金田一少年の事件簿 悲報島 新たなる惨劇
part72-254~261
かつて連続殺人事件が起こり、事件が解決された秘宝島。その場所にまたも事件を解決した金田一は呼ばれる事となる。
そこに向かって船に乗るのは金田一耕助の孫の高校生、金田一一とその幼なじみの女性の美雪。
天才少年で先祖の宝を探すクリス。刑事の剣持。ルポライターのいつきであった。
実は前回の事件で、生き埋めになって死んだと思われた犯罪者の岩田が生存していた。
警察が捕らえていたが逃げ出し、現在は島のどこかに潜伏している。剣持はそれを捕まえる為に同行した。
島は現在、資産家である葉月光定が所有している。
光定はかつてこの島の所有者だったが、前回の事件が起こっていた際には手放していた。
しかし今回は買い戻し、ここを観光地に作り替える予定である。
だがここに住み着いた者や、まだ埋蔵されていると言われる財宝の所有権などで揉めており、金田一には発見を依頼した。
現在、島にいるのは両足が義足で車椅子で生活している葉月光定。
迎えに来た悲報島の開発を進める社長、木暮条一郎。
その部下である遠藤信。
館とは離れた所で暮らす、財宝を求めてやってきた神主の竹内灯妙。
館には若いメイドの女性で、光定の愛人でもある栗原真奈美。
お手伝いの老婆の相田ヨネ。
遺跡調査を依頼されて訪れた、女子大生の東堂小百合。
光定の専属の女医で愛人でもある三村翔子。
そして葉月光定の娘の、葉月マユラ。
葉月マユラは巫女服を着ており、この島に仮宮を作り日々、祈っている。観光地の為の開発には反対している。
ちなみに岩田は洞窟ですぐに発見される。崩落に巻き込まれたショックでおかしくなっており、剣持に物置小屋に監禁される。
館には壁に赤い文字で山童の使いを名乗る者からの、三つの唄が書かれていた。
館の一同が集まっての食後、金田一が館を回り人の話を聞く。
メイドの真奈美と女医の翔子は、定と肉体関係である事がわかる。またそれを利用して翔子は資産を手に入れようとしていた。
この館ではワルキューレの騎行が鳴っている時は、光定が女性と真奈美と翔子のどちらかと関係を持っている時だという。
ルポライターのいつきは、葉月の裏側を調べる為にこの島を訪れている。部屋に忍び込んでテープレコーダーを聞くと分かる。
また三村翔子は、ここに来る前も何人もの男達を誑かして、金を取って行った女であると分かる。
館の調査を終えて、相田ヨネから山童について聞く。
聞き終わった所、この館の屋上にある時計塔の大きな鐘が鳴った。鐘は鳴らない様にしているはずだと相田ヨネ。
驚いた一同は部屋の外に出ると、時計塔から下へとガラスを突き破り球体が落ちてくる。
それは死んだ木暮条一郎の頭だった。ガラスの音と美雪の悲鳴に、集まってくる館の人達。
まだ犯人は時計塔にいるかもしれないと、金田一と剣持が駆け上る。しかし時計塔の扉は閉まっていた。
扉を突き破ると、そこには木暮条一郎の首から下だけがあった。相田ヨネは山童の一番の唄の通りだと恐れた。
部屋の中の調査をする金田一。時計塔への鍵は木暮条一郎のポケットにあった。
部屋の中で文字のこすれた時計塔の表札を発見。
扉の鍵は閂式で、押さえた状態で鍵をかけると押さえを外さないと掛からない仕組みであった。
犯人は表札をストッパーにして鍵をかけ、鍵をかけた後に表札を引き抜いた。こすれはその際に出来たと金田一は推理した。
ほとんどの住人にアリバイの無い状況。お互いに疑いあい言い争うのを、剣持が止める。
また条一郎からこの島の権利に関する誓約書を受け取っていた翔子は、もう意味が無いと皆の前で破り捨てた。
今はまだ犯人が分からない金田一だが、必ず暴いて見せる。「じっちゃんの名にかけて!」
言い争いの時に、他にも住人がいる事をうっかり口にしてしまう真奈美。剣持に言われ、渋々と光定達が案内する。
図書館で数字を入れるプレートがあり、そこに数字を入れると図書館に隠し扉が現れた。
そこには光定の娘であり、マユラの双子の妹の葉月マユキが幽閉されていた。
マユキは大人ではあるが、なんらかの精神的なショックから幼児退行している。原因は父親である光定にも不明だった。
次の日。金田一は島を探索する。小さな仮宮にはマユラがいて、死んだ木暮条一郎の為に一本の蝋燭を立てて祈っていた。
