街 (Part1? > 4:雨宮桂馬編)

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<p><strong>街</strong> (Part1/4:雨宮桂馬編) ページ容量上限の都合で2分割されています。<br /> &gt;&gt;6-316~335・342</p> <hr /><dl><dt><a>316</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:32ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>雨宮 桂馬「オタク刑事、走る!」グッドエンド<br /> ― 一日目(10月11日水曜) ―<br /><br /> 渋谷の交差点。<br /> 「雨宮桂馬」(あめみやけいま)は「ゲーマー刑事」である。<br /> 警視庁渋谷中央署生活安全課少年係。これが桂馬の正式な肩書きだ。<br /> 桂馬は雪印のコーヒー牛乳を片手にいつも通り、朝の巡回をしている。<br /> 登校拒否をしている少年の「ガイ」(本名:土屋利男)へ公衆電話を使ってネットで補導する。<br /> そこで11時にゲームセンターでの待ち合わせをし、ネットから落ちるガイ。<br /> 通信を解除すると、あこがれの先輩婦警「麻生しおり」に見つかりあわてるが、彼女は桂馬の補導を理解しているので、注意するだけだった。<br /> そのとき、不気味な音楽が聞こえてくる。音楽は「葬送行進曲」。<br /> 音の鳴る方向である、オーロラビジョンへ目を向けると、「爆破」の二文字が大きく表示されている。<br /> 何かとんでもないことが起こっていると直感した直後、画面が切り替わり、文章が表示される。<br /><br /> 「DO YOUR BEST<br />  死を刻む十三の鐘 混沌の大地より産まれ<br />  し災の子 予言は木馬を越え車の時代あみ<br />  目に花の哀しみ幾千と 警告街滅する意宇<br />  智と技を要し 意を解し 喜惨負はんとす<br />  る者 主の再起の戦の相手 貴殿と認める<br />  審判の日は訪れんばく弾は街で目醒を待つ<br />  DO YOU DO IT?    悪魔 の手下」<br /><br /> 桂馬は直感で「爆破予告」と感じるが、桂馬の上司である「ゴロイチ」(本名:権田玄三)が頭に平手を飛ばす。<br /> 良く見ろと言われ、もう一度オーロラビジョンを見ると<br /> 「ドラマ『刑事・独走最善戦』ジャパンテレビ系で絶賛放映中!」という画面が追って現われた。<br /> ドラマの予告であることがわかった。しかし、なおも桂馬は疑念を拭いきれないが、ゴロイチに、<br /> 遊んでないで仕事しろと殴られる破目に。<br /> 再び巡回に戻ることになった。<br /> ゲーマーの桂馬にとっては、ゲームセンターの警邏は、魅力が溢れる場所である。<br /> UFOキャッチャーの商品取り出し口に手が挟まれたふりをして、しおりを追い払う。<br /> 小銭を握り締め、11時の決選が近いと考えているとき、通りすがりのカップルと肩がぶつかり、小銭を落としてしまう。<br /> カップルにも協力してもらいながら小銭を集め終わったとき、ふと手の中に丸められた紙が握らされていることに気がついた。<br /> そこに書かれていた文章は、オーロラビジョンの怪文書。どこからともなくあの旋律が聞こえる。<br /> 桂馬の心に不安が湧いた。それは、この桂馬の25年の生涯で、はじめて感じる虫の報せのようなものだった。<br /><br /> 元鬼刑事であり、現在資料室主任。桂馬が最も信頼を置く「ヌマさん」(本名:沼田岳義)に合うために、資料室へ向かう。<br /> ヌマさんもビラをもらったらしいが、それは、黄色いスタジャンを着たロケ隊の男達が配っていたドラマの広告だという。<br /> やっぱり爆破予告ではないと理解するが、警戒は怠るなとヌマさんに警告される。<br /> ガイとの待ち合わせを思い出した桂馬。再びゲームセンター街へ。ゲーセン「PIXY」へ向かった。<br /><br /><a name="a317"></a></dd> <dt><a>317</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:33ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>ガイと会い、「WOLFIRE3」(以下、ウル3)で対戦しようと桂馬がコインを入れると、急用があると言いどこかへ行ってしまう。<br /> すると直後に背後から不気味な気配がした。<br /> 男は「ジェロニモ」とつぶやくと、乱入する(対戦する)ためコインを入れた。<br /> はめ技で、彼に勝つと、彼はコンパネを叩き、切れたように立ち上がり「オモシロカッタ」の捨てぜりふを残して去ってしまう。<br /> 彼が居なくなると、ガイが戻ってくる。<br /> ジェロニモと名乗る男は新宿から流れてきたゲーマーで、「シャチテの悪魔」と呼ばれているクラッカーだという。<br /> 彼に目を付けられると、ストーカー行為をされた挙句、社会で生活できないほどの侮辱を受けると言う。<br /> ただ、ゲーム上で彼に再び負けると、その行為もぴったりと止まるのだという。<br /> 警告を受けると、後ろからゴロイチ刑事が睨まれていることに気づき、横っ飛びで外へ出る。<br /><br /> 外では、しおりが待っていた。彼女もビラを持っていた。逆さにして貼ってあるところを持ってきたという。<br /> テレビドラマを装った本物の犯行予告ではないかと疑いを持っていた。<br /> が、ビラを受け取った人がいたずらでやったと結論に至り、巡回を再開した。<br /><br /> 独走最前線の台本を持った男が公衆電話で話しているところを見つけ、話しかける。<br /> ドラマの中で今回爆弾が登場することはなく、チラシも配っていないと言われ、爆破予告は本物だと確信。<br /> 桂馬は走り出す。十三の鐘は、午後1時のことだと推理したからだ。<br /> 「審判の日は訪れんばく弾は街で目醒を待つ」とは、今日の午後1時に爆発が起こるということだと言う桂馬に、<br /> 思い込みが激しいと言うしおり。本当に思い込みなのか疑問に思っていると、ヌマさんが一枚の紙を持ってやってきた。<br /> このゲーセン街の公衆電話から渋谷署の全室に設置されているFAXに届いたのだという。<br /><br /> 「Q1 混乱を鎮めたくば頭脳を運べ」<br /><br /> いたずらだろうと署内では言われているが、ヌマさんは知らなかったらしいが、<br /> 2,3日前にも「悪魔の手下」と名乗るハッカーから同じようなFAXが届いていたが、結局何もおこらなかったという。<br /> この爆破予告は本物で、このFAXは「Q1」というところから、ヒントだと考えた。<br /> 「混沌」は「カオス」。「頭脳」は「ブレイン」。ゲーセン「カオス」は「ゴッドブレイン」というクイズゲームが売り。<br /> そのゲーム機の中に爆弾を仕掛けたという文章だと推理し、ゲームセンター「カオス」へと急いだ。<br /><br /> 目的のゲーム機へコインを入れ、キャラクター選択画面に変わると、<br /> そこにはいつもよりもキャラクターが一人増えている。使われるはずの無い警察のキャラクター。<br /> そのキャラを選択すると、画面に「爆破」と大きく表示され、クイズが始まった。全13問。<br /> 苦労しながらも解き、13問目の選択が終わったときだった。地底からの地響きがした。<br /> 選択を間違えたと危険を感じた桂馬としおり。<br /> 桂馬はしおりをかばい、床へと伏せた。大きな爆発音。<br /> …しかし、全ては筐体から出る音だった。画面には「起爆装置ON」の文字が表示される。<br /> 一度ヌマさんにも相談するため、資料室へと戻ることにした。<br /><br /> ヌマさんに事情を話し終えるとメールが届く。<br /> メールをチェックすると、オーロラビジョンと同じ内容だった。これは資料室宛でのみ届いている。<br /> メールの続きを読むと、さっきのクイズも書かれていた。このクイズに爆弾のヒントがあると言うヌマさん。<br /> クイズの答えの正解番号には、1525という並びの法則があることに気づく。<br /><br /> 「Q1①UFO    Q2⑤売場      Q3②デパートQ4⑤屋上<br />  Q5①玩具    Q6⑤いなり      Q7②夏   Q8⑤左隣<br />  Q9①ぬいぐるみ Q10⑤プラスチック火薬 Q11②赤と青Q12⑤きる Q13→全部×」<br /><br /> 桂馬は「UFO」は「UFOキャッチャー」で、ぬいぐるみに爆弾が仕掛けてあると読む。ここに手がかりがあると読む。<br /> しかししおりは、最後の二問中で、なぜか「売れないぬいぐるみ」という言葉が続けてあることに気づく。<br /> 桂馬はまたひらめく。「デパートの玩具売場の、UFOの左隣に赤と青の夏のもを着たぬいぐるみが、プラスチック爆弾を仕込まれて、<br /> 居成りで置いてあったとしたら!」と言い、部屋を飛び出し、渋谷内にあるデパート各店を探し回ることにした。<br /><br /><a name="a318"></a></dd> <dt><a>318</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:34ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>資料室を出てから、デパートを巡り、残すはあと一店舗という状態になったが、結局収穫は無い。<br /> センター街でガイと出会う。桂馬の行動を見ていたガイは、ぬいぐるみを探していることを悟り、<br /> 週末に、デパートで着ぐるみショーが行われる予定になっていて、<br /> もうぬいぐるみや機械は搬入されているはずと教えてもらい、そのデパートの倉庫へと向かった。<br /> 人形だけでも、30個ダンボール。全部で360体。片っ端から調べ、10個目の箱という時、しおりがやってくる。<br /> 桂馬が資料室から出た後、ヌマさんと推理していたが、<br /> 「売れないぬいぐるみ」は「売れ残り」ではなく「売ることが出来ない」すなわち、「非売品」のもので、<br /> UFOキャッチャーのぬいぐるみは非売品であることから、はじめに桂馬が推理していたことに近い線じゃないかという。<br /> 夏はNATUビル。屋上にお稲荷さんがあり、左隣にUFOキャッチャーがあると気づいた。急いでそこへと足を向る。<br /><br /> 予想通り、UFOキャッチャーの中には、ここにあるはずのない「ポピーくん」("街"世界の警察のマスコットキャラクター。実際の警視庁のマスコットは「ピーポくん」ですので、鵜呑みにして間違えて覚えないように。)<br /> が「マムルボンボン」(球体のキャラクター)にまぎれて入っていた。<br /> 桂馬の持っている小銭は500円玉1枚と、100円玉1枚だけ。<br /> 500円玉なら、6回できるとはじめるが、店員を呼びに行き、取り出してもらおうと言い残し、走り去るしおり。<br /> しかし、桂馬は「時間がない」と思い、ゲームをはじめてしまう。<br /> ポピー君はマルムに押し込まれるようにして入っているため、なかなか取り出すことができない。<br /> 手違いでマムルをキャッチしてしまうが、マルムは取り出し口より大きく、出口を塞いでしまった。<br /> 桂馬は筐体を蹴った。すると、振動感知センサーが働き、電源自体が落ちてしまう。<br /> 残りの回数を無駄にしたが、コンセントを入れなおし、復活させる。<br /> 最後の100円玉を入れ、再び挑戦するが、子供が話しかけてきたので、ぬいぐるみを取り損ねてしまった。<br /> もう小銭がなく、自分も店員を呼びに行こうと、下階へと降りる。<br /> そこでデジタル数字が目に飛び込んできた。<br /> しかし、その文字は小太りの女性が体重を量っていたその文字だった。その数字を見ると「666!!」ゾロ目!<br /> フィーバーで、もう一回だけゲームが出来るかもしれないと思い、再び屋上へと戻る。<br /> 予想通りもう一度のチャンスが出来ていた。<br /> 今度は取り逃すまいと、ポピーくんをつかみ、取り出すことに成功する。<br /> そのぬいぐるみには、粘土状のプラスチック爆弾とタイマーが付いていた。<br /> 時間を見ると、あと1分45秒しか残っていない。<br /> 狭い場所へ逃げ込み、携帯ナイフを取り出し、赤と青の線、どちらを切ればいいのかと悩むが、結局両方を切断。<br /> タイマーは0.01秒を残すところで停止した。<br /> 直後、警告が鳴り出し、慌てて人形を抱え走り出す桂馬。激しい閃光がひらめいた・・・<br /> 結局コンパクトカメラのフラッシュで、爆破はしなかった。<br /><br /> 署へ戻ると、ゴロイチが悪戯の犯人を捕まえたと言った。<br /> 犯人として捕まえられていたのは「ガイ」だった。<br /> オーロラビジョンの操作室の近くでガイがうろついていたのを見た人物がいるという。<br /> 本当にガイが犯人なのか、信じられない桂馬。<br /> さっきの爆弾が本物か調べてもらうことにした。<br /> その結果は「ニセモノ」で、プラスチック爆弾は、ただのプラスチック粘土。<br /> 力が抜けた桂馬だが、ヌマさんに、こういう犯人はエスカレートするから、今日で無事終わったと思わず、気を抜くなと言われ、<br /> 気を引き締め、甘くてほろ苦いコーヒー牛乳をすすった・・・。<br /><br /><a name="a319"></a></dd> <dt><a>319</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:35ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>― 2日目(10月12日木曜) ―<br /> 翌日になり、ヌマさんは、<br /> ・「カオス」に電話して、筐体を開けて調べてもらったが、基盤への細工の跡はなかったこと。<br /> ・一ヶ月前のメンテナンス時でも異常はなかったこと<br /> を話してくれた。<br /> メーカーが仕掛けたものなら昨日のゲームのようなことは出来るが、爆弾が絡んでいるので、下手したら捕まることになると話す。<br /> ヌマさんは知り合いのメーカーに当たり、桂馬はゲーセンへを当たることにする。<br /> ゲーセンで何か心当たりでもあるのかと言うヌマさんに、「シャチテの悪魔」という名前を挙げる。<br /> ヌマさんは人物については一切知らないが、15年前の高田馬場で聞いたことのある名前だという。<br /> コンピュータに関する知識・技術・才能は人一倍優れていたと聞いていた。<br /> 爆弾ゲームのようなプログラムは作れる技量はあるかと問うと、ヌマさんは余裕だろうと答える。<br /> 「悪魔の手下」に「シャチテの悪魔」。偶然ではないはずと考える桂馬だった。<br /> そのとき、しおりが入室し、ガイが昨日のうちに自宅へ帰されたと話す。<br /> オーロラビジョンの制御室に、ガイの生徒手帳が落ちていたので、その生徒手帳を鑑識に回すと、ガイ以外の指紋が出てこなかったので、<br /> 盗まれたりしたわけではないと考え、ガイを帰し、およがせているのだという。<br /> にわかには信じられない桂馬に、ガイの疑いを晴らしたかったら、まずは行動することだとヌマさんに言われ、<br /> できるだけやってみますと頭を下げ、部屋を後にした。<br /><br /> ガイとの定例通信の時間である午前10時になった。<br /> いつも通り、ネットからミニパソでガイへ呼びかける。返事はない。<br /> しばらく呼びかけていると、ガイが返事をする。話し方もいつも通りのガイだ。<br /> 「悪魔の手下じゃないなら、学校へ行ってマジメ高校生を印象付け、疑いを晴らそう」という桂馬に、<br /> 「このオレこそ、本物のシャチテの悪魔だ」と言った。<br /> 冗談にしては悪い冗談だと思いながらも、「無実は晴らしてやる。真犯人を捕まえてやる」とメールを打った。<br /><br /> ゲーセンの開店時間に合わせて聞き込みをはじめる桂馬。<br /> だが、大した情報は得られなかった。<br /> 「ロンゴロンゴ」というゲーセンに行くと、ちょうどメンテナンスが終わったところで、一足違いで担当者が帰ったと聞く。<br /> 株式会社ペガサスの「桶畑夏美」という人物だったようだ。女性かな?と思いながら名刺を預かり、手帳にはさむ。<br /> 二時間ほどゲーセンを回ったが、収穫はない。<br /> 昼になり、目の前にはしおりの行きつけの店があったので、昼ごはんを食べる為、入店した。<br /><br /> 案の定、しおりは昼食をとっていた。<br /> 今、特に動きはないから、これで事件も終わりかな?でも、悪い予感がすると話していたとき、桂馬のポケベルが鳴った。<br /> 見ると、それはヌマさんが連絡をくれという意味のものだった。<br /> しおりに携帯電話を借り、電話すると「奴からメールが来た」という。<br /> 桂馬のミニパソに転送したというので、確認する。<br /><br /> 「爆破予告」<br /> 黒魔術師は知っている<br /> 警察の代理人ポピーくんの<br /> 運命や如何に<br />         制限時間30分<br />         悪魔の手下<br /><br /> やっぱり終わっていなかったと実感し、回線を切る。<br /> 急がないと30分で爆発だという桂馬に、心当たりがあるのかととうしおり。<br /> 魔術師は一人しかいないと言い、ゲームセンター「あんだんて」の「WIZARD」というゲームを目指した。<br /><br /><a name="a320"></a></dd> <dt><a>320</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:42ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>「WIZARD」に100円を入れると、画面には黒いローブを着た老魔術師が現れる。<br /> 「我が名はカニエル。汝の名は」と言う問いに、「ポピーくん」と入力すると、魔術師が笑い出す。<br /> 「待っておったぞ、占ってやろう。ありがたく思え」と言い出した。ジャンルはこれだ!という声の直後、<br /> 画面には「爆弾クイズ」という文字と爆弾が表示された。と同時に、画面の下にある口から、プリントアウトされた紙がでてくる。<br /><br /> (## 注意:縦書きです!! ##)<br /><br />   ▼死▼風ば在待は悪ふ▼ 第<br />   有ぬい知、▼ち不魔者此 五<br /> 悪 難まのりく仕人可の知の 十<br /> 魔 やでち好も事うの手恵み 七<br />    十万転の流ま意下無く 番<br /> の  競事すイ転のあにくじ  <br /> 手  争休べロあ尻り及しに 大<br /> 下  也すしとらに▼ぶてあ 凶<br /><br /> 意味がわからないと話す二人。<br /> それに答えるかのように、魔術師の声が聞こえる。<br /> その紙には魔法がかかっている。