第6話 「クロノアヒーローズ」

第6話 「クロノアヒーローズ」


場所:神界…天空寺院、大巫女の間

カイ「イシター様の神殿に…物質界から?」
大巫女「そうです…さらに、そこに敵の襲撃があったと聞いています」
カイ「そんな…!物質界は、すべての世界の中で、最も次元の壁が厚いはず…!」
大巫女「…その壁に亀裂が入った事は事実です。
   『時の狭間』すら開放されてしまった今…考えられない事ではありません。
   先程お話した"魂喰らいの邪剣"の件も含め…
   それはあなたもわかっているはずですよ、カイ」
カイ「………」

その時、慌てて大広間に入ってくるクロノアとガンツ。

クロノア「お~い!ロロッ!」
ロロ「クロノアさん!?どうしたんですか?そんなに慌てて…」
ガンツ「どうしたもこうしたもねえッ!
   ヤベェぜ、幻獣の軍団がこっちに向かって来てやがる!」
クロノア「見た事もない奴もいるんだ!
   幻獣なのかどうかもわかんないけど…とにかく大巫女様!
   ロロやカイさん達と、安全な所へ!」
大巫女「天空寺院の最深部…ここが一番安全な場所です。
   ここまで敵がやって来たならば…もうおしまいでしょう」
ガンツ「ちっ、なんでそんなに余裕あンだよ」
ロロ「ちょっとガンツさん!大巫女様に向かって失礼です!」
大巫女「カイ…あなたはロロを連れて、ここを脱出なさい。
   黄金の騎士の元へ戻るのです」
ロロ「お、大巫女様!?」
大巫女「あの"魂喰いの邪剣"を悪魔の手に渡してはなりません。
   たとえ…この天空寺院が敵の手に落ちたとしても…!
   物質界からの侵入者の件もあります…時間がありません」
ガンツ「(魂喰いの邪剣だぁ?
   それに…物質界なんて、そうカンタンに繋がる世界でもなかろォに)」
カイ「…わかりました」
大巫女「クロノアさん…あなたも」
クロノア「冗談でしょ、大巫女様。…ロロ、うまく逃げてよ?」
ロロ「クロノアさんっ!?」
ガンツ「けっ、オレもやるぜ。
   誰かを守るためとか、正義のためだなんてのはガラじゃねェが、
   尻尾を巻くのだけはナシだ」
クロノア「…ごめん、ガンツ」
ガンツ「言ったろ。オレぁ尻尾巻きたくねェだけだ。行くぜ!」
クロノア「うん!行こう!」

カイ「クロノア君、ガンツ君…どうか無事で。さあ、ロロちゃん」
ロロ「わ、私は…行きません!
   クロノアさん達が外で戦っているのに…私だけ逃げられません!」
大巫女「ロロ…」
ロロ「カイさん、私だって巫女です!
   …ま、まだ全然見習いですけど、大巫女様を守って見せます!だから…!」
カイ「…大巫女様、戻ります。ロロちゃん、ここはお願いね」
ロロ「はい…っ!」
大巫女「ふふふ…ロロは昔のあなたに似ていますね。
   一人であの塔に挑んだ時のあなたも、今の彼女のような顔としていましたよ」
ロロ「え?」
カイ「そ、それは言わないでください…あの時…
   結局私は石にされてしまったわけですし…。
   では、私も行きます…!
   皆さん、どうかご無事で…。女神イシター様のご加護があらん事を」


同時刻…イシターの神殿。

零児「5つの世界…?」
イシター「そうです。この世界が『神界』。そして先ほどの悪魔達は『魔界』の者です。
   それに加えて『幻想界』、『魍魎界』…
   そしてあなた達がいらした『物質界』…
   "次元の壁"を隔てて、これらの世界は極めて近い次元に存在しているのです」
響子「この状況でも…やっぱり信じられないわ」
レジーナ「いいえ、次元の壁は存在するわ。
   世界だけでなく、過去と未来という時間軸すら、
   そのあいまいな"壁"によって仕切られている…。
   そうじゃなくて?女神様」
イシター「ええ…。『時空の壁』と『次元の壁』…性質は異なっていますが、
   "ほころび"一つできれば、行き来する事は可能です」
フォンリン「レジーナ、それがアイビス島…『サードエナジー暴走事件』の真相なのね」