戻った後に食事。人が死んだ事で皆が顔を青くしており、一緒に食事をとるのを控えていた。
自室に戻った金田一の部屋に、マユラから相談があると時間の指定とともに手紙があった。
部屋を出るとワルキューレの騎行がまたも鳴っていた。どうやら光定が肉体関係のある女性と一緒の時に、鳴らすらしい。
指定された時間に金田一が、入江付近に行ってマユラと会話をする。
金田一から話したい事があるという手紙を受け取ったというマユラ。呼び出されたのは自分だと、意味の分からない金田一。
そろそろ間欠泉が噴き出す時間だとマユラが言い、金田一も卵の腐った匂いに気付く。
金田一が振り向けば葉月光定の死体が、間欠泉によって噴き上げられた。マユラはその情景にショックで気絶する。
剣持達が駆けつける。金田一は状況から、この場所に崖上から葉月光定が突き落とされたのだと考えた。
山童の二番目の唄の通りの殺人が行われたのだと、金田一は理解した。
金田一が光定の部屋で調査をする。ワルキューレの騎行はタイマーでセットされていた。
部屋の奥で半裸の栗原真奈美が倒れていたので起こす。
一同を集めて話をする金田一。祟りだと恐れる相田ヨネに、誰かが殺したに決まっていると三村翔子。
服を着た栗原真奈美に尋ねると、呼び出されて光定と共にワインを飲んでから眠くなったと答える。睡眠薬の可能性が高い。
三村翔子が言うには葉月光定が音楽を鳴らすのは性行為中であり、音のした九時まで真奈美も起きていたのではないかという。
しかし金田一が調査したところ、ワルキューレの騎行はタイマーセットでも鳴らせる。
眠っていた葉月光定を誰かが突き落としたと推理、全員のアリバイも完璧ではない。
金田一が全員のアリバイを聞き、丁度九時辺りには広間に誰もいない時間があり、その時間に光定を運んで殺したのだと推理。
いつきがその時間、時間は断定できないが丁度オルゴールの様な音楽を部屋の外から聴いたと答えた。
クリスが東堂小百合の持っているネックレスは、オルゴール式だと告げた。
小百合は遺跡調査を光定に求めたが、その際に言い争いになったのを白状する。そしてその時に、ネックレスを落とした。
誰もいない時間に部屋に忍び込み、ネックレスを拾って出た事を答える。九時前ぐらいだったが、誰もいなかったと答える。
つまり九時前にはすでに葉月光定が殺されていた事になり、それが本当ならば何人かのアリバイが証明された。
犯人を断定できる証拠はまだないと、金田一は答えた。
開発の社長である木暮条一郎と、島の持ち主である葉月光定も死に、この島はどうなるのかといつきが尋ねる。
すると翔子と信が、光定から何かあった時の為の遺言状を受け取っている事を告げられた。
遺言の内容は、葉月光定が死んだ場合は長男に全ての遺産を相続するという内容であり、葉月光定の本物の遺書であった。
しかし長男のマサキは、十二年前に行方不明となったと相田ヨネが言う。
だが三村翔子はマサキを見つけたと言う。呼ばれて包帯を顔に巻いた男が登場したのだった。
顔の怪我の為に、人前に出るのを嫌がったマサキを部屋の中に匿っていたのだと三村翔子が言う。
三日前に葉月光定も彼が長男だと認めたと三村翔子。ヨネとマユラは嘘だと怒る。遺書にサインをしようとするマサキ。
遺産を奪う為の詐欺だと怒り、ナイフまで取り出す葉月マユラ。翔子と信は自分達が証人であると言う。
剣持がマユラを抑え、とりあえず解散を宣告する剣持。翔子はマサキを部屋へと泊まらせる様に真奈美に命令した。
とりあえず一同は解散し、ややこしくなったと剣持が悩んだ。いつきが何かを知っているような口ぶりで去っていく。
館を調査する金田一。葉月マユラに会うと、お兄様の名をかたる男に対して激昂していた。
葉月マユキの部屋に行くと、この家を相続するのはマサキでは無くマユキであるとヨネが呟いていた。
いつきの部屋に行くが留守。部屋の前にいた小百合と二度目の侵入をして、置いてあったテープレコーダーを聞いてみる。
内容は、葉月家は本当は三つ子でありマサキという長男が本来はいた。
十二年前に光定は、娘のいた女性と再婚しようとした。その母娘はその際にこの島に訪れている。
その時期にマサキが行方不明になる。
スキャンダルを恐れた光定はマサキの存在自体を隠し、マユラとマユキは三つ子では無く双子とした。
