12/27(水) 03:26:44 ID:DX4cNlyC0
パイロット(稲葉 郷 30歳 既婚 元セールスマン 住宅ローン返済中)をBJした魔剣。
墜落してゆくリンカードンから無事に脱出することができた。

無事に香港へたどり着くことができた魔剣だったが既に三業会に待ち伏せされていた。
林立する廃ビル、屋内に何重にも張られた待ち伏せの罠を切り抜け、李飛扇(リー・フェイシャン)の待つ部屋へとたどり着いた魔剣。
「ずいぶん遅かったわね。死んだのかと思ったわ。」
李飛爪(フェイチャオ)のデータによれば甘ったれた性格が災いして、封天雑技団見習い、封剣士見習いの身。
さらにここにいるのも封剣士長、カティに置き去りにされたためらしい。
「あなたの父親は私の師匠が保護したわ。だからあなたは安心して私の命令に従いなさい。」
「八卦の一人、インドの大スター、シャージャを倒すのよ。」
どうやらシャージャはインドの国民的大スターで、彼のテレビ番組の視聴率は80%を常に超えているらしい。
それと同時にインドでは生産力の著しい減退と国民の衰弱死が激増しだしたそうだ。
「いやよ!そんなの私に関係ないじゃない。」
ケイが反対する。
「甘ったれたこといってんじゃないわよ!八卦を、天尊流星を倒す、それが魔剣の宿命なのよ。」
「どう?魔剣インドの大スターを倒しに行くの?」

宿命なのかどうかわからないが、李封掌からは現地においては彼女の支持に従うように言われている。
また、相模所長が既に保護されている以上、モスクワへ急ぐ必要もない。
そして何より、八卦を早期に倒すことに問題はないだろう。

だがケイは反対している。この小娘の言うと通りにする必要性もない。

インドへ八卦討伐に向かいますか?

ニア・はい
  ・いいえ