東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚

東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚(とうきょうものはらし からすのもりがくえんきたん)

part53-28~39,89~94、part55-301~306,316


28 :東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚:2010/07/26(月) 21:13:25 ID:0bXW+qry0
街を見下ろす高層ビルの上。黒いコートの男が、小さな箱を開けた。
中から花札が飛び出し散っていく。
傍らにはセーラー服の少女。男は、彼に箱を授けた彼女に礼を言う。
「さぁ――――黄昏の始まりだ。」


■プロローグ

数年前の事。中学生だった七代千馗―主人公は、公立図書館で本を借りた。
カウンターで司書に頼まれ、アンケートに協力した。
読書量や得意教科など、ごく普通のアンケートだったが、指示通り裏返すと、あと一問だけ質問が記されていた。
「あなたには、この質問が見えますか? 【はい/いいえ】」


そして今、主人公は富士の樹海で、封札師になる実戦試験を受けている。
あのアンケートは、封札師と呼ばれる職業に必須の、
<秘法眼>―常人に見えない物を見られる目を持った若者を探すものだった。

封札師が属するのは、国立国会図書館収集部特務課。
魔力の宿ったカード類、呪符、札など、危険な力を秘めた紙媒体を回収管理している、隠された特殊機関だ。
封札師は、物の本質的な力を引き出せる右手を持ち、グローブで制御して、カミフダと呼ばれる花札を操り戦う。
身分的には、あくまで国立図書館に属する公務員である。

主人公の他にも、二人の候補生がいて、3人はすぐに仲良くなった。
3人で力を合わせて、全員で封札師になるべく、実戦試験をこなしていく。

29 :東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚:2010/07/26(月) 21:15:35 ID:0bXW+qry0
【七代 千馗】(しちだい かずき)
主人公。本来なら高校3年生だが、新米の封札師。
セリフは無く、選択肢は漢字一字で感情を入力する方式だが、人格はある程度固められている。
熱血で突っ走りやすいお人好しだが、他人を引きつけ、巻き込んでいく力がある。

【武藤いちる】
主人公の同期仲間。努力!友情!勝利!の熱血少女。
秘法眼のせいで周囲とうまくいってなかった分、封札師仲間への友情は熱くて篤い。

【雉明 零】(ちあき ぜろ)
主人公の同期仲間。長門系と言ったらわかってもらえるだろうか。
無口でマイペースでやけに世間知らずの、謎めいた美青年。


最後に、隠者の杖という剣で、手の甲を差し貫き力を授かれば合格、という所までこぎつける。
怪我はしないらしいが、ちょっと怖い。
俺が毒見役になろうと言う零を止めて、3人で手を重ね合わせ、一緒に杖で貫いた。
手の甲に紋章が浮かび、これで3人とも晴れて新米封札師だ。

そう思った矢先、試験場だった洞窟が地鳴りを上げて崩れ始めた。
零が符力で崩落を一時止め、「かまわずに逃げろ」と言う。
零を見捨てては逃げられない。そう思うが急がねば全員死んでしまう。泣く泣く脱出する。
零も反対側から脱出したようだと、教官は気を読んで安堵したが、零は何故かそれきり戻ってこなかった。
不可解な零の逃亡を悲しむ中、教官の許に緊急連絡が入った。

今、封札師たちが急務として当たっているのは、「呪言花札」と呼ばれる花札の回収。
箱が開かれ解き放たれれば、世界に災いを成すと謂われる一揃いの花札で、強大な力を宿している。
ある一族の手で厳重に護られていた筈の花札が強奪され、何者かが封印を解いてしまった。
散った花札達は、周囲の情報を力として吸収し、周囲のものに力を与える代わりに隠人(オニ)に変える。
放っておけば、日本中がオニで溢れ滅亡してしまうということだ。
その花札の情報が、新宿にある高校で報告されたという。

今手が空いている封札師はいない。
なりたてホヤホヤだが、主人公が初仕事として回収に向かう事になった。
いちるは、実戦は問題ないが、知識面がガタガタなので、京都で補習に回される。

30 :東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚:2010/07/26(月) 21:56:02 ID:0bXW+qry0
という事で、主人公は鴉乃杜学園三年二組に編入し、潜入調査をして近場にある花札を回収する事になる。
寝泊りは、特務課の協力者が神主をやっている神社に居候することになる。
神主の清四郎に、娘の朝子。朝子は学園でのス主人公の担任でもある。
清四郎は、飯その他の面倒を見る代わり、絶対に朝子には事情を悟らせるなと言う。
朝子にはこの世の隠された物を何も知らせず、ただの娘として生きて欲しいらしい。

この鴉羽神社は、パっとしないマイナーな神社だが、歴史は古く、名物がある。
狛犬とお狐の像が、一体ずつの対なのだ。神使が別種で対とは珍しい。
清四郎と朝子には見えてないようだが、この神使は、人の形で具現し境内をうろついている。
秘法眼持ちの主人公には勿論見えていて、仲良くなる。
新米狛犬の鈴に、古株お狐様の鍵。二人は、探索戦闘の際、守護神使としてナビをしてくれる。


【羽鳥清四郎】
鴉羽神社の神主。ネタバレすると、実は陰陽師。
しかしその力は弱く、神使が見えるほどの神通力は無い。

【羽鳥朝子】
清四郎の愛娘。鴉乃杜学園の教師。主人公の担任。
朝が弱く、物凄くおっちょこちょいでトロい。主人公の素性は全く知らない。

【鈴】
まだ作られて50年程の、新米狛犬。見た目は、犬耳の生えた幼い少女。
素直で可愛らしく、主人公をぬしさまと慕ってくれる。鍵によくからかわれている。

【鍵(けん)】
齢経たお狐様。見た目は、狐耳と狐色の長髪の、狐目の兄さん。
海千山千の古狐だが、主人公を坊と可愛がり、面倒を見てくれる。


学園で任務を開始すると、すぐさま何かの能力者である事が、仲良しになった友達にバレる。
学園の怪談話を追っていくと、怪奇現象の中心、取り壊されない焼却炉が、地下洞と繋がっていた。
その洞は龍脈の力が集まる龍穴だった。より強い力に惹かれる花札達は、この洞に引き寄せられているのだろう。
洞に潜って、花札を探す。色々な動物や器物がオニ化したものが蔓延っているが、ここに花札がある証だ。