KOS-MOS「シオン、これまでの情報をすべて真実とするならば…」
シオン「ええ、私達の事も説明は付くわ。
   なぜそうなってしまったのか…までは皆目わからないけれど…」

イシター「本来それらの壁は厚く…隣り合った世界が出会う事はほとんどありません。
   物質界…あなた達が属する世界は…特にです。
   しかし、時に次元の"ほころび"を通じ、物質界に入り込んでしまう魔物もいます。
   魔界…様々な悪魔達が住まう世界は、位置的に物質界と隣り合っているのです」
零児「なるほど、それが俺達の組織が戦ってきた相手か」
フェリシア「…まあ、あたしもそうなんだけどね」
イシター「今、私達の世界でも様々な問題が起こっています。
   魔界の悪魔達の手によって、次元の壁がより不安定になってしまっているのです」
シャオムゥ「…そこにきて、わしらの世界でも、その"壁"が大きく歪むという事件が
   起きた…っちゅうわけじゃな」
イシター「物質界で起きた、大規模な"次元の歪み"の影響は、
   それぞれの世界を隔てる壁全体にも影響を及ぼしています。
   それによって…事態の収拾は、より困難な状況になっています。
   この世界を治めている私ですら、半分も把握できていないのですから…」

さくら「あの…あたし達以外に、こっちの世界に飛んできちゃった人達っていませんか?」
イシター「私が知る限りでは、あなた方だけです。ただ…」
風間仁「ただ?」
イシター「あなた…カザマ・ジンさん、とおっしゃいましたね?
   あなただけは、ご自分の力でここまで来られたようです」
零児「(…やはり、この男は"次元封鎖"の影響で転移したわけではない?)」
風間仁「え? …俺が? それはどういう…」
イシター「私にもわかりません。ですが…心当たりはおありなのでは?」
かりん「三島一八の事ではありませんの?」
風間仁「ああ、どういうわけか知らないが…奴もこの世界に…そしてあんな姿で…」
イシター「あの悪魔も、物質界から来たようです」
風間仁「………。("悪魔"、か…)」
イシター「来た、というよりは魔界の者に連れてこられた…と言う方が正しいでしょう」
レイレイ「そうか…ザベルの奴だね」
ブルース「あのゾンビ野郎…。そういや、仕事があるとか言ってたが…。
   どうやら拉致だったようだな」
風間仁「(奴は俺を狙っていた…それと関係があるのか…?)」

中村「う~ん、しかし解せませんなあ…では、あの空手着の彼らは一体どこへ?」
イシター「可能性があるとすれば、この神界と対極にある世界…魔界でしょう」
零児「魔界…敵の本拠地か。
   俺達の世界に戻るにしろ、その魔界に春麗刑事達を捜しに行くにしろ…
   その"ほころび"を通る事になるわけか」
イシター「お察しの通りです。物質界を始めとした各世界と通じているのは
   この先にある『天空寺院』のみです」
シャオムゥ「おお、ではとっととそこへ…」
イシター「ですが…しばらく前から、
   寺院を治める大巫女と連絡が取れなくなっているのです」

