探偵 神宮寺三郎 白い影の少女

探偵神宮寺三郎 白い影の少女

part69-288~291、294~303


288 :ゲーム好き名無しさん 2016/06/21(火) 20:07:09.84 ID:X0DBC6VL0
シリーズには入っていたもののWIKIに詳細がないので探偵神宮寺三郎 -白い影の少女-を書こうと思います
時間軸とかちょっと間違ってるかもしれないです


289 :探偵神宮寺三郎 白い影の少女 2016/06/21(火) 20:07:52.82 ID:X0DBC6VL0
東京・新宿に事務所を構える神宮寺三郎に、ある日、大学時代の友人の訃報が届く。
舞台はその友人・大河原哲司の葬儀に出席したところから始まる。


3月11日
告別式が滞りなく終わった直後、神宮寺は参加者の一人の女性を『見覚えがあるような』と感じる。
しかしそれが誰なのかは結局思い出せなかった。
その後、哲司の母親『静江』に呼び止められ応接間に通される。
その意図は読めなかったが、神宮寺と助手の洋子は『昔のことでも話をしたいのだろう』と考える。
応接間を出た静江を待つものの、部屋の外から声がしたため廊下に出ると、
そこには涙にくれる哲司の妻の礼子と哲司の父、哲三がおり、自己紹介がてら軽く会話を交わす。


応接間に戻ると静江も部屋に戻り、彼女から哲司の話を聞かされるが
神宮寺はそれを訝しく思う。まるで本題に入るのをためらうかのような話の振り方だったため、
彼は自分から『探偵の俺に依頼があるのでは?』と切り出す。助手の洋子もこのことには気づかなかったようだ。
驚いた静江は、それを認めようやく依頼の話を始める。


神宮寺への依頼は、『哲司の大学時代の恋人であった佐藤亜希に、哲司の遺品を渡して欲しい』というものだった。
礼子という妻がいるのに亜希に遺品を返す理由を直接静江から聞きはしなかったが、
神宮寺たちは『恐らく親である静江と哲三が別れさせ、礼子と無理矢理結婚させたのだろう』と推測した。
神宮寺はその依頼を受けることにし、とりあえず大学時代の亜希の住所を静江から聞く。


屋敷を出る前に哲司の妻礼子が現れ、連絡役として屋敷に務めるメイドの池内春菜を事務所に、と勧められ、
依頼者である静江がそれを了承したため、急遽春菜が事務所に来ることに。


とりあえず事務所に戻った神宮寺は、自分の事務所に大学時代のものがないかと考え
部屋を探し、佐藤亜希の写真を見つけ出す。


これで調査が出来る、と思ったところで事務所に突然、屋敷にいたときとはまるで雰囲気が違う池内春菜が現れる。
どうやらただの連絡役ではなく助手として調査に参加するつもりでいるようである。
正直迷惑である、と考える神宮寺に、さらなる来客が現れる。
来客は知り合いの熊野警部だった。
ベテランの刑事である彼とは今までにいくつもの事件で協力し合ったこともあり深い親交があった。
その熊野警部(熊さん)は神宮寺に曰くありげな話を始める。
それは近頃新宿界隈に現れる、という幽霊の『ゆうちゃん』の話だった。
夜中徘徊する白い服を着た少女の幽霊であり、それを見たものは不幸になる、死ぬ、または逆に幸せになるなど
様々な噂が流れているらしい。
熊野警部はどうやらこの幽霊の話を怖がっているようで、わざわざ神宮寺に調査を依頼しにきたようだ。


『時間があいたときに』と答えた神宮寺に真剣なまなざしで頼み込んだ熊野は事務所から帰っていったが
時間をおかずに再び事務所に血相を変えて走りこんでくる。
『…おったんじゃ!今ワシは見てしもうた!ど、ど、どうする!?ワシは死ぬのか!?』
半ばあきれている神宮寺とパートナー(春菜か洋子かを任意で選ぶ)は
熊野が幽霊を見たというガード下付近を捜すも見つけ出すことは出来なかった。
しかし、熊野が見たものが何だったのかを今決め付けることは不可能であろう、と神宮時は結論づける。


290 :探偵神宮寺三郎 白い影の少女 2016/06/21(火) 20:08:42.72 ID:X0DBC6VL0
3月12日
翌朝、神宮寺は早速パートナーを連れて、静江から聞いた亜希が大学時代に住んでいたアパートを当たってみる。
しかしドアの表札からして違う人間が住んでおり、すでに引っ越した後だということが分かった。
とりあえず近所のおばさんから聞き込み、このアパートからどこに引っ越したのかを聞き出すことに成功する。
しかし、そのアパートももはや引っ越したあとであり、こちらで聞き込んでもたいした話は聞けず
調査は早々に行き詰ってしまったのだった。


となれば、残る手がかりは一つしかない。大河原家で他に手がかりがないか探すしかないだろう。
神宮寺は応接間で静江に会い、調査が行き詰ったため、さらなる手がかりのために哲司の部屋を捜索させてほしいと頼む。
静江はそれを承知し、哲司の部屋からは大学時代のアルバムが見つかった。
その中の写真に、葬儀のときに見かけた女性を見つけた神宮寺は、彼女が亜希と仲が良かったことを思い出す。
名前は『木下智美』。彼女に会えば亜希の居場所が分かるかもしれない。