友達もついていくと言って聞かず、一緒に洞を探検することになる。
洞を進むうち、人に取り憑くのを好む花札が、友人たちに憑いてしまった。
封札師である主人公と違い、このままでは友人たちは、数日の内にオニと化してしまう。
焦る主人公の頭の中に、鈴の音のような声が響いた。
「力が欲しいか?」

「力が欲しくば、我を手にするがよい。」
伸ばした手に、真っ白な花札が納まった。
命じられた通り投げると、札は白い鴉に変じ、友人たちから花札を引き剥がした。
落ちた花札を回収する。
白い鴉は、白髪に水干姿の幼い少女に変身した。
「こんなものじゃろう。…それにしても、見れば見るほど貧相な主殿じゃの…
……なっ!?封札師じゃと!?この妾が封札師風情を主と呼ぶなどと!!
一体どんな卑怯な手段を使ったのじゃ!ええい、小癪な、小癪な!!」

31 :東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚:2010/07/26(月) 21:57:09 ID:0bXW+qry0
あー一行抜かした。>>30から本編です。

32 :東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚:2010/07/26(月) 22:08:12 ID:0bXW+qry0
彼女は白札。呪言花札の一枚だが、他の札を管理する、人格の宿った特別な札。
呪言花札は、彼女が選んで契約した執行者にのみ制御することが出来る。
呪言花札が解放されると、彼女は執行者を見つけて共に他の花札を集め、
執行者が呪言花札を封印して、彼女はまた長い眠りにつく。
それを、平安の昔から幾度も繰り返してきた。
要するに彼女は、花札を創った創始者が用意した、花札の管理機能。常に花札を封印状態に置く為の札。
創始者の子孫を常に見つけ出して選んできたのに、今回人違いをしてしまったそうだ。
「何故じゃ、何故じゃ、妾ともあろう者が!ええい忌々しい!」
でも、一回契約しちゃったからもうどうしようもないらしい。しょうがないね。

友人たちの札は落ちたけど、意志の強い人間は、以後100日程度、札の加護が得続けられるらしい。
この状態を<札憑き>と呼ぶ。友人たちも漏れなく札憑きになり、
主人公がこの花札を集める封札師であることを理解、本格的に主人公の探索戦闘を助けてくれる。


ここで友人たちの紹介。

【壇 燈治】(だん とうじ)
主人公の相棒格。潜入先で同じクラスになり、親友になる。
喧嘩好きだが、硬派でいい奴。周囲には不良と怖がられているが、一度懐に入れた相手には甘い。
『菊に盃』の札憑き。水の力を纏った拳『吟風』を操る。

【穂坂 弥紀】(ほさか みのり)
主人公のクラスメイト。ヒロイン?
テンプレのいい子。心優しいが、一度決めたことは貫き通す頑固な面もある。
『柳に燕』の札憑きで、傷を癒す『鳥歌』を操る。

【飛坂 巴】
隣のクラス。弥紀の親友。燈治の天敵。
権力と武力を持つ生徒会を統制するやり手の生徒会長。高飛車だが頼りになる。
『紅葉に青短』の札憑きで、敵に文房具を投げつける『一撃必殺』を繰り出す。

これが同級生仲良し4人組。
巴は忙しいのでいない事が多いが、後3名はほぼ全シーン一緒に行動している。


【白(まお)】
呪言花札を管理封印する人格を持った札、白札の化身。
作り主の血筋の者と間違えて、主人公を執行者に選んでしまい、最初は嫌そうだったが、その内馴染んでくる。
気位が高く、ワガママで強がり。ジャンクフードとスナックを初体験してハマっている。

白は、朝子には主人公の妹という触れ込みで、鴉羽神社に居候することになった。
主人公が学校に行ってる間は、神使と遊んだり、白鴉になって札の気配を探し回ったりしている。
主人公はしばらく、洞に潜って花札を探したり、誰かに花札が憑いてそれを剥がして、仲間が増えたりして過ごす。

33 :東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚:2010/07/26(月) 22:09:28 ID:0bXW+qry0
【宍戸長英】
学園の後輩。伝統ある剣道道場の跡取り。札に憑かれオニ化しかけたので祓ってあげた。
古風な熱血漢だが、自分に自信が無く、何かに命がけで仕える癖があり、助けてから主人公もガッツリ崇拝される。
『菊に青短』の札憑きで、居合で敵を討つ『胴切り』の使い手。

【宝方 蒐】
学園の後輩。四角マニア少年。本人も常に四角い袋を被っている。
四角、とくにカードが大好きで、カードの話をしていると現れる。
助けてないけど、仲良くなると『牡丹に青短』をくれる…。札憑きでもある。一流カードマニアはそのくらい制御できるんですね。


長英を助けた際、落ちた花札を矢が射抜いた。
「鬼印盗賊団」と名乗る、冷たい瞳をしたメガネの青年が、札を奪い、札の力で転移して去る。
強力な力に惹かれ、花札を集めようとする者達が他にもいるのだ。
花札がどれほどの力を授けようと、執行者以外はその力に取り込まれていずれはオニになってしまうというのに。
これからは札を奪う者たちとも戦っていなければならない。
逆に、協力者たちも現れる。
時間軸で書くと長くなるので、前提と各勢力をまとめて書いてしまう。


■呪言花札
呪言花札と呼ばれる、全48枚の札。
より強い力に惹かれ、周囲の力を吸収、蓄積し続ける。
太古の昔より力を蓄え続け、今は無尽蔵のエネルギーを宿している。
常態としては封印され管理されているが、箱が開けられると札は各地に散り、力を吸収しに行く。
人間に所持されると、その力を分け与えながら持ち主の情報を吸いとり書き換え、やがてはオニへと変える。
白札と契約した執行者のみが、札達の主となり、害を受けずに花札を使役できる。

■目的
主人公の目的は、封札師として、白札と契約した執行者として、
新宿に引き寄せられていることが判明した呪言花札を回収・封印すること
花札を見つけ、手元の花札を使いながら戦い、花札を全48枚集めるのが当座の指針。

■洞
新宿には、人工的に作られたとみられる、四つの龍穴がある。
それぞれ、春夏秋冬の名をつけられ、中には龍脈の力に惹かれた花札達が集まっている。
洞は札の力でダンジョン化し、オニが住みついている。
それぞれの洞に、特別に強力な札、光札が眠りながら龍脈の力を吸いとっている。
強い力のぶつかり合いによって目を覚ます。
後半の敵が、その為に主人公と洞で戦い、光札を目覚めさせて手に入れようとするのがよくあるパターン。