魔法を解くにはある呪文が必要だ。Readat 10o'clock!と言われる。<br /> これが暗号になっているんだと気づいた二人。<br /> 「Read at10o'clock」は、直訳すると「10時に読め」という意味。<br /> 10時は十字で、上から5番目を左から右へ。<br /> 右から7番目を下から上へ読めば、<br /> 「十万転の流ま意下無く、とロイのもくば」すなわち「十万点ノルマ以下、泣く。トロイの木馬」となる。<br /> 馬に関係している言葉の多いことから、競馬ゲームの「トロイフィールド」で、得点が10万点以上にしないといけないとわかり、<br /> 急いでゲームセンター「ロンゴロンゴ」へ向かう。<br /><br /> 第五十七番は、57番ステーション(ステーション=席と思ってもらえば想像しやすいかと。)の意味も兼ねていると思い、<br /> カウンターで、「57番ステーション」と予約すると、既に、エントリー済みだと言われる。<br /> エントリーした人物は「ガイ」だった。<br /> 何故ガイがエントリーしているのかと考えながら、時間がないので、テーブルへと向かった。<br /> アナウンスで「本日のメインレース、警視庁ポピーくん記念カップを残すだけとなりました」と聞こえる。<br /> これは間違いないと思い、57番ステーションの席に着く。<br /> ガイがエントリーしていたはずだが、全く賭けていなかったようす。<br /> この一回で、10万点取らないといけないので、全額を穴馬にかけたが、当たらなかった。<br /> レース終了直後、画面は切り替わる。<br /><br /> 「あと8分。ばかは見ぬ馬のケツ」<br /><br /> 一瞬だけだった。すぐ普通の画面に戻った。<br /> この言葉に、「馬の名前の後ろだけを読めば良いんだ」と気づき、ゲーセンの警備室へと向かった。<br /><br /> 警備室には、警備員のセイさんがいた。彼は一瞬の画面の異常表示に気づいてはいない様子だった。<br /> 彼に今の馬の名前を全て教えてもらい、①から順に後ろの文字をつなげて読むが、意味が通じない。<br /> 着順に最後の文字をつなげて読んでみると、「ナンブRパトカー」→「南部Rパトカー」<br /> と意味の通る文となり、<br /> デパートの屋上にあるおもちゃのパトカーに爆弾が仕掛けられていることに気づき、先を急いだ。<br /><br /><a name="a321"></a></dd> <dt><a>321</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:44ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>パトカーには子供と一緒にピポーくんのぬいぐるみが乗っていた。<br /> 桂馬は、しおりに頼み、子供と非難してもらう。パトカーの料金ボックスの下に、ポケベル型のタイマーがついていた。<br /> 線はピポーくんにつながっており、ピポーくんの背中を開けてみると、<br /> ペットボトルいっぱいに入っていた液体と、そのふたには細工がされていた。<br /> 時間になると、ペットボトルに入ったガソリンに引火して、爆発する仕掛けになっているんだと理解した桂馬は、<br /> ピポーくんを抱え、物陰へ急いだ。<br /> また昨日と同じように、赤と青の線が一本づつあり、両方切断するとタイマーは0.1秒で停止した。<br /> その直後だった。<br /> ポケベルは突然鳴り始める。<br /> 驚いた桂馬は、ポピーくんを投げ捨てた。しかし、それをみた子供がピポーくんに駆け寄る。<br /> 危ないと感じた桂馬は再びピポーくんを抱え、噴水の池へと飛び込んだ。<br /> 結局何も起こらなかった。<br /> すると、いきなり後ろから叩かれた。それはゴロイチ刑事だった。<br /> 彼は、また爆弾だと言って遊んでいるのかと注意されるが、桂馬は爆弾らしきペットボトルを見せる。<br /> すると、ゴロイチは、ペットボトルを開け、中身を飲み、「これはテキーラだ」と言うので、<br /> 桂馬たちも開けて確かめて見ると、アルコールの臭いがした。<br /> 肩を落としながら、濡れそぼった桂馬はそのまま署へと戻ることにした。<br /><br /> ヌマさんに今日あった出来事を全て話すと、テキーラだったとはな…とつぶやいた。<br /> 「人がいいから、親しいから、身近にいるから、大好きだからといって、容疑者圏内から外すことは許されない。それが刑事という仕事なんだ」と諭し、<br /> ガイが57番を先にエントリーしていたのも偶然とは考えにくく、怪しい。<br /> 一足違いでメンテナンスしていた男も怪しいという。(ヌマさんは名前しか見ていないが、男だと思っている)<br /> 競馬の馬の名前を教えてくれた警備室のセイさんも怪しいと言い出す。<br /> 終いには、誰が置いて行ったか分からない爆弾に見せかけたモノを飲んだゴロイチ刑事も怪しく、<br /> いつも行動を共にしているしおりまでもが怪しいと言い出す始末。<br /> 驚く桂馬だが、参考になったと礼を言い、もう一度街へと出て行った。<br /><br /> さっきのヌマさんとの話をまだ引きずり、考えながらどこに向かうでもなく歩き続けている。<br /> はっきりと間違いだという証拠がないだけに、気持ちが暗くなった。<br /> いきなり誰かが桂馬の腕をつかんだ。驚いて振り返ると、それはしおりだった。<br /> しおりは、「桂馬はしばらく調査できないだろうから、メンテナンス会社へ行って桶畑夏美って男を調査してくれ」<br /> とヌマさんから電話で言われていたらしい。<br /> その人は、何もいじっておらず、問題もなかったという。<br /> プログラムも見直してもらったが、異常は見つからなかった為、白だとわかる。<br /> さっきガイに会ったということも話す。声をかけようとすると、逃げてしまったという。<br /> 桂馬はガイに当たってみると言い、分かれようとするが、しおりはあることを思い出した。<br /> ヌマさんに「このホシは、必ず桂馬の身近にいる。もしかしたら犯人は桂馬自身かもしれない」と言われたと声に出して笑った。<br /> ヌマさんのジョークだろうか?と思いながらも、立ち尽くしてしまう。<br /><br /><a name="a322"></a></dd> <dt><a>322</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:46ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>再び桂馬は一人で街をさまようが、ガイが立ち寄りそうな場所にはどこにも彼はいなかった。<br /> 直接会って話ができないのなら、ネットで話そうと思い、電話ボックスでミニパソを立ち上げると、<br /> メールが来たと知らせるので、チェックしてみた。<br /> すると、そこには…<br /><br /> 雨宮桂馬告別式<br /> 十月十三日金曜日<br />    喪主・悪魔 の手下<br /><br /> と書かれていた。パスワードがないと送れないはずの、HPに直接送ってきているのだ。<br /> 警察という組織ではなく、桂馬個人をねらってきていることは確実だった。<br /> そのとき、視界の隅で人影が動いた。向こうの影から確実にこちらの動きを伺っている。<br /> 絶対に捕まえてやる!と意気込み、走り出す。ずいぶんと追いかけたが、見失ってしまった。<br /> 人影はガイに見えた。ジェロニモにも見えた。ゴロイチ刑事にも見えた。…誰もが怪しく感じた。<br /> ただ、しおりではなさそうだったことが、桂馬にとっての救いだった。<br /><br /> 勤務時間を過ぎた後、桂馬は資料室のパソコンで、ガイからの通信を待った。<br /> メールは既に送ってある。<br /> ずいぶんと待ち続けた。<br /> そして、11時半を回った時、やっとガイからの通信が入った。<br /> 桂馬はマジメにガイへ二つの質問をする。<br /> 一つ。「ロンゴロンゴ」のトロイフィールドの57番ステーションを予約したのは何故だ。<br /> 二つ。しおりさんと合った時、逃げたのは何故だ。<br /> 一つ目の質問に、ガイは「全く覚えがない」という。<br /> なんだって!?と驚く桂馬。<br /> それにガイは「もう答えた。オレは知らない。もし名前があったなら、誰かがオレを利用したんだろうさ」と言うのだ。<br /> 信じていいんだな?と桂馬は言うと、ガイは俺を信じているのか?と逆に質問してくる。<br /> 信じてるさ!信じてるさ!だからお前に訊いてるんだ。と声に出して叫んでしまう。<br /> 信じてくれているならと、ガイはもう一つの質問を答えた。<br /> 「逃げたのは、ゴロイチの所へ連れて行かれるのが面倒だったから」と。<br /> 生徒手帳も盗まれたし。とついでのように答える。<br /> 誰が盗んだんだ!?という桂馬の問いに、眠いといって、落ちてしまった。<br /> 桂馬は疲れがどっと出た…。<br /><br /><a name="a323"></a></dd> <dt><a>323</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:47ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>― 3日目(10月13日金曜) ―<br /> 日付が変わったころ、桂馬は行きつけのゲーム喫茶「シルベール」へと向かった。<br /> クラシックゲームしか置いていない、通のみぞ知る店である。<br /> ここで飲むコーヒー牛乳は、雪印も負けるほど美味いらしい。おとといからの事件で、二日ぶりの来店である。<br /> 高校時代からこの店に通っているので、すっかり常連。<br /> 桂馬の親友と、「ネプチューン・ウォー」というゲームでよく遊んでいたという。<br /> ミニパソで、今回事件にかかわった店のみを抜き出すが、共通点はない。<br /> マスターにメンテはどうしてる?と問うと、メンテナンスは明日で月一度だという。<br /> 今までの店も、月に一度だったのだ。<br /> 席を立ち、「ネプチューン・ウォー」というシューティングゲームにコインを入れ、<br /> ボタンをガチャガチャ入力し、裏モード「ネプチューン・ウォー桜花バージョン」で遊ぶのが日課。<br /> 一時間ほど遊んだ後、自宅へ帰るのが面倒になった桂馬は、資料室の隅で寝ることにした。<br /><br /> しおりとヌマさんの起こす声でようやく目が覚めた桂馬。時間は既に、午後一時を回っていた。<br /> また予告メールが来ているという。<br /><br /> 『oct.1三(金)』<br /><br /> 眠れる海王狙ふ者は災いに遭ひ<br /> やがて来るべき死を謳うか<br /> 金鵄勲章なる薄謝をば得るのみ<br /> ・馬を落ち無限地獄にて愚者は悟る<br /> 未来のやすらぎ取り戻す術<br /> ここに全て消え火玉なむ降る<br />           悪魔 の手下<br /><br /> 海王というのは、ポセイドンで、「キングポセイドン」というガンシューティングゲームを指している。<br /> 金鵄勲章は、全国大会で優勝した人にだけもらえるものの事をいうと桂馬は指摘する。<br /> しかし、しおりは、海王は「ポセイドン」以外にも「ネプチューン」とも言うと指摘した。<br /> 考えを切り替え、文章上で気になる「oct.1三(金)」に注目する。<br /> 将棋の駒の並びのよう9行9列の枠に、右から1列目、上から3行目に文章中の「金」を配置し、(1,三に金を「置くと」と読める事から。)<br /> 残りを配列。すると中央にドットが来る。そこから桂馬飛びにメビウスの輪を描くように読むと以下のようになる。<br /><br /> 「死るべ得るえ来・謳ふかちらむや」→「シルベールへ来。桜花散らむや」<br /><br /> 桂馬の行きつけの店にある「ネプチューン」に仕掛けられていることが分かり、しおりはいち早く部屋を飛び出していった。<br /> それを追うように、桂馬も出て行った。<br /><br /><a name="a324"></a></dd> <dt><a>324</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:48ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>到着すると、マスターにしおりさんは?と聞くと、すでにしおりはポピーくんを抱え、屋上へ行ったという。<br /> 急いで屋上へ向かうが、すでにしおりは爆弾の解体を始めていた。<br /> 逃げろ!と桂馬は言うが、しおりは「赤?青?どっち!?」と問いかけてきた。<br /> 桂馬は「犯人は裏の裏をかく!両方の線を切れ!!」と叫び、しおりは両方を切断する。<br /> その瞬間、激しい光がほとばしった…。<br /><br /> 気がつけば、しおりを抱きかかえている桂馬だった。<br /> 爆破は免れたが、しおりはぐったりと気を失っている。<br /> そこへ心配して駆けつけてきたマスターに「病院まで運ばなくちゃ」と伝えると、マスターにタクシーを呼んでもらい、病院へ向かった…。<br /> ストレッチャーに乗せられ、救急処置室へと入っていったしおり。<br /> 命に別状は無く、かすり傷程度だったが、意識は戻っていなかった。<br /> ヌマさんに状態を伝え、その足でシルベールへ向かった。<br /><br /> 警察が調べに来る前にポピーくんについて聞きたいとマスターと話す。<br /> ・しおりは中が空になっているテーブルの中に入っていたぬいぐるみを取り出して出て行った事<br /> ・いつ仕掛けられたのかは分からないが、店を閉めて出た後で侵入された形跡があった事を聞く。<br /> 形跡とは、エンディングの画面(表彰式のワンシーンのような画)を印刷したものが、<br /> テーブルの上に置かれていたことだった。<br /> 桂馬は力なく笑った。このゲームを作ったのは「SINDAI」と言う会社。<br /> 漢字変換すると、寝台。眠れる海王ともつじつまが合う。<br /> しばらくすると、ゴロイチ刑事を先頭に、刑事と鑑識が到着した。<br /> 署で結果を待ってろと言われるので、少年係で待つことにした・・・。<br /><br /> ずいぶんと待った感じがする。<br /> そこへゴロイチ刑事が帰って来て、略式だが鑑識で調べた結果、<br /> 爆弾ではなく「マグネシウム」だったと言った。すでにガキのいたずらとマスコミにも発表済みだという。<br /> しおりがなんともなかったから良かったものの、もしも死んでいたら<br /> 「業務上過失致死」になっていたところだぞと一喝され、桂馬は街へと出て行った・・・。<br /><br /> 自分の無力を呪い、再び彷徨う街には雨が降っていた。<br /> 失望しながら考えにふけって歩く。すると目の前にはジェロニモがたたずんでいた。<br /> 怒りが込み上げ、追いかけようとするが、既に姿はなかった。<br /> 肩を落としていると、後ろからガイが風邪引くぜと声をかけてきた。<br /> その優しさが嬉しく、目頭が熱くなる。<br /> ガイは、しおりの見舞いに行く為に出てきていたヌマさんに事情を聞き、心配で来たのだという。<br /> その優しさに目頭が熱くなる。<br /> ガイは傘を桂馬に貸し、照れたように笑って立ち去った。<br /> 自分も病院へもう一度戻ることを決めた。<br /><br /> 病室に入る勇気が無く、前で座っていると、ヌマさんに会った。<br /> 状態は正常だが、ショックが強かったので、最悪の場合記憶喪失や、思考力の途絶なども考えられると告げられた。<br /> 酷いことをしてしまったと思った桂馬。ヌマさんともう一度事件を一から考え直すことにし、資料室へと戻る。<br /><br /><a name="a325"></a></dd> <dt><a>325</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:50ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>この事件の手掛りは、桂馬の行動を熟知した犯人が起こしているものだと考える。<br /> その上で、一番怪しい人物はと言う問いに、桂馬は「ジェロニモ」を挙げ、さっきの街での行動と、<br /> 一昨日のはめ技で勝ったゲームの話とストーカー行為をすることを話した。<br /> 彼に関する資料を、ヌマさんは雑誌記事を見せた。<br /> そこにはジェロニモの本名「高松野平」と、彼のインタビュー記事が掲載されていた。<br /> もう一つ、ジェロニモが同人誌として出版した、「ネプチューン・ウォー、桜花バージョン」の<br /> 全攻略冊子をも渡してくれた。おくづけには、編集発行「シャチテの悪魔」と記されている。<br /> その冊子の最後のページには、ゲーム喫茶で見せてもらったエンディングの写真があった。<br /> この雑誌類は、ヌマさんが10年前に亡くした息子の遺品だという。<br /> 息子の徳矢もゲーマーで、ちょうど桂馬くらいの年で、<br /> ヌマさんが初めから桂馬に親近感を覚えたのはそのせいだという。<br /> もう一度病院に戻り、しおりを看病しようと決め、部屋を後にした。<br /> 自分にできることは、しおりの傍についているとだけだと思い、<br /> ベッドの傍らに朝まで看病することにした…。<br /><br /><a name="a326"></a></dd> <dt><a>326</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:52ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>― 4日目(10月14日土曜) ―<br /> しおりの声がする。<br /> 桂馬はいつの間にかベッドに寄りかかり、眠ってしまっていたようだ。<br /> しおりは意識を取り戻していた。そして桂馬が来る前に自分がみたことを桂馬に伝える。<br /> シルベールのネプチューン・ウォーで何をすればいいのか分からなかったので、まず100円を投入する。<br /> 目茶苦茶な図形が出た後、「爆弾ハ、我ガ友ノ体内ニアリ」と表示されたので、近くの筐体をあけるとポピーくんがあって、<br /> 取り出すと画面が「爆破マデ アト00:07:32」と表示され、ポピーくんを抱きしめて屋上へ上がったという。<br /> だから、ネプチューンの基盤に何か仕掛けがしてあるんじゃないかと言い、それを確かめる為、署へ戻ることにした。<br /><br /> 署に戻ると、資料室へ戻る前にゴロイチ刑事からカミナリが落ちた。<br /> シルベールでのゲーム基盤は異常ナシという結論を聞き、逃げるようにヌマさんの元へ帰る。<br /> しおりの意識が戻り、ヌマさんに連絡してきたという。しおりはヌマさんへ、桂馬に「共通点を探って」と伝えてくれといわれた。<br /> 共通点と聞き、桂馬の中で何かがはじける。<br /> 今までのゲームは全て「通信機能」搭載だったのだ。ホストコンピュータとリンクさせ、情報を引き出すことができる。