M.O.M.O.「テンクウジイン…ですか?」
シオン「オーミコ?」
英雄「『寺院』という事は"巫女"を指すのでしょう。
   神に代わって神事を行う女性の事です」
桃「ああ!コスプレによくある、巫女さんの事ですね」
シャオムゥ「そういう認識なんかい!…まったく、最近の若いモンは!」
キング「では、女神イシター。我々はその『天空寺院』に向かえばいいのですね?」
イシター「…別世界の住人であるあなた方にご迷惑をかけたくはありませんが…
   今の私は、進むべき道を指し示す事しかできません」
零児「十分です、女神イシター…。自分が天空寺院に行きます。
   俺達の世界で起こった次元の歪み…それを止められなかった責任は…」
中村「我々にありますな」
零児「…中村さん」
桃「駄目ですよ、有栖さん。なんか…あれ以来余裕ないですよ?
   …私だって、悪魔に魅入られてしまったアマゾーナを助けたいんです。
   そのためだったら…怖いけど、一緒に戦います!」
キング「いい心掛けだな、君は」
フェリシア「そりゃそうよ。なんたって、あたしのパートナーだもん!
   …でも桃ちゃん、前々から言ってるけど、
   零児に余裕がないのは女がらみだからだよ」
レイレイ「そ~そ」
零児「…怒るぞ」
フェリシア「いやん、もう怒ってるじゃん」
レイレイ「て、手伝うからそんなに怒るなアル。
   それに、あの時はヘンな女のコ達も邪魔してきたし、しょーがなかったワケ」
かりん「シャドルーの工作員に惑わされて、あの女を止められなかったのは事実ですわ。
   不覚を取ったまま、こんな所でのんびりとしているわけにはまいりません」
さくら「リュウさん達も捜さないといけないし!」
響子「では、私達もまいりましょう」
英雄「そうですな。こういう時こそ、我々教師が奮迅せねばなりますまい」
風間仁「俺も行かせてもらう。三島一八…奴の足取りを掴んでみせる」
M.O.M.O.「シオンさん、私達は…」
シオン「…元々別の世界から来ている私達に選択肢はないわ」
KOS-MOS「了解しました、シオン」
ブルース「政府機関の人間としちゃ、民間人は守らなけりゃならないからな」
フォンリン「そうね。サラリーマンは教師、ミュージカルスターにプロレスラー、
   そして女子高生…。
   我々政府のエージェントが、彼らに守られるなんて事は、あってはならないわ」
レジーナ「…肩書きだけ聞くと、すごい集団よね。
   あなたも特務の人間なんだから、がんばってよ?アリス」
零児「ああ。…みんな、すまない。
   必ず元の世界に帰る方法を見つけてみせる。もう少し付き合ってくれ」
シャオムゥ「ええ話や…。では皆の衆、がんばるのじゃぞ?
   ほれほれ、行ってこい!」
零児「おまえは真っ先に来い。…では女神イシター、俺達はこれで」
イシター「お気をつけて。私も、できる限り尽力をいたしましょう。
   あなた方の行く道に、光があらん事を」


大巫女神殿…エントランス。
敵を迎え撃つ為に大巫女神殿から出てきたクロノアとガンツ。

クロノア「うわ~、いるいる!」
ガンツ「けっ!ゾロゾロとガン首揃えやがって。
   …クロノア、限界まで粘って、オサラバするぞ」
クロノア「え!? ちょっと待ってよ!ロロや大巫女様はどうすんのさ!」
ガンツ「命あっての物種だ。さっき聞いたろ?
   物質界からも何か来てるらしい。先がよめねェんだよ。
   それにこンだけの数、オレ達だでどうにかできるとでも思ってンのかよ?」
クロノア「さっきさ、尻尾を巻くのだけはナシ…とか言ってなかったっけ?」
ガンツ「ヘッ、カッコよかったろ?」
クロノア「そんな理由かよ!」
ガンツ「ギャーギャーうるせェな。命あっての物種だろォが。
   死んじまったら何にもならねェ。…オヤジみてえによ」
クロノア「え? 今なんて…」
ガンツ「なんでもねェよ。ケドよ、やれるトコまでやるって言った手前…
   そこまではやってやらあ…ッ!いくぜ、クロノア!」
クロノア「ワッフゥ!ロロや大巫女様は…ボク達が守らなきゃ!」