■戦闘
オニを倒すには強力な武器が要る。
物の力を引き出す力を持ってるけど、刃物や飛び道具を持って新宿をうろついたら捕まってしまう。
従って主人公は、30cm定規やら、竹トンボやらで戦う。
心配無用、洞に潜ったら、花札を憑依させて武器や防具を強化する。かなりの種類がある。
例えば、30cm定規は、梅の屑を憑依させると「黒漆太刀」に。ホッカイロと紅葉に鹿で「火鼠の皮衣」に。結構燃えるシステム。

34 :東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚:2010/07/26(月) 22:10:49 ID:0bXW+qry0
※時間軸ではなく、勢力別に、中盤までの事をまとめていきます。

■絢人&輪■

ごく序盤に、花札を奪いに来る二人組。
すぐに誤解が解け、頼もしい協力者になる。

【日向 輪】
八汎学院一年兎組。
多分女子高生?だが、ぶっちゃけショタ少年にしか見えない。
旋火流忍者の末裔。呪言花札を護る日向家の、忍玉もしくはなん者。
まだまだひよっ子で、かなりのおバカ。全然忍ばず熱血修行中。
『藤に時鳥』の札憑きで、敵の攻撃を回避カウンターする『空蝉』を操る。

【香ノ巣 絢人】
寇聖高校普通科三年E組。
新宿で一番の情報屋。常に輪をサポートしている。
中性的な美青年だが、肉体的マゾヒストでフェミニストでナルシスト。
『菖蒲に八橋』の札憑きで、主人公の能力をHP減少分に比例して上げる『天橋立』を操る。


序盤、鬼印盗賊団と名乗るメガネに花札を奪われた主人公達は、盗賊団の情報を集めていた。
新宿一の情報屋が、歌舞伎町の喫茶店「ドッグタグ」を窓口にしている、
そう聞いた主人公達は、その喫茶店を訪ねる。
そこのマスターは元兵士で、この喫茶店は情報屋やら仕事人やらと依頼人を取り持つ所らしい。

情報屋絢人は何と同い年。
報酬は金銭ではなく、女性が一発ブン殴ってくれたら契約成立だと言う。マジモンの変態だ。
絢人は盗賊団や花札の情報をくれるが、実は、主人公達の情報も集めていた。

日向輪、そう名乗るお子様忍者につきまとわれる。
彼女と絢人はパートナーで、主人公の花札を奪おうとしてきた。
輪の家は、由緒正しい忍の家系で、江戸の代から、封印された呪言花札を隠し守ることをお役目としてきた。
しかし、現当主―輪のおじいさんが何者かに重傷を負わされ、花札は盗まれた。
輪は探しまわり、主人公が花札を集めているという情報を絢人から聞いて、
主人公が花札を盗んだ犯人だと思いこみ、花札を取り返そうと襲って来たのだ。

「盗んでバラまいといて、そんでまた探して集めるってどういう理屈だよ。」
燈治の突っ込みで目を覚ました輪に、主人公が執行者として封印の為に札を集めていることを説明する。
輪はそれでも、花札の守護者の末裔として、執行者を自分にバトンタッチして欲しいと言い出す。

輪&絢人と決闘して倒し、輪には執行者たりえる程の力は無いと白が宣告する。
輪は主人公の力に納得し、自分も協力するから、全部集めて封印したら、それを日向家に託してくれと申し出る。
絢人も情報屋として、これから先主人公達をサポートしてくれる。

35 :東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚:2010/07/26(月) 22:15:18 ID:0bXW+qry0
■鬼印盗賊団■

新宿で跳梁跋扈する、柄の悪い盗賊団。
正体は、私立寇聖高校まるごとそのもの。
元々、ある機関が戦力を育成する事を目的に運営している特殊な高校だが、
学校の頂点を取った鬼丸義王が、この盗賊団を作り上げ、ほぼ全校生徒を団員として束ねている。
学校母体の鬼丸家の力で警察の干渉を退けている。

闘いとお宝を求める義王が、花札と主人公に目をつけ、執拗に花札を狙ってくる。
それに従う振りをしながら、御霧とアンジーもそれぞれの目的の為に花札を狙っている。
ライバル的軍団として、主人公達と長く続く戦いを繰り広げる。
まぁ、ご近所さんなので、行きつけのカレー屋とか銭湯とかでしょっちゅう鉢合わせ、
そういう時は休戦しておしゃべりしてしまうような緩い敵対関係ではある。


【鬼丸義王】(おにまる ぎおう)
寇聖高校帝王科2年A組。意外と身長低い。
主人公のライバル。新宿で大暴れしている、鬼印盗賊団のオカシラ。
俺様系暴君だが、美学は貫く漢。実は高2なので主人公や御霧より年下。制服を海賊風に着崩している。
『萩に猪』の札憑きで、トンファーから繰り出す衝撃波『国士無双』の使い手。

【鹿島御霧】(かしま みぎり)
寇聖高校情報戦略科3年B組。札を射抜いた人。
義王の右腕。盗賊団の参謀にして凄腕の情報屋。辛辣で毒舌。
義王の我儘を押し付けられ、アンジーの思いつきに振り回され、常にイライラしている。
『紅葉に鹿』の札憑きで、矢を放ち範囲内の敵達の弱点を暴く『インビジブル』を操る。

【アンジー・D】
寇聖高校海外選抜科3年A組。ボインボイン。
自称盗賊団のマスコット。スペインから修行に来た魔女。
思いつきと衝動で生きてるように見えるが、自分の目的の為には計算高さも覗かせる。
『牡丹に蝶』の札憑きで、鱗粉で敵を弱らせる『マリポーザ』の使い手。

36 :東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚:2010/07/26(月) 22:16:20 ID:0bXW+qry0
これが盗賊団の指導者3人。猪鹿蝶トリオ。
大体いつも揉めてるが、全員タイプの違うツンデレなだけで、ほんとは仲がいい。
しかし中盤、アンジーと御霧が組んで義王を裏切り、トップから騙し打ちで引きずりおろした。
新体制となった盗賊団に、義王は追われる身になり、負傷していたところを主人公達に匿われる。
アンジーと御霧は弥紀を人質に取り、花札を強奪するが、
強力な光札がオニに変化して暴走。影響で二人も自分の札を制御できず、オニになりかけてしまう。
動けない二人を洞の崩落が襲う。光札は倒さなきゃならないし、二人とも助けるのは無理だ。
焦る主人公の前に、怪我を圧して義王が駆けつける。
「お前ら二人は俺のモンだ。俺は、俺のモンを誰にも奪わせねぇ。例えお前ら本人にもな。」