<br /> ネプチューンも、もしかすると、何かと通信していたのではないかと考え、「シルベール」へと急いだ。<br /><br /> ネプチューンを調べているとき、筐体の下側にケーブルが隣のインベーダゲームの筐体につながっていることを発見する。<br /> ここになにかあると勘付いた桂馬は、インベーダゲームの天板を開け、中を見る。<br /> すると、それはインベーダゲームの基盤ではなく、ネプチューン桜花バージョンを改造し、<br /> しおりが見た映像が流せるようにしてあった。<br /> 改造されたロムを取り出し、ふと思う。<br /> 桜花バージョンを持つネプチューンは、レアモノなので、持っている人は限られる。<br /> 「とのさま堂」というレアモノを扱うゲーム専門店なら、購入者リストをもらえるかもしれないと思い、<br /> マスターに、とのさま堂の店長へアクセスしてもらい、リストを送ってもらうことにした。<br /><br /> 資料室へと戻り、ヌマさんにリストが届いたかと問うと、届いていると言う。<br /> ヌマさんは、ジェロニモの本名である「高松野平」で検索したが、なかったという。<br /> 一番最近購入した人は、「赤蔦峰穂」という名前。女性ではないかと考える桂馬に、男性かもしれないというヌマさん。<br /> とにかく、リスト中の人物が、警視庁のスーパーコンピュータ内にあるデータベースにあれば、<br /> 事件と関係があると思い、検索するが、一時間ほどで終了。ヒットはなかった。<br /> 休憩の為、テレビを見ることに。<br /> おめざめテレビの占いで、桂馬は1位だった。<br /> キーワードが洋服のポケットの整理と言うことなので、ポケットの中身を全て出してみると、<br /> 警察手帳やアニメの時計、ヌマさんの実家に遊びに行った時に買った岐阜県の電車の切符など、<br /> 関係ないものが沢山出てきた。最後に探ったポケットの中から、<br /> 今まで事件の起こった全てのゲームセンターでメンテナンスをした人の名刺が出てくる。<br /> 警視庁のコンピュータ内にあるデータベースを検索し、これらの人物が今までの事件と<br /> かかわりがないかを調べることにした。<br /> ヌマさんの手伝いにより、名刺の名前を正しく読むことができる。<br /> 「松方丙=マツカタヒノエ」など分かり難いのもまで読んでもらった。<br /> が、収穫はなし。もしかすると、シャチテの悪魔と検索したらヒットするかもしれないと、<br /> キーを叩いたとき、桂馬は気がつく。<br /> 「同じキーばかり叩いているような気がする…」<br /> これはおなじアルファベットを並べ替えた「アナグラム」によって作られた名前で、<br /> どれも同一人物ではないか考えがまとまる。<br /> そして、ヌマさんと協力し、「shatite noakuma」の並べ替えで検索することにする。<br /> 膨大な量の名前を検索した中、「タカハシムネト」一件だけがヒットした。<br /> しかし、その名前ではなく「柴田亜美」がヒットした。気を取り直してその内容を読んでみた。<br /><br /><a name="a327"></a></dd> <dt><a>327</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:52ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>それは5年前、六本木署管内で発生した賭博麻雀ゲームのプログラムを改造し、不正に儲けていた店が摘発された、<br /> いわゆる「裏ロム事件」だった。柴田亜美は、キャラデザインを担当して聴取されたのだという。<br /> その供述の片隅に、「高橋宗人」の名前があった。<br /> 事件の調書写しならあるかもしれないと探し出し、読んでみる。<br /> 自称「高橋宗人」は、プログラムの作成者として事情聴取されたが、関与を否定。<br /> 証拠不十分で帰されおり、そのまま事件は未解決だった。<br /> 調査時にMOを押収しているので、それを見れば何かつかめるかもしれないと考えているとき、<br /> しおりから電話が入る。病院から退院許可が出たので、署へ戻るという。<br /> 帰り際に、MOも取ってくると言ってくれたので、しおりの帰りを待つことにした。<br /><br /> 待つことおよそ2時間。しおりはようやく戻った。<br /> MOには、プロテクトがかかっていたが、しおりが昔ヌマさんにもらったフロッピーを使うと解除でき、<br /> 中を確かめて見ると、「UFO倶楽部」「バーチャルウォーリア」「マスターブレイン」「ブラックマジック」「リアルホース」<br /> それは今流行っているゲームの元であろう企画だった。<br /> 「UFOキャッチャーⅡ」「ウル3」「ゴッドブレイン」「WIZARD」「トロイフィールド」…。<br /> すべて事件と関係も有る。しかし、一件だけがまだ世に送り出されていないもの「DamnedDog」だ。<br /> 企画も先を見越したもので、あらゆる要素を取り入れた、ヒット間違いない企画…。<br /> 作成された日付はいずれのゲームも発売前。考え出した「高橋宗人」=「シャチテの悪魔」はすごいと関心するばかり。<br /> だが、未だ「ジェロニモ」=「高橋宗人」=「シャチテの悪魔」であるという証拠は無い。<br /> だから大手プロバイダに登録されているアナグラムで作られた名前全てにメールを送り、あらゆる掲示板に書き込みをし、<br /> 挑戦状を叩きつけると言い出す。事件の大きさから、迷惑をかけるなんて言っていられないと、<br /> その仕事をヌマさんとしおりさんに頼む。<br /> 桂馬は、高校の親友で、シルベールに通った奴に、ネプチューンの基盤を「DamnedDog」のタイトルを表示できるよう改造を依頼した。<br /><br /> 親友から基盤を受け取り、シルベールに立ち寄り、ロムをセットし、「DamnedDog」のタイトルを表示できるようにした。<br /> セット途中に、ヌマさんから進捗具合を確かめる連絡があり、順調と伝える桂馬。<br /> ちゃんと表示されるか確認すると、店を後にする。<br /><br /> はじめにジェロニモと対戦したゲーセン「PIXY」へ向かう。<br /> 待ち続けると、確かにジェロニモがやってきた。<br /> 格闘ゲームを始める。その後、事件のあったゲーセンを転々とし、ジェロニモ犯人説が疑いから確信に変わる。<br /> そして、最終地点であるシルベールへと向かった。未発表のゲームタイトル画面を目にし、<br /> 「くッ、これは俺のゲームだ!俺の作品だ!!」と絶叫しながら店を飛び出す。<br /> それを尾行し、家を突き止め、表札に名前が102号室「間瀬谷」(間瀬谷=ませや?)と書かれているのを確認したとき、<br /> ヌマさんからポケベルで呼び出しがかかった。深追いはするなという意味ととらえ、そのまま署へと戻る。<br /><br /> ヌマさんにとしおりさんに自宅を突き止めたことを報告する。間瀬谷という名前があったと話す。<br /> しおりはまたアナグラムではないかというが、「MASEYA」と”Y”が邪魔だと話した。<br /> すると、メールが来ている。<br /><br /> 愚かなる警察へ<br /> ここまで愚かだったとは。<br /> 愚かなる行為は愚かなる命で償え。<br /> 最終爆弾は起動した。<br /> 爆破は予告日時通り。<br />           悪魔 の手下<br /><br /> 「この文章は、家に入ってすぐ送って来たものだから、突き止めた家は間違いなくジェロニモの家だ」とヌマさん。<br /> 最終爆弾の爆破予告日時は聞いていないと考えこむ。正式な捜査令状を取ってくるにも、ゴロイチを納得させるだけの証拠がない。<br /> そう考えているとき、壁掛け時計は午前0時の時を刻んだ・・・。<br /><br /><a name="a328"></a></dd> <dt><a>328</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:55ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>― 5日目(10月15日日曜) ―<br /> さっぱりメールの内容に関する意味がわからない3人。<br /> 「最終爆弾」に「予告日時」これは一体何のことだろうと考えていると、<br /> 「それらを既に受け取っているのに気がつかないだけだろうな?」とアドバイスをするヌマさん<br /> 一人口をつぐみ、考え込んでいる桂馬。彼には一つの考えがあった。そして資料室を後にした。<br /><br /> 桂馬の来た場所は、ジェロニモのアパートだった。<br /> 102号室の電気が消えており、モニターも点いていないことを確認。<br /> 外出していると思い、部屋へと侵入する。令状がないので、確実に住居侵入罪だが、この際そんなことは言っていられない。<br /> まずはパソコン周りを調べるが、メディア類は一切見当たらない。<br /> 棚を見ると、先月から走り出している「京戸線」の新型車両「ゆりかーご」のNゲージ(電車の模型)が置かれていた。<br /> だがただの置物で、これといって変わったところは無い。<br /> メディアがないという事は、PCの中に入っていると思い、全台電源がつきっぱなしのPCの中身を全て確認するが、<br /> 特にめぼしいものは見つからない。<br /> もう止めようと思ったそのとき、ふと思いつく。<br /> 「消去したデータが完全に消去されきらず、残っていることはないか。復元させることができないか」と。<br /> 案の定、一件だけ見つかる。「present.txt」というもの。<br /> 中を確認すると、「愚」という文字で埋め尽くされた、ただのテキストだった。茫然自失となる桂馬。<br /> ショックを隠しきれず、5時間も部屋に居座ってしまったので、いつジェロニモが帰ってくるかわからない。<br /> そのテキストだけ持ち帰ることにし、部屋を出た。<br /><br /> 外は既に夜が明けていた。すぐに帰る気にもなれず、ハチ公前で座り込む。<br /> ジェロニモに馬鹿にされ、キリキリ舞いをさせられているだけだろうかと悔し涙が流れた。<br /> 桂馬君と呼ばれ、顔を上げると、そこにはしおりが居た。<br /> 「ダメだったのね。元気出して」と自分を理解し、励ましてくれる。声を出して泣きたくなった。<br /> 涙をぬぐい、署へ戻り、一からやり直そうと心に決める。<br /><br /> 署に戻ると、まずはジェロニモの部屋にあったファイルから調べることにした。<br /> 文字だけにしては容量が大きいというしおりの指摘に、もしかするとプログラムかもしれないと解析してみる。<br /> 最初の数行と最後の数行に「愚」が並んでいるだけで、中央部はバイナリデータが入っている。<br /> それに混じって、読めそうに無い漢字や文字が散らばっている。<br /> 「トキソイド」「ソーク」「ジェンナー」「クレプス」「セービン」「ハルトマン」「BCG」「DTP」<br /> 読める言葉を拾うが、特に意味がないのかと考える桂馬にしおりは、<br /> ジェロニモのことだから、何か意図があるかもしれない。BCGとかジェンナーなんて、予防接種の名前だという。<br /> だが、爆弾予告とは無関係で、それらは陽動作戦だろうという結論に至った。<br /><br /><a name="a329"></a></dd> <dt><a>329</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:55ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>既に予告されているとはいえ、今回の予告は何も聞かされていない。<br /> だが、一つだけ解いていない文章がある。それはオーロラビジョンに映し出された爆破予告だ。<br /> 爆弾をばく弾と書いた不自然さもある。今までの予告通りにいくと、字数あわせの為と考えられる。<br /> だが、どう解くかまだ思いつかない。三人で考えることにした。<br /> あの時なにがあったのかと考えてみる。音楽が鳴り、画面に映し出された…。<br /> 僕達は見落としていたのではなく、聞き落としていたんだ!<br /> 音楽だと気がつき、葬送行進曲の旋律を思い出す。(♪レーレーレレーファーミミーレレーレレー)<br /> 文面を良く見ると、最初の「Do」は音階の高い音の「ド」最後の「Do」は音階の低い音の「ド」とすると、<br /> 行は全部で8行。音符もド~ドで8音。予告文は五線譜になっている。<br /> 葬送行進曲の旋律を文章にあてはめると<br /><br /> 「審判の日要再起んばく弾」→「しんぱんのひにちよう」→「審判の日日曜細菌爆弾」<br /><br /> 日曜の今日午後一時、細菌爆弾が爆破されると理解された。<br /> しおりも、「present.txt」を調べていると、意味不明の言葉は、ウィルス病のワクチンや<br /> ワクチン発明者の名前だったから、ワクチンを用意しておけという警告だったのかもしれないという。<br /> コトが大きくなった以上、課長に報告し、捜査課にも働いてもらおうと提案する。<br /> ヌマさんの後輩である課長の梶本に事件を報告すると、いたずらだという話もある以上、鵜呑みにはできないという。<br /> そこへ桂馬たちが課長と話をしに来ていると聞きつけたゴロイチ刑事が入室してくる。<br /> 全てガイの悪戯だと言うゴロイチに対し、桂馬はガイは無実で、本物の細菌爆弾だったら死人が沢山出ると討論する。<br /> やめんか!と一喝する課長。<br /> 桂馬には始末書を書けと命じ、ゴロイチにはガイを抑えろと命令した。<br /> 自分の主張が通ったゴロイチは、ニヤリと馬鹿にするように桂馬とヌマさんを見た。<br /> 課長は「雨宮、それから沼田君。君たちは権田を手伝うように」と言って話は終わった。<br /><br /> 桂馬とヌマさんは二人でコーヒー牛乳をすする。<br /> ヌマさんは手取り足取り教えこんだ梶本課長があんな態度を取ったことにショックを覚えていた。<br /> のっそりと腰を上げ、資料室へと戻る。<br /> 資料室ではしおりさんが落ち込んでいるヌマさんを見て心配した。<br /> それに桂馬は「ゴロイチが相変わらず大バカ者で、課長はその上を行くアホウだっただけです」と怒りを露に説明。<br /> 絶対にこの事件は止めないと決意を新たに、細菌爆弾がどう使われるかから考えることにする。<br /> 「①空からバラまく場合」「②水道を媒介とする場合」「③人混みの中に設置する場合」の三点と推理する。<br /> 空からの場合は、ヘリや小型飛行機、アドバルーンや風船なども考えられるため、<br /> 渋谷上空を通過もしくは滞空するもの全てをチェックする必要がある。<br /> と聞くと、ヌマさんは「航空関係の上層部にも親友がいるから、わしが引き受けよう」と力強くうなずいた。<br /> ②の場合は細かい水まで調べるとキリが無いので、水道局へ連絡して渋谷に入り込んでいる供給源だけ調べる。<br /> これもヌマさんが、水道局のお偉方にもポン友がいると引き受ける。ヌマさんの顔の広さを改めて知る。<br /> ③は時限装置付のものだろう。ゴミ箱やハチ公の銅像なんかも考えられるので、人手が足りないと嘆くと、<br /> ヌマさんは、親しい刑事や交番の警官達に頼もうと言ってくれる。<br /> 正規のルートなんか無くても、わしがどれほどの警察官や関係者を動かせる男か見せてやると言い切った。<br /> その目は、鬼刑事の自信を取り戻していた。<br /> 自分達もできる限り動こうと、ばらばらに街へと出た。<br /><br /><a name="a330"></a></dd> <dt><a>330</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:56ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>手当たり次第に駆け回ったが、収穫は無い。約束の場所でしおりと合流した。<br /> しおりも収穫は無かったようだ。ヌマさんは各方面への手配は済んだしおりから聞き、凄腕だと関心していると、<br /> ヌマさんに頼まれて動いていた鯨井刑事が、伝言を携えて二人のもとけ来た。<br /> 「手は尽くした。総勢300人からの人が渋谷の街を動いている。だから一度スタートから考え直そう」というのだ。<br /> ふたりは署へと戻った。<br /><br /> これだけ大規模な捜索をやっても出ないということは、何かの間違いがあるんじゃないかと考える。<br /> 桂馬もジェロニモというキャラと細菌爆弾が結びつかないと考えていた。しおりも同じ考えだった。<br /> 三人は事件の最初から考え直す。<br /> 7つのゲーム、3回の爆破予告、3つのニセ爆弾、「高松野平」の過去、オーロラビジョンのメッセージ・・・。<br /> 時間はあと40分というとき、桂馬はひらめいた。<br /> 法則ある番号、クイズの名前、占いゲームの名前、競馬ゲーム、ペットボトルの中身、3日目の予告と仕掛けられたゲーム…<br /> 「ブレイン」「1525」「ウィザード」「トロイの木馬」「テキーラ」「13日の金曜日」「ネプチューン」<br /> 全てコンピュータウィルスの名前だったのだ。これならキャラと一致する。<br /> もう一度初めの爆破予告を見直す。<br /> すると、ヌマさんは葬送行進曲の第二フレーズを口ずさんだ。<br /> (♪ファーファーファファーラーソソーファファーファファー)<br /> ハッとひらめく桂馬としおり。第二フレーズででも読めということに気が付いたのだ。<br /> 第一フレーズはこのまま、第二フレーズは上下逆さにして読む。<br /><br /> 「宇意るす殿惨喜警_と千」→「うぃるすでんさんきけいとせん」→「ウィルス電算機京戸線」<br /><br /> 確かにジェロニモの部屋にNゲージがあったことを思い出す。<br /> 新型車両「ゆりかーご」は、完全自動列車だったのだ。先月から試運転で、渋谷にも乗り入れ、<br /> 一日一本、渋谷着13時13分だ。それにウィルスを侵入させ、暴走させようと企んでいたと確信した。<br /> ヌマさんに後を任せ、桂馬としおりは署を飛び出した。<br /><br /> 二人は京戸線渋谷駅オペレーション室へ来た。<br /> オペレーション室主任に事情説明するが、専用回線で外部からの侵入ができないようになっているという。<br /> ATC作動用のコンピュータにウィルスは侵入される心配は無いが、車両に搭載されているコンピュータには侵入される恐れはあるが、<br /> 侵入されてもその時点で警告が鳴るようにできている。まだ警告も何も無く、正常だと主張するばかり。<br /> すでに時間は12時55分を回っていた。<br /> 車両を止めてくれと要請するが、それはできないと言われる。<br /> 今日の試験運行は無人かと問うと、特別試運転の為、都知事や警視総監など著名人とマスコミ関係者、<br /> 合わせて100人ほど乗っているという。<br /> なら、なおさら停めてくれと頼み込むが、主任は一歩も引かない。