丸投げクエスト外伝第一弾『プレシャス・メアリー』

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474丸投げクエスト外伝第一弾『プレシャス・メアリー』sage2022/03/06(日) 20:51:35.88ID:SpEylGM/0[3回目]
続いては丸投げクエスト外伝第一弾『プレシャス・メアリー』行きます。

『登場人物』
(ラルフ)
渋いオッサンな私立探偵で、丸投げクエストの20人の勇者の一人。
今回の物語では探偵として活躍する。

(アレックス)
冒険者の少年で、丸投げクエストの20人の勇者の一人。今回は聞き手に徹する。

(グスタフ)
強大な魔法の才能を持つ吟遊詩人で、丸投げクエストの20人の勇者の一人。
同じく聞き手。

『本編』
丸投げクエストでの冒険をきっかけに仲良くなった3人は酒場に集まり、
そこでラルフは奇妙な依頼について語った。

旅をしていたラルフは幽霊に呼び止められた。
「私が仕えていた主人が殺された事件の真相を突き止めてください。
報酬として、銀で作られた装飾品を差し上げます」
ラルフは事件現場の館へ向かう。

館に入ったラルフは、暗号を解いたりしながら奥へ進むと
幽霊の主人らしき老婆の日記を見つけ、当時起きた事を知った。
公には館の主人の老婆は襲撃してきた強盗団に殺された事になっていたが、
老婆は秘密の部屋に隠れて生き延びていたのだ。
そして強盗団が去っていた後、娘の夫、つまり義理の息子が入ってきた。
実は老婆は義理の息子の素行の悪さに心底愛想を尽かしており、
近々遺言状に、遺産は娘にのみ全額残し義理の息子には一切渡さないと
書き残す予定だった。そして義理の息子はそれを知っていたのだ。

「さて、アレックス、グスタフ。もしお前らが義理の息子だったら、
確実に遺産を手に入れたいと思ったらどうする?
『ちゃんと助け出して介抱し、それに感動した老婆に遺産を渡してもらえるようにしてもらう』
よりも、もっと確実な方法が遺言状を書かれない方法があると思わないか?
その時なら、その方法を取っても強盗団の仕業に見せかけるのは簡単だ。
それが、老婆が殺された事件の真相さ。これで事件の調査は終わりだ」
 
475丸投げクエスト外伝第一弾『プレシャス・メアリー』sage2022/03/06(日) 20:52:10.59ID:SpEylGM/0[4回目]
それを聞いたアレックスは激怒した
「ちょっとまってくださいよ、それじゃあ遺産目当てに義理の母を殺した義理の息子は
何の罰も受けず、遺産を受け取り、のうのうと生活してるじゃないですか!」
「まあ待て、続きがある。依頼してきた幽霊はその事に対し
『私は主人の仇を殺してしまいました。私は殺人者です』と言ってきた。
そこで義理の息子のその後について調べると、そいつは老婆の飼い犬に噛まれ、
それを医者に見せると老婆を殺した事を疑われかねないと思い放置した結果、
傷が悪化して腐り病死したとさ」

そう、依頼してきた幽霊の正体は老婆の飼い犬だったのだ。
幽霊なので人の言葉で話すことが出来、犬だと分からなかったのだ。

「こうして殺人者は報いを受けましたとさ、というわけだ」
「それで、報酬の銀の装飾品はどうしたんですか?」
「今でも持っているよ。犬だから銀色というだけで本物の銀だと思って依頼してきたんだろうが、
銀色の塗料で塗られただけの安物の犬の首輪だ、売れるわけもないからな」
最終更新:2022年04月23日 22:54