再婚の話自体が流れてしまい、母娘は島を出る事になる。葉月マユキはその日から精神を病む。
突然に東堂小百合がマサキと話したいと言い出す。金田一は小百合と共にマサキの所に会いに行く。
三村翔子とマサキが部屋におり、東堂小百合はなぜ十二年前に行方不明になったのかを訪ねた。
当時少年だったマサキは父とうまくいっておらず、逃げる為にその時期に訪れていた母娘に頼み船に忍び込んで島を去った。
だがその母は葉月光定に恨みを持ち、その腹いせにマサキを虐待していた。顔の包帯もその時に受けた火傷の傷痕の為。
ところがその話を聞いて小百合が怒る。なぜならその日に一緒に来ていた母娘の、その娘とは小百合の事だったのである。
マサキと共に遊んでいたが、ある日突然にマサキがいなくなったのだと言う。マサキを名乗る偽物と小百合は言い放つ。
その話の証拠があるのかと今度は翔子が言い返す。遺跡調査は嘘で遺産を盗みに来たのが目的でしょうと、小百合に言った。
ショックを受けた小百合と共に、金田一は部屋を出る。そして別れて金田一も自分の部屋に戻った。
次の日の朝。とりあえずマサキに話を聞こうと、金田一と剣持、そして美雪とクリスが部屋へと向かう。
すると翔子とマサキが言い争いをしていた。遺産の取り分が少ない事にマサキを名乗る男が怒っていたのである。
マサキが遺産を受け取る誓約書があると言い争いの中で言うが、しかしカバンの中の誓約書が盗まれていると大声を出す。
それを部屋の前で聞いた金田一達は、その誓約書を探しに館を回る。
館の裏で誓約書と、マサキを名乗る佐藤治の免許証を金田一は発見した。
葉月光定の遺産を奪い取る為、三村翔子と木暮条一郎、そしてマサキを名乗った佐藤治の誓約書、三人が協力者なのは確実。
捕まえようと剣持と共に、マサキの下へと行く。だが部屋にはいない。マサキが逃げ出し、翔子が追いかけたと信が答えた。
部屋に戻った金田一。東堂小百合に誘われて、一緒にボートに乗る。(好感度が高いと発生)
ボートの上で十二年前の思い出を語る東堂小百合。すると遠くで栗原真奈美が走っているのを見かける。
それを見て、急に何かを思い出したように東堂小百合は戻った。
部屋に戻った金田一は、今までの情報と二つの鳥居に刻まれた文字と竹内灯妙の家から盗んだメモから、秘宝の在処を調査。
金田一は内容から、月食に財宝が現れると読み解いた。月食の時間を図書室で調べ明日の夜だとわかった。
金田一がマユラを尋ねると、部屋には誰もいない。十二年前以上の写真を発見。写真は男児二人と女児一人の写真だった。
葉月マユラと館の外で会う。マユラは父親を好きでは無かったと答え、巫女としてこの島に身を捧げていると答えた。
死者の為に祈りをささげる葉月マユラ。祭壇には三本の蝋燭が立てられていた。
金田一は三つ目の鳥居の文字から、島の山童の像の位置を把握して、それを順番に見れば何かわかるかもしれないと推理。
さらに島にある像は手話をしているので、それを図書室の本で調べる。
順番通りに手話の文字を繋げると「くちそらにちかし」と読み取れた。
外に出ると東堂小百合と栗原真奈美が崖の近くで言い争いをしている。そして小百合が突き飛ばし、真奈美は崖に落ちた。
館に戻って来た三村翔子が診察した結果、栗原真奈美は気を失っているが無事。剣持と金田一が小百合に話を聞く。
東堂小百合は栗原真奈美から、あの事は黙っていてほしいと言われる。何のことかわからない小百合。
すると栗原真奈美が興奮して襲い掛かり争いになって、振り払った際に真奈美が崖から落ちたと答えた。
そんな話をしている時に、葉月マユラが部屋に訪れる。見た事の無い人の死体を発見したと告げた。
ボートの上に倒れた男の胸に、ナイフが突き刺さって絶命していた。調査する金田一とクリス。
男はマサキを名乗っていた男、佐藤治だと確認した。近くの鍵のかかったボート小屋を念の為に調査するが何もない。
館に戻った一同。死体はマサキの偽物の佐藤治。何があったのか、まずクリスが推理を始める。
木暮条一郎と葉月光定を殺したのは佐藤治。ずっと隠れていたためにアリバイは無い。
マサキの偽物を名乗り、遺産を手に入れる為に殺人事件を起こしていた。
そして正体がバレた事を悟った末にボートで逃亡を図るが、途中で諦めてナイフで自殺した。
