丸投げクエスト

Part73-472-473


472丸投げクエストsage2022/03/06(日) 20:50:19.80ID:SpEylGM/0[1回目]
Dominion's Restというサイトで公開されていた
今ではプレイ出来ないFlash製ゲームを不意に思い出したので
3連続で行かせてもらいます。

『基本キャラ紹介』
(ユリちゃん)
羽の生えた頭蓋骨のような姿で、勇者と共に旅する仲間。
長い寿命を持ち、100年前も今でも元気。
(勇者)
現代で活躍する、糸目でのほほんとした感じの勇者。
雰囲気は緩いが実力は本物。
Dominion's Restの数多くのゲームの主役なのだが
今回はエンディングで登場するのみ

『丸投げクエスト本編』
勇者と魔王という典型的ファンタジー要素もありながら
現実の世界同様の文化や歴史もあるという変わった世界でのお話。
今から100年前、魔王が復活し、それを退治する人を募集したい王様は
何を報酬にしようかと考え『勇者の称号』を褒美とすることにした。

「魔王を倒したら勇者の称号をあげるよ!」という募集に対し、
冒険者の少年や男勝りの女貴族といった主人公っぽい人から
魔力を持った吟遊詩人やサムライや兵士といった戦力として役立ちそうな人、
普通の主婦や探偵といった勇者として戦う一員としてどうなんだという人、
さらにはバカっぽい子供や動物といった者たちまで、合計20人が集まった。

王様はそれらから4人を選んで編成しユリちゃんと共に旅立つと、後は自動で冒険が進む。
正直、敵や険しい道よりも4人の人間関係によるトラブルの方がよっぽど厄介で
強気な奴が弱気な奴をいじめるとか、食事の戒律によって物を食べられないとか
夜の野営時に酔っ払いが暴れまわるとかのイベントが起きてしまうので
不仲を仲裁したり、戒律に反しない食べ物を見事な料理の腕前で作ったり
酔っ払いを手刀で一撃で気絶させてその場を収めたりしながら旅を続け、
魔王城に到着し、魔王の腹心の部下の魅了の魔法を防いだり
床にしかけられた罠に対抗するべく浮遊の魔法を使ったりした4人組は、
とうとう魔王と対峙し、それを倒すことに成功した。

そして一度魔王を倒すことに成功した人物にはマークがつき
20人全員にマークがつくと、エンディングに入る。

物語上では、帰ってきた20人全員の話を聞いても、
誰が魔王を倒したのかが分からないという事態に陥っていた。
魔王が、自分が魔王だと言わないまま倒されて、ただのモンスターだと思われたかも知れないし
魔王の部下が、身代わりとなるために私は魔王だと名乗ったかも知れない。
また、幻覚や記憶改竄によって自分が魔王を倒したのだと思い込んでるのかも知れないし、
考えたくない話だが、誰かが手柄目当てに魔王を倒したと嘘を言ってるのかも知れない。
それら20人の話の報告を受けた王様はしばらく考えた末に、こう言った。
「みんな頑張ったんでしょ?だったらいいじゃん、みんな勇者で!」
こうして20人全員が勇者の称号を手に入れた。
 
473丸投げクエストsage2022/03/06(日) 20:50:50.76ID:SpEylGM/0[2回目]
『それから100年後』
100年後、とある町の酒場の中で、ユリちゃんはため息をついていた。
酒場の外の通りでは、あの20人の最後の生き残りだった
当時バカっぽい子供だった老人の葬式が行われていた。
100年前に20人が勇者の称号を得た後、
その中の当時既に老齢だった者や動物は早くに死んでしまい、
若かった者の中にも戦争や病気で死んでしまう者もした。
そうでない者たちもだんだんと老いていきこの世を去っていき、
そして今日、最後の一人が100歳以上生きたうえで大往生したのだ。

これで20人全員死んでしまった、そう悲しむユリちゃんの元に
現在ユリちゃんの旅仲間と言える勇者が来て、どうしたんだと聞いてくる。
そんな勇者を見てユリちゃんは思い出した。
(そうだ、この勇者が生まれ育った孤児院は、20人の勇者の一人のシスターが作ったものだ。
それに勇者の必殺技は、20人の勇者の一人の兵士が作ったもの。
そうだ、20人全員が死んでも、残されたものが受け継がれてるじゃないか!)
それを思い直したユリちゃんは勇者に、何でもないと答えたのだった。
最終更新:2022年04月23日 22:53