”義王は産まれついての強者、要らなくなった駒は非情に切り捨てられる帝王。
だからそうされる前にこちらから裏切った。”
そううそぶいていた二人だが、義王が現れると、目に見えて気が安定し制御を取り戻す。
鬼印盗賊団は仲直りし、義王はすぐにトップに返り咲く。

もう、そこらへんから主人公一行と猪鹿蝶トリオは、なんかお互い仲良くなってしまい、
争ったり共闘したりしてる内に、どんどん友達になってしまう。
アンジーと御霧とは番号交換しちゃって電話したら主人公のバディ頼めるし、敵も味方も無い感じになり…
終盤、とうとう義王と主人公は二人きりで会い、花札抜きで一騎打ち。
無敗の帝王は初めて負け、清々しく笑う。「ハッハァ!負けたか!!この俺様が!」
番号交換して友達になり、バディも組めるようになる。

決闘帰りに月を見ながら、ふと義王から秘密を打ち明けられる。
義王は鬼丸家の御曹司ではなく、大勢の養子と競わされながら鬼丸家長男の座を守っている、ただの孤児らしい。
それを言っちゃった方が御霧の眉間の皺も随分減ると思うのだが…。

37 :東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚:2010/07/26(月) 22:17:32 ID:0bXW+qry0
※仲間になった奴とは、携帯番号を交換し、探索前に呼び出してバディを組める。
仲良くなると、ストーリーと関係なく、ちょくちょくメールをくれる。
例えば、義王から「暇だ!!そこ動くな!!行く!!」とかそんな感じのメールが来たり
蒐から□で埋め尽くされたメールが来たりする。

38 :東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚:2010/07/27(火) 00:39:50 ID:SLxfT+B+0
■私立八汎学院■

超名門高校として有名。 
正体は、宮内庁に管理された、最も古い国立退魔機関<夜刈機構>の養成施設。
宮内庁の保護を受けているため、政府や警察の干渉を受け付けず
更に、在校生たちが十重二十重に結界や護符を張り巡らせ、外来者を退けている。
味方につけば、これ程頼りになる砦はそうそう無い。

グループは存在せず、それぞれ思惑の違うキャラクターが互いに交友を持っている。
要、ミカみゅんとは一度は対決するが、協力者になる。
ヒーローは、一貫して協力者である。ヒーローだからね。


【蒲生 道佳】(どうかい×ミカみゅん○)
八汎学院三年巳組。
結界で学校のセキュリティを担う風紀委員長。本名で呼ぶと怒る。
福耳と下膨れと超盛り髪巻き巻きのオカマ。実はこの齢で伝法灌頂を受けた天才密教僧。
『松にあかよろし』の札憑き。魅惑のオーラで敵のHPを吸収する『ミラクル★ラブ』を操る。

【幸徳路 要】
八汎学院三年酉組。花札を創った陰陽師の子孫。
気位の高いお嬢様陰陽師。京都弁。世間知らず系ツンデレ。ミカみゅんとは幼馴染。
『梅にあかよろし』の札憑き。式神を操って敵を攻撃する『北斗雷震』の使い手。

【嘉門 英雄】(カモンッ★ヒーロー!) 
八汎学院三年猪組。
新宿を飛び回る大人気のヒーロー『東京BM』の正体。ムキムキボディに爽やかスマイル。
両親が遺した財力と心に灯る正義の炎で、悪(主に鬼印盗賊団)を討つヒーロー。
『桜にみよしの』の札憑きで、桜吹雪で敵をぶっ飛ばす『英雄大解砲』の使い手。


39 :東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚:2010/07/27(火) 00:40:51 ID:SLxfT+B+0
まず、ヒーローと知り合う。
なんだか仲良くなった矢先、「姫」に会いに八汎に来てほしいと頼まれる。
待っていたのは、幸徳路 要。呪言花札を創った陰陽師の、今なお続く子孫だった。
呪言花札は、平安の頃、幸徳路が連なる賀茂の陰陽師が創り、遺したもの。
何故か、日向が札を護り、幸徳路の本家ではなく、分家の者が執行者を務め、解かれた花札を封じてきた。
分家や忍者風情に任せたのが間違いの元。
本家の娘である自分が、引き継いで花札を封じる。だから退くようにと命令される。

白が白鴉の姿で飛んできて、高飛車な娘を馬鹿にする。
「何やら勘違いしておるようじゃが、
 妾に選ばれなければ、執行者たる資格は無い。」と。
要は白を、執行者もまともに選べない、役立たずの道具として侮辱する。
要の態度は傲慢で、かなり不愉快だ。だが、それには理由がある。
要の幼馴染、オカマのミカみゅんが要を止める。
「家の為、家の為、って要は頑張るけど、要は女。
 どんなに尽くしたって、家は継げないんだよ?」


一方のミカみゅんは、弱冠18歳で伝法灌頂を受けた天才密教僧。だけど心は女の子。
蒲生家は、日本の鎮護国家を担ってきた密教の名家で、ミカみゅんも、内閣緊急事態管理室、通称JEMAの協力者だ。
そのミカみゅんは銭湯の無料券を仕込んで、
猪鹿蝶トリオと主人公一行を、銭湯に誘き寄せた。
まんまとタダ券握りしめて銭湯に来たバカ達の荷物を漁って、一挙に全ての花札を手にして逃げる。

※ちなみに、銭湯男湯で鉢合わせた、主人公、燈治、義王は、売り言葉に買い言葉で、女湯覗き対決をする。
御霧はウンザリ顔で傍観、長英は真っ赤になって止める。
穴が沢山あり、お目当ての娘を覗けたらラッキー。もちろん女子から制裁を受ける。

湯上り早々にミカみゅんを追いかける羽目になり、盗賊団のワープで追う。
ミカみゅんを倒して札を取り上げる。
しかし力のぶつかり合いによって光札が目覚め、要とミカみゅんが崩落に飲まれそうになる。
助けると、二人から執行者として認められ、二人は協力者になる。
ミカみゅんは、「竜胆の君」と彼女が呼ぶ憧れの男性の為に、光札を目覚めさせたかったのだと言う。
乙女の秘密は暴かれるべきではない。今は不問に処す。