多数の敵を前に戦うクロノア、ガンツの前にさらに敵の増援が現れる。
増援を指揮しているのは以前さくらを拉致しようとし、
豪鬼に邪魔をされた毒爪のジャンガ。

クロノア「うわぁ~!来た来たァ!」
ガンツ「ケッ、早くも退きどきかよ。…ザマあねェ話だぜ」
クロノア「ダメだって!ボク達がなんとかするんだ!ガンツ!」
ガンツ「なんとかっつったってオメェ…」

ジャンガ「なんでェ、進軍が遅れてるかと思やァ…、
   ガキどもがオモチャ振り回してるたァなァ」

クロノア「な、なんだ、アイツ…」

ジャンガ「…クソッ。ただでさえ遅れ気味のところケチつけやがって!
   クソッ、クソッ、クソッ!」

ガンツ「……?」

ジャンガ「…クソッ…。まァいい。相手はガキか。
   キキ…いたぶってやるのも面白ェかもしれねェなァ」

ガンツ「…なんだ?なんだ…このざわつきは…?」

ジャンガ「久しぶりに毒の爪を試すとするか。
   物質界でついたケチも払拭しとかねェといけねェしなァ」

ガンツ「毒の爪…?毒の爪だとッ!?
   それにその帽子…その帽子のマーク!まさか…まさかてめェ…ッ!」
クロノア「ちょっと、アイツ知ってんの?ガンツ」

ジャンガ「あァ~ん?なんだァ?このガキ…さっきからガタガタとよォ」

ガンツ「ジャンガ…ッ!」
ジャンガ「ああ、いかにも"毒の爪のジャンガ"様だ。
   …で、ボーヤはどこのどなただい?」
ガンツ「てめェ…よくもヌケヌケとォッ!」
クロノア「ガンツ、わけわかんないよ!説明してよ、ねえ!」
ガンツ「黙ってろ!ジャンガ、テメェだけは!」
ジャンガ「キキキ…誰だか知らねェが、死体になっちまえばみんな同じだゼェーーーッ!」

ジャンガを見て急に取り乱したガンツの理由も判らぬまま、戦い続ける。
そこへ、イシター神殿から向かってきた零児達が到着する。

零児「ここが天空寺院だな。…なるほど、連絡がつかなくなっていた理由はこれか」
シャオムゥ「ふむ…あっちゃこっちゃで問題が起こっとるのう。ん?赤い…バイク?」

クロノア「うわわ、また敵…!?あれ、違う?…なんか見慣れない人達が…」
ガンツ「かまうンじゃねェッ、クロノア!
   オレはジャンガを殺やれればそれでいい!」

レジーナ「取り込み中のようね」
風間仁「…ちょっと待ってくれ。あれは…何ていう生き物なんだ?」
シオン「…というか…着ぐるみなんでしょうか、あの二人」
M.O.M.O.「フサフサですね」

クロノア「ああっ!もしかして…物質界からの人!?」
ワンダーモモ「う、うん…か、カワイイ…ナデたい…」
レイレイ「いや、会話になってないアル」
ベラボーマン「現実の世界…あなた方が言うところの『物質界』から来ました。
   大巫女さんという方にお会いしたのですが…」
クロノア「お、大巫女様に…?」
フォンリン「知っている…?あんた、関係者のようね」

