日枝御華士織(ひのえ・ぎょか・しおり)は
靖君学園中等部の三年生。
華道部の世襲部長候補。掛け持ちで丐演劇部にも所属している。
男優としての芸名は『日枝枝折(ひのえしおり)』または『御華萎(ぎょかしおり)』。繊細可憐な外見を活かし女形を多くこなす。
育ての親である『先輩』日枝是娜(ひのえぜな)の『卒業』が迫り、精神的に追い詰められている。
日枝御華士織は考える。
自分には残酷さが必要だ。
自分の死に、そして大切な人の死に耐えられる『強さ』が必要だ。
御華は『先輩』日枝是娜に対し理不尽な憎しみを煽りたてることで彼女の迫りくる死期から逃避しようとしている。最近彼が持ち歩いている特注のナイフ内蔵型携帯『孕牙(はるか)』は御華が求めてやまない『残酷さ』を象徴している。つまり、異質な人格を偽る役者としての自分、大切な人間の死をなんとも思わないくらい冷酷に成りたい自分に、人と人を結び付けるコミュニケーションのツールでありながら同時に人を傷つけうる暗器でも有る孕牙を重ねているのだ。
尤も、現実には御華には人を傷つける事が出来るような冷酷さは無い。それを自覚している彼は『練習』の必要を感じており、日常的に努めてサディスティックな言動を選んだり(理不尽な先輩や同輩に対する露悪的な振る舞い)、他人と積極的に衝突したり(街の不良を貶めて喧嘩を売るなど)する。
一方で友人や後輩には極めて優しく、その言動の落差は皆を困惑させずにはいられない。
最終更新:2011年02月20日 01:11