91 :東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚:2010/07/31(土) 10:36:38 ID:VZifCSJs0
ここからまた>>39の続きです。

■零■

試験終了直後に姿を消した零。
彼は、呪言花札の箱を開けた男とも面識があり、主人公を影で見守っている。
光札を初めて倒した際に、主人公の前に現れ、「まだ早い」と言って光札を再び眠らせる。
新米封札師とは思えない力。手にしているのは「鬼札」。
「白札」と対を成す、特別な札だ。
ただ、一緒に試験を受けただけ、「これから仲間だ」と誓っただけの仲だが、
何故か主人公を気にかけ、「俺の唯一」と称している。
悲しく別れた割に、新宿をうろうろしていてたまに見かける。


ここまでが、「昨日の敵は今日の友」的な勢力達。
ゴタゴタするが、結局は仲間になっていき、主人公が花札を集め封印する事を目的とした集まりとなる。
中盤までに、子供たちの札の取り合いはほぼ片付き、
目隠しされていた真実、裏で動いている勢力が顔を出し始める。


■ここから、また時系列で書いていきます。

主人公達は、ドッグタグで、黒いコートの男性と知り合う。
彼の名は筑紫。内閣緊急事態管理室、通称JEMAの偉い人らしい。

【筑紫 信維】
JEMAの偉い人。仕事柄、超常的な力の知識によく通じている。
日本の未来を憂い、いつも厳しい目をしている。ミカみゅんの「竜胆の君」。

最初は、いい人なのかなと思っていた。
しかしある日、絢人が緊急情報をメールしてくる。
筑紫率いるJEMAが、収集特務課―つまり主人公の帰るべき職場を、
<兵器を隠し持つ危険分子>という名目で急襲、制圧し、支配下に置いてしまったと言うのだ。
狙いは恐らく花札だろう。
窓から見れば、鴉乃杜学園の周りも、怪しいスーツ姿の男達が包囲している。
案の定、<JEMA>が学校に、「七代千馗の身柄の引き渡し」を求めてくる。

驚いたことに、その包囲を抜けて、ガラスをブチ破り、一人の少女が学園に転がり込んできた。
久々に会う顔、一緒に封札師になった武藤いちるだった。
いちるは、東京本部に配属され、新米として近場に任務に出たところだった。
忘れ物をして本部に帰ると、そこは戦場になっていた。こっそりと忍びこみ、教官を助けようとした。
しかしそこで、筑紫と教官がとんでもない事を話しているのを聞いてしまった。
そのとんでもない事が何なのかは、いちるは言い渋る。
とにかく、主人公に危機を知らせようと、ここまで逃げ延びてきたのだ。

92 :東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚:2010/07/31(土) 10:41:42 ID:VZifCSJs0
仲良し組は、ひとまず主人公といちるを、焼却炉下の洞に匿う。
二人きりになると、いちるは、
「私に執行者をバトンタッチして」と、主人公に勝負を申し込んでくる。
いちるを破ると、白が鴉として飛んできて、
「千馗は、もう執行者として花札と深い絆を結んでしもうた。
 札は、千馗以外を主とは認めんじゃろう。
 この絆を断ち切りたくば、千馗の命ごと絶つ以外に道は無い。」と宣告する。
「それじゃ、意味無いじゃない…」
いちるは泣く。<とんでもない事>の内容が薄々分かる気がする。

仲良し4人組は、いちるも連れてどうにか学校を抜けだし、ドッグタグに逃げ込もうと算段する。
「連中は、学園の男子生徒一人、他校の女子生徒一人が出てくるのを見はってるわけでしょ?
だったら…」
ということで、いちるも主人公も、鴉乃杜学園の女子用制服を着ることになる。
いちるはともかく、主人公は問題ないとは言い難い。むしろ逆効果。
生徒会の撹乱と煙幕で切り抜け、ドッグタグへ向けて逃走する。

ドッグタグ経由で、最強の砦、八汎学院に転がり込む。
しかし、主人公といちるは、制圧された特務課本部が気になる。
筑紫に目的も聞きたいので、国立国会図書館地下、特務課本部に特攻をしかけることにする。

八汎組が、式や結界でJEMAの追っ手を食い止め、盗賊団3人衆も駆けつけてくれる。
最深部、特務課本部へ辿りつくまでに、仲間達は囮として離脱していき
とうとういちると二人だけになった主人公は、特務課最深部、書庫へ辿りつく。
そこで主人公は、<楼万黎>と名乗る青年に会う。
万黎は、主人公を<継承せし者>と呼び、早く自分と同じところまで上がってこいと言い残す。

要が手回しした結果、JEMAは勇み足を罰されて退却していった。
被害を調べてみると「隠者の杖」がない。札を使う力を授ける剣が…。
最初から狙いは隠者の杖だったのか。

93 :東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚:2010/07/31(土) 10:50:36 ID:VZifCSJs0
主人公たちも一度引き上げる。考えれば滅多にないことだが、仲間達全員が今は集まっている。
いちるが、「皆にも聞いてほしい」と<とんでもない事>の内容を話す。
筑紫と教官は、主人公の事を話していたと言う。
「意外でしたよ。貴方があんな有望な若者を<人柱>に選ぶとは」
「違う!あれは俺の判断ミスだ…」
呪言花札の執行者に選ばれた者は、白札と共に花札を集める。
札の封印には、人間一人分の情報=生命が必要になる。
誰でもいい訳でない。執行者が生贄となり、封印と共に命を落とす。

だから、分家の者が背負わされていたのだ。要も家からそれを知らされていなかった。
それは花札創始者の子孫たちに課された宿命だった。
しかし、主人公は、創始者の血は引いてない。人違いで選ばれたのに。
「このまま札を集めたら、千馗くんは死んじゃうんだよ!!
 人違いなのに、何の関係も無いのに!
 ねぇ、もうやめようよ。花札はどこか地面を掘って埋めちゃえばいいよ。もう止めよう。
 みんなは?千馗くんが死んじゃってもいいの!?」

皆もショックを受ける。皆多かれ少なかれ、主人公を気に入って協力者になったのだ。
「白!!おい、どっかにいるんだろテメェ!!
 騙してたのかよ!?出てきて説明しやがれ!!!」
燈治の剣幕に、白が窓から鴉形で飛んでくる。
「だましてなどおらん。黙っていただけじゃ。
 妾の役目は札を封印すること。その邪魔になる事は黙っていた方がいいと思うた。」
人間のように見えても、白は花札だ。
自分の役目を最優先に考えるように作られている。