神宮寺は告別式の参加者の記帳簿から智美の住所を割り出すと(結婚して苗字が変わっていた)
早速電話をかける。どうやら三十分で事務所にこられるらしい。二人は事務所に直帰した。


事務所に戻った直後、約束どおり智美がやって来た。どうやらギリギリ間に合ったようだ。
智美は最初神宮寺のことを覚えておらず、事情を話してもまるで信用してくれなかったが
最終的には説得に応じ、亜希の勤め先が新宿駅西口近辺にある託児所であることを教えてくれたのだった。


早速託児所を尋ねてみるも、どうやら夜間のみの営業であるようで閉まっていた。
仕方がないので各所で時間を潰して夜に託児所を訪れると、佐藤亜希は確かにそこにいた。


身分を明かし、そして事情を話した神宮寺は静江から預かった哲司の遺品を渡そうとするが
亜希は『その資格は自分にはない』とそれを断ってしまう。神宮寺は『貴女以外に資格がある人物はいないだろう』と言うが
彼女の意思の固さを覆すことは出来ず、連絡先を教えて引き返すことにする。


半ば依頼を果たせている形となった亜希の件を後回しにし、夜の間に、新宿に現れる幽霊『ゆうちゃん』の調査をすることにする。
夜の新宿中央公園で、『新西小近くで出る、という噂を聞いた』という話を聞いた神宮寺は
『新西小=新宿西小学校』と判断し、学校へ向かう。


授業も終了し灯りもない学校の周辺を探ると、校庭に入れそうな場所を発見し入り込む。
パートナーと話をしつつ周囲を探していると、神宮寺の視界に人影が映りこんだ。走り出す神宮寺、そしてその『影』。
追いついた神宮寺は、それが幽霊ではなく少年であることを知り、この少年に話を聞こうとする。


相当に意固地なこの少年をなんとか説き伏せ『藤村貴之』という名前、そしてこの場所にいた理由が神宮寺と同じく
『ゆうちゃん』探しだったことを聞き出す。その最中、本物の『ゆうちゃん』が姿を現すものの、追う暇もなく姿を消してしまった。
驚愕している貴之を無理矢理家まで送り届け、この日の調査は終了した。


291 :探偵神宮寺三郎 白い影の少女 2016/06/21(火) 20:09:20.76 ID:X0DBC6VL0
3月13日
この日もまずは大河原家への報告で始まる。とりあえずは亜希を見つけ出すことには成功したものの
遺品を受け取ってはくれなかったことを説明する。同時にその理由に心当たりがないかを聞こうとするが
静江は知らない、と答えた。
(パートナーが洋子の場合、亜希が妊娠していた可能性を推理し、春菜の場合は彼女が静江と哲三の口論を聞いたことを話す)


託児所に行くと、まだ昼であるためやはり閉まっている。
帰ろうか、と思っていたところ託児所の関係者が現れたため話を聞くことにする。
事情と身分を明かしたもののまだ疑いがあったようで、自分が亜希の知人であることを証明しながら彼女に話を聞くことになる。
その最中、神宮寺はこの女性が『自分の質問に対して質問で返すことが多い』ことに気づき、それを問い返すと
『子供たちを相手にするときの癖だ』と笑った。どうやら亜希は子供に対して何らかの『償い』のつもりで託児所にいるらしい。


再び大河原家で心当たりを聞こうとするものの、静江はそれを話そうとしなかった。
神宮寺は今になって静江が亜希の行方を求めた理由を、哲司と亜希の間に生まれた子供と推察する。
哲司と妻礼子の間には子供がおらず、大河原家には跡取りがいなくなってしまったのだ。


託児所が開くまでの時間、再び『ゆうちゃん』の調査を開始する。
新宿界隈で話を聞くと、どうやら新宿西小学校、中央公園、西新宿8丁目あたりで頻繁に目撃されていると纏められる。


夜になり託児所を訪れると、血相を変えた亜希が『どうしよう・・・どこに行ったの!?』と慌てふためいていた。
どうやら託児所の子供が失踪してしまったようだ。彼女をなんとか落ち着かせ、いなくなった名前の服装や名前を聞き出すと
神宮寺たちは近辺の調査を開始する(この際に淀橋署で熊野に協力を求められる)。
成果が上がらず、幾分か落ち着いたであろう亜希に手がかりを求めるために託児所に戻る。
どうやらいなくなった子供、長瀬拓朗の母親は少々いい加減なところがありまたギャンブルが好きなようだった。
神宮寺は『チャンスマン』という店の名前からパチンコ店だと推理し、店の中で子供とその母親を発見する。
どうやら追加料金が発生する時間ギリギリに子供を引き取りに来て、誰にも言わずに引き取り
そのままこのパチンコ店に来てしまったらしい。母親は急いで託児所に戻ると、亜希に難度も頭を下げて帰っていった。
拓朗が無事だったことに安堵するその様からも、亜希にはどうやら子供に対する特別な思い入れがあるらしい、と神宮寺は思った。
この日も遺品を渡すことは出来ず、諦めることにする。