<br /> 押し問答をしていると、1時になってしまった。<br /> もうダメだと思っていると、「停めてください!」と権田が飛び込んできた。<br /> ヌマさんが課長に働きかけたから、警察が動き出したと話す。<br /> 正式な令状もあり、署が全責任を負うので、即時停止させてくれと言ったのだ。<br /> ガンとして停めようとしなかった車両を、主任は停止する命令を下した。<br /> そして列車は停止した・・・。<br /><br /><a name="a331"></a></dd> <dt><a>331</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:57ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>しかし、列車は再び動き出した。やはりウィルスは生きていた。<br /> 停止ボタンを押してももう止まらない。<br /> こんな新種のウィルスにワクチンなんてあるはずが無い!<br /> どうすれば止まるんだと考える。そのとき、ジェロニモの自宅から押収したテキストのファイル名を思い出す。<br /> 「present.txt」これは自分に対してのプレゼントという意味だろうか?<br /> もしかすると、これがウィルスのワクチンではないかと思った桂馬。<br /> いちかばちかで実行しようと、管理センターのコンピュータを借り、ファイル名を実行すると、<br /> 「ワクチンを送信します」と表示された。<br /> 停車駅に近づいてくるが、なかなか終わらないプログラム。50%…70%…90%…100%!<br /> ようやく終了したと思い、線路表示板を見るが、まだゆりかーごは突き進んでいた。<br /> ブレーキ有効の限界ポイントまであと10Mというとき、じっとしていられず、桂馬は部屋を飛び出した。<br /> そして最終停車駅の停車場所の端に立つ。こんなことをしたところで、意味はないのは理解していた。<br /> 自分は100人の命を救うことができなかったと、己の無力を呪い、ここで100人とともに殉職しようと考える。<br /> と、隣にゴロイチ刑事が立った。「同じ釜のメシ。死なばもろともだ」権田は初めてニヤリと笑った。<br /> だんだん列車が近づいてくる。もうあと少しというところで、列車は無事ホームに静止した。<br /> ワクチンは効いたのだ。力が抜ける桂馬。100人の命を救うことができたことを実感した。<br /> 桂馬はいつの間にか自分が泣いていることに気が付いた。しおりも泣いていた。権田の目にも光るものがあった。<br /> 権田がニヤリと桂馬に手を差し出した。やったな、桂馬。と。<br /><br /> 署に戻ると、真っ先にヌマさんが笑顔で出迎えてくれた。<br /> ジェロニモが逮捕されたことを聞いた。彼は大筋で犯行を認めたという。<br /> これで終わりか・・・。コーヒー牛乳でひとり祝杯を上げた。<br /><br /><br /> コーヒー牛乳を片手にいつもの巡回をしている桂馬。<br /> 思えばここから始まったんだなと、オーロラビジョンを見上げると、一瞬だが、画像が表示された。<br /> 悪魔が声を出さずに笑っていた。悪魔の手首が突然切れた。何かが引っかかった桂馬。<br /> 悪魔から手が切り離された。悪魔の手下は、手下でしかなく、シャチテの悪魔は別にいるんだと理解した。<br /> 「やっぱり事件は終わっていなかったんだ!」<br /> 資料室へと戻り、ヌマさんに考えを報告すると、わかっとるといわれる。<br /> しおりも緊張した面持ちで資料室へと入って来て「都倉署長が呼んでいる」という。<br /><br /> 所長室へ入ると、所長は「先月押収したTNT火薬100kgが盗まれた。内部事情に詳しい者の犯行だ」という。<br /> 現場にはあのビラが置かれていたのだ。ただ、署名が「悪魔 の手下」ではなく「シャチテの悪魔」だった。<br /> 「犯人はシャチテの悪魔。しかも犯人は署内に居る」と断言する。<br /> ジェロニモが取調べ中に紛失したので、奴はシャチテの悪魔ではない。<br /> もっと早く気づくべきだったと悔やむ桂馬に、所長は推理を無視した全責任は署長である私にあると断言。<br /> 本件は警視庁、警察庁の応援も仰いでおり、全署をあげての捜査体制だという。<br /> ジェロニモは桂馬に会いたがっているので、話を聞き、それをヒントにTNTのありかを突き止めろという、<br /> 警視総監からの特別命令だったのだ。<br /><br /> 長い沈黙だ。<br /> 30分が過ぎ、3時になったとき、ジェロニモは口を開いた。<br /> 「バクダン、TNT、100キロ」と。やはり何か知っていると感じた桂馬。どこにあるんだと問うと、<br /> 俺はタダの手下。自分で探せ。と言われる。<br /> シャチテの悪魔とは誰なんだ!とすがる思いで聞く。<br /> ジェロニモは言う。<br /> 「トウダイモトクラシ」「イチバンエライノハダレダ」<br /> 「シャチテの悪魔当テゲーム・・・当テタラ、バクダン、止マル。当テナカッタラ20時、ドッカアアアン・・・」<br /> それきり二度と喋らなかった。<br /><br /><a name="a332"></a></dd> <dt><a>332</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:59ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>廊下で待っていたヌマさんとしおりの前で「解いてやる!」と誓う。<br /> 桂馬は言った。奴は100kgの火薬を手に入れ、どこかにセットした。<br /> 僕らが最後のクイズに正解を出さなければ、本気でドカンとやるきだと。<br /> ヒントは全てもらった。そして真犯人を考え始めた。<br /> 犯人は渋谷署内に居る。「まさか」という概念を外して考えることにする。<br /> 「とうだいもとくらし」は、「灯台下暗し」なのか?トウダイは、東大、当代、東台、登第などもありえる。<br /> 「一番偉い」のは「警視総監」や「署長」だが、「偉そうにしている奴」は「ゴロイチ」。<br /> 「プロフェッショナル」という意味なら「鯨井」トウダイが東台で、京都出身の意なら鯨井は京大卒だ。<br /> だが、決定的な証拠はなく、そこで推理は止まった。<br /><br /> シャチテの悪魔の意味も自分達の知らない何かがあるかもしれないと、もう一度アナグラムをやってみることにする。<br /> だが、意味が通るものにはならない。<br /> ひとつだけ意味の通るものができる。「ハチ公前 NATS」<br /> NATUビルのことだと思い、署を飛び出してハチ公前へ行くが、ここからではビルが見えなかった。<br /> センター街入り口でゴロイチに出会い、何か見つかったかと問われるが、街の景色のなかで手掛りを探していると言うと、<br /> ばかにされ、平手がとんだ。<br /> 署に戻るとき、鯨井刑事にも出会う。ビラの文字を階段状に読むと、<br /> 野金ビルの13階と読めるが、ビルは7階建てだった。鯨井は悔しそうに地団駄をふんだ。<br /><br /> 署に戻り、何か見落としているかもしれないと考え始めた。<br /> ジェロニモの部屋の前にあった表札というと、ヌマさんが「間瀬谷」(ませたに)か。とつぶやいた。<br /> その答えに、自分は「ませや」と読んでいたからアナグラムにならなかったんだと気づく。<br /> 「MASETANI」から残りの文字を使ってアナグラムにして見るが、これといった収穫は無い。<br /><br /> また一から考えようと決める。<br /> しおりは「いくら聞き込みをしても、ロケ隊に化けてビラを配っていたグループを見た人なんて居ない」という。<br /> 2日目の桶畑夏美という男が結局ジェロニモだった。桂馬は女性だと思っていた。<br /> 3日目にはジェロニモの正体がわかった。4日目にはあの名前のアナグラム。どれもヌマさんのおかげだと感謝する。<br /> 煮詰まってきたので、一度外に出ることにした。<br /> オーロラビジョンを見上げると、またあの悪魔の絵が表示されたが、すぐに消える。<br /> 今は10分おきだとゴロイチが来て言った。最初は60分おき。30分おきになり、今では10分おきだという。<br /> 止めないのかと問うと、陣頭指揮を取っている所長が様子を見ろといっているという。<br /> 警視総監まで出てきている始末。街中お巡りだらけだ。<br /> 単刀直入にゴロイチへ火薬が盗まれたとき何をしていたかと聞くと、怒り、人ごみへと消えた。<br /> 鯨井刑事はと気になり、さっきの野金ビルへと向かうが、既にしらみつぶしに調べ終えた後で、そこには居なかった。<br /> そのとき、しおりの携帯電話に署長から電話が入り、鯨井がシャチテの悪魔の新しいアナグラムを見つけたという。<br /> 鯨井の居場所も聞き、急いで向かう。<br /><br /><a name="a333"></a></dd> <dt><a>333</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 18:01ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>行くと、鯨井は真犯人は4人居ると言い出す。「急いた悪魔4t」ともなるからだ。<br /> 4の「Y」は余計だと言うと、シャは「sha」でもあるが、「sya」でもあるから「yon」ができるんだという。<br /> Tは、ジェロニモの本名、高野もしくは手下のtがプラスされているんだと。<br /> だが、桶畑夏美にも松方丙や他の名前にもならないと、しおりが指摘すると、やはりHかと悔しがる。<br /> その場を後にし、署へと戻った。<br /> 道すがら、警視総監と、所長が麻雀荘へと向かうところを目撃するが、似ているだけだと結論付けた。<br /> 三人でもう一度考えようと話している中で、MOのプロテクトを解除したフロッピーの話になる。<br /> ヌマさんは「あれは後輩からもらった」と言っていたそうだが、<br /> 後輩といえば、ゴロイチも、鯨井も課長も警視総監だって後輩かもしれないし、しおりや桂馬も後輩だと話す。<br /><br /> 署へ戻ると、ヌマさんはシャチテの悪魔のシャは「sya」もあるとありえると話す。<br /> それをヌマさんに聞いてもらおうと思って帰ってきたが、Yだと悪魔の手下にはならないと答えたそのとき、<br /> 桂馬はひらめいた。<br /> シャチテの悪魔と悪魔の手下は別なんだから、悪魔の手下にならなくてもいいんだ。と。<br /> 「SYATITE NOAKUMA」のアナグラムかもしれないと考えたとき、しおりはこの中にTNTが入っていることに気づく。<br /> 残りの中に、「IS」もあり、それも消し、並べ替えると、「OKAYAMAue」が残った。<br /> 「TNT is OKAYAMAue」オカヤマビルの屋上にTNT爆弾があるととれる。<br /> できた!と部屋を飛び出す桂馬。<br /> しかし、爆破が止まるのは、真犯人を挙げた場合のみ。<br /> そのとき、桂馬は閃いた。<br /> ミニパソを取り出し、何かを打ち込む。<br /> 青ざめた表情で顔を上げた。そんなバカな!と絶叫した。<br /> 犯人が。全てがわかったのだ。<br /> 混乱しながらも確認の為、人事部のデータを検索する。…これで真犯人を確信した。<br /> 携帯電話で犯人を呼び出し、オカヤマビル屋上へと向かった。<br /><br /> ビルの屋上へ到着した。真犯人は本当に来るのかと話しかけるしおり。<br /> 足音が屋上に静かに響き、そして止まった。<br /> 真犯人のシルエットが現れた。肩を落とし、真犯人に話しかける桂馬。<br /><br /> 「あなたが真犯人だったんですね…。沼田岳義さん。」<br /><br /> 相手はゆっくりと明るいところへ出た。それはヌマさんだった。<br /> 全ては沼田の名前のアナグラムでできていたのだ。<br /> 「駅前でビラを配っているニセロケ隊」を見たのもヌマさんだけ。自分で持ってきたから誰もロケ隊を見ていない。<br /> 「桶畑夏美」という名前も、それだけなら女だと思うところを、男知っていたのもヌマさん。<br /> 死んだ息子も、10年前に死んだとしても、生きていたら、<br /> ヌマさんの年なら30歳くらいになっていたはず。それを小さい子供のように言った。<br /> 名前も「徳矢」と言っていたが、本当の名前は「草太」。人事部のデータで知った。<br /> 徳矢もシャチテの悪魔のアナグラムで、「TOKUYA」を引き、並び替えると「MASETANI」=間瀬谷。<br /> また、「トクヤ」という名前は、後ろから読むと、「ヤクト」ヌマさんの故郷「岐阜県吉城郡」の方言で「嘘」。<br /> メンテナンス会社の名刺の名前を全て正しく読んだのも、ヌマさん。<br /> 間瀬谷と言う名前も、「ませたに」と正しく読んだのも。<br /> 全てのヒントは沼田から出た言葉だ。解決へ誘導していたのだ。<br /><br /><a name="a334"></a></dd> <dt><a>334</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 18:02ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>全てを自白する沼田。<br /> 非番の日にインベーダゲームを一緒にやりに行く約束だったが、街で事件が起き、呼び出され、<br /> 息子は一人でゲーセンへ行った。<br /> 事件は銀行強盗で、犯人はハジキを持っていた。撃ちあいになった。これが「渋谷拳銃戦事件」だ。<br /> 銀行はゲーセンの前で、誰かの撃った流れ弾に当たり、息子を失ったと言う。<br /> 犯人グループの撃った弾に当たったと調査結果だったが、どう考えても犯人の発射角度が違った。<br /> これを無理やり手柄にして、出世したのが今の警視総監だ。<br /> やたらとバンバン撃ってたのが、ゴロイチ刑事だ。<br /> 嫁さんも、息子が死んだショックで倒れ、二度と起き上がることはなかった。<br /> 息子と嫁さんへの償いのつもりで、息子が好きだったインベーダゲームを買い、自分もプログラムの勉強をした。<br /> そして、息子が好きそうなゲームの開発もした。<br /> 沼田の中での息子はいつまでたっても10歳だった。桂馬が現れるまでは。<br /> 桂馬は息子がそのまま成長した感じで現れた。<br /><br /> 母親は長生きをした。<br /> だが、5年前に母親が倒れ、救急車で運ばれたそのときは、<br /> イメージアップの為だけに行われたゲーム賭博の取り締まりに借り出された。<br /> 結局親の死に目には会えなかった。<br /> ジェロニモには、ゲームの勉強をしていたときに知り合った。<br /> あいつは世間に対して恨みを抱いていた。自分の才能が認められないことや、大手ゲームメーカーにだまされた事だ。<br /> だが、今回はたまたま組んだだけで、やつも自分の被害者だという。<br /> 鬼刑事と呼ばれていた現職中に、資料室勤務になったのは、<br /> 10歳の子供をひき逃げした事件を捜査したとき、犯人は政治家だった。<br /> 逮捕令状を取ろうとしたが、令状は握りつぶされ、自分は移動命令が下された。<br /><br /> しおりは、何かを言いたそうにしているが、涙で言葉にならない。<br /> 全ては警察への復習。仕返しがしたかったのだった。<br /> その自白に桂馬は「でもヌマさん、それはやっぱりイケないことだよ・・・」と涙をこらえながら言った。<br /> ヌマさんの目に、初めて涙が浮かんだ。<br /> 「桂馬としおりをキリキリ舞いさせてしまったが、ワシは誰も殺さなかった。<br /> 本当に爆発するつもりだったかどうか、自分でも分からない。<br /> だが止めたんだ。これで警察への仕返しは果たしたよ。<br /> 死人は出なかったが、今後この事件は問題になり、国会でも問題になる。<br /> 奴らへもこれからジワジワと聞いて来るさ。」と語り、桂馬へ両手を差し出した。<br /><br /> 桂馬は、恩師・沼田岳義の両手に、手錠をかけた・・・。<br /><br /><a name="a335"></a></dd> <dt><a>335</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 18:03ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>迎えのパトカーにヌマさんを乗せ、見送ったとき、「明日から寂しくなるわね・・・」としおりはつぶやいた。<br /> そのとき、オーロラビジョンから聞き覚えのある曲が流れた。<br /> 見上げると、メッセージが映し出されていた。<br /><br /> 「素晴しき刑事君に告げる<br />  完敗だ。<br />  君に敬意を払い、<br />  ここにその栄誉を称える。<br />         シャチテの悪魔」<br /><br /> 顔を見合わせたとき、どこかで8時の時報が流れた。<br /> 直後、空には大きな花火が打ち上げられた・・・。<br /><br /> 事件から1ヶ月が過ぎた。<br /> 今日も桂馬はコーヒー牛乳片手に、日課の巡回をしている。<br /> 道で肩がぶつかったが、その相手はガイで、この一ヶ月はマジメに学校に通っているという。<br /> そのとき、携帯電話が鳴った。<br /> ラジコンに爆弾を仕掛けたという内容だ。<br /> 切られた直後、桂馬としおりとガイのすぐ足元にラジコンが走り抜けていった。<br /> あれだ!と追いかけて行った。<br /><br /> 雨宮桂馬はいまやバクダン刑事である。<br /><br /> 「オタク刑事、走る!」完<br /><br /></dd> <dt><a>342</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街の人</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 21:56ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>書き終えて、もう一回読み直したが、数々誤字あるな。<br /><a href="http://jumpres/read.cgi/gamerpg/1080522704/334"></a><a href="http://jumpres/334">&gt;&gt;334</a><br /> 下から二行目。<br /> ジワジワと聞いて来るさ。←何を「聞く」のかと小一時間。<br /> 正しくは「ジワジワ効いて来るさ。」だわなぁ・・・。<br /> すまねぇ。<br /> 読み返してて、自分の行いにワラタ。<br /><br /><br /></dd> </dl><hr /><div align="right"><a href="http://www8.atwiki.jp/storyteller/pages/645.html">&gt;&gt;Part2</a>(馬部甚太郎編、牛尾政美編)</div>