いちるは、ひとまず本部へ帰り、皆も解散する。
とにかく花札を集め続け、命を落とさず花札を封印する方法を探すことになる。
花札も、ほとんどが集まった。光札も、あと2枚を残すのみ、それも一枚は義王が持っている。
そしてある日、主人公達は、筑紫に洞に誘き出された。

呪言花札の箱を開き封印を解いたのは、やはり筑紫だった。
筑紫は、主人公の持つ光札を全て渡せと言ってくる。
『柳に雨』の力を使う筑紫と、花札をかけて戦い、勝利する。

しかし、筑紫の狙いは、この戦いで最後の光札の目を覚まさせることだった。
隠者の杖を持つ筑紫ならば、主人公なしでも光札を札へ戻すことができる。
筑紫は、そもそもの自分の目的を語る。

94 :東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚:2010/07/31(土) 11:05:02 ID:VZifCSJs0
日本を流れる気の力は年々弱まり、JEMAの試算では、あと2年で日本は崩壊。
列島の寿命が尽き、力を失って沈む。
筑紫はそれを防ぐため、祖父の遺した人工龍穴を使って計画を発動した。
呪言花札を開き、光札達に十分な力を食わせてから回収。
そしてそれを、一層上で一つに繋げた四つの人口龍穴――主人公達が洞と呼んでいた場所に集める。
そして、光札に蓄えられた莫大な力を、龍穴の中に一気に解き放つ。
力の奔流は龍脈を逆走し、総祖山―富士山から噴き出して日本中に降り注ぐ。
富士山が、大噴火を起こすのだ。予想される死者は、日本人口の3分の2。
しかし、大地には力が戻り、また日本は復興する。
逆に、今命を落として花札を封印しても、あと2年で日本は滅ぶのだ。

「生き残る3分の1には、千馗君、君や君の仲間達のような、意志を持った若者達が必要だ。
 札を置いて、できうる限り遠くに逃げなさい。そして、日本を頼む。」

そんな事はさせられない。しかし筑紫は光札を今にも手に入れようとしている。
その時、白刃が閃いて、筑紫の手―隠者の杖で貫いた、力を持つ右手が千切れ宙を舞った。
歩み出たのは、筑紫に呪言花札を授けた、セーラー服の少女。
「君は…そうか、最初から彼の為に…」

筑紫もまた、黒幕にとっての駒だった。
少女は、「兄さま」と呼ぶ存在の為に動いていた。
少女は、暴走する光札を止めるようにと主人公に言い残して去る。

光札『芒に月』を倒し、札として治めようとした時、
いつかと同じように、突然零が舞い降りた。
「まだ早い。お眠り。」鬼札を手に、光札をまた地へ戻す。
「君を、信じている。」主人公にそう言い残して零も去る。

その後義王と決闘で勝って光札を託され、ほぼ花札は揃ったのだが…。
次に何をすればいいのか、何が何だかわからなくなった一行。
神社の雰囲気も暗い。朝子が以前からずっと体調を崩して伏せているのだ。
清四郎は何故かピリピリし、白と主人公を朝子に近寄らせない。
気づけば、もうクリスマスだ。今日だけはと、鴉乃杜校生とパーティーをしてお祝いする。
パーティーを終え、親しい仲間の所へ遊びに行き、その帰り道。向こうから鈴が凄い勢いで走ってきた。
「ああ、ぬしさま!!朝子さまが、朝子さまが!!!」

急いで神社に向かう。朝子は居らず、倒れた清四郎を鍵が介抱していた。
「坊、面目ありやせん。私らがついていながら…」
清四郎が襲われ、朝子が連れ去られたと言う。下手人はセーラー服の少女だったそうだ。
鍵が朝子の気配を探知し、夏の洞の中にいることを突き止める。
主人公は仲間を連れて洞へ着く。壁に絡め取られるようにして、朝子が磔にされ眠っていた。
傍らに、セーラー服の少女が立っている。
彼女は「佐波守 紅緒」と名乗った。

301 :東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚:2011/02/19(土) 16:38:42 ID:Wjd1NuJn0
【佐波守 紅緒】
刀袋を抱き、肩にモモンガの「月船」を乗せたセーラー服の少女。
楼 万黎を「兄さま」と慕い、彼の計画の為に動いていた。だが、その計画に疑問を持ち始める。


この洞には、零が眠らせた光札がまだ残っている。
「最後の光札に十分な力が満ちた。まずはあれを手に入れてください。」
紅緒に言われた通り光札「芒に月」を倒し、札状に治めて手に入れた。
「これで、貴方はほとんどの札を手に入れた。
私の役目ははただ、あのお方の意志に従い、貴方をただ見守るだけのはずでした。
でも、貴方と貴方のお友達を見続ける内に、私にも夢が出来ました。
それには、貴方の死が必要です。」

話が全く見えない。
「白札の化身よ、今ここで千馗さんが死ねば、貴女は執行者を選びなおすでしょう?
今度こそ本来の執行者を。よもや間違えますまい。こんなに近くにいるのだから。」
紅緒は、磔にされた朝子を振り返る。

「千馗さん、あなたは最も近しいものに欺かれていたんです。
自分の娘の身代りに死んでくれる生贄として、羽鳥清四郎に利用されていたんですよ。」
羽鳥朝子こそが、当代の執行者になるべき、創造者の子孫だったと言う。
「白札、あなたが人違いをしたのはこれのせいです。」
朝子が、母の形見だと大事にして、いつもはめていた指輪。それは朝子の力を封じる呪具だった。
朝子と同じ家に寝起きし、その気配が染みた主人公を、白は執行者と間違えたのだ。

「ここで貴方が死ねば、次の執行者を選ぶしかなくなる。
次の執行者には、あなたほどの力は無い。花札は執行者の命と引き換えに封印されるしかない。」

考えてみれば、人違いで選ばれたが、封札師は秘法眼という特別の目を持ち、花札を使う事に長けた能力者だ。
歴代の執行者達は差はあれど陰陽道を嗜むだけ。こんなに花札を使いこなす執行者は異例なのだ。
紅緒の口ぶりだと、この力があれば封印以外の手立てがあるのだろうか。
一度倒すも、紅緒は諦めず、「私は人として死ぬまで兄さまの傍に在りたいだけ」そう言って、襲いかかって来る。