夜の間に『ゆうちゃん』の調査をすることにし、神宮寺たちは中央公園で手がかりを探すことにする。
公園内で役所の福祉課職員である荒川と会話し、彼が『ゆうちゃん』を見たことがあることを知る。
どうやら荒川は『ゆうちゃん』を『幽霊』だと思い込んでいるようだが、
彼が見た『ゆうちゃん』は公園のホームレスたちと話をしていたらしい。
神宮寺は『ゆうちゃん』は幽霊ではなく生きた人間である、という可能性を指摘する。


以前『ゆうちゃん』を見かけたことのある新宿西小学校を訪れると、前にも見かけた貴之が
少年と少女を連れていた。どうやらまた『ゆうちゃん』を探そうとしているらしい。
少年は杉野知也、少女は宮内美鈴。どうやら貴之の同級生だろう。
頑なに神宮寺を信用しない彼らと話をしていると、再び『ゆうちゃん』が姿を現した。駆け出す少年たち。神宮寺もあとを追う。


神宮寺たちは先回りして挟み撃ちを狙うも、その先いたのは貴之たちだった。つまり『ゆうちゃん』は姿を消してしまったのだ。
愕然とする一同の中、貴之が『道で何かを拾った』と話し出す。しかし神宮寺には意地でも見せるつもりはないらしい。
諦めた神宮寺は『それをなくさないように』と忠告した後、『ゆうちゃん』がいなくなった付近の捜索を始める。
捜索の末、子供ならなんとか通り抜けられそうな抜け道を発見する。おそらく『ゆうちゃん』はここからどこかへ逃げたのだろう。
…そう考える神宮寺の背後に、再び『ゆうちゃん』が姿を現した。彼が追いかける暇もなく、『ゆうちゃん』は姿を再び消してしまった。


一旦消えた『ゆうちゃん』が何故現れたのか。神宮寺はそれが貴之が落としたものに関係しているのではないか、と考えた。


294 :探偵神宮寺三郎 白い影の少女 2016/06/22(水) 04:02:30.61 ID:jR1+lM1e0
3月14日
目覚めた神宮寺に電話がかかってくる。電話は亜希からだった。
どうやら大河原家に行きたいので神宮寺に付き添ってほしい、ということだった。
恐らくは元恋人であった哲司をお参りしたいのであろう。


時間通りに亜希は待っていた。大河原家に入る前、哲司との思い出話をしてくれる。
どうやら神宮寺のことも多少は思い出してくれたようだ。おそろいの懐中時計をもらったことも話してくれた。
共に大河原家の応接間に通され話を聞くと
大学時代に自分たちを別れさせたときどは違う静江の穏やかな態度に亜希は心底驚いたようだった。
神宮寺も漸くここで、本来の依頼であった『遺品』を亜希に渡すことが出来た。
しかし、静江も哲三も唐突に亜希の子供の話をし始める。
『あの時の子供はどうなったのですか、わたしたちには…大河原家にはあの子が必要なんです』。
言葉を返せない亜希に、神宮寺は話に割って入る。
『お言葉ですが、あなたたちは以前から何も変わっていない。大学時代に亜希と哲司を無理矢理引き離し、
そして今再び亜希と子供を引き離そうとしている』と。
いたたまれなくなった亜希は『子供はいません』と呟くと部屋から飛び出していった。
彼女の子供はどうなったのだろうか…亜希本人が話してくれない以上、今それを判断することはできないだろう。
そして今なら遺品が何なのかも分かる。恐らくは哲司が持っていたという懐中時計であろう。
屋敷の外で泣いていた亜希を、神宮寺は慰めようとするが、彼女は気丈にも『自分で帰れる』とその場を去った。


再び応接間。哲三・静江夫婦は神宮寺の言葉に心底反省させられたようだったが
それでも亜希の子供を諦めきれていないようだった。
『亜希に遺品を渡すことで依頼は完了しました』と告げる神宮寺に、静江は『亜希さんの子供を捜してください』と改めて依頼する。
これ以上亜希を傷つけるような真似はしたくない、という想いもあったもののそれを受ける神宮寺。


依頼を受けたとはいえ、今の亜希に話を聞くのは酷だろう。そう考えた神宮寺は『ゆうちゃん』の調査に入ることにする。
対象は以前実際に『ゆうちゃん』を目撃した小学校だ。貴之が拾ったものが何かも気になるため、神宮寺たちは新西小を訪れる。
…と、ちょうど貴之たちと出くわした。神宮寺は貴之たちに協力を要請するものの、貴之はそれを拒む。
仕方なく、神宮寺たちは奔放に歩き回る貴之たちの後をついて回ることにする。


夕暮れどきに差し掛かったころに淀橋署で貴之たちを捉まえるものの、熊野に気をとられた瞬間に逃げられてしまう。
となれば、『ゆうちゃん』が現れた場所でこの場所から近く、貴之たちが以前に訪れていた場所だろう、と推測した神宮寺たちは
中央公園に足を運ぶことになる。


新宿中央公園では、思ったとおり貴之たちが夜の中で『ゆうちゃん』を探していた。
しかし知也はどこか不安な表情を見せる。その原因はどうやら幽霊ではなく、この公園に寝泊りするホームレスたちのようだ。
そんな中、そのホームレスの一人である男が話に割って入ってくる。
『子供がこんな時間にうろついてるんじゃねぇ、早く帰った帰った』
その男を貴之は口汚く罵る。ホームレスは悪態をつきながら去っていった。