<p><strong>街</strong>(Part1/4:雨宮桂馬編) ページ容量上限の都合で4分割されています。<br /> &gt;&gt;6-316~335・342</p> <hr /><dl><dt><a>316</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:32ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>雨宮 桂馬「オタク刑事、走る!」グッドエンド<br /> ― 一日目(10月11日水曜) ―<br /><br /> 渋谷の交差点。<br /> 「雨宮桂馬」(あめみやけいま)は「ゲーマー刑事」である。<br /> 警視庁渋谷中央署生活安全課少年係。これが桂馬の正式な肩書きだ。<br /> 桂馬は雪印のコーヒー牛乳を片手にいつも通り、朝の巡回をしている。<br /> 登校拒否をしている少年の「ガイ」(本名:土屋利男)へ公衆電話を使ってネットで補導する。<br /> そこで11時にゲームセンターでの待ち合わせをし、ネットから落ちるガイ。<br /> 通信を解除すると、あこがれの先輩婦警「麻生しおり」に見つかりあわてるが、彼女は桂馬の補導を理解しているので、注意するだけだった。<br /> そのとき、不気味な音楽が聞こえてくる。音楽は「葬送行進曲」。<br /> 音の鳴る方向である、オーロラビジョンへ目を向けると、「爆破」の二文字が大きく表示されている。<br /> 何かとんでもないことが起こっていると直感した直後、画面が切り替わり、文章が表示される。<br /><br /> 「DO YOUR BEST<br />  死を刻む十三の鐘 混沌の大地より産まれ<br />  し災の子 予言は木馬を越え車の時代あみ<br />  目に花の哀しみ幾千と 警告街滅する意宇<br />  智と技を要し 意を解し 喜惨負はんとす<br />  る者 主の再起の戦の相手 貴殿と認める<br />  審判の日は訪れんばく弾は街で目醒を待つ<br />  DO YOU DO IT?    悪魔 の手下」<br /><br /> 桂馬は直感で「爆破予告」と感じるが、桂馬の上司である「ゴロイチ」(本名:権田玄三)が頭に平手を飛ばす。<br /> 良く見ろと言われ、もう一度オーロラビジョンを見ると<br /> 「ドラマ『刑事・独走最善戦』ジャパンテレビ系で絶賛放映中!」という画面が追って現われた。<br /> ドラマの予告であることがわかった。しかし、なおも桂馬は疑念を拭いきれないが、ゴロイチに、<br /> 遊んでないで仕事しろと殴られる破目に。<br /> 再び巡回に戻ることになった。<br /> ゲーマーの桂馬にとっては、ゲームセンターの警邏は、魅力が溢れる場所である。<br /> UFOキャッチャーの商品取り出し口に手が挟まれたふりをして、しおりを追い払う。<br /> 小銭を握り締め、11時の決選が近いと考えているとき、通りすがりのカップルと肩がぶつかり、小銭を落としてしまう。<br /> カップルにも協力してもらいながら小銭を集め終わったとき、ふと手の中に丸められた紙が握らされていることに気がついた。<br /> そこに書かれていた文章は、オーロラビジョンの怪文書。どこからともなくあの旋律が聞こえる。<br /> 桂馬の心に不安が湧いた。それは、この桂馬の25年の生涯で、はじめて感じる虫の報せのようなものだった。<br /><br /> 元鬼刑事であり、現在資料室主任。桂馬が最も信頼を置く「ヌマさん」(本名:沼田岳義)に合うために、資料室へ向かう。<br /> ヌマさんもビラをもらったらしいが、それは、黄色いスタジャンを着たロケ隊の男達が配っていたドラマの広告だという。<br /> やっぱり爆破予告ではないと理解するが、警戒は怠るなとヌマさんに警告される。<br /> ガイとの待ち合わせを思い出した桂馬。再びゲームセンター街へ。ゲーセン「PIXY」へ向かった。<br /><br /><a name="a317"></a></dd> <dt><a>317</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:33ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>ガイと会い、「WOLFIRE3」(以下、ウル3)で対戦しようと桂馬がコインを入れると、急用があると言いどこかへ行ってしまう。<br /> すると直後に背後から不気味な気配がした。<br /> 男は「ジェロニモ」とつぶやくと、乱入する(対戦する)ためコインを入れた。<br /> はめ技で、彼に勝つと、彼はコンパネを叩き、切れたように立ち上がり「オモシロカッタ」の捨てぜりふを残して去ってしまう。<br /> 彼が居なくなると、ガイが戻ってくる。<br /> ジェロニモと名乗る男は新宿から流れてきたゲーマーで、「シャチテの悪魔」と呼ばれているクラッカーだという。<br /> 彼に目を付けられると、ストーカー行為をされた挙句、社会で生活できないほどの侮辱を受けると言う。<br /> ただ、ゲーム上で彼に再び負けると、その行為もぴったりと止まるのだという。<br /> 警告を受けると、後ろからゴロイチ刑事が睨まれていることに気づき、横っ飛びで外へ出る。<br /><br /> 外では、しおりが待っていた。彼女もビラを持っていた。逆さにして貼ってあるところを持ってきたという。<br /> テレビドラマを装った本物の犯行予告ではないかと疑いを持っていた。<br /> が、ビラを受け取った人がいたずらでやったと結論に至り、巡回を再開した。<br /><br /> 独走最前線の台本を持った男が公衆電話で話しているところを見つけ、話しかける。<br /> ドラマの中で今回爆弾が登場することはなく、チラシも配っていないと言われ、爆破予告は本物だと確信。<br /> 桂馬は走り出す。十三の鐘は、午後1時のことだと推理したからだ。<br /> 「審判の日は訪れんばく弾は街で目醒を待つ」とは、今日の午後1時に爆発が起こるということだと言う桂馬に、<br /> 思い込みが激しいと言うしおり。本当に思い込みなのか疑問に思っていると、ヌマさんが一枚の紙を持ってやってきた。<br /> このゲーセン街の公衆電話から渋谷署の全室に設置されているFAXに届いたのだという。<br /><br /> 「Q1 混乱を鎮めたくば頭脳を運べ」<br /><br /> いたずらだろうと署内では言われているが、ヌマさんは知らなかったらしいが、<br /> 2,3日前にも「悪魔の手下」と名乗るハッカーから同じようなFAXが届いていたが、結局何もおこらなかったという。<br /> この爆破予告は本物で、このFAXは「Q1」というところから、ヒントだと考えた。<br /> 「混沌」は「カオス」。「頭脳」は「ブレイン」。ゲーセン「カオス」は「ゴッドブレイン」というクイズゲームが売り。<br /> そのゲーム機の中に爆弾を仕掛けたという文章だと推理し、ゲームセンター「カオス」へと急いだ。<br /><br /> 目的のゲーム機へコインを入れ、キャラクター選択画面に変わると、<br /> そこにはいつもよりもキャラクターが一人増えている。使われるはずの無い警察のキャラクター。<br /> そのキャラを選択すると、画面に「爆破」と大きく表示され、クイズが始まった。全13問。<br /> 苦労しながらも解き、13問目の選択が終わったときだった。地底からの地響きがした。<br /> 選択を間違えたと危険を感じた桂馬としおり。<br /> 桂馬はしおりをかばい、床へと伏せた。大きな爆発音。<br /> …しかし、全ては筐体から出る音だった。画面には「起爆装置ON」の文字が表示される。<br /> 一度ヌマさんにも相談するため、資料室へと戻ることにした。<br /><br /> ヌマさんに事情を話し終えるとメールが届く。<br /> メールをチェックすると、オーロラビジョンと同じ内容だった。これは資料室宛でのみ届いている。<br /> メールの続きを読むと、さっきのクイズも書かれていた。このクイズに爆弾のヒントがあると言うヌマさん。<br /> クイズの答えの正解番号には、1525という並びの法則があることに気づく。<br /><br /> 「Q1①UFO    Q2⑤売場      Q3②デパートQ4⑤屋上<br />  Q5①玩具    Q6⑤いなり      Q7②夏   Q8⑤左隣<br />  Q9①ぬいぐるみ Q10⑤プラスチック火薬 Q11②赤と青Q12⑤きる Q13→全部×」<br /><br /> 桂馬は「UFO」は「UFOキャッチャー」で、ぬいぐるみに爆弾が仕掛けてあると読む。ここに手がかりがあると読む。<br /> しかししおりは、最後の二問中で、なぜか「売れないぬいぐるみ」という言葉が続けてあることに気づく。<br /> 桂馬はまたひらめく。「デパートの玩具売場の、UFOの左隣に赤と青の夏のもを着たぬいぐるみが、プラスチック爆弾を仕込まれて、<br /> 居成りで置いてあったとしたら!」と言い、部屋を飛び出し、渋谷内にあるデパート各店を探し回ることにした。<br /><br /><a name="a318"></a></dd> <dt><a>318</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:34ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>資料室を出てから、デパートを巡り、残すはあと一店舗という状態になったが、結局収穫は無い。<br /> センター街でガイと出会う。桂馬の行動を見ていたガイは、ぬいぐるみを探していることを悟り、<br /> 週末に、デパートで着ぐるみショーが行われる予定になっていて、<br /> もうぬいぐるみや機械は搬入されているはずと教えてもらい、そのデパートの倉庫へと向かった。<br /> 人形だけでも、30個ダンボール。全部で360体。片っ端から調べ、10個目の箱という時、しおりがやってくる。<br /> 桂馬が資料室から出た後、ヌマさんと推理していたが、<br /> 「売れないぬいぐるみ」は「売れ残り」ではなく「売ることが出来ない」すなわち、「非売品」のもので、<br /> UFOキャッチャーのぬいぐるみは非売品であることから、はじめに桂馬が推理していたことに近い線じゃないかという。<br /> 夏はNATUビル。屋上にお稲荷さんがあり、左隣にUFOキャッチャーがあると気づいた。急いでそこへと足を向る。<br /><br /> 予想通り、UFOキャッチャーの中には、ここにあるはずのない「ポピーくん」("街"世界の警察のマスコットキャラクター。実際の警視庁のマスコットは「ピーポくん」ですので、鵜呑みにして間違えて覚えないように。)<br /> が「マムルボンボン」(球体のキャラクター)にまぎれて入っていた。<br /> 桂馬の持っている小銭は500円玉1枚と、100円玉1枚だけ。<br /> 500円玉なら、6回できるとはじめるが、店員を呼びに行き、取り出してもらおうと言い残し、走り去るしおり。<br /> しかし、桂馬は「時間がない」と思い、ゲームをはじめてしまう。<br /> ポピー君はマルムに押し込まれるようにして入っているため、なかなか取り出すことができない。<br /> 手違いでマムルをキャッチしてしまうが、マルムは取り出し口より大きく、出口を塞いでしまった。<br /> 桂馬は筐体を蹴った。すると、振動感知センサーが働き、電源自体が落ちてしまう。<br /> 残りの回数を無駄にしたが、コンセントを入れなおし、復活させる。<br /> 最後の100円玉を入れ、再び挑戦するが、子供が話しかけてきたので、ぬいぐるみを取り損ねてしまった。<br /> もう小銭がなく、自分も店員を呼びに行こうと、下階へと降りる。<br /> そこでデジタル数字が目に飛び込んできた。<br /> しかし、その文字は小太りの女性が体重を量っていたその文字だった。その数字を見ると「666!!」ゾロ目!<br /> フィーバーで、もう一回だけゲームが出来るかもしれないと思い、再び屋上へと戻る。<br /> 予想通りもう一度のチャンスが出来ていた。<br /> 今度は取り逃すまいと、ポピーくんをつかみ、取り出すことに成功する。<br /> そのぬいぐるみには、粘土状のプラスチック爆弾とタイマーが付いていた。<br /> 時間を見ると、あと1分45秒しか残っていない。<br /> 狭い場所へ逃げ込み、携帯ナイフを取り出し、赤と青の線、どちらを切ればいいのかと悩むが、結局両方を切断。<br /> タイマーは0.01秒を残すところで停止した。<br /> 直後、警告が鳴り出し、慌てて人形を抱え走り出す桂馬。激しい閃光がひらめいた・・・<br /> 結局コンパクトカメラのフラッシュで、爆破はしなかった。<br /><br /> 署へ戻ると、ゴロイチが悪戯の犯人を捕まえたと言った。<br /> 犯人として捕まえられていたのは「ガイ」だった。<br /> オーロラビジョンの操作室の近くでガイがうろついていたのを見た人物がいるという。<br /> 本当にガイが犯人なのか、信じられない桂馬。<br /> さっきの爆弾が本物か調べてもらうことにした。<br /> その結果は「ニセモノ」で、プラスチック爆弾は、ただのプラスチック粘土。<br /> 力が抜けた桂馬だが、ヌマさんに、こういう犯人はエスカレートするから、今日で無事終わったと思わず、気を抜くなと言われ、<br /> 気を引き締め、甘くてほろ苦いコーヒー牛乳をすすった・・・。<br /><br /><a name="a319"></a></dd> <dt><a>319</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:35ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>― 2日目(10月12日木曜) ―<br /> 翌日になり、ヌマさんは、<br /> ・「カオス」に電話して、筐体を開けて調べてもらったが、基盤への細工の跡はなかったこと。<br /> ・一ヶ月前のメンテナンス時でも異常はなかったこと<br /> を話してくれた。<br /> メーカーが仕掛けたものなら昨日のゲームのようなことは出来るが、爆弾が絡んでいるので、下手したら捕まることになると話す。<br /> ヌマさんは知り合いのメーカーに当たり、桂馬はゲーセンへを当たることにする。<br /> ゲーセンで何か心当たりでもあるのかと言うヌマさんに、「シャチテの悪魔」という名前を挙げる。<br /> ヌマさんは人物については一切知らないが、15年前の高田馬場で聞いたことのある名前だという。<br /> コンピュータに関する知識・技術・才能は人一倍優れていたと聞いていた。<br /> 爆弾ゲームのようなプログラムは作れる技量はあるかと問うと、ヌマさんは余裕だろうと答える。<br /> 「悪魔の手下」に「シャチテの悪魔」。偶然ではないはずと考える桂馬だった。<br /> そのとき、しおりが入室し、ガイが昨日のうちに自宅へ帰されたと話す。<br /> オーロラビジョンの制御室に、ガイの生徒手帳が落ちていたので、その生徒手帳を鑑識に回すと、ガイ以外の指紋が出てこなかったので、<br /> 盗まれたりしたわけではないと考え、ガイを帰し、およがせているのだという。<br /> にわかには信じられない桂馬に、ガイの疑いを晴らしたかったら、まずは行動することだとヌマさんに言われ、<br /> できるだけやってみますと頭を下げ、部屋を後にした。<br /><br /> ガイとの定例通信の時間である午前10時になった。<br /> いつも通り、ネットからミニパソでガイへ呼びかける。返事はない。<br /> しばらく呼びかけていると、ガイが返事をする。話し方もいつも通りのガイだ。<br /> 「悪魔の手下じゃないなら、学校へ行ってマジメ高校生を印象付け、疑いを晴らそう」という桂馬に、<br /> 「このオレこそ、本物のシャチテの悪魔だ」と言った。<br /> 冗談にしては悪い冗談だと思いながらも、「無実は晴らしてやる。真犯人を捕まえてやる」とメールを打った。<br /><br /> ゲーセンの開店時間に合わせて聞き込みをはじめる桂馬。<br /> だが、大した情報は得られなかった。<br /> 「ロンゴロンゴ」というゲーセンに行くと、ちょうどメンテナンスが終わったところで、一足違いで担当者が帰ったと聞く。<br /> 株式会社ペガサスの「桶畑夏美」という人物だったようだ。女性かな?と思いながら名刺を預かり、手帳にはさむ。<br /> 二時間ほどゲーセンを回ったが、収穫はない。<br /> 昼になり、目の前にはしおりの行きつけの店があったので、昼ごはんを食べる為、入店した。<br /><br /> 案の定、しおりは昼食をとっていた。<br /> 今、特に動きはないから、これで事件も終わりかな?でも、悪い予感がすると話していたとき、桂馬のポケベルが鳴った。<br /> 見ると、それはヌマさんが連絡をくれという意味のものだった。<br /> しおりに携帯電話を借り、電話すると「奴からメールが来た」という。<br /> 桂馬のミニパソに転送したというので、確認する。<br /><br /> 「爆破予告」<br /> 黒魔術師は知っている<br /> 警察の代理人ポピーくんの<br /> 運命や如何に<br />         制限時間30分<br />         悪魔の手下<br /><br /> やっぱり終わっていなかったと実感し、回線を切る。<br /> 急がないと30分で爆発だという桂馬に、心当たりがあるのかととうしおり。<br /> 魔術師は一人しかいないと言い、ゲームセンター「あんだんて」の「WIZARD」というゲームを目指した。<br /><br /><a name="a320"></a></dd> <dt><a>320</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:42ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>「WIZARD」に100円を入れると、画面には黒いローブを着た老魔術師が現れる。<br /> 「我が名はカニエル。汝の名は」と言う問いに、「ポピーくん」と入力すると、魔術師が笑い出す。<br /> 「待っておったぞ、占ってやろう。ありがたく思え」と言い出した。ジャンルはこれだ!という声の直後、<br /> 画面には「爆弾クイズ」という文字と爆弾が表示された。と同時に、画面の下にある口から、プリントアウトされた紙がでてくる。<br /><br /> (## 注意:縦書きです!! ##)<br /><br />   ▼死▼風ば在待は悪ふ▼ 第<br />   有ぬい知、▼ち不魔者此 五<br /> 悪 難まのりく仕人可の知の 十<br /> 魔 やでち好も事うの手恵み 七<br />    十万転の流ま意下無く 番<br /> の  競事すイ転のあにくじ  <br /> 手  争休べロあ尻り及しに 大<br /> 下  也すしとらに▼ぶてあ 凶<br /><br /> 意味がわからないと話す二人。<br /> それに答えるかのように、魔術師の声が聞こえる。<br /> その紙には魔法がかかっている。魔法を解くにはある呪文が必要だ。Readat 10o'clock!と言われる。<br /> これが暗号になっているんだと気づいた二人。