次に金田一が推理を始める。途中まではクリスと同じ、三村翔子と木暮条一郎とともに遺産を狙い協力していた。
しかし自殺では無く誰かが佐藤治を殺した。その証拠として左手にも傷があった、これはナイフを刺された時に掴んだから。
そしてナイフを握っていた手は右手、佐藤治は遺書にサインする時に左手を使っていた。
他殺だと推理した金田一。全員のアリバイを訪ねる。
さらにここの潮流はおかしく、六時ごろに入江近くに流れ着く。まだ犯人は断定できないと金田一は答えた。
次の日、壁の赤い文字に四番目の山童の唄が追加されていた。相田ヨネが不吉だと喚いている。
島を探索するとボート小屋でコンタクトレンズを発見。剣持の部屋に行き、佐藤治の荷物からコンタクトレンズ入れを発見。
いつきの部屋に行く。ベッドに鍵が隠してあり、それを使って引き出しの鍵を開ける。
中にはテープレコーダーがあり、今までの事件の調査についてのルポが話されていた。
ワルキューレの騎行が鳴った後に、しばらくしてオルゴールの音が鳴った。
そこにいつきが戻ってくる。金田一の事をさすが探偵だと褒めて、部屋に侵入した事を許してくれる。
葉月マユキの部屋に行くと、荒れていたマユキを相田ヨネが慰めていた。兄のマサキが帰ってきたら戻るかもと美雪。
夕食で集まる一同。栗原真奈美も意識を取り戻して、メイドとして準備をする。何人かは部屋で食べるという。
今夜は月食であり、もしかしたら財宝が姿を現すかもしれないと金田一と剣持が話す。
しばらくすると露天風呂から、栗原真奈美の悲鳴。駆け付けた金田一達。
栗原真奈美は怯え震えて温泉を指さす、そこには血を流して湯に浮かぶ三村翔子がいた。
さらに注射器と血濡れのメス。そして近くには気を失った葉月マユラが倒れていた。
三人とも命は無事ではあったが、三村翔子は左腕をメスで切られていた。気絶した葉月マユラは自室で眠らされた。
広間に集まった一同は、アリバイについて話をする。
露天風呂にいた三人以外はアリバイが証明されたので、三人のうちの誰かが今回の事を行ったのだと判明する。
三村翔子は風呂に入っている時に、後ろからメスで葉月マユラに切られたと証言。
栗原真奈美が風呂に行ったときは、すでに二人は倒れていたと証言。
そこに相田ヨネが怒りだす、掃除中に三村翔子の部屋から三枚の婚姻届けが発見された。
財産目当ての為に、葉月光定、東堂治との結婚を書類上は行おうとしていたのである。
しかし婚姻届けは三枚あった。もう一枚は誰の為に準備していたのか?
金田一は葉月マユキと結婚する為に準備していたと推理。実はマユキは女性では無く、女装した男性だった。
マサキが居ない以上マユキが相続するべきなのだが、精神を病んだ状態では相続できないと光定が閉じ込めて女装させたのだ。
金田一は今回のアリバイの無い、三村翔子、葉月マユラ、栗原真奈美の三人に絞って犯人を考える。
この島の裏を知っており、財産狙いなら三人の女性には犯行理由はある。
次に事件について考える。いつきのレコーダーから、オルゴールの音がワルキューレの音楽の後に鳴った事が判明する。
次にコンタクトレンズがボート小屋で見つけたので、犯行現場はボート小屋と推察。潮流は関係なかった。
呪い唄の四番目が書き加えられていたのは、見立て殺人を増やす為。第四の事件が犯人から予定外だったから。
そして最大の証拠として、金田一はロウソクについて思い出した。
「謎は全て解けた!」
最初の事件は、木暮条一郎の殺害。密室にしたのは、呼びつけた金田一の推理を確かめる為。
そして唄が三つあったのは、最初から三つの殺人を起こす為。
木暮条一郎と葉月光定を殺し、その罪をニセマサキこと佐藤治に押し付け自殺に見せかける。
その推理を真犯人は金田一にさせようとしていた、しかし佐藤治は自殺では無いと言ってしまった。
そこで行われたのが予定外の四番目の事件。本来は三つで終わるはずだったために、後から加えられたのである。
しかし今回の事件で、三人に絞られるミスを犯した。
そして今までの事件から、金田一は葉月マユラが犯人だと断定した。
栗原真奈美と三村翔子が犯人だとしても、財産は葉月マユキに行く為、三つの殺人で終わるはずがない。
葉月マユキを殺さないと財産は手に入らない。ゆえに二人にはメリットが無い。