ホームレスに対しての悪口雑言をやめようとしない貴之を、洋子(春菜)が説教する。
『子供であることをいいことに都合の悪いことは全て大人のせいにし、自分は何をやってもいいことにする
その姿勢は貴之が嫌う卑怯な大人そのものではないか(説教の内容はパートナーによって異なる)』と。
説教が効いたのか、貴之たちは知也、美鈴を連れて中央公園を去っていった。


亜希は落ち着いただろうか。ちょうど夜になったので託児所を訪れると、彼女は仕事を休んでいた。
どうやら昼間のことが相当堪えたのであろう。神宮寺は亜希の身を案じる。託児所の林から『明日は朝から出勤する』と聞いたため
朝改めて訪れることにする。


295 :探偵神宮寺三郎 白い影の少女 2016/06/22(水) 04:06:22.37 ID:jR1+lM1e0
3月15日
予定通りに託児所を訪れると、亜希はすでに出勤していた。
彼女を慮った神宮寺が声をかけると、亜希は笑顔を見せたものの、泣きはらした跡を化粧で隠しているのが分かった。
そんな中、思わぬ声が亜希にかけられた。
『亜希先生!』
…藤村貴之だった。どうやら彼はこの託児所に預けられていたことがあるようで、亜希には頭が上がらないようだった。
『この時間になんでこんなところにいるの?学校はどうしたの?』
心配する亜希に、貴之は『学校は今日は休みなんだよ』と苦し紛れの嘘をつく。神宮寺はため息をつきながらそれを助けてやった。


貴之は、どうやら例の『幽霊の落し物』を亜希に見せて、これが何なのか聞くつもりだったらしい。
亜希に諭され、貴之は『それ』を神宮寺にもしぶしぶながら見せてくれた。
神宮寺も、そして亜希も驚愕して声も出せなくなった。いや、恐らくは神宮寺とは比べ物にならないほど亜希は驚いたに違いないだろう。


貴之が見せてくれたのは、懐中時計だった。…そう、哲司と亜希、おそろいで持っていたものの片割れ。
つい先日神宮寺が亜希に渡したものと同じものだった。
『神宮寺さんと話がある』。亜希に諭され、貴之はその場を去った。自分には踏み込めない話だということを子供心に理解したのだろう。


亜希は、6年前の過去のことを話し始めた。
6年前、亜希は妊娠していた。それを知った哲三と静江は『身分が違う』と結婚を猛反対し、強制的に二人を別れさせた。
静江はその際に『中絶するための費用だ』と封筒に現金を入れて亜希に渡すまでしたらしい。
とはいえ心から愛する哲司の子供を亜希は諦めきれずに出産することになる。
しかし、『この子供を支えながら自分ひとりで生きていけるだろうか』と不安を拭い去れなかった亜希は
新宿駅のロッカーに子供を捨てて立ち去ってしまったのだった。…あの懐中時計とともに。
亜希はすぐに思い直してロッカーまで引き返したものの、そのときにはすでに子供の姿はなかった。
『これは天罰だ。あの子を大事にしなかった天罰に違いない。自分は一生その罪を償って生きていくんだ』
亜希はそう思って今まで生きてきたのだという。


…ここまで話を聞けばもう間違いないだろう。あの懐中時計を持っていた『ゆうちゃん』こそが亜希と哲司の娘なのだ。
『お願いします、私の子供を見つけてください』。そう懇願する亜希に、神宮寺は『任せろ』と言葉を返した。


296 :探偵神宮寺三郎 白い影の少女 2016/06/22(水) 04:12:02.95 ID:jR1+lM1e0
(3月15日続き)
大河原家への定例報告に向かう神宮寺。『子供を捜して』という依頼を静江からも受けていたものの
今ここで亜希から聞いた話を全て話すわけにはいかない。神宮寺は『進展がない』という嘘の報告をすることになる。


一旦事務所に戻り、これまでのことを整理することにする。
ひとまずは『ゆうちゃん』のことを調べなければならない。亜希は6年前に生まれたばかりの子供を『ロッカーに捨てた』と言っていた。
それならば、当時それが警察に通報されていたかもしれない。神宮寺はそう考え、その調査を熊野に依頼することにする。
電話をかけると、どうやら熊野のほうも神宮寺に話があるようで、夜に事務所を訪ねる、と言った。


夜になると予定通り熊野が事務所を訪ねてきた。
ことがことだけに事情は話せないが、
6年前に新宿駅のロッカーから赤子が発見された、という通報がなかったか調査してほしいと熊野に依頼した。
熊野のほうの話は、『近頃中央公園のホームレスたちが何かにおびえているような様を見せている』という噂のことだった。
調査のこともあって中央公園は何回も訪れたが、神宮寺には覚えのない話だ。しかし神宮寺はその調査も合わせて行うことにする。


熊野が帰ったあと、神宮寺たちは『ゆうちゃん』と『噂』のことを調べるべく中央公園を訪れることにする。
ホームレスたちからは『怪しい男がホームレスを狙っている』という話を聞くことが出来た。恐らく浮き足立っているのはそのせいだろう。