<br /> 「Read at10o'clock」は、直訳すると「10時に読め」という意味。<br /> 10時は十字で、上から5番目を左から右へ。<br /> 右から7番目を下から上へ読めば、<br /> 「十万転の流ま意下無く、とロイのもくば」すなわち「十万点ノルマ以下、泣く。トロイの木馬」となる。<br /> 馬に関係している言葉の多いことから、競馬ゲームの「トロイフィールド」で、得点が10万点以上にしないといけないとわかり、<br /> 急いでゲームセンター「ロンゴロンゴ」へ向かう。<br /><br /> 第五十七番は、57番ステーション(ステーション=席と思ってもらえば想像しやすいかと。)の意味も兼ねていると思い、<br /> カウンターで、「57番ステーション」と予約すると、既に、エントリー済みだと言われる。<br /> エントリーした人物は「ガイ」だった。<br /> 何故ガイがエントリーしているのかと考えながら、時間がないので、テーブルへと向かった。<br /> アナウンスで「本日のメインレース、警視庁ポピーくん記念カップを残すだけとなりました」と聞こえる。<br /> これは間違いないと思い、57番ステーションの席に着く。<br /> ガイがエントリーしていたはずだが、全く賭けていなかったようす。<br /> この一回で、10万点取らないといけないので、全額を穴馬にかけたが、当たらなかった。<br /> レース終了直後、画面は切り替わる。<br /><br /> 「あと8分。ばかは見ぬ馬のケツ」<br /><br /> 一瞬だけだった。すぐ普通の画面に戻った。<br /> この言葉に、「馬の名前の後ろだけを読めば良いんだ」と気づき、ゲーセンの警備室へと向かった。<br /><br /> 警備室には、警備員のセイさんがいた。彼は一瞬の画面の異常表示に気づいてはいない様子だった。<br /> 彼に今の馬の名前を全て教えてもらい、①から順に後ろの文字をつなげて読むが、意味が通じない。<br /> 着順に最後の文字をつなげて読んでみると、「ナンブRパトカー」→「南部Rパトカー」<br /> と意味の通る文となり、<br /> デパートの屋上にあるおもちゃのパトカーに爆弾が仕掛けられていることに気づき、先を急いだ。<br /><br /><a name="a321"></a></dd> <dt><a>321</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:44ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>パトカーには子供と一緒にピポーくんのぬいぐるみが乗っていた。<br /> 桂馬は、しおりに頼み、子供と非難してもらう。パトカーの料金ボックスの下に、ポケベル型のタイマーがついていた。<br /> 線はピポーくんにつながっており、ピポーくんの背中を開けてみると、<br /> ペットボトルいっぱいに入っていた液体と、そのふたには細工がされていた。<br /> 時間になると、ペットボトルに入ったガソリンに引火して、爆発する仕掛けになっているんだと理解した桂馬は、<br /> ピポーくんを抱え、物陰へ急いだ。<br /> また昨日と同じように、赤と青の線が一本づつあり、両方切断するとタイマーは0.1秒で停止した。<br /> その直後だった。<br /> ポケベルは突然鳴り始める。<br /> 驚いた桂馬は、ポピーくんを投げ捨てた。しかし、それをみた子供がピポーくんに駆け寄る。<br /> 危ないと感じた桂馬は再びピポーくんを抱え、噴水の池へと飛び込んだ。<br /> 結局何も起こらなかった。<br /> すると、いきなり後ろから叩かれた。それはゴロイチ刑事だった。<br /> 彼は、また爆弾だと言って遊んでいるのかと注意されるが、桂馬は爆弾らしきペットボトルを見せる。<br /> すると、ゴロイチは、ペットボトルを開け、中身を飲み、「これはテキーラだ」と言うので、<br /> 桂馬たちも開けて確かめて見ると、アルコールの臭いがした。<br /> 肩を落としながら、濡れそぼった桂馬はそのまま署へと戻ることにした。<br /><br /> ヌマさんに今日あった出来事を全て話すと、テキーラだったとはな…とつぶやいた。<br /> 「人がいいから、親しいから、身近にいるから、大好きだからといって、容疑者圏内から外すことは許されない。それが刑事という仕事なんだ」と諭し、<br /> ガイが57番を先にエントリーしていたのも偶然とは考えにくく、怪しい。<br /> 一足違いでメンテナンスしていた男も怪しいという。(ヌマさんは名前しか見ていないが、男だと思っている)<br /> 競馬の馬の名前を教えてくれた警備室のセイさんも怪しいと言い出す。<br /> 終いには、誰が置いて行ったか分からない爆弾に見せかけたモノを飲んだゴロイチ刑事も怪しく、<br /> いつも行動を共にしているしおりまでもが怪しいと言い出す始末。<br /> 驚く桂馬だが、参考になったと礼を言い、もう一度街へと出て行った。<br /><br /> さっきのヌマさんとの話をまだ引きずり、考えながらどこに向かうでもなく歩き続けている。<br /> はっきりと間違いだという証拠がないだけに、気持ちが暗くなった。<br /> いきなり誰かが桂馬の腕をつかんだ。驚いて振り返ると、それはしおりだった。<br /> しおりは、「桂馬はしばらく調査できないだろうから、メンテナンス会社へ行って桶畑夏美って男を調査してくれ」<br /> とヌマさんから電話で言われていたらしい。<br /> その人は、何もいじっておらず、問題もなかったという。<br /> プログラムも見直してもらったが、異常は見つからなかった為、白だとわかる。<br /> さっきガイに会ったということも話す。声をかけようとすると、逃げてしまったという。<br /> 桂馬はガイに当たってみると言い、分かれようとするが、しおりはあることを思い出した。<br /> ヌマさんに「このホシは、必ず桂馬の身近にいる。もしかしたら犯人は桂馬自身かもしれない」と言われたと声に出して笑った。<br /> ヌマさんのジョークだろうか?と思いながらも、立ち尽くしてしまう。<br /><br /><a name="a322"></a></dd> <dt><a>322</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:46ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>再び桂馬は一人で街をさまようが、ガイが立ち寄りそうな場所にはどこにも彼はいなかった。<br /> 直接会って話ができないのなら、ネットで話そうと思い、電話ボックスでミニパソを立ち上げると、<br /> メールが来たと知らせるので、チェックしてみた。<br /> すると、そこには…<br /><br /> 雨宮桂馬告別式<br /> 十月十三日金曜日<br />    喪主・悪魔 の手下<br /><br /> と書かれていた。パスワードがないと送れないはずの、HPに直接送ってきているのだ。<br /> 警察という組織ではなく、桂馬個人をねらってきていることは確実だった。<br /> そのとき、視界の隅で人影が動いた。向こうの影から確実にこちらの動きを伺っている。<br /> 絶対に捕まえてやる!と意気込み、走り出す。ずいぶんと追いかけたが、見失ってしまった。<br /> 人影はガイに見えた。ジェロニモにも見えた。ゴロイチ刑事にも見えた。…誰もが怪しく感じた。<br /> ただ、しおりではなさそうだったことが、桂馬にとっての救いだった。<br /><br /> 勤務時間を過ぎた後、桂馬は資料室のパソコンで、ガイからの通信を待った。<br /> メールは既に送ってある。<br /> ずいぶんと待ち続けた。<br /> そして、11時半を回った時、やっとガイからの通信が入った。<br /> 桂馬はマジメにガイへ二つの質問をする。<br /> 一つ。「ロンゴロンゴ」のトロイフィールドの57番ステーションを予約したのは何故だ。<br /> 二つ。しおりさんと合った時、逃げたのは何故だ。<br /> 一つ目の質問に、ガイは「全く覚えがない」という。<br /> なんだって!?と驚く桂馬。<br /> それにガイは「もう答えた。オレは知らない。もし名前があったなら、誰かがオレを利用したんだろうさ」と言うのだ。<br /> 信じていいんだな?と桂馬は言うと、ガイは俺を信じているのか?と逆に質問してくる。<br /> 信じてるさ!信じてるさ!だからお前に訊いてるんだ。と声に出して叫んでしまう。<br /> 信じてくれているならと、ガイはもう一つの質問を答えた。<br /> 「逃げたのは、ゴロイチの所へ連れて行かれるのが面倒だったから」と。<br /> 生徒手帳も盗まれたし。とついでのように答える。<br /> 誰が盗んだんだ!?という桂馬の問いに、眠いといって、落ちてしまった。<br /> 桂馬は疲れがどっと出た…。<br /><br /><a name="a323"></a></dd> <dt><a>323</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:47ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>― 3日目(10月13日金曜) ―<br /> 日付が変わったころ、桂馬は行きつけのゲーム喫茶「シルベール」へと向かった。<br /> クラシックゲームしか置いていない、通のみぞ知る店である。<br /> ここで飲むコーヒー牛乳は、雪印も負けるほど美味いらしい。おとといからの事件で、二日ぶりの来店である。<br /> 高校時代からこの店に通っているので、すっかり常連。<br /> 桂馬の親友と、「ネプチューン・ウォー」というゲームでよく遊んでいたという。<br /> ミニパソで、今回事件にかかわった店のみを抜き出すが、共通点はない。<br /> マスターにメンテはどうしてる?と問うと、メンテナンスは明日で月一度だという。<br /> 今までの店も、月に一度だったのだ。<br /> 席を立ち、「ネプチューン・ウォー」というシューティングゲームにコインを入れ、<br /> ボタンをガチャガチャ入力し、裏モード「ネプチューン・ウォー桜花バージョン」で遊ぶのが日課。<br /> 一時間ほど遊んだ後、自宅へ帰るのが面倒になった桂馬は、資料室の隅で寝ることにした。<br /><br /> しおりとヌマさんの起こす声でようやく目が覚めた桂馬。時間は既に、午後一時を回っていた。<br /> また予告メールが来ているという。<br /><br /> 『oct.1三(金)』<br /><br /> 眠れる海王狙ふ者は災いに遭ひ<br /> やがて来るべき死を謳うか<br /> 金鵄勲章なる薄謝をば得るのみ<br /> ・馬を落ち無限地獄にて愚者は悟る<br /> 未来のやすらぎ取り戻す術<br /> ここに全て消え火玉なむ降る<br />           悪魔 の手下<br /><br /> 海王というのは、ポセイドンで、「キングポセイドン」というガンシューティングゲームを指している。<br /> 金鵄勲章は、全国大会で優勝した人にだけもらえるものの事をいうと桂馬は指摘する。<br /> しかし、しおりは、海王は「ポセイドン」以外にも「ネプチューン」とも言うと指摘した。<br /> 考えを切り替え、文章上で気になる「oct.1三(金)」に注目する。<br /> 将棋の駒の並びのよう9行9列の枠に、右から1列目、上から3行目に文章中の「金」を配置し、(1,三に金を「置くと」と読める事から。)<br /> 残りを配列。すると中央にドットが来る。そこから桂馬飛びにメビウスの輪を描くように読むと以下のようになる。<br /><br /> 「死るべ得るえ来・謳ふかちらむや」→「シルベールへ来。桜花散らむや」<br /><br /> 桂馬の行きつけの店にある「ネプチューン」に仕掛けられていることが分かり、しおりはいち早く部屋を飛び出していった。<br /> それを追うように、桂馬も出て行った。<br /><br /><a name="a324"></a></dd> <dt><a>324</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:48ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>到着すると、マスターにしおりさんは?と聞くと、すでにしおりはポピーくんを抱え、屋上へ行ったという。<br /> 急いで屋上へ向かうが、すでにしおりは爆弾の解体を始めていた。<br /> 逃げろ!と桂馬は言うが、しおりは「赤?青?どっち!?」と問いかけてきた。<br /> 桂馬は「犯人は裏の裏をかく!両方の線を切れ!!」と叫び、しおりは両方を切断する。<br /> その瞬間、激しい光がほとばしった…。<br /><br /> 気がつけば、しおりを抱きかかえている桂馬だった。<br /> 爆破は免れたが、しおりはぐったりと気を失っている。<br /> そこへ心配して駆けつけてきたマスターに「病院まで運ばなくちゃ」と伝えると、マスターにタクシーを呼んでもらい、病院へ向かった…。<br /> ストレッチャーに乗せられ、救急処置室へと入っていったしおり。<br /> 命に別状は無く、かすり傷程度だったが、意識は戻っていなかった。<br /> ヌマさんに状態を伝え、その足でシルベールへ向かった。<br /><br /> 警察が調べに来る前にポピーくんについて聞きたいとマスターと話す。<br /> ・しおりは中が空になっているテーブルの中に入っていたぬいぐるみを取り出して出て行った事<br /> ・いつ仕掛けられたのかは分からないが、店を閉めて出た後で侵入された形跡があった事を聞く。<br /> 形跡とは、エンディングの画面(表彰式のワンシーンのような画)を印刷したものが、<br /> テーブルの上に置かれていたことだった。<br /> 桂馬は力なく笑った。このゲームを作ったのは「SINDAI」と言う会社。<br /> 漢字変換すると、寝台。眠れる海王ともつじつまが合う。<br /> しばらくすると、ゴロイチ刑事を先頭に、刑事と鑑識が到着した。<br /> 署で結果を待ってろと言われるので、少年係で待つことにした・・・。<br /><br /> ずいぶんと待った感じがする。<br /> そこへゴロイチ刑事が帰って来て、略式だが鑑識で調べた結果、<br /> 爆弾ではなく「マグネシウム」だったと言った。すでにガキのいたずらとマスコミにも発表済みだという。<br /> しおりがなんともなかったから良かったものの、もしも死んでいたら<br /> 「業務上過失致死」になっていたところだぞと一喝され、桂馬は街へと出て行った・・・。<br /><br /> 自分の無力を呪い、再び彷徨う街には雨が降っていた。<br /> 失望しながら考えにふけって歩く。すると目の前にはジェロニモがたたずんでいた。<br /> 怒りが込み上げ、追いかけようとするが、既に姿はなかった。<br /> 肩を落としていると、後ろからガイが風邪引くぜと声をかけてきた。<br /> その優しさが嬉しく、目頭が熱くなる。<br /> ガイは、しおりの見舞いに行く為に出てきていたヌマさんに事情を聞き、心配で来たのだという。<br /> その優しさに目頭が熱くなる。<br /> ガイは傘を桂馬に貸し、照れたように笑って立ち去った。<br /> 自分も病院へもう一度戻ることを決めた。<br /><br /> 病室に入る勇気が無く、前で座っていると、ヌマさんに会った。<br /> 状態は正常だが、ショックが強かったので、最悪の場合記憶喪失や、思考力の途絶なども考えられると告げられた。<br /> 酷いことをしてしまったと思った桂馬。ヌマさんともう一度事件を一から考え直すことにし、資料室へと戻る。<br /><br /><a name="a325"></a></dd> <dt><a>325</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:50ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>この事件の手掛りは、桂馬の行動を熟知した犯人が起こしているものだと考える。<br /> その上で、一番怪しい人物はと言う問いに、桂馬は「ジェロニモ」を挙げ、さっきの街での行動と、<br /> 一昨日のはめ技で勝ったゲームの話とストーカー行為をすることを話した。<br /> 彼に関する資料を、ヌマさんは雑誌記事を見せた。<br /> そこにはジェロニモの本名「高松野平」と、彼のインタビュー記事が掲載されていた。<br /> もう一つ、ジェロニモが同人誌として出版した、「ネプチューン・ウォー、桜花バージョン」の<br /> 全攻略冊子をも渡してくれた。おくづけには、編集発行「シャチテの悪魔」と記されている。<br /> その冊子の最後のページには、ゲーム喫茶で見せてもらったエンディングの写真があった。<br /> この雑誌類は、ヌマさんが10年前に亡くした息子の遺品だという。<br /> 息子の徳矢もゲーマーで、ちょうど桂馬くらいの年で、<br /> ヌマさんが初めから桂馬に親近感を覚えたのはそのせいだという。<br /> もう一度病院に戻り、しおりを看病しようと決め、部屋を後にした。<br /> 自分にできることは、しおりの傍についているとだけだと思い、<br /> ベッドの傍らに朝まで看病することにした…。<br /><br /><a name="a326"></a></dd> <dt><a>326</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:52ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>― 4日目(10月14日土曜) ―<br /> しおりの声がする。<br /> 桂馬はいつの間にかベッドに寄りかかり、眠ってしまっていたようだ。<br /> しおりは意識を取り戻していた。そして桂馬が来る前に自分がみたことを桂馬に伝える。<br /> シルベールのネプチューン・ウォーで何をすればいいのか分からなかったので、まず100円を投入する。<br /> 目茶苦茶な図形が出た後、「爆弾ハ、我ガ友ノ体内ニアリ」と表示されたので、近くの筐体をあけるとポピーくんがあって、<br /> 取り出すと画面が「爆破マデ アト00:07:32」と表示され、ポピーくんを抱きしめて屋上へ上がったという。<br /> だから、ネプチューンの基盤に何か仕掛けがしてあるんじゃないかと言い、それを確かめる為、署へ戻ることにした。<br /><br /> 署に戻ると、資料室へ戻る前にゴロイチ刑事からカミナリが落ちた。<br /> シルベールでのゲーム基盤は異常ナシという結論を聞き、逃げるようにヌマさんの元へ帰る。<br /> しおりの意識が戻り、ヌマさんに連絡してきたという。しおりはヌマさんへ、桂馬に「共通点を探って」と伝えてくれといわれた。<br /> 共通点と聞き、桂馬の中で何かがはじける。<br /> 今までのゲームは全て「通信機能」搭載だったのだ。ホストコンピュータとリンクさせ、情報を引き出すことができる。<br /> ネプチューンも、もしかすると、何かと通信していたのではないかと考え、「シルベール」へと急いだ。