ジャンガ「ちィ!なんでえ、てめェらはよッ!」

さくら「え? あっ! ああ~~っ! あのツメネコ!」
ブルース「おいおい、知り合いかよ」

ジャンガ「ああァ~ん?おお、生贄の姉ちゃんじゃねえかよッ!
   よォやくその気になったかよ。あぁ?」
さくら「そんなわけないでしょ!」
かりん「まだ痛い目に遭い足りないようですわね」
ジャンガ「思い出させるンじゃねェッ!
   大体、あれはテメェじゃなくチョンマゲ頭の仕業だろォが!このドリル頭がッ!」
かりん「ド、ドリ…ッ!」
シャオムゥ「ああ~!なんかに似とると思ったら…。こりゃとんだドリル姫じゃのう!」
かりん「あなた達…まとめてへし折りますわよ」
英雄「仲間割れはそこまでにしてください。ジャンガ君といいましたね。
   …君がここにいるという事は、
   『眠り病』もこの世界の混乱と関係があるようですね」
響子「今度こそ、ちゃんとしゃべってもらうわ」
ジャンガ「テメェらもいんのかよ。相変らずのウザさだゼ…クソッ!」

ガンツ「ヘッ。どこに行っても嫌われモンだな、てめェはよ」
ジャンガ「あァン?このガキ…いい加減にしとけよォ…?」
ガンツ「うるせェッ!仇はとらせてもらうぜ、裏切り者のジャンガッ!」
クロノア「カタキ…!?」
ジャンガ「仇ィ…?さっきから気になってたが、その銃…まさかオマエ…」
ガンツ「こんな所で会えるとはな…!探したぜ、クソ野郎!」
ジャンガ「キキキキ…。なるほどね、バッツの息子か。こりゃア面白い。
   オラ来いよ。お父ちゃんと同じトコロへ送ってやるからよォ!」
ガンツ「野郎…絶対に…絶対に許さねえ…ッ!」
クロノア「ガンツの仇…!?
   あ、ボクはクロノア!こっちのがガンツっていうんだ」
零児「俺は有栖零児。…他のメンツの自己紹介は後回しだ。
   女神イシターに言われてここまで来た」
シャオムゥ「(さすが零児…わけわからん生物とフツーに話しとるな)」
クロノア「イシター様に?じゃあ…味方ってコトでいいんだよね?」
KOS-MOS「はい。支援行動を開始します」
フェリシア「同じフサフサ同士、がんばろう!ね!キングさん」
キング「…私はフサフサしていない」

ジャンガ「ケッ!色々と面倒臭ェコトになってきやがった。
   とはいえ…もう少し時間稼ぎしとかねェとな。…キキ」

零児達はクロノア、ガンツの援護をし、ジャンガ部隊を追い込む。

ジャンガ「こいつら…やりやがる」
英雄「観念する事です!」
ガンツ「へっ、ツキがなかったな。終わりにするぜ、ジャンガ!」
響子「待って!そのネコちゃんには聞きたい事が…!」
ガンツ「待てねェなッ!」
フェリシア「お、落ち着いてってば!同じ猫耳のよしみで…」