どちらのことも手がかりがないまま公園内を歩いていると、草むらからうめき声のような声が聞こえた。
駆けつけると、そこには苦しがる女性の姿があった。これまでの調査中にこの公園で何度か話を聞いたホームレスのおばさんだった。
心配した神宮寺たちが救急車を呼ぼうとすると、女性はそれを制止して空元気を見せる。


女性の様子を見るのもかねて、神宮寺は『この近辺で目撃されている怪しい男』の話を聞いてみる。
女性自身は男を目撃したことはなかったようだが、仲間のホームレスが襲われたことがあるらしい。
どうやら男は一人で公園内を歩き、ホームレスを脅して歩いているようだ。何かを探しているのだろうか。
そこまで聞くと女性は『まさかあんたじゃないだろうね』と勘繰ってきたが、神宮寺は『ここ最近は二人で調査している』と難を逃れた。


(3月15日よる時点で貴之たちが『ゆうちゃん』に出会う話が挿入される。
話の展開(出会い方)はこの時点でのパートナー(洋子か春菜か)によって異なるものの
今後の話には影響しない)


297 :探偵神宮寺三郎 白い影の少女 2016/06/22(水) 04:19:22.17 ID:jR1+lM1e0
3月16日
次の日、早速熊野が電話で先日の件を報告してくれた。
どうやら6年前にロッカーから赤子が発見された、という報告はなかったようだ。『もっと詳しく調べるか?』と聞かれたものの
神宮寺は『場所も日時もはっきりしている』とそれを断るが、ふと思いついて『ロッカー荒らし』がいなかったかどうか調べてくれ、と話す。
ロッカー荒らしとは、駅などのコインロッカーをピッキングなどでこじ開け、預けられた荷物を頂くという犯罪のことだった。
ひょっとしたらロッカー荒らしが『仕事』をした際に赤子を見つけて連れ去ったのかもしれない、と神宮寺は考えたのである。


熊野からはすぐに『中西という男が6年ほど前にロッカー荒らしをやっていた』ということを調べ、
当時は中央公園でホームレスだったことも教えてくれた。どうやら逮捕されて服役したようだ。
この中西のことを調べるべく、神宮寺はホームレスのリーダー格である『前田』に話を聞くことにし、新宿駅西口を訪れる。


前田は中西のことを知っていた。長い髪に赤い帽子。それが中西の特徴だという。神宮寺には見覚えがあるように思えた。
どうやらすでに刑期を終えて出所し、中央公園で再びホームレス生活に戻ったようだ。


中央公園で、中西はすぐに見つかった。長い髪に赤い帽子。それは以前、貴之に暴言を吐かれたホームレスだった。
中西に過去のことを尋ねようとするも、彼からの返答はなかった。神宮寺は彼に話を聞くのを今は諦めることにする。
神宮寺を心配して前田が駆けつけてくれた。彼が言うには『自分の過去の犯罪のことを嬉々として話す者はいません』とのこと。
彼からの直接の情報はなかったが、中西のことをよく知る『安田徳子』という女性のことを教えてくれた。


怪しい男が現れるという夜にはまだ時間があるため、神宮寺は熊野に一連の『ゆうちゃん』について報告することにする。
『ゆうちゃん』は生きた人間であること、自分の知り合いの女性(亜希)が捨てた娘であること…。
そして『怪しい男』について今分かっていることも話しておくことにする。どうやら何かを探してホームレスを脅しつけているらしい。


大河原家では再び虚偽報告をすることになるが、静江は何かを訝しく思っているようだった。
廊下では哲三に遭遇するが、何か慌てている様子で出かけていった。先日もそんな光景があった覚えがある。
ここのところ哲三の行動が怪しく思えたが、今はそれをどうしようというものでもなかった。


屋敷の前で大河原礼子と会い、言葉を交わす。途中礼子に電話がかかってきて、話はそこで中断された。
足早に去っていった彼女が誰かの名刺を落としていった。『北条隼人』と書かれている。


西新宿8丁目で貴之と知也に出くわした。今日は美鈴がいないらしい。
いつも協力的ではない彼らだが、今日はいつもよりさらに神宮寺を警戒しているように思える。
貴之がしきりに知也の口止めをしており、話を聞き出せそうもなかった。どうやら何か隠し事をしているようだ。


アルタ前では今度は美鈴に出会った。彼女もまた先ほどの二人と同じように共通の秘密を持っているらしい。
『色々とすることがある』というようなことを言いつつ去っていった。


298 :探偵神宮寺三郎 白い影の少女 2016/06/22(水) 04:26:15.23 ID:jR1+lM1e0
(3月16日続き)
前田に聞いた『安田徳子』という女性に話を聞くため、神宮寺たちは中央公園を訪れる。
公園を一周したあとなんとか安田徳子(通称とくちゃん)を見つけ出すが、彼女は先日苦しんでいたところを助けた女性だった。
神宮寺は徳子と話をするうち、彼女が『質問に対して質問で返す』ことが多いことに気づく。それを指摘された徳子は
『癖だ』と笑うものの、神宮寺は以前話したことがある女性が同じことを言っていたのを思い出した。託児所の林だ。
つまり、癖とは『子供』に関わることであろう。しかし徳子は子供については話をしてくれそうになかった。
仕方なく、引き続いて『怪しい男』の調査に入ることにする。