<br /><br /> ネプチューンを調べているとき、筐体の下側にケーブルが隣のインベーダゲームの筐体につながっていることを発見する。<br /> ここになにかあると勘付いた桂馬は、インベーダゲームの天板を開け、中を見る。<br /> すると、それはインベーダゲームの基盤ではなく、ネプチューン桜花バージョンを改造し、<br /> しおりが見た映像が流せるようにしてあった。<br /> 改造されたロムを取り出し、ふと思う。<br /> 桜花バージョンを持つネプチューンは、レアモノなので、持っている人は限られる。<br /> 「とのさま堂」というレアモノを扱うゲーム専門店なら、購入者リストをもらえるかもしれないと思い、<br /> マスターに、とのさま堂の店長へアクセスしてもらい、リストを送ってもらうことにした。<br /><br /> 資料室へと戻り、ヌマさんにリストが届いたかと問うと、届いていると言う。<br /> ヌマさんは、ジェロニモの本名である「高松野平」で検索したが、なかったという。<br /> 一番最近購入した人は、「赤蔦峰穂」という名前。女性ではないかと考える桂馬に、男性かもしれないというヌマさん。<br /> とにかく、リスト中の人物が、警視庁のスーパーコンピュータ内にあるデータベースにあれば、<br /> 事件と関係があると思い、検索するが、一時間ほどで終了。ヒットはなかった。<br /> 休憩の為、テレビを見ることに。<br /> おめざめテレビの占いで、桂馬は1位だった。<br /> キーワードが洋服のポケットの整理と言うことなので、ポケットの中身を全て出してみると、<br /> 警察手帳やアニメの時計、ヌマさんの実家に遊びに行った時に買った岐阜県の電車の切符など、<br /> 関係ないものが沢山出てきた。最後に探ったポケットの中から、<br /> 今まで事件の起こった全てのゲームセンターでメンテナンスをした人の名刺が出てくる。<br /> 警視庁のコンピュータ内にあるデータベースを検索し、これらの人物が今までの事件と<br /> かかわりがないかを調べることにした。<br /> ヌマさんの手伝いにより、名刺の名前を正しく読むことができる。<br /> 「松方丙=マツカタヒノエ」など分かり難いのもまで読んでもらった。<br /> が、収穫はなし。もしかすると、シャチテの悪魔と検索したらヒットするかもしれないと、<br /> キーを叩いたとき、桂馬は気がつく。<br /> 「同じキーばかり叩いているような気がする…」<br /> これはおなじアルファベットを並べ替えた「アナグラム」によって作られた名前で、<br /> どれも同一人物ではないか考えがまとまる。<br /> そして、ヌマさんと協力し、「shatite noakuma」の並べ替えで検索することにする。<br /> 膨大な量の名前を検索した中、「タカハシムネト」一件だけがヒットした。<br /> しかし、その名前ではなく「柴田亜美」がヒットした。気を取り直してその内容を読んでみた。<br /><br /><a name="a327"></a></dd> <dt><a>327</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:52ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>それは5年前、六本木署管内で発生した賭博麻雀ゲームのプログラムを改造し、不正に儲けていた店が摘発された、<br /> いわゆる「裏ロム事件」だった。柴田亜美は、キャラデザインを担当して聴取されたのだという。<br /> その供述の片隅に、「高橋宗人」の名前があった。<br /> 事件の調書写しならあるかもしれないと探し出し、読んでみる。<br /> 自称「高橋宗人」は、プログラムの作成者として事情聴取されたが、関与を否定。<br /> 証拠不十分で帰されおり、そのまま事件は未解決だった。<br /> 調査時にMOを押収しているので、それを見れば何かつかめるかもしれないと考えているとき、<br /> しおりから電話が入る。病院から退院許可が出たので、署へ戻るという。<br /> 帰り際に、MOも取ってくると言ってくれたので、しおりの帰りを待つことにした。<br /><br /> 待つことおよそ2時間。しおりはようやく戻った。<br /> MOには、プロテクトがかかっていたが、しおりが昔ヌマさんにもらったフロッピーを使うと解除でき、<br /> 中を確かめて見ると、「UFO倶楽部」「バーチャルウォーリア」「マスターブレイン」「ブラックマジック」「リアルホース」<br /> それは今流行っているゲームの元であろう企画だった。<br /> 「UFOキャッチャーⅡ」「ウル3」「ゴッドブレイン」「WIZARD」「トロイフィールド」…。<br /> すべて事件と関係も有る。しかし、一件だけがまだ世に送り出されていないもの「DamnedDog」だ。<br /> 企画も先を見越したもので、あらゆる要素を取り入れた、ヒット間違いない企画…。<br /> 作成された日付はいずれのゲームも発売前。考え出した「高橋宗人」=「シャチテの悪魔」はすごいと関心するばかり。<br /> だが、未だ「ジェロニモ」=「高橋宗人」=「シャチテの悪魔」であるという証拠は無い。<br /> だから大手プロバイダに登録されているアナグラムで作られた名前全てにメールを送り、あらゆる掲示板に書き込みをし、<br /> 挑戦状を叩きつけると言い出す。事件の大きさから、迷惑をかけるなんて言っていられないと、<br /> その仕事をヌマさんとしおりさんに頼む。<br /> 桂馬は、高校の親友で、シルベールに通った奴に、ネプチューンの基盤を「DamnedDog」のタイトルを表示できるよう改造を依頼した。<br /><br /> 親友から基盤を受け取り、シルベールに立ち寄り、ロムをセットし、「DamnedDog」のタイトルを表示できるようにした。<br /> セット途中に、ヌマさんから進捗具合を確かめる連絡があり、順調と伝える桂馬。<br /> ちゃんと表示されるか確認すると、店を後にする。<br /><br /> はじめにジェロニモと対戦したゲーセン「PIXY」へ向かう。<br /> 待ち続けると、確かにジェロニモがやってきた。<br /> 格闘ゲームを始める。その後、事件のあったゲーセンを転々とし、ジェロニモ犯人説が疑いから確信に変わる。<br /> そして、最終地点であるシルベールへと向かった。未発表のゲームタイトル画面を目にし、<br /> 「くッ、これは俺のゲームだ!俺の作品だ!!」と絶叫しながら店を飛び出す。<br /> それを尾行し、家を突き止め、表札に名前が102号室「間瀬谷」(間瀬谷=ませや?)と書かれているのを確認したとき、<br /> ヌマさんからポケベルで呼び出しがかかった。深追いはするなという意味ととらえ、そのまま署へと戻る。<br /><br /> ヌマさんにとしおりさんに自宅を突き止めたことを報告する。間瀬谷という名前があったと話す。<br /> しおりはまたアナグラムではないかというが、「MASEYA」と”Y”が邪魔だと話した。<br /> すると、メールが来ている。<br /><br /> 愚かなる警察へ<br /> ここまで愚かだったとは。<br /> 愚かなる行為は愚かなる命で償え。<br /> 最終爆弾は起動した。<br /> 爆破は予告日時通り。<br />           悪魔 の手下<br /><br /> 「この文章は、家に入ってすぐ送って来たものだから、突き止めた家は間違いなくジェロニモの家だ」とヌマさん。<br /> 最終爆弾の爆破予告日時は聞いていないと考えこむ。正式な捜査令状を取ってくるにも、ゴロイチを納得させるだけの証拠がない。<br /> そう考えているとき、壁掛け時計は午前0時の時を刻んだ・・・。<br /><br /><a name="a328"></a></dd> <dt><a>328</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:55ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>― 5日目(10月15日日曜) ―<br /> さっぱりメールの内容に関する意味がわからない3人。<br /> 「最終爆弾」に「予告日時」これは一体何のことだろうと考えていると、<br /> 「それらを既に受け取っているのに気がつかないだけだろうな?」とアドバイスをするヌマさん<br /> 一人口をつぐみ、考え込んでいる桂馬。彼には一つの考えがあった。そして資料室を後にした。<br /><br /> 桂馬の来た場所は、ジェロニモのアパートだった。<br /> 102号室の電気が消えており、モニターも点いていないことを確認。<br /> 外出していると思い、部屋へと侵入する。令状がないので、確実に住居侵入罪だが、この際そんなことは言っていられない。<br /> まずはパソコン周りを調べるが、メディア類は一切見当たらない。<br /> 棚を見ると、先月から走り出している「京戸線」の新型車両「ゆりかーご」のNゲージ(電車の模型)が置かれていた。<br /> だがただの置物で、これといって変わったところは無い。<br /> メディアがないという事は、PCの中に入っていると思い、全台電源がつきっぱなしのPCの中身を全て確認するが、<br /> 特にめぼしいものは見つからない。<br /> もう止めようと思ったそのとき、ふと思いつく。<br /> 「消去したデータが完全に消去されきらず、残っていることはないか。復元させることができないか」と。<br /> 案の定、一件だけ見つかる。「present.txt」というもの。<br /> 中を確認すると、「愚」という文字で埋め尽くされた、ただのテキストだった。茫然自失となる桂馬。<br /> ショックを隠しきれず、5時間も部屋に居座ってしまったので、いつジェロニモが帰ってくるかわからない。<br /> そのテキストだけ持ち帰ることにし、部屋を出た。<br /><br /> 外は既に夜が明けていた。すぐに帰る気にもなれず、ハチ公前で座り込む。<br /> ジェロニモに馬鹿にされ、キリキリ舞いをさせられているだけだろうかと悔し涙が流れた。<br /> 桂馬君と呼ばれ、顔を上げると、そこにはしおりが居た。<br /> 「ダメだったのね。元気出して」と自分を理解し、励ましてくれる。声を出して泣きたくなった。<br /> 涙をぬぐい、署へ戻り、一からやり直そうと心に決める。<br /><br /> 署に戻ると、まずはジェロニモの部屋にあったファイルから調べることにした。<br /> 文字だけにしては容量が大きいというしおりの指摘に、もしかするとプログラムかもしれないと解析してみる。<br /> 最初の数行と最後の数行に「愚」が並んでいるだけで、中央部はバイナリデータが入っている。<br /> それに混じって、読めそうに無い漢字や文字が散らばっている。<br /> 「トキソイド」「ソーク」「ジェンナー」「クレプス」「セービン」「ハルトマン」「BCG」「DTP」<br /> 読める言葉を拾うが、特に意味がないのかと考える桂馬にしおりは、<br /> ジェロニモのことだから、何か意図があるかもしれない。BCGとかジェンナーなんて、予防接種の名前だという。<br /> だが、爆弾予告とは無関係で、それらは陽動作戦だろうという結論に至った。<br /><br /><a name="a329"></a></dd> <dt><a>329</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:55ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>既に予告されているとはいえ、今回の予告は何も聞かされていない。<br /> だが、一つだけ解いていない文章がある。それはオーロラビジョンに映し出された爆破予告だ。<br /> 爆弾をばく弾と書いた不自然さもある。今までの予告通りにいくと、字数あわせの為と考えられる。<br /> だが、どう解くかまだ思いつかない。三人で考えることにした。<br /> あの時なにがあったのかと考えてみる。音楽が鳴り、画面に映し出された…。<br /> 僕達は見落としていたのではなく、聞き落としていたんだ!<br /> 音楽だと気がつき、葬送行進曲の旋律を思い出す。(♪レーレーレレーファーミミーレレーレレー)<br /> 文面を良く見ると、最初の「Do」は音階の高い音の「ド」最後の「Do」は音階の低い音の「ド」とすると、<br /> 行は全部で8行。音符もド~ドで8音。予告文は五線譜になっている。<br /> 葬送行進曲の旋律を文章にあてはめると<br /><br /> 「審判の日要再起んばく弾」→「しんぱんのひにちよう」→「審判の日日曜細菌爆弾」<br /><br /> 日曜の今日午後一時、細菌爆弾が爆破されると理解された。<br /> しおりも、「present.txt」を調べていると、意味不明の言葉は、ウィルス病のワクチンや<br /> ワクチン発明者の名前だったから、ワクチンを用意しておけという警告だったのかもしれないという。<br /> コトが大きくなった以上、課長に報告し、捜査課にも働いてもらおうと提案する。<br /> ヌマさんの後輩である課長の梶本に事件を報告すると、いたずらだという話もある以上、鵜呑みにはできないという。<br /> そこへ桂馬たちが課長と話をしに来ていると聞きつけたゴロイチ刑事が入室してくる。<br /> 全てガイの悪戯だと言うゴロイチに対し、桂馬はガイは無実で、本物の細菌爆弾だったら死人が沢山出ると討論する。<br /> やめんか!と一喝する課長。<br /> 桂馬には始末書を書けと命じ、ゴロイチにはガイを抑えろと命令した。<br /> 自分の主張が通ったゴロイチは、ニヤリと馬鹿にするように桂馬とヌマさんを見た。<br /> 課長は「雨宮、それから沼田君。君たちは権田を手伝うように」と言って話は終わった。<br /><br /> 桂馬とヌマさんは二人でコーヒー牛乳をすする。<br /> ヌマさんは手取り足取り教えこんだ梶本課長があんな態度を取ったことにショックを覚えていた。<br /> のっそりと腰を上げ、資料室へと戻る。<br /> 資料室ではしおりさんが落ち込んでいるヌマさんを見て心配した。<br /> それに桂馬は「ゴロイチが相変わらず大バカ者で、課長はその上を行くアホウだっただけです」と怒りを露に説明。<br /> 絶対にこの事件は止めないと決意を新たに、細菌爆弾がどう使われるかから考えることにする。<br /> 「①空からバラまく場合」「②水道を媒介とする場合」「③人混みの中に設置する場合」の三点と推理する。<br /> 空からの場合は、ヘリや小型飛行機、アドバルーンや風船なども考えられるため、<br /> 渋谷上空を通過もしくは滞空するもの全てをチェックする必要がある。<br /> と聞くと、ヌマさんは「航空関係の上層部にも親友がいるから、わしが引き受けよう」と力強くうなずいた。<br /> ②の場合は細かい水まで調べるとキリが無いので、水道局へ連絡して渋谷に入り込んでいる供給源だけ調べる。<br /> これもヌマさんが、水道局のお偉方にもポン友がいると引き受ける。ヌマさんの顔の広さを改めて知る。<br /> ③は時限装置付のものだろう。ゴミ箱やハチ公の銅像なんかも考えられるので、人手が足りないと嘆くと、<br /> ヌマさんは、親しい刑事や交番の警官達に頼もうと言ってくれる。<br /> 正規のルートなんか無くても、わしがどれほどの警察官や関係者を動かせる男か見せてやると言い切った。<br /> その目は、鬼刑事の自信を取り戻していた。<br /> 自分達もできる限り動こうと、ばらばらに街へと出た。<br /><br /><a name="a330"></a></dd> <dt><a>330</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:56ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>手当たり次第に駆け回ったが、収穫は無い。約束の場所でしおりと合流した。<br /> しおりも収穫は無かったようだ。ヌマさんは各方面への手配は済んだしおりから聞き、凄腕だと関心していると、<br /> ヌマさんに頼まれて動いていた鯨井刑事が、伝言を携えて二人のもとけ来た。<br /> 「手は尽くした。総勢300人からの人が渋谷の街を動いている。だから一度スタートから考え直そう」というのだ。<br /> ふたりは署へと戻った。<br /><br /> これだけ大規模な捜索をやっても出ないということは、何かの間違いがあるんじゃないかと考える。<br /> 桂馬もジェロニモというキャラと細菌爆弾が結びつかないと考えていた。しおりも同じ考えだった。<br /> 三人は事件の最初から考え直す。<br /> 7つのゲーム、3回の爆破予告、3つのニセ爆弾、「高松野平」の過去、オーロラビジョンのメッセージ・・・。<br /> 時間はあと40分というとき、桂馬はひらめいた。<br /> 法則ある番号、クイズの名前、占いゲームの名前、競馬ゲーム、ペットボトルの中身、3日目の予告と仕掛けられたゲーム…<br /> 「ブレイン」「1525」「ウィザード」「トロイの木馬」「テキーラ」「13日の金曜日」「ネプチューン」<br /> 全てコンピュータウィルスの名前だったのだ。これならキャラと一致する。<br /> もう一度初めの爆破予告を見直す。<br /> すると、ヌマさんは葬送行進曲の第二フレーズを口ずさんだ。<br /> (♪ファーファーファファーラーソソーファファーファファー)<br /> ハッとひらめく桂馬としおり。第二フレーズででも読めということに気が付いたのだ。<br /> 第一フレーズはこのまま、第二フレーズは上下逆さにして読む。<br /><br /> 「宇意るす殿惨喜警_と千」→「うぃるすでんさんきけいとせん」→「ウィルス電算機京戸線」<br /><br /> 確かにジェロニモの部屋にNゲージがあったことを思い出す。<br /> 新型車両「ゆりかーご」は、完全自動列車だったのだ。先月から試運転で、渋谷にも乗り入れ、<br /> 一日一本、渋谷着13時13分だ。それにウィルスを侵入させ、暴走させようと企んでいたと確信した。<br /> ヌマさんに後を任せ、桂馬としおりは署を飛び出した。<br /><br /> 二人は京戸線渋谷駅オペレーション室へ来た。<br /> オペレーション室主任に事情説明するが、専用回線で外部からの侵入ができないようになっているという。<br /> ATC作動用のコンピュータにウィルスは侵入される心配は無いが、車両に搭載されているコンピュータには侵入される恐れはあるが、<br /> 侵入されてもその時点で警告が鳴るようにできている。まだ警告も何も無く、正常だと主張するばかり。<br /> すでに時間は12時55分を回っていた。<br /> 車両を止めてくれと要請するが、それはできないと言われる。<br /> 今日の試験運行は無人かと問うと、特別試運転の為、都知事や警視総監など著名人とマスコミ関係者、<br /> 合わせて100人ほど乗っているという。<br /> なら、なおさら停めてくれと頼み込むが、主任は一歩も引かない。<br /> 押し問答をしていると、1時になってしまった。<br /> もうダメだと思っていると、「停めてください!」と権田が飛び込んできた。<br /> ヌマさんが課長に働きかけたから、警察が動き出したと話す。