月の海の底の底、七つの試練の彼方の宝。
光によって象られた疑似霊子の頭脳は、あらゆる奇跡を再現する。
これは太陽系最古のオーパーツ。星の方舟と成り得るアーティファクト。遠い昔に下された地球観測の命令(オーダー)をその消滅まで遂行し続ける史上最大の量子コンピューター。
全ての生命、全ての生態、生命の誕生、進化、人類の発生、文明の拡大、歴史、思想……そして魂。全地球の記録にして設計図。神の遺した自動書記装置。七つの階層からなる、七天の聖杯(セブンスヘブン・アートグラフ)。
――ムーンセル・オートマトン。かつて、人はこれをそう呼んだ。
ムーンセルは自らの内へとヒトを招き入れ、極限環境……聖杯戦争を主催する。生死の垣根が希薄化された空間の中で人間の精神は如何なる姿を見せるのか。それを観察し、記録する為に、月は願いと言う餌を吊り下げて魔術師と言う観察対象の到来を待ち続けた。そして、幾度となく舞台を演じ続けた。
完全無欠の演算と人類の感覚からすれば殆ど無限に等しい情報量。ムーンセルによって聖杯戦争は恙なく行われ、その度英霊達の戦いは繰り返された。だが――月はある時、小さな綻びが生まれたのをきっかけに狂い始めた。精微とは正反対の混沌へと、大義を忘れて墜落し始めた。
聖杯戦争の最終局面、人類史に名高き最高位英霊同士の激突。
最大火力の宝具が真っ向から激突した事で発生した有り得ざる事態。――SE.RA.PHに生じた、幅数ミリ程度の"孔"。
それを見逃さなかったのは、敗者となった魔術師の方だった。消滅し行く身体で以って、彼は聖杯戦争そのものへの八つ当たりに打って出たのだ。大出力宝具、再放射。修復の始まった空孔を抉じ開け、積み上げた技術の全てを用いてその向こう側に己の従僕の全霊を届かせる。放った光が消えた時には既に、月には無視出来ぬ欠陥が生じていた。
勝者となった男は此処まで生き延びただけはあり、実に優れた魔術師だったが……最悪な事に、途轍もなく巨大な野心を抱える人物であった。故に彼はムーンセルの修復が追い付く前に、大いなる月にとある命令(オーダー)を実行させる。聖杯戦争の勝者として、本来届き得ぬ願いの成就を月に求めた。如何に戦争を勝ち抜いた勝者と言えど、絶対に罷り通る筈のない混沌の大望を。
その果てに――月は破滅した。
全ての歯車が噛み合い過ぎた世界だった。
一切の異分子が生まれず、月の聖杯戦争が停滞を忌んだ網霊の手で作り変えられる事もなかった世界。
白紙の少女が足を踏み入れ、数多の戦いの末に誉れある結末に至る事のなかった世界。
多くのものが救われぬまま、或いは生まれる事すらないままに消えていった世界。
故に、全ては救われない。月の聖杯は大岩が川の流れで削られていくが如く混沌の中でその在り方を変質させていき、長い年月の末、此度の物語を生み落とした。
狂乱の月が新たに得た銘は『Chaos.Cell』――これは、創世神話を呼び覚ます為の英雄譚、その序曲である。
◇ ◆
「その男は確かに優秀だったのだろうさ。だが、欲を掻き過ぎた。自身が優秀ではあっても決して傑物ではない、その一点を月の征服者は見誤った――故に末路は憐れな物だったと聞いている。際限なく増え続ける多元宇宙とのパス、流入する魔力の濁流を前に、最後まで呆けた面を浮かべたまま溺死したそうだ」
征服者は、世界の外の叡智を求めた。
彼方に広がる無数の多元宇宙を、ムーンセルという名の天体望遠鏡で以って観測しようと試みた。そして"あちら側"に干渉し、更なる力を手にして自身をより高き者に昇華させんとして――当たり前のように失敗し、死んだ。残ったのは世界の垣根さえ飛び越えて人間を集め、聖杯戦争を繰り返す混沌の天体『Chaos.Cell』のみ。