ジャンガ「キキ…いや、待ってもらわなくてケッコウだぜ」
ブルース「なんだと…?」
レイレイ「アイヤー!な、なんか来るアルよ!」

零児達の背後に敵の増援が出現する。

シオン「敵!?こっちから!?」
ジャンガ「キキキ…遅ェぜ、てめぇら」
キング「しまった、仕組まれていたのか!?」
風間仁「こいつら…前に見た奴らと同じだ。
   後ろからきたという事は…そうだな、仕込みだろう」
M.O.M.O.「と、とても大きい敵もいます…」
レジーナ「恐竜…!?いえ、違う…植物のようにも見えるけど」
フォンリン「他のは仮面みたいな奴か…」
クロノア「え!?戦ったことあるの!?」
零児「ああ、それもついさっきな。だが、これで敵の繋がりが見えてきたか」
シャオムゥ「そうじゃな。え~と、つまり…その…なんじゃ」
KOS-MOS「全然見えていないようですが」
シャオムゥ「このアストロロボ!いちいちツッコむなっちゅうに!」
ガンツ「ジャンガ、まさかこいつらを!?」
ジャンガ「キキキ…ご名答。一気に大巫女の首を取らなきゃならねェンでな」
クロノア「こいつらを大巫女様の所に!?そんな事させるもんか!」
ベラボーマン「そういう事ですね。まだまだお付き合いしますよ、クロノア君」
ワンダーモモ「そのかわり…あ、あとでナデナデしていい…?」
クロノア「…い、いいけど」
さくら「このツメネコ!君の思うようにはさせないよ!」
かりん「その通り。…私を愚弄した罪は重いですわ」
零児「各人の目的がどうにもバラバラだが…。俺達も大巫女とやらに用事がある。
   片付けさせてもらうぞ」
ガンツ「ヘッ、まだまだオレにはツキがあるらしいぜ」
クロノア「よぉ~し、やるぞぉ!」
ジャンガ「キキキ…シーザスまで引っ張ってきたんだ。そうカンタンにはいかねェよ。
   (ケドよ…話じゃシーザスは2匹よこすって話じゃなかったか?
   おまけに…コイツら全員…なんかボロボロじゃねェかよ。
   ジョーカーの野郎…テキトーなコト言いやがって)」

ガンツ「今度こそ最後だぜ、ジャンガ…!」
ジャンガ「ふざけやがって…クソッ!」
さくら「さあ、聞かせてもらうよ!イケニエがどうとか、君が何者かとかね!」
ジャンガ「そいつァまた気が早ェなァ。まだまだ始まったばかりじゃねェか…。
   パーティはよ!」
風間仁「パーティだと…!?一体何の事を言っているんだ!」
ジャンガ「さァなァ。キキキ…じゃア、会場に先に行ってるゼ!
   もしかしたら…もォ終わっちまってるかもしれねぇケドなァ」

不安な言葉を残し、退却しようとするジャンガ。

ガンツ「待ちやがれェッ!」
クロノア「パーティの…会場…?
   あッ!!まさか…まさか大巫女様の所の事ッ!?」
シャオムゥ「…いかん!おそらく先行部隊がおるぞ、零児!」
零児「ちっ、そういう事か…!敵を防ぐつもりが…逆に足止めを食わされていたのか!」
クロノア「く…卑怯だぞ…!」
ジャンガ「それが俺のチャームポイントさ。キキキ…」
ガンツ「てめェ…!」
ジャンガ「あばよ!バッツの馬鹿息子!」
ガンツ「ジャンガァァァーッ!」
クロノア「わわわっ!待ってよガンツ!」

退却するジャンガ。クロノア、ガンツが後を追っていく。

ブルース「おいっ!…駄目だ、すっ飛んでいっちまった…」
フォンリン「どう見ても小動物なのに、バイクを運転できるなんて…やるわね」
レジーナ「…ええ、しゃべってたしね」
フェリシア「あれは、ああいう種族だと思うんだけど」
レイレイ「ガロンがちっこくなったカンジ?」
ワンダーモモ「ナデナデできませんでした…」
KOS-MOS「残念がってる場合ではありません。早急に追跡すべきだと思われます。
   今回の件の計画性から推察すると、敵の罠が仕掛けられている可能性が
   高いと考えられます」
シオン「そうね。あの剣幕じゃ、罠とかあっても気づかなさそうだし…」
風間仁「だが、まだ敵は残ってるぞ」
零児「ああ、挟撃は避けるべきだ。後ろから襲われても面白くない」
シャオムゥ「そそ。散らかしたら片付けていかんとな」

残存部隊を全滅させる。

M.O.M.O.「ええと…周囲に敵の反応はありません」
キング「うむ、今のが最後だったようだな」
ベラボーマン「やれやれ…一息つきたいところですが…」
かりん「そんな時間はございませんわ」
英雄「その通りです。すぐにクロノア君達を追いましょう」
響子「手遅れになる前に、急がないと」
シャオムゥ「それしかないのう。ほれほれ、零児」
零児「わかってる。いくぞ、みんな」

最終更新:2006年02月04日 22:31