公園内を歩いてホームレスたちに話を聞くうち、怪しい男の存在は確かなものになっていく。
どうやら怪我をさせられたものもいるらしく、その怪我をしたホームレスからも話を聞くことができた。
しかし神宮寺が知っている以上の情報を聞き出せそうもなかった。


さらに公園内を歩くと、以前にも話をしたことがある福祉課の荒川に声をかけられた。
どうやら彼も『怪しい男』の報告を聞いているようで、その調査に乗り出しているらしい。
ところが、彼の話によると『怪しい男』は『二人目撃されている』というのである。
一人はサングラスをかけた屈強な男、もう一人は恰幅のいい熟年の男性、というのだ。
ここまできて意外な情報を得た神宮寺は、荒川に別れを告げてさらなる調査に入ることにする。


改めて徳子に話を聞きたい神宮寺たちは、公園入り口で中西に出会った。
彼女と親しいらしい中西なら徳子の居場所を知っているかもしれない、と思った神宮寺は
『借りたライターを返したい』と苦し紛れの嘘をついて情報を求めた。
どうやら西新宿8丁目に彼女は住んでいるらしい。家があるわけではなく、空き家に住み着いているようだ。


徳子の家を8丁目で探してみるものの、さすがにどの家なのか探し当てることは出来ず、
彼女がいそうな場所は、ということで再び中央公園に舞い戻ることになる。


今度こそ徳子に出会うことが出来た。しかし、『ゆうちゃん』のことはすぐに話してくれそうもない。
そういえば、怪しい男は二人とも『子供』のことをホームレスに尋ねていた。それを交えて話せば協力してくれるかもしれない。
神宮寺は話を切り出す。


徳子の話から、やはり怪しい男は二人いることは確からしい。というのも、怪しい男を見かけたホームレスが
二人とも違うことを言って揉めていたからだった。二人の言い分は 『サングラスの男だ』『いや太った老人だ』というのである。
しかし、そのとき突然徳子が胸を抑えて苦しみだした。以前見た光景だったが、今回は一、二を争うような状況だった。


『誰か救急車を呼んでくれ!』
神宮寺が叫ぶも、周りのホームレスたちは何もせず見守るばかりだった。そこに前田が駆けつける。
『どうして誰も彼女を助けないんだ』
神宮寺の問いに前田は
『我々ホームレスは収入もなく健康保険にも入っていない。高額な治療費を払うことが出来ない。
こういう状況になっても治療を受けることも出来ない』と話す。
神宮寺は徳子の身柄を請負うことにして病院へ運ぶことにした。礼を述べつつそれを手伝うホームレス達。


299 :探偵神宮寺三郎 白い影の少女 2016/06/22(水) 04:33:27.14 ID:jR1+lM1e0
3月17日
病室のベッドで、徳子は目覚めた。一命は取り留めたのである。
『特別扱いされるのはイヤだ。自分が助けられるのならば他の仲間たちも助けてやっとくれ!』
そう行って病室から無理矢理出ようとする徳子を、神宮寺は『貴女は結核だ、出て行けばホームレスたちに伝染するかもしれない』と話し、
なんとか落ち着かせる。


徳子は6年前、中西の仕事(ロッカー荒らし)を手伝ったことがあった。その際にロッカーに捨てられた赤子を発見し、連れ帰った。
自身が紆余曲折の末にホームレスとなった過去を持つ徳子は、『これは自分に与えられた子供なのだ』と思い、育てることにしたのである。
名前は『悠』。奇しくも本当に『ゆうちゃん』だったのである。


徳子に子供の居場所を聞くと、やはり西新宿8丁目にいるらしいが、詳しい住所を聞きそびれてしまうのだった。


一方、貴之たちは先日会った『ゆうちゃん』を連れて街を歩いていたが、『ゆうちゃん』=悠に元気がない。
どうやら『とくちゃん(=安田徳子)が帰ってこなかったことを心配しているようだ。
貴之らは元気付けるために『じゃあとくちゃんを探しに行こう』と提案するのだった。
中央公園を訪れると、悠の知り合いであったホームレスが声をかけてくる。そのホームレスは以前貴之が暴言を吐いた男(つまり中西)だった。
貴之は自分の非を認め素直に謝罪する。
しかし、和やかに話をする間もなく、中西が『ゆうをつれて逃げろ』と貴之を促した。わけもわからぬまま走り出す貴之らを見送る中西。
その視線の先には一人の男の姿があった。
『…やっと見つけたぜ…!』


神宮寺たちが悠の行方を求めて中央公園を訪れると、中西が一人の男に食って掛かっていた。
『やっと見つけたぜ!仲間を傷つけた落とし前、ここでつけてもらうぜ!』
そう言い放つ中西の拳が向く先は、太った老人…なんと大河原哲三だった。


『犯人はこの人じゃない、他にいる』という神宮寺の仲裁を受け入れ、中西はしぶしぶ拳を収めた。
しかし哲三は神宮寺の質問に答えず無言のままだった。
神宮寺は仕方なく『貴方がホームレスを脅していたんですね』と鎌をかけることにし、哲三はそれを聞いて慌てて真実を話し始めた。