「然し私は、彼を愚かな者とは思わない。寧ろその逆だ。最終的に失敗こそしたが、力のみを求道して別世界にまで希求の手を伸ばす貪欲さ、危険を顧みない勇猛さ。尊重するとも、彼はまさしく勝者の座に相応しい者だったのだと。……では、彼には一体何が足りなかったのか」
硝子の奥の蒼眼を笑みに細めながら、裁定者の権限を与えられたサーヴァントは語る。
余程楽しいのか、その語り口は極めて饒舌だった。声の調子からも、彼が理知的で聡明な人物である事が伝わってくる。
「私が思うに、彼に不足していたのは意思の力なのだ。力を求める欲望ばかりが先行して、どんな運命が待ち受けようとも跳ね除けてやると言う鋼の意思を築き上げる事を疎かにしてしまった。だから土壇場で、勝利を引き寄せる事が出来なかった」
にも関わらず、その口にした内容は荒唐無稽極まる物だった。
足りなかったのは鋼の如き意思。もっと簡単な言葉に直すなら、気合とか根性とか、そういう風に形容される概念。
あろうことかこの男は、碩学然とした真剣な顔で、精神論を語り始めたのだ。月を結果として混沌の海に変えてしまった先人に、もしも屈強で堅牢な鋼の意思が備わっていたならば、きっと彼は望み通りに至高の力と叡智を手にする事が出来た。そんな馬鹿げた話を、不敵な笑みを浮かべながら語り聞かせる。
堪らず、教会の座椅子に腰掛けたもう一人――彼のマスターに当たる少女が呆れたような溜息を吐き出した。
「そんな事は有り得ないと言いたげだな、マスターよ。まあ、信じられないのも無理はないとも。仮に私が君の立場だったとして、いきなりこんな話をされたなら十中八九激務で頭が病んでしまったのだと思うだろうからな。然し有るのだよ、そういう事が。居るのだよ、そういう人種が。想いの力、燃え上がる勇気で現実を平伏させる、誇らしき光の体現者が」
不可能と言う概念を、想いの強さで飛び越える。
どれだけの悲劇が有ろうとも、毅い心で耐え忍び、涙を光に変える。
諦めなければ世の道理など紙屑同然――全ては、心一つなり。
裁定者は、それを体現した存在を知っていた。そして他ならぬ彼自身も、その同族に分類出来る光の魔人に他ならない。
「これは不謹慎な発言だが、私は今とても高揚している。世界、時空の垣根を超えた大戦乱――ああ、素晴らしいではないか。一人の男として、光に焦がれた者として、その行方に刮目せずにはいられない。誉れと誉れが交錯し、互いの譲れない信念を真正面からぶつけ合うのだ。誰もが己の夢見る楽園を目指して、な」
「……相変わらず、悪趣味」
「心外だな。私は只、思うままを口にしているだけなのだが」
マスターの少女は、隠そうともせず自身のサーヴァントへ不快感を露わにする。
年端も行かない娘が自分の三倍以上は歳を重ねているだろう男に軽蔑の目線を向けている絵面は何とも不健全なそれであったが、彼の側は至って平然としている。
公平な裁定者らしく、常に堂々と公明正大。だがその口から紡ぎ出される思想は、凡そ聖杯戦争を中立の立場から統括する者としては相応しくない物ばかり。
少女は、この男が嫌いだった。何かされた訳ではないが、純粋に虫が好かない。
彼が尤もらしい事を語る度、どの口が言うんだと誹りたくなる。彼が陶酔したような事を謳う度、気持ち悪いから止めろと悪罵を叩き付けたくなる。――嫌悪感が、離れない。