「殺させない。」現れた零が、紅緒を止める。
「やはり、それが貴方の望みですか。零…いいえ、鬼札。」
鬼札とは、白札と対を成す特別な札。しかし、零自身がその札を手にしている。
「札自身が、その札を持つことなどありはせん!」
驚く白に、零は、「それは君の中にも芽生え始めているはずだ。」と微笑む。
零は、鬼札に宿った人格が、魂を得て分離したもの。齢を経て頼りなく不確かな魂を得た鬼札は、まやかしの肉体を得た。
花札が解放され、外の世界を彷徨い、あの日主人公と出会った。
主人公に惹かれ、主人公を見守り、そして執行者となった主人公を信じると決めた時、
零には揺るぎない目的と意志が生まれ、札には受け付けないその要素が分離され、確固たる魂、肉体を得た。
万黎から目的を達成する方法を教えられ、準備を進めてきた。
「千馗を死なせないこと」「人の命を奪い続けてきた呪言花札を消すこと」が零の目的だ。

302 :東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚:2011/02/19(土) 16:44:25 ID:Wjd1NuJn0
「この場所に、今全ての要素が揃った。
強大な力を持つ執行者、龍脈の力を蓄えた光札、そして、もう一人の封札師。
光札を取りこんだ俺を、君が、他の札を使って殺してくれたらいい。
そうすれば、花札の持つ力はぶつかり合い、昇華し、呪言花札は消滅する。」
白は激怒するが、
「君は千馗が死んでもいいのか?今まで何人、主と敬愛した人を殺してきた。
もう、終わりにしよう。さぁ千馗、光札を渡してくれ。」
零はそう言い、主人公に決断を促す。

光札を渡さなければ、零と戦う事になる。
零に勝つと選択肢。ここでED分岐。

【9話封印ED】
「花札を封印する」を選ぶ。
主人公は、白札と鬼札―白と零を消滅させるのが忍びなく、
自分の命を捨てて、彼らを眠りにつかせる道を選んだ。
「こんな俺達に、生きろと言ってくれるのか…」
「千馗様…。ありがとう、の……」

仲間達は主人公を失い、花札は莫大な力を蓄えたまま閉じた。
街頭ニュースには、荒んだニュースが増え
水源が枯渇し、土地が荒れ、空気は淀み、ゆっくりと絶望が忍びよって来る。
地の気は衰えていき、日本は、残り2年をかけて朽ちるのだ…。
<完>

【9話消滅ED】
「花札を消滅させる」を選ぶ。
白と零の為に、日本の未来を捨てるわけにはいかない。
「ありがとう、千馗。決断してくれて嬉しい。
俺を、終わらせてくれ。」
「千馗様……。いや、もう何も言うまい。妾は、妾の主君の決断に従うまでじゃ。
さぁ、最後の戦いじゃ。参ろうぞ、執行者殿。」

零―鬼札は、花札を護る五光の鬼に変化する。
主人公は仲間とともに、それを打ち負かす。

零は、白と対の黒い水干姿に変身し、
主人公と最後の別れを告げる。
「君達の未来に、光と風が満ちていますように…」
「有難う千馗様。そなたが執行者で、本当によかった…」
二人は消え、呪言花札はその長い歴史を終えた。

303 :東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚:2011/02/19(土) 16:46:34 ID:Wjd1NuJn0
どこかの高層ビルの上で。
「これでいい。
花札に蓄えられていた力は、空を抜け陽へ届いた。もうじき、力が星の外からやって来る。
お前はどうする?今のうちに人として死ぬか?」
声の主は楼 万黎だった。
傍らに、佐波守 紅緒が寄り添っている。
「私は、兄さまの傍にいられるのなら、それでいいです。
例え、人以外の物に変わったとしても。」
「ふん、こうなるのが人が生き残る最良の術だ。
人類は、人類では無くなる。人類の進化の第一歩が、始まろうとしている。」
<完>


■全てのフラグを立て、「別の方法を考える」を選んだ場合最終話へ。

別の方法を考える。
そう言いきった主人公に、白黒コンビは呆気にとられ、紅緒も驚く。
夢の様な話を。でも主人公には、実現してしまうかもと思わせる力がある。
紅緒は、「兄さま」とは楼万黎のことだと明かし、これまでの事を話す。

万黎は紅緒の兄弟子。同じ師匠に剣を学ぶ兄貴分だった
その内に万黎は、剣の道を越えて力を求め、修行を重ね、知識を貪り、とうとう、真理へ到達してしまった。
<虚空蔵(アカシック・レコード)>に触れ、啓示を受けたのだ。護法少女ソワカちゃんも受けてましたよね。
万黎はやがて来る人類滅亡を知り、それを回避する術を突き進めている。
花札の力で、人を人でない物に進化させると言うのだ。
兄さまを止めて欲しい。そう言って、紅緒は去る。

<虚空蔵>とは、この世の全ての事、過去現在未来全ての歴史が記録された存在。
スレイヤーズファンはクレアバイブルでおk。
事のでかさにちょっとビビるが、とにかく万黎を倒すことに。
万黎が待つという、人工龍穴が交わる場所への入口を、新宿駅構内で発見。
万黎の待つ部屋は、無数のオニに守られている。仲間達全員が集結し、主人公達を通す道を切り開く。
主人公とそのバディ、そして零と白は、その道を駆け抜けて万黎の元へ。

零は、万黎に目的を尋ねる。
零が、札と離れて魂を持った時、消滅する方法を教え、封札師と知り合う為に認定試験へ送り込んだのも万黎だった。
万黎は、主人公に「宿命を果たせ」と言う。
主人公の宿命は、封札師としての力で、呪言花札を消滅させ、蓄えられていた力を全て空へ解き放つこと。
その力で、人類は、人類でないものに進化する。

虚空蔵に触れた万黎は、近い先必ず起きる人類滅亡のヴィジョンを得た。
今までにも真理の伝達者はいたのだ。終末を予言した預言者たちは、歴史に数多存在する。
そして今が転機の時。
魂を持ち消滅を願う鬼札の誕生、継承者の誇りを捨てる事を厭わない人違いの執行者、
その人違いが、花札の力を自在に操り、最大限に引き出せる、封札師という存在であったことも、全て予め定められていたこと。
だから、真理の示すまま、その力で札を解き放てばいい。人類は進化し、滅びを免れる。