なんと、哲三はすでに『ゆうちゃん』に出会っていた。というのは、亜希が哲司のお参りに来た夜
彼女に謝罪するために託児所を訪れたものの休んでいたため出会うことが出来なかった。
その帰りに中央公園に寄った際、6歳くらいの子供とぶつかったのを機会に話をしたというのである。
6歳の子供に、哲三は哲司の面影をはっきりと見出し、驚きを隠せなかった。それ以来子供のことが忘れられず、
ヒマを見つけては屋敷を出て中央公園を探していたというのだ。ホームレスたちはそれを目撃していたのだろう。
本人が『ゆうちゃん』に出会っている以上、それを隠すことは出来ないだろう。神宮寺は、その少女が
『哲司と亜希の子供である』とその場で話した。『ゆうちゃん』を探すための協力を申し出る哲三。


悠は徳子の家にいるはずなのだが、それを知るものは、と考えた神宮寺は近くにまだいた中西を呼び、
徳子の家を訪ねる。しかし彼は本当に場所までは知らないようだった。
と、そこで中西は『さっき、悠を連れた貴之たちに出会った』と話す。
中西が怪しい男だと思っていた哲三が現れたため逃がしてしまったのだそうだ。
となれば、貴之たちも恐らくは徳子の家にいるのだろう。
しかし肝心の徳子の家が分からないため、結局はこの周辺を探すことになる。
中西も『仲間に聞いてみる』と協力を申し出た。


300 :探偵神宮寺三郎 白い影の少女 2016/06/22(水) 04:39:38.87 ID:jR1+lM1e0
(3月17日続き)
貴之たちは中西に逃がされた後、とある廃ビルに勝手に作った『アジト』に悠を招いていた。
しかしそんな中、サングラスの男が現れ四人に詰め寄る。貴之が機転を利かせ、四人は夜の街へと走り出した。


貴之たちを探すために西新宿周辺を捜索していた神宮寺たちだが成果はなく、中央公園に戻ることになる。
そこに現れた中西が、仲間から聞きだした徳子の家の場所を教えてくれた。さっそく駆けつける神宮寺。
西新宿8丁目の廃墟の中に徳子が住んでいる空き家があった。生活の痕跡(と子供がいる痕跡)は見つけたものの
悠や貴之らの姿はなかった。哲三が見つけていることに一縷の望みを託して、中央公園に戻ることに。


貴之は逃げているうちに地下道に紛れ込んだ上、三人とはぐれてしまっていた。
『どうにか逃げ切れるルートはないか』。そう考えた貴之は周囲を捜索する。途中武器になりそうな鉄パイプを入手し、
どうにか美鈴や知也、悠と合流することに成功する。
貴之は美鈴に『これでアイツをガツンとやれ』と鉄パイプを手渡した。また、アジトに戻るように話す。
そこへ先ほどのサングラスの男がやってくるが、貴之と美鈴の策に引っかかり頭を鉄パイプで殴打され、
まんまと逃げ出すことに成功するのだった。


中央公園に戻った神宮寺を迎えたのは、ちょうどそこにやってきた哲三だった。しかし手がかりは何もないという。
打つ手がなくなった一堂の前に、意外な人物が現れた。


それは、傷だらけになった貴之だった。悠たちを逃がすために知也とともに男を引きつけていたが
最終的に自分がオトリになって智也を逃がしたようだった。
『…神宮寺…さん…助けてください…悠が…殺される…』
痛々しい姿の貴之は、嫌っているはずの神宮寺にそう言った。
『畜生…俺はガキだから…何も出来ないのか…』
そんな貴之に、神宮寺は『自分の弱さを認めることは大人にもなかなか出来ない立派なことだ』と賞賛の声をかけた。


留守番をしているほうのパートナーを電話で呼び出し、神宮寺はアジトを目指す。
(ここで選ぶパートナーによって少し展開が異なる。最終的な展開は変わらない)


逃げ込んだアジトのなかで、美鈴はゆうに『母親』という存在がどんなものかを(あくまでも美鈴の目線で)語る。
母親を知らないゆうは『おかあさんってどんなひと?』と美鈴に問う。
そこへ知也が合流してくる。『貴之が逃がしてくれた』と話すが、そこへまたサングラスの男が現れ、危機的状態に陥る。


アジトとなっている廃ビルを訪れた神宮寺は、ガラスや壁財などが散在する中を捜索する。
一階には何も見つからず、二階の捜索をするうちに、割れた知也の眼鏡を発見した。どうやらこの近くにいるらしい。
そこへ誰かの悲鳴が響いた。

駆けつけた神宮寺の目の前に、悠、知也、美鈴の三人に襲いかかろうとしているサングラスの男の姿があった。
腕っ節には自身がありそうな男を、神宮寺もボクシングで鍛えた体に鞭打って撃退することに成功する。
気絶した男の持ち物を探ると、携帯電話と名刺が見つかった。名刺には『北条隼人』と記してあった。
その名前は以前にも眼にしたことはある。そう、ある人物が落とした名刺と同じものだ…。