「それは扠置き、直にサーヴァントの召喚が始まる。後一週間も経過しない内に、全ての主従が出揃うだろう。其処からざっと一ヶ月程度の時間を掛けて、舞台に上がる価値のない半端者達をふるい落とし、それが済めばいよいよ本戦だ。黄金の塔に至る権利を争奪する、大いなる戦いが幕を開ける」
正規の聖杯戦争では、最後に聖杯を手にする事の出来る主従は基本的に一組だ。
だが今回、混沌の月によって主催された聖杯戦争に於いては、少し事情が異なっている。
立ち塞ぐ敵を討ち倒し生き延びた栄誉への報酬。黄金の塔、その頂上に降臨する奇跡の杯。
それを手にする権利は、二組の主従に与えられる。最後の一組まで潰し合う必要は、ないのだ。
「――つまりだ、マスター。漸く全てが始まるのだよ。混迷の日は沈み、天頂の星が煌く万願成就の夜が来る」
その台詞には、少なくない感慨の色が混ざっていた。
生涯を懸けて何か尊く眩しいものを追い求め、とうとう悲願に手を伸ばす権利を得た求道者のような。
「月の命を遂行しよう、道理では成らぬ奇跡を求める者達の為に。偉大なる、報われるべき勝者の為に」
「……勘違いしないで。私は決して、貴方に同調している訳じゃない」
一緒にするなと、少女は言う。吐き捨てるようにだ。
聖杯戦争を恙なく進行する事には何の異存もないし、この主従関係を破壊する愚行を冒すつもりもない。
だが、この男と同一視される事だけは許せなかった。
あくまで戦争運営の為、仮初の主従関係。……然し少女には、彼でなければならない理由があった。
白の聖女を初めとした"聖杯戦争の運営"に適した裁定者達には任せられない、本来あるべきでない事情があった。
「浮かない顔だな」
――蒼の瞳に、笑みの形を象らせて。
――男は言う。裁定者たる男は、言う。
「焦りは禁物だぞ、マスター。何、そう未来を危ぶむ必要はない」
「……うるさい」
「我が名に懸けても、君の願いは必ず叶える。この話は前にもしたが、私自身、君が抱く鋼の決意には強い好感を抱いているのだよ。何しろ命を懸け、身命を賭しての贖罪だ。己を発端とした全てを収める為、禁忌に手を染める。……たとえその行く末に破滅と終焉があろうとも。君も知っての通り、私はこういう人間でな。故に尊重せずには――」
「――審判者」
ラダマンテュスと、少女は言った。その声にはこれまで放っていた敵意とは段違いの、冷たく鋭い殺意が籠もっていた。
それ以上知った口を叩けばおまえだろうと許さないと、限りなく金に近い橙の瞳が告げている。
優しい日々の中で引き起こした微かな奇跡。その残滓たる瞳が今、審判の裁定者を睥睨していた。
彼は口元に苦笑を湛えると、失言だったな、許してくれと簡素な謝罪を口にする。
これだから、少女はこのサーヴァントが嫌いだった。いっそ悪意に満ちた性根を持つ救いようのない外道畜生だったならどれほど良かったろうと思った事は一度や二度ではない。
「とはいえ、啀み合っても仕方がないだろう。今は共に楽しもうじゃないか、これより奏でられる英雄譚(サーガ)を」
男は、確信しているように見えた。
これより始まる聖杯戦争が、光と闇が絶えず交差する大激戦になる事を。
雄々しく、激しく、美しく、眩しく、毅く、素晴らしく――後に語り継がれるべき、至高の英雄譚となる事を。
「そして、無論」
だが、結末は決まっている。
いつ、如何なる事態が起きようとも。
それだけは決まっている、揺るぎなどしない。
「――"勝つ"のは私だ」
少女も、それを信じていた。何もかもが信用ならない彼だが、その炯眼に一切の失策は存在しない。
目を閉じれば、今でもありありと脳裏に浮かぶ景色がある。
崩壊した世界。終わった世界。どうしようもない行き止まりにぶち当たってしまった、自分の世界。