304 :東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚:2011/02/19(土) 16:47:39 ID:Wjd1NuJn0
確かによさそうな案だが、主人公はそれを蹴る。自分で出来る限りやってみなきゃ気のすまない性分なのだ。
人間のまま、人間を越えて滅びを回避してみせる。
そう宣言すると、万黎が苦しみ始め、万黎の物ではない声が口から洩れた。
「呪言花札は、ただの記録媒体に過ぎぬ也」

万黎を依り代に、何かが降臨した。白い巨鳥の姿をしている。
「やはりか。虚空蔵とは彼の叡智そのもの。貴方だったのですね…三乗の王、我々を創ったお方…」
「遥か昔、肉体の衰えと共に消滅したはずでは…」

花札の創始者、三乗の王は、死ぬ肉体を離れ、自らの叡智を留め置く器を創った。
それが、<虚空蔵>という神の正体だったのだ。
封印が常態という呪わしい花札が、犠牲者を出し続けながら現代まで存続されてきたのは、
今日この日、人類進化に使うエネルギーを貯蓄する為だった。
しかし三乗の王が定めた進化より、人が自力で未来を切り開く可能性を選びたい。
白札、鬼札ともにそう答える。花札の主は、もはや主人公なのだ。
「主が望むのであれば、我ら花札、いかな障壁であろうと推して参るッ!!」
「なれば、その可能性とやらを我の前に示すなり。」

三乗の王は、主人公の力を試す為にまず軽く戦闘を仕掛けてくる。
健闘すると「可能性」を認め、王は「真の試練」を与えてくる。

「我が叡智の断片よ。人より離れ、在りし場所へ戻る也。我が循環の中へ。」
花札達が、三乗の王の許へ飛んでいく。零は、花札から分離した魂なので、踏みとどまれる。
しかし、白は人格を与えられただけの札。抗いきれず、人の形を失って吸いこまれていく。
元々は、三乗の王の一部だったもの。飲みこまれた花札は再構築され、王を護る結界に変わる。
「大丈夫だ千馗、白はまだあの中に居る。必死で抗っている。
俺は白の声を聞き、彼女が自我を保ち続けるのを手伝おう。千馗は結界を壊してくれ。」

当然花札一切なし、武器の憑依も解け、ただの縄跳びとかビニール傘とかに戻っている。
でもそこは気合い。必死でコツコツ削り、結界を壊す。
零は、白の声が途切れて焦る。千馗と手を繋ぎ、我らが主はここにいると白に呼び掛ける。
主人公の頭の中に、いつかのデジャヴと共に声が響いた。
「力が欲しいか?」

「秘法たる瞳を持つ者、
叡智を統べる奇跡の右手を持つ者よ。
力が欲しくば、我を手にするがよい。」
出会ったときと同じように、手を伸ばす。
結界の残骸を破り、白い鴉がまっすぐに飛んでくる。その後ろに札達を従えて。
全ての花札達が、産みの親との因果を断ち切り、主人公の許に帰って来た。

新たに主人公の物となった札達を操り、三乗の王とガチンコバトルを開始する。
全48枚花札を集めた100点主殿は、朝子から託された「形見の指輪」に「白札」を憑依させ、
神をも斃す力「天照光」を授かる。

そうでないダメ主殿の場合は、地道に削っていく。
攻撃をまともに受ければほぼ一撃必殺の上、万黎から回復補充無しの4連戦なので超辛い。
死闘の末、千馗達は三乗の王に勝利する。

305 :東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚:2011/02/19(土) 16:50:06 ID:Wjd1NuJn0
白と零は、力の制御を失い始める。
神と戦ったのだ。花札全体の均衡がここまで保ったのは、ひとえに主人公と花札の絆の奇跡だった。
後は、呪言花札を終わらせるだけ。

原理は、万黎や王が示したのと同じ。
主人公と零の間で力をやり取りし、花札の中の力を空にしていく。
その力を宙へ放出させると、「人類の進化」とやらが起こってしまう。
だから、零を媒介にして、龍脈へその力を戻していく。
戻しすぎれば、筑紫の目指した「富士の大噴火」が起こってしまう。
だから、適度な量。日本の滅びを遠ざけるだけの力を戻す。
残りの力は、白が受け止める。

ただ、太古から今まで蓄積された莫大な力だ。白一人の許容量では収まらない。
白と零と主人公で分け合うが、それでも、受け入れきれるのか、無事で済むかはわからない。
「俺と白で限界まで処理する。千馗、君に負担はかけさせない。だから…」
ここで選択肢。

■白と零に協力する
■自分ひとりで受け止める
■みんなの力を借りる

■みんなの力を借りる が正解。
共に闘ってきた仲間達。札憑きとして繋がる絆が、皆へのパイプになる。
「同感だ。」
神の落ちた万黎が起き上る。
「俺が調整弁となって龍脈に力を戻そう。零、お前は解放に専念しろ。」
耳慣れた声も響く。
「おっと、そういうことなら私らもお手伝いしやすよ」
「すずも、すずもがんばるです!」
主人公の親愛なる守護神使たちだ。
「では、洞に居る全員で力を受け止める。よいな?」

主人公はグローブを外し、紋章の浮かぶ右手を花札にかざす。
その手の上に、仲間達が手を重ね合わせていく。
ここで多分仲間に出来ている数だけ手が重なるのだが、コンプリートしてると16人もいるので面白い感じに。
EDテーマと共に、新宿に力が降り注いでいく様子が流れる。

暗く静かな世界で、白は目を覚ます。
「静かじゃな…何も聞こえぬ…」
零が答える。
「そう……かな?耳を済ませてごらん。」
風の音。それにあれは…
「聞こえるだろう?俺達を呼ぶ声が。
確かな大地の上から、あんなにも力強く、俺達を呼ぶ声が…」

自分達の帰るべき場所。愛しいひとたちの元へ…
暗い視界が開ける。眼下には、新宿の夜景が広がっている。
<完>

306 :ゲーム好き名無しさん:2011/02/19(土) 17:02:07 ID:Wjd1NuJn0

これで終わりです。
万黎戦突入から、仲間がまともに喋らないし、後日談もなくてさびしい気持ちになった。

316 :ゲーム好き名無しさん:2011/02/20(日) 19:26:01.07 ID:IW69fQ/p0
>>306

後日談は実は関連書籍に載っているんだよ…

最終更新:2011年02月26日 17:25