アットウィキロゴ

*:..o○☆*゚¨゚゚・*:..o○☆*゚¨゚゚・*:..o○☆*゚¨゚

 

取締役会非設置会社の代表取締役と同会社の本店の支配人との地位の租違を説明せよ。

 

*:..o○☆*゚¨゚゚・*:..o○☆*゚¨゚゚・*:..o○☆*゚¨゚

 

問題の分析・学説の分岐点

1. まず、代表取締役と支配人の定義を正確に書く。そして、代表取締役は、株式会社の機関であり、会社とは委任関係に立っているのに対し、支配人は商業使用人であり、会社と雇用関係に立っているにすぎない。

このような法的地位の相違という根本の相違から具体的相違が生じる。

 

2. 選任方法、任期について、代表取締役はこれを1人選任する場合取締役会決議により、取締役の中から選任され、権限濫用防止のため任期は2年以内とされるのに対して支配人は取締役の決議に基づいて代表取締役が選任し任期については商法上なんらの定めもない。

 

3. 権限の性質・範囲について、代表取締役は会社の機関であるから、その権限の性質は代表権であり、会社の営業全般に代表権が及ぶのに対して、配人は雇用契約によって特定の商人に従属し、対外的にこれを補助する商業便用人であるから、支配入の権限の性質は代理権であり、支配人の権限は「商号」または特定の営業所の営業に関するものに限られる。

 

4. 義務について、代表取締役も支配人も会社に対して善管注意義務を負う点で共通している。

さらに、代表取締役は権限の濫用を防止すべく忠実義務、競業避止義務を負い、さらに利益相反取引について規定を設けている。

これに対して、支配人は営業主の許諾がなければ自己または第三者のために営業の部類に属する取引ができない(狭義の競業避止義務)のに加えて、労働力の確保のため営業禁止義務を負う。

 

5. 報酬について、代表取締役の報酬は、お手盛り防止のため定款または株主総会決議により決定されるのに対して、支配人の報酬は取締役が業務執行の一環として決定する。

 

6. 責任について、代表取締役は広汎な権限による違法行為を抑制するため、違法行為をなした場合に損害賠償責任を負う旨の商法上の規定があるのに対して、支配人はかかる規定はなく、民法上の責任を負うにすぎない。

 

 

重要論点

1.代表取締役、支配人の意義

2.共通点

3.相違点

 

 

◎答案を作成するにあたっての注意◎

まず、代表取締役と支配人の定義を正確に書くことが必要である。

さらに、根本的な地位の相違を明確にした上で、そこから生じる具体的な相違を、羅列に終わらないように、根本的な相違と関達づけて書くとよい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1. 代表取締役とは、対外的に会社を代表し、対内的には業務執行を行う株式会社の必要的常置機関である(会社法3481項、3491)。なお、数人の取締役がいる場合において3493項により代表取締役を定めなかったときは、各取締役が業務を執行し、各白代表権を有する(会社法3481項、3491項・2)

支配人とは、営業主にかわって、その営業に関する一切の裁判上または裁判外の行為をなす権限を有する商業使用人である(会社法111)

 

2. 両者はいずれも会社の合理的運営のために選任されるので、包括的権限を有し(会社法3494項、111),その制は善意の第三者に対抗できない(会社法3495項、11

3)という点で共通する。

 

3. しかし、代表取締役と支配人は法的地位の相違がある。

代表取締役は、株式会社の機関であり、会社とは委任関係に立っている (会社法3303)。そして、会社の合理的かつ機動的な運営のため、代發取締役は強大かつ広汎な権限を有している。

これに対して、支配入は使用人であり(会社法第1編第1)、企業主体と雇用関係に立っているにすぎない。そのため、代表取締役に比べて権限の範囲は狭い。

このような法的地位の相違から、選任方法、任期、権限の性質・範囲・義務・報醐・責任等につき以下のような具体的相違が生じる。

 

4(1) 選任方法、任期

代表取織役は1人を選任する場合、株主総会決議により、取締役の中から選任され(会社法3493)、任期は2年以内とされる(会社法332)。これに対して支配人は取締役の過半数の決議に基づいて代表取締役が選任し(会社法34831}、任期については商法上なんらの定めもない。

これは、代表取締役の場合、その強大な権限の濫用を事前に防止すべく任期を短くしたものである。これに対して支配人の権眼の濫用のおそれは代表取締役ほどでないために任期の制限はない。また、取締役の決議により選任されるのは、代泰取締役の業務執行に慎重を期すために政策的に定められたものである。

 

(2)権限の性質・範囲

代表取締役は会社の機関であるから、その権限の性質は代表権である。したがって,代表取締役のなした行為は会社の行為として、その効果は当然に会社に帰属する。そして、会社の営業全般に代表権が及ぶ。これに対して支配人は雇用契約によって特定の商人に従属し、対外的にこれを補助する商茉使用入であるから、支配人の権限の性質は代理権である。したがって、支配人のなした行為はあくまでも代理人たる支配人の行為であるが、その法律効果は営業主に帰属するものである (民法99)。そして、支配人の権限は「商号」または特定の営業所の営業に関するものに限られる(会社法10)

これは、代表取締役が機関であり、包括的代表権を与えることが会社運営の効率化にとり必要であるのに対し.支配人は商業使用人であり、その権限も被雇用者として行いうるものに対応させるのが妥当なことに基づいている。

 

(3)義務

代表取締役は権限が強大かつ広汎なため、権限の濫用を防止すべく忠実義務(会社法355)を負う。また、会社と取締役の利益衝突が起きやすい場面として、特に競業避止義務、利益相反取引について規定を設けている(会栓法356)。これに対して、支配人は営業主の許諾がなければ自己または第三者のために営業の部類に属する取引ができない(狭義の競業避止義務、会社法1212)のに加えて、営業禁止義務(会社法1211号・3号・4)を負う。

これは、代表取縮役も支配人も営業の機密に通じている自己の地位を利用し、会社の利益を害することがないように利益衝突の防止に努める必要がある点はいずれも同じであるが、それ以上に、支配人は、支配人の労働力を確保する趣旨の下に雇用関係に基づき、営業主に対して精力分散防止義務を負い、代表取締役よりも厳格な競業避止義務を負うばかりでなく、営業禁止義務をも負うのである。

 

(4)報酬

代表取締役の報酬は、定款または株主総会決議により決定される(会社法361)。これに対して、支配人の報酬は取締役が業務執行の一環として決定する。

本来、代表取締役の報酬も業務執行の一環として取縮役が決定し得るはずであるが.これではお手盛りの弊害が生じ、会社財産を侵害するおそれがあるので、政策的に定款または株主織会決議によって決定すべきとされた。これに対して、支配人の報酬は雇用契約の労務の対価であり、業務執行の一環と考えればよい上に、お手盛りによる危険はない。よって、取締役によって決定されるのである。

 

(5)責任

代表取締役は違法行為をなした場合に損害賠償貴任を負う旨の規定がある (会社法423条、429)のに対して、支配人はかかる規定はなく、民法上の責任を負うにすぎない。

これは、代表取締役の権限が広汎かつ強大なため違法行為を抑制する必要がより強いからである。

 

以上

最終更新:2008年01月06日 02:35