だからこれは、贖罪なのだ。全て、全て、あらゆるものを元通りに――正しい形に救済する為に。
少女は、勝たなければならなかった。
出来なければ、最早この命に意味はない。
◇ ◇
――わが愛は火、そはすべての狂える肉を焼き尽くし、香煙のごとくに消え失せしむ。
――わが愛はまた洪水なり。そが濁流のうちに、わが蒔きし悪しき芽生えを、すべて押し流す。
◇ ◇
ビチャビチャと、水っぽい音がする。水枕の中身をぶち撒けたような音には然し、それには不似合いな空気音が混ざっていた。液体に空気が吹き込まれ、泡立つ音も聞こえてくる。
右手に鳳仙花を思わせる鮮やかな赤の刻印を刻んだ、妙齢の女が息絶えている。
顔は白目を剥いて口からは濁流のように血を噴き、もう確実に事切れているにも関わらず身体がビクビク痙攣している。
その喉笛には、鋭い鎌の切っ先が突き立っていた。それを乱雑に動かし、傷を抉る度、気道に残った空気が裂け目を通じて外に漏れ出し、生々しい空気音を奏でているのだ。見れば女の両足は、太腿から下がない。殺す上で決して逃がさない為に、残忍な下手人の手で切り離されたのだった。
「いい加減にしなさい、ランサー」
一体どれほど恨み骨髄ならこれほど執拗な殺害が出来るのかと言うほどの有様を見兼ねて、艶やかな黒髪の少女が辟易したような声を漏らす。
その声に、鎌の娘……ランサーのサーヴァントである、フードを被った童女が血飛沫に染まった顔を彼女へ向ける。
無表情な貌に少なくない苛立ちの色が浮かんでいるのは、きっと気のせいではないだろう。
「……なんですか。後の脅威を排する為にサーヴァントを失ったマスターを殺害するのは、別段咎められるべき行為とは思いませんが」
「派手にやり過ぎだって言ってるのよ。後顧の憂いを断つのは結構だけど、それならさっさと殺せばそれでいい筈。確実に死んだ相手の喉を掻き回す必要なんて何処にもないでしょう」
「………」
渋々と言った様子で、ランサーは鎌を死体から抜き、付着した血糊を払い飛ばす。
それを見てマスターは、思わず深い溜め息を零した。事情は粗方把握しているが、それにしても憂さ晴らしの度が過ぎている。毎度毎度グチャグチャの惨殺死体を見せられるのは決して気分の良い物ではない。戦いの気配を感知した新手に襲われる危険もあるから止めろと毎度言っているのだが、なかなか聞き入れてくれないのが困り物だった。
「面倒であれば、わざわざ付き合って頂かなくとも結構です」
ランサーはフードを深く被り、その下から紫瞳の冷たい眼光を覗かせて、突き放すようにそう言った。
サーヴァントとしては余りにも身勝手な物言いに、普通のマスターであれば憤慨を隠すことなく露わにするだろう。
ランサーを従える黒髪のマスターは、聖杯戦争のマスターとしては然程抜きん出た存在ではない。
寧ろ、凡庸な方だ。魔術は仕えるが魔術師としての才能は乏しい、戦争序盤・良くても中盤で無念の内に脱落するのが関の山――その程度の人材。
されど、彼女の喚んだサーヴァントの方は普通ではなかった。彼女も召喚に成功して程なく、対話の中でそれを理解し、頭を抱える羽目になった。当たりだとか外れだとか、そもそもそういう次元に当て嵌める事からして間違っている。確かに言えるのは、このランサーは、大いなる聖杯戦争の中に紛れ込んだ"あるべきでない"砂粒だと言う事。
「私だってさっさと帰りたいわよ、こんなトコ。それが出来ないから苦労してるんじゃない」
望んで聖杯戦争の門扉を叩いた訳ではない少女に言わせれば、大迷惑も良い所だ。