<br /> 正式な令状もあり、署が全責任を負うので、即時停止させてくれと言ったのだ。<br /> ガンとして停めようとしなかった車両を、主任は停止する命令を下した。<br /> そして列車は停止した・・・。<br /><br /><a name="a331"></a></dd> <dt><a>331</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:57ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>しかし、列車は再び動き出した。やはりウィルスは生きていた。<br /> 停止ボタンを押してももう止まらない。<br /> こんな新種のウィルスにワクチンなんてあるはずが無い!<br /> どうすれば止まるんだと考える。そのとき、ジェロニモの自宅から押収したテキストのファイル名を思い出す。<br /> 「present.txt」これは自分に対してのプレゼントという意味だろうか?<br /> もしかすると、これがウィルスのワクチンではないかと思った桂馬。<br /> いちかばちかで実行しようと、管理センターのコンピュータを借り、ファイル名を実行すると、<br /> 「ワクチンを送信します」と表示された。<br /> 停車駅に近づいてくるが、なかなか終わらないプログラム。50%…70%…90%…100%!<br /> ようやく終了したと思い、線路表示板を見るが、まだゆりかーごは突き進んでいた。<br /> ブレーキ有効の限界ポイントまであと10Mというとき、じっとしていられず、桂馬は部屋を飛び出した。<br /> そして最終停車駅の停車場所の端に立つ。こんなことをしたところで、意味はないのは理解していた。<br /> 自分は100人の命を救うことができなかったと、己の無力を呪い、ここで100人とともに殉職しようと考える。<br /> と、隣にゴロイチ刑事が立った。「同じ釜のメシ。死なばもろともだ」権田は初めてニヤリと笑った。<br /> だんだん列車が近づいてくる。もうあと少しというところで、列車は無事ホームに静止した。<br /> ワクチンは効いたのだ。力が抜ける桂馬。100人の命を救うことができたことを実感した。<br /> 桂馬はいつの間にか自分が泣いていることに気が付いた。しおりも泣いていた。権田の目にも光るものがあった。<br /> 権田がニヤリと桂馬に手を差し出した。やったな、桂馬。と。<br /><br /> 署に戻ると、真っ先にヌマさんが笑顔で出迎えてくれた。<br /> ジェロニモが逮捕されたことを聞いた。彼は大筋で犯行を認めたという。<br /> これで終わりか・・・。コーヒー牛乳でひとり祝杯を上げた。<br /><br /><br /> コーヒー牛乳を片手にいつもの巡回をしている桂馬。<br /> 思えばここから始まったんだなと、オーロラビジョンを見上げると、一瞬だが、画像が表示された。<br /> 悪魔が声を出さずに笑っていた。悪魔の手首が突然切れた。何かが引っかかった桂馬。<br /> 悪魔から手が切り離された。悪魔の手下は、手下でしかなく、シャチテの悪魔は別にいるんだと理解した。<br /> 「やっぱり事件は終わっていなかったんだ!」<br /> 資料室へと戻り、ヌマさんに考えを報告すると、わかっとるといわれる。<br /> しおりも緊張した面持ちで資料室へと入って来て「都倉署長が呼んでいる」という。<br /><br /> 所長室へ入ると、所長は「先月押収したTNT火薬100kgが盗まれた。内部事情に詳しい者の犯行だ」という。<br /> 現場にはあのビラが置かれていたのだ。ただ、署名が「悪魔 の手下」ではなく「シャチテの悪魔」だった。<br /> 「犯人はシャチテの悪魔。しかも犯人は署内に居る」と断言する。<br /> ジェロニモが取調べ中に紛失したので、奴はシャチテの悪魔ではない。<br /> もっと早く気づくべきだったと悔やむ桂馬に、所長は推理を無視した全責任は署長である私にあると断言。<br /> 本件は警視庁、警察庁の応援も仰いでおり、全署をあげての捜査体制だという。<br /> ジェロニモは桂馬に会いたがっているので、話を聞き、それをヒントにTNTのありかを突き止めろという、<br /> 警視総監からの特別命令だったのだ。<br /><br /> 長い沈黙だ。<br /> 30分が過ぎ、3時になったとき、ジェロニモは口を開いた。<br /> 「バクダン、TNT、100キロ」と。やはり何か知っていると感じた桂馬。どこにあるんだと問うと、<br /> 俺はタダの手下。自分で探せ。と言われる。<br /> シャチテの悪魔とは誰なんだ!とすがる思いで聞く。<br /> ジェロニモは言う。<br /> 「トウダイモトクラシ」「イチバンエライノハダレダ」<br /> 「シャチテの悪魔当テゲーム・・・当テタラ、バクダン、止マル。当テナカッタラ20時、ドッカアアアン・・・」<br /> それきり二度と喋らなかった。<br /><br /><a name="a332"></a></dd> <dt><a>332</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 17:59ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>廊下で待っていたヌマさんとしおりの前で「解いてやる!」と誓う。<br /> 桂馬は言った。奴は100kgの火薬を手に入れ、どこかにセットした。<br /> 僕らが最後のクイズに正解を出さなければ、本気でドカンとやるきだと。<br /> ヒントは全てもらった。そして真犯人を考え始めた。<br /> 犯人は渋谷署内に居る。「まさか」という概念を外して考えることにする。<br /> 「とうだいもとくらし」は、「灯台下暗し」なのか?トウダイは、東大、当代、東台、登第などもありえる。<br /> 「一番偉い」のは「警視総監」や「署長」だが、「偉そうにしている奴」は「ゴロイチ」。<br /> 「プロフェッショナル」という意味なら「鯨井」トウダイが東台で、京都出身の意なら鯨井は京大卒だ。<br /> だが、決定的な証拠はなく、そこで推理は止まった。<br /><br /> シャチテの悪魔の意味も自分達の知らない何かがあるかもしれないと、もう一度アナグラムをやってみることにする。<br /> だが、意味が通るものにはならない。<br /> ひとつだけ意味の通るものができる。「ハチ公前 NATS」<br /> NATUビルのことだと思い、署を飛び出してハチ公前へ行くが、ここからではビルが見えなかった。<br /> センター街入り口でゴロイチに出会い、何か見つかったかと問われるが、街の景色のなかで手掛りを探していると言うと、<br /> ばかにされ、平手がとんだ。<br /> 署に戻るとき、鯨井刑事にも出会う。ビラの文字を階段状に読むと、<br /> 野金ビルの13階と読めるが、ビルは7階建てだった。鯨井は悔しそうに地団駄をふんだ。<br /><br /> 署に戻り、何か見落としているかもしれないと考え始めた。<br /> ジェロニモの部屋の前にあった表札というと、ヌマさんが「間瀬谷」(ませたに)か。とつぶやいた。<br /> その答えに、自分は「ませや」と読んでいたからアナグラムにならなかったんだと気づく。<br /> 「MASETANI」から残りの文字を使ってアナグラムにして見るが、これといった収穫は無い。<br /><br /> また一から考えようと決める。<br /> しおりは「いくら聞き込みをしても、ロケ隊に化けてビラを配っていたグループを見た人なんて居ない」という。<br /> 2日目の桶畑夏美という男が結局ジェロニモだった。桂馬は女性だと思っていた。<br /> 3日目にはジェロニモの正体がわかった。4日目にはあの名前のアナグラム。どれもヌマさんのおかげだと感謝する。<br /> 煮詰まってきたので、一度外に出ることにした。<br /> オーロラビジョンを見上げると、またあの悪魔の絵が表示されたが、すぐに消える。<br /> 今は10分おきだとゴロイチが来て言った。最初は60分おき。30分おきになり、今では10分おきだという。<br /> 止めないのかと問うと、陣頭指揮を取っている所長が様子を見ろといっているという。<br /> 警視総監まで出てきている始末。街中お巡りだらけだ。<br /> 単刀直入にゴロイチへ火薬が盗まれたとき何をしていたかと聞くと、怒り、人ごみへと消えた。<br /> 鯨井刑事はと気になり、さっきの野金ビルへと向かうが、既にしらみつぶしに調べ終えた後で、そこには居なかった。<br /> そのとき、しおりの携帯電話に署長から電話が入り、鯨井がシャチテの悪魔の新しいアナグラムを見つけたという。<br /> 鯨井の居場所も聞き、急いで向かう。<br /><br /><a name="a333"></a></dd> <dt><a>333</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 18:01ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>行くと、鯨井は真犯人は4人居ると言い出す。「急いた悪魔4t」ともなるからだ。<br /> 4の「Y」は余計だと言うと、シャは「sha」でもあるが、「sya」でもあるから「yon」ができるんだという。<br /> Tは、ジェロニモの本名、高野もしくは手下のtがプラスされているんだと。<br /> だが、桶畑夏美にも松方丙や他の名前にもならないと、しおりが指摘すると、やはりHかと悔しがる。<br /> その場を後にし、署へと戻った。<br /> 道すがら、警視総監と、所長が麻雀荘へと向かうところを目撃するが、似ているだけだと結論付けた。<br /> 三人でもう一度考えようと話している中で、MOのプロテクトを解除したフロッピーの話になる。<br /> ヌマさんは「あれは後輩からもらった」と言っていたそうだが、<br /> 後輩といえば、ゴロイチも、鯨井も課長も警視総監だって後輩かもしれないし、しおりや桂馬も後輩だと話す。<br /><br /> 署へ戻ると、ヌマさんはシャチテの悪魔のシャは「sya」もあるとありえると話す。<br /> それをヌマさんに聞いてもらおうと思って帰ってきたが、Yだと悪魔の手下にはならないと答えたそのとき、<br /> 桂馬はひらめいた。<br /> シャチテの悪魔と悪魔の手下は別なんだから、悪魔の手下にならなくてもいいんだ。と。<br /> 「SYATITE NOAKUMA」のアナグラムかもしれないと考えたとき、しおりはこの中にTNTが入っていることに気づく。<br /> 残りの中に、「IS」もあり、それも消し、並べ替えると、「OKAYAMAue」が残った。<br /> 「TNT is OKAYAMAue」オカヤマビルの屋上にTNT爆弾があるととれる。<br /> できた!と部屋を飛び出す桂馬。<br /> しかし、爆破が止まるのは、真犯人を挙げた場合のみ。<br /> そのとき、桂馬は閃いた。<br /> ミニパソを取り出し、何かを打ち込む。<br /> 青ざめた表情で顔を上げた。そんなバカな!と絶叫した。<br /> 犯人が。全てがわかったのだ。<br /> 混乱しながらも確認の為、人事部のデータを検索する。…これで真犯人を確信した。<br /> 携帯電話で犯人を呼び出し、オカヤマビル屋上へと向かった。<br /><br /> ビルの屋上へ到着した。真犯人は本当に来るのかと話しかけるしおり。<br /> 足音が屋上に静かに響き、そして止まった。<br /> 真犯人のシルエットが現れた。肩を落とし、真犯人に話しかける桂馬。<br /><br /> 「あなたが真犯人だったんですね…。沼田岳義さん。」<br /><br /> 相手はゆっくりと明るいところへ出た。それはヌマさんだった。<br /> 全ては沼田の名前のアナグラムでできていたのだ。<br /> 「駅前でビラを配っているニセロケ隊」を見たのもヌマさんだけ。自分で持ってきたから誰もロケ隊を見ていない。<br /> 「桶畑夏美」という名前も、それだけなら女だと思うところを、男知っていたのもヌマさん。<br /> 死んだ息子も、10年前に死んだとしても、生きていたら、<br /> ヌマさんの年なら30歳くらいになっていたはず。それを小さい子供のように言った。<br /> 名前も「徳矢」と言っていたが、本当の名前は「草太」。人事部のデータで知った。<br /> 徳矢もシャチテの悪魔のアナグラムで、「TOKUYA」を引き、並び替えると「MASETANI」=間瀬谷。<br /> また、「トクヤ」という名前は、後ろから読むと、「ヤクト」ヌマさんの故郷「岐阜県吉城郡」の方言で「嘘」。<br /> メンテナンス会社の名刺の名前を全て正しく読んだのも、ヌマさん。<br /> 間瀬谷と言う名前も、「ませたに」と正しく読んだのも。<br /> 全てのヒントは沼田から出た言葉だ。解決へ誘導していたのだ。<br /><br /><a name="a334"></a></dd> <dt><a>334</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 18:02ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>全てを自白する沼田。<br /> 非番の日にインベーダゲームを一緒にやりに行く約束だったが、街で事件が起き、呼び出され、<br /> 息子は一人でゲーセンへ行った。<br /> 事件は銀行強盗で、犯人はハジキを持っていた。撃ちあいになった。これが「渋谷拳銃戦事件」だ。<br /> 銀行はゲーセンの前で、誰かの撃った流れ弾に当たり、息子を失ったと言う。<br /> 犯人グループの撃った弾に当たったと調査結果だったが、どう考えても犯人の発射角度が違った。<br /> これを無理やり手柄にして、出世したのが今の警視総監だ。<br /> やたらとバンバン撃ってたのが、ゴロイチ刑事だ。<br /> 嫁さんも、息子が死んだショックで倒れ、二度と起き上がることはなかった。<br /> 息子と嫁さんへの償いのつもりで、息子が好きだったインベーダゲームを買い、自分もプログラムの勉強をした。<br /> そして、息子が好きそうなゲームの開発もした。<br /> 沼田の中での息子はいつまでたっても10歳だった。桂馬が現れるまでは。<br /> 桂馬は息子がそのまま成長した感じで現れた。<br /><br /> 母親は長生きをした。<br /> だが、5年前に母親が倒れ、救急車で運ばれたそのときは、<br /> イメージアップの為だけに行われたゲーム賭博の取り締まりに借り出された。<br /> 結局親の死に目には会えなかった。<br /> ジェロニモには、ゲームの勉強をしていたときに知り合った。<br /> あいつは世間に対して恨みを抱いていた。自分の才能が認められないことや、大手ゲームメーカーにだまされた事だ。<br /> だが、今回はたまたま組んだだけで、やつも自分の被害者だという。<br /> 鬼刑事と呼ばれていた現職中に、資料室勤務になったのは、<br /> 10歳の子供をひき逃げした事件を捜査したとき、犯人は政治家だった。<br /> 逮捕令状を取ろうとしたが、令状は握りつぶされ、自分は移動命令が下された。<br /><br /> しおりは、何かを言いたそうにしているが、涙で言葉にならない。<br /> 全ては警察への復習。仕返しがしたかったのだった。<br /> その自白に桂馬は「でもヌマさん、それはやっぱりイケないことだよ・・・」と涙をこらえながら言った。<br /> ヌマさんの目に、初めて涙が浮かんだ。<br /> 「桂馬としおりをキリキリ舞いさせてしまったが、ワシは誰も殺さなかった。<br /> 本当に爆発するつもりだったかどうか、自分でも分からない。<br /> だが止めたんだ。これで警察への仕返しは果たしたよ。<br /> 死人は出なかったが、今後この事件は問題になり、国会でも問題になる。<br /> 奴らへもこれからジワジワと聞いて来るさ。」と語り、桂馬へ両手を差し出した。<br /><br /> 桂馬は、恩師・沼田岳義の両手に、手錠をかけた・・・。<br /><br /><a name="a335"></a></dd> <dt><a>335</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街 雨宮桂馬編</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 18:03ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>迎えのパトカーにヌマさんを乗せ、見送ったとき、「明日から寂しくなるわね・・・」としおりはつぶやいた。<br /> そのとき、オーロラビジョンから聞き覚えのある曲が流れた。<br /> 見上げると、メッセージが映し出されていた。<br /><br /> 「素晴しき刑事君に告げる<br />  完敗だ。<br />  君に敬意を払い、<br />  ここにその栄誉を称える。<br />         シャチテの悪魔」<br /><br /> 顔を見合わせたとき、どこかで8時の時報が流れた。<br /> 直後、空には大きな花火が打ち上げられた・・・。<br /><br /> 事件から1ヶ月が過ぎた。<br /> 今日も桂馬はコーヒー牛乳片手に、日課の巡回をしている。<br /> 道で肩がぶつかったが、その相手はガイで、この一ヶ月はマジメに学校に通っているという。<br /> そのとき、携帯電話が鳴った。<br /> ラジコンに爆弾を仕掛けたという内容だ。<br /> 切られた直後、桂馬としおりとガイのすぐ足元にラジコンが走り抜けていった。<br /> あれだ!と追いかけて行った。<br /><br /> 雨宮桂馬はいまやバクダン刑事である。<br /><br /> 「オタク刑事、走る!」完<br /><br /></dd> <dt><a>342</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">街の人</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">04/04/13 21:56ID:4WfrWKaG</font></dt> <dd>書き終えて、もう一回読み直したが、数々誤字あるな。<br /><a href="http://jumpres/read.cgi/gamerpg/1080522704/334"></a><a href="http://jumpres/334">&gt;&gt;334</a><br /> 下から二行目。<br /> ジワジワと聞いて来るさ。←何を「聞く」のかと小一時間。<br /> 正しくは「ジワジワ効いて来るさ。」だわなぁ・・・。<br /> すまねぇ。<br /> 読み返してて、自分の行いにワラタ。<br /><br /><br /></dd> </dl><hr /><div align="right"><a href="http://www8.atwiki.jp/storyteller/pages/645.html">&gt;&gt;Part2</a>(馬部甚太郎編、牛尾政美編)</div>

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