301 :探偵神宮寺三郎 白い影の少女 2016/06/22(水) 05:49:07.74 ID:jR1+lM1e0
(3月17日の続き)
不安がる悠を、神宮寺は『とくちゃんの所に行こう』と元気付ける。徳子を心底心配していた悠はようやく笑顔を見せた。
そこへ大河原家(礼子・静江・哲三)の面々と、連れて行かなかったほうのパートナーと貴之が現れる。
神宮寺は事件の最後の解決を迎えるため、視線を一人の女性に向ける。…あの男を使い悠を狙っていた真犯人。


…大河原礼子。


自身が持つこれまでの事件の手がかりや北条隼人の持ち物などの証拠をつきつけ、神宮寺はたくみに礼子を告発しようとする。
サングラスの男(北条隼人)と礼子との関係を実証することに成功したものの礼子は全てを話さないまま警察に逮捕されようとする。
神宮寺は、自分の力だけでは全てを解決できない…そう考える。礼子の心を開くことが出来るのは…一人しかない。


『…君の力を貸してくれ』
『何をすればいいのぉ?』
『ただ、そこにいてくれればいい』
『それなら、できるのぉ』
不安げに神宮時の傍らに立った悠の姿に、亡き哲司。自分が愛した哲司の面影を強く感じた礼子は、その場で泣き崩れていた。


大河原哲司はもともと体が弱かった。亜希と別れさせられ、礼子と結婚した後もそれは変わらなかった。
子供は出来なかったものの、礼子は哲司を心底愛していた。哲司が病の末に倒れたときも、愛してやまない夫を必死に看病した。
それでも哲司の容態は良くはならなかった。そしてついに最後の時を迎えることになる。


しかし、哲司が残した最後の言葉は、『…亜希…』という、礼子にとっては無残な言葉であった。
哲司は最後まで、死に際まで亜希を愛していた。亜希だけを愛していた。自分のことを見ていなかった。
その思いは亜希に対する嫉妬へと変わっていく。そして、あるとき静江が神宮寺に依頼しているのを聞いてしまった。


静江は、哲司と亜希の間に生まれた子供を跡継ぎにしようとしていた。


ある日に春菜がした与太話(恐らくは『ゆうちゃんは亜希さんの子供なんです!』とか話した)に一抹の真実味を見た礼子は
北条隼人を使って『ゆうちゃん』のことを調べ上げた。そしてその身柄を求めたのである。


『…貴女は、彼女(悠)を捉えたあとどうするつもりだったんだ?』
神宮寺の問いに、礼子は
『…私にも分からない。ただ…哲司さんの子供に会いたかっただけかもしれない』と話す。
『そんな勝手な理由で悠をこんな目にあわせたのか!俺はお前みたいな身勝手な大人は大嫌いだ!』
そんな礼子に、貴之が叫んだ。


神宮寺たちは、悠を連れて徳子が入院している病院を訪れた。そこには連絡を受けた亜希もやってきていた。
病床の徳子を悠が心配する中、言葉をかけあぐねている亜希に、徳子が声をかける。
『…あんたに文句の一つも言ってやろうと思ってたけど、あんたも相当苦労してきたんだね…』
戸惑う亜希を尻目にして、徳子は今度は悠に声をかける。
『さあ、あの人のもとへお行き。あの人は、悠のお母さん。一緒にいなくちゃいけない人なんだよ』
『イヤだよ、ゆうはとくちゃんと一緒にいるのぉ』
『あの人は、悠を大事にしてくれる。今は分からなくても、きっとあの人といて幸せだった、と思える時が来る。
このとくちゃんの言うことだから間違いないよ。だからお行き』


直後、徳子の容態が悪化する。泣き叫ぶ悠とあわただしくなる周囲。神宮寺たちは病室を追い出された。


302 :探偵神宮寺三郎 白い影の少女 2016/06/22(水) 05:54:19.48 ID:jR1+lM1e0
4月7日
新宿西小学校に桜の花びらが舞っていた。
校門の前には、悠と亜希…本当の『親子』が笑顔で話している。
悠は新西小に入学することになった。


神宮寺は無事に本当の親子を取り戻した二人から、隣にいる女性に視線を移す。
『父兄席で見たほうがよかったんじゃないのか?』
その女性は神宮寺にこう返答する。
『あたしなんかがいちゃいけない場所だからねぇ、こうして遠くで見ているだけで十分だよ』
…安田徳子だ。


悠たちの前に、見慣れた三人が現れる。進級して六年生になった貴之、美鈴、知也だった。
『悠の先輩』になった貴之たちは、存分に先輩風を吹かせ始めた。ある意味いつもどおりの光景だった。


徳子に気づいた悠たちが歩み寄ってきた。親子は失われた時間を取り戻すかのように幸せに生きていくだろう。
神宮寺は、自分の手に残ったもの…亜希から託された懐中時計を見ながら、亡き親友の顔を思い浮かべていた…。
(スタッフロールへ)
※悠・亜希が正式に親子になった、という描写はあるものの大河原家がどうなった、という説明はない
しかしスタッフロール時の一枚絵の中に哲三に抱き上げられる悠を笑顔で見ている静江の絵があるので
少なくとも険悪な関係にはならなかったと思われる


303 :ゲーム好き名無しさん 2016/06/22(水) 05:57:19.44 ID:jR1+lM1e0
探偵神宮寺三郎 白い影の少女は以上が大まかなストーリーとなります

 

最終更新:2016年06月29日 18:39