互いに召喚した英霊を持ち寄って殺し合う、その時点で既にとんでもない面倒に巻き込まれたと騒ぎたい所であるにも関わらず、ランサーの"事情"を聞いていよいよ自分は人生に於ける運と言う物を一から十まで全部使い果たしてしまったのだと引き攣った笑みを浮かべるしかなくなった。
彼女としては、元居た世界に帰れさえすればそれでいい。後は、無責任なようだがどうなろうと構わない。
然し他のサーヴァントと再契約しようにも、聖杯戦争の性質上、素直に脱出の方向で合意してくれる手合いは稀だ。最悪戦争を降りたいと口にした時点で見限られ、サーヴァントによっては生きたまま魔力炉に変えられる等、死ぬよりも酷い目に遭わされる可能性すらある。
だから少女は、ランサーと言う厄ネタを切るに切れない。胃痛と隣合わせの主従関係を今に至るまで維持し続けている。
「……なら、邪魔だけはしないで下さい。貴女はただ、私のマスターとして生きていてくれればそれで結構ですから」
空虚、とすら形容出来るだろう人間味の欠如した台詞を最後に、ランサーのサーヴァントが霊体となって姿を消す。
彼女は紛れもなく槍兵のクラスとして召喚されたサーヴァントであるが、今、その内面は絶対零度の復讐心で満たされていた。
マスターの少女、
黒桐鮮花にもその事はしっかりと伝わっている。ランサーはとある存在を激しく憎悪し、それ故に聖杯戦争そのものに苛烈なる敵意を抱いている。
いっそ理性なきバーサーカーでも召喚していた方が心境的にはまだマシだったのではないかと思ってしまうほど、彼女の手綱を引くのは至難の業であった。
……だが何より厄介なのは、心の何処かで彼女に共感している自分が居る事だろう。
同情とは少し違うが、もしも自分が彼女の立場だったなら――きっと同じ事をしていただろうなと、鮮花はそう思う。ランサーは凄絶な過去を持っていた。聖杯戦争を憎悪し、憤怒に任せた破壊に打って出るのも頷けてしまう程、彼女がされた仕打ちは壮絶に尽きる物だった。
「はあ」
今後待ち受けているだろう艱難辛苦の数々を思えば、このくらいのストレスは屁でもない。
そう分かっていても、やはり込み上げてくる溜息を堪えるのは難しかった。
このくらいで愚痴を吐くようでは後で困ると、そんな社会の奴隷めいた思考回路で居る事は、鮮花には出来なかった。
“――許さない。おまえだけは。おまえだけは、絶対に”
そんなマスターを視界の端に留めて、ランサーのサーヴァントは呪詛を吐く。
宝石のような紫瞳に爛々と殺意の光を煌めかせ、怒りに顎を軋らせる。
嘗て共に過ごした幸福の記憶は今、胸を掻き毟りたくなるような無限の憎悪に塗り潰された。
愛した過去の神核は今、誰かの夢見るデウス・エクス・マキナを駆動させる為の歯車にまで落ちぶれた。
だから想う。絢爛たる輝きなど、一切穢れてしまえばいいと。
死に絶え、死に絶え、全て残らず塵と化せばいいのだと。
“微笑も視線も無明へ墜ちた。――どうか。どうか、安らかに眠って下さい。後は、全て私が遂げますから”
光ある陰には闇がある。
光なくして闇は成り立たず、闇なくして光は光たり得ない。
混沌の月海においても、その道理は何も変わっていなかった。
全てが狂った舞台は、狂っているが故に精微に進行する。
だからこそ、殺してやりたいとランサーは思うのだ。
本来召喚される筈のないサーヴァント。
数多の命を奪い去る魔の萠芽を備えた、未来、怪物として討伐される宿命を帯びた女神。
――聖杯戦争、滅ぶべし。それが、墜ちた女神の決定だった。
◇ ◇
――創世神話(マイソロジー)は、其処にある
◇ ◇
最終更新:2017年03月10日 21:36