だが葉月マユラには、葉月光定の殺人でのアリバイがあった。
しかし、それは犯行時刻の違いから判断できた。
小百合が嘘の証言をしていたのである。いつきのテープレコーダーにワルキューレの騎行のしばらく後にオルゴールが鳴った。
葉月光定は九時前にはいなかったとの証言は嘘である。実際に尋ねたのは九時過ぎだった。
東堂小百合はマユラをかばっていた。葉月マユラこそが山童だった。剣持が相田ヨネにマユラを呼ぶように命令した。
東堂小百合は何も言わない。金田一は、死者を送るロウソクが治が死んだのを発見する前に、三本目を立てていた事を告げる。
相田ヨネが葉月マユラと葉月マユキがいないと言いに来る。
さらに騒ぎに乗じて、東堂小百合もいない事に気付いた。財宝の場所に行ったに違いないと一同。
「くちそらにちかし」という言葉から、この島でもっとも高い場所の建設予定地へと向かった。
その場所へと向かった金田一達。そこには東堂小百合と、そして葉月マユラとマユキがいた。
その近くには大きな穴が開いていた、底が光り輝いている。金田一は、財宝が目当てだったのかと葉月マユラに問う。
しかし葉月マユラは財宝などどうでもいいと告げ、ここには財宝以上に大切なものがあると答えた。
よく見れば穴の中には、大量の金塊の上に、十二年前に行方不明になったマサキの死体があった。
マサキ、マユラ、マユキの三人の兄弟は仲が良く、島の中でいつも一緒に遊んでいた。とても仲が良かった。
しかしそこに葉月光定によって島の外から母娘が呼ばれた。その娘が東堂小百合である。
葉月マサキと東堂小百合は仲良くなり、それが葉月マユラには面白くなかった。
マサキは小百合に、父も知らない三人だけがたまたま見つけた秘密、ここの月食の財宝の事を教えた。
東堂小百合はその夜に訪れなかったが、財宝を見に行った時にマユラがマサキに小百合に言った事を非難した。
その際の喧嘩の際に、マユラは穴の中に落ちかけたが、マサキが庇い、代わりに財宝の上に落ちて死亡した。
そして死体はそのまま月食の終わりとともに、財宝と一緒に封じられた。
葉月マユラはその日から数日間寝こみ、葉月マユキは精神的なショックで幼児退行した。
葉月光定はマサキを探し、島中を捜索したが見つからない。
忘れる様にこの島を手放した葉月光定だったが、しかし買い戻しここを観光地にするとした。
葉月マサキの遺体の安寧を祈り、葉月マユラはここに神社を立てて巫女として一生を終えるつもりだった。
観光地化しようとした小暮条一郎と葉月光定を殺し、そして兄を名乗る事を事前に知っていた佐藤治に罪を被せて殺した。
葉月マユラはマユキとともに、ここで投身自殺するつもりだった。プレイヤーがこの場所を特定できないとそうなる。
だが東堂小百合はそれを止める。金田一は言う、東堂小百合は母違いの姉であった。
東堂小百合と光定が口論したのは、遺跡調査が理由では無かった。
そして実はマユラが光定を殺したのを、小百合は目撃。血の繋がった姉として庇っていたのである。
葉月マユキがたどたどしくお姉ちゃんと笑う、泣きながら東堂小百合はマユキを抱きしめる。
しかしもう私は三人を殺した、血に汚れてしまったのだと葉月マユラ。
穴の中に一人飛び込もうとする葉月マユラ、しかしマユキがその服を掴んだ。そして首を横に振る。
葉月マユラはマユキを抱きしめて、泣いたのだった。
そして月食が終わり、金塊とその上にマサキの死体は、どういう仕掛けか底の中に隠れて行った。
船に乗って島を離れる金田一達。剣持は岩田が逃げ出した事を言う。後に島を警察で探索するらしい。
いつきが葉月家について書いた書類を海に投げ捨てる。
これでもう、悲報島から悲しい報せは届かないだろうと金田一は言った。
好感度が高いと東堂小百合からの手紙が届き、島の状況が書かれている。三村翔子と遠藤信は島を去って行った。
竹内灯妙は次の月食で財宝を手に入れると待っている。しかし神社で死んだ者達の為に毎日、祈ってくれている。
東堂小百合は大学を止めて、島で葉月マユキ達とマユラが帰ってくるのを待つという。
さらに葉月マユラを助けておくと、刑務所から手紙が送られる。
罪を償っていく事、そして父は父なりにマサキを想っての行動だと今は思っているとの事。
そして最後にお礼で締めくくられる。
最終更新:2020年08月01日 10:07