赤司征十郎は、穂群原学園バスケ部の帝王である。
その圧倒的な実力により1年生にして主将に指名され、先輩たちもそれについて一切文句を言わなかった。
だが本人にとって、現在の状況は何ら価値を見いだせないものであった。
赤司は、早々に違和感を覚えていた。
なぜ自分が、こんな弱小校のバスケ部に籍を置いているのか。
あえて劣悪な環境に身を置くことで、おのれを奮い立たせる人種もいるだろう。
だが赤司は、そういうタイプの人間ではない。
迷うことなく、強豪校を選ぶ人間だ。
つまり今の状況は、自分自身で選択した結果ではない。
その考えに至ったとき、彼は記憶を取り戻した。
◇ ◇ ◇
時刻は夕刻。赤司は高級マンションの一室で、紅茶を飲みつつリラックスしていた。
このマンションに一人暮らしをしているというのが、赤司のロールである。
赤司の態度に、生死をかけた戦いに放り込まれたという恐怖や絶望はまったく見られない。
なぜなら、彼にとって勝利は呼吸と同じくらい当然のことだからだ。
たとえ不本意に参加させられた戦いであっても、それは変わらない。
自分が聖杯戦争を勝ち残り、元の世界に帰る。それは赤司にとって、確定した未来である。
そのためには何人もの人間を犠牲にすることになるだろうが、それは仕方の無いことだ。
悪いのは、自分と争うことになってしまった彼らの運である。
(さて、いつも通りならそろそろアサシンが戻ってくる頃だが……)
赤司は時計に視線をやり、そんなことを考える。
するとそれにタイミングを合わせたかのように、一人の青年が部屋の中に姿を現した。
彼のサーヴァント・アサシンである。
「ただいま、マスター」
「どうだった、今日の結果は」
「いやあ、さすがに毎日毎日上手くはいかないね。今日は収穫ゼロだったよ」
人なつっこい笑顔でそう報告するアサシンは、一見人畜無害な好青年である。
だが、人は見かけによらぬもの。
彼の正体はある世界で最強最悪の盗賊団として恐れられた、「幻影旅団」の一員である。
とはいえその中で飛び抜けた実力者というわけではなかったらしく、本人に言わせれば
「旅団のネームバリューのおかげで、ギリギリ英霊の枠に引っかかった」
というところらしい。
実際、彼のサーヴァントとしてのステータスはさほど高くない。
だがそれでも、赤司は彼のことを高く評価していた。
一つは「念能力」という、ステータスに反映されない能力を持つこと。
もう一つは、賢いこと。
おそらくは年下であろう自分を仮初めの主とすることをすぐに受け入れ、命令に忠実に動いてくれる。
一方で彼に判断を任せても、的確な行動を取ってくれる。
実に優秀な手駒である。
実際、今日は空振りだったとはいえ、アサシンはすでに複数の参加者を仕留めることに成功している。
「そうか。残念だが、そういう日もあるだろう。
ご苦労だったね。今日はもう休んでくれ。
また明日頼むよ」
「了解」
赤司の言葉に短く返答すると、アサシンは霊体化して姿を消した。
残された赤司は、何事もなかったかのようにまたくつろぎ始める。
赤司は、聖杯に興味は無い。
彼が望むのは元の世界に一刻も早く帰り、かつての仲間たちと戦うことだけだ。
ゆえに彼は、万能の願望機をかけた命がけの戦いを淡々と進めていく。
ただ、息をするように。
【クラス】アサシン
【真名】シャルナーク
【出典】HUNTER×HUNTER
【性別】男
【属性】混沌・悪
【パラメーター】筋力:C 耐久:C 敏捷:C 魔力:B 幸運:C 宝具:C
【クラススキル】
気配遮断:B+
自身の気配を消すスキル。隠密行動に適している。
完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。
【保有スキル】
念能力:B
人間の体内で作られるオーラを、自在にコントロールする技術。
オーラを増幅すれば身体能力が向上し、遮断すれば気配を断てる。
鍛練を積めば、独自の能力を生み出すことが可能。
彼の宝具である「携帯する他人の運命」も、念能力の一種である。
情報抹消:D
対戦が終了した瞬間に目撃者と対戦相手の記憶から、能力、真名、外見特徴などの情報が消失する。
例え戦闘が白昼堂々でも効果は変わらない。
これに対抗するには、現場に残った証拠から論理と分析により正体を導きださねばならない。
彼が無法地帯で生まれ育った、戸籍上存在しない人間であることに由来するスキル。
【宝具】
『携帯する他人の運命(ブラックボイス)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:― 最大捕捉:2人
操作系の念能力。
他者にアンテナを突き立てることにより、携帯電話をリモコンとして相手を操ることができる。
アンテナが破壊されると、効果は解除される。
また自分にアンテナを刺すことで、「自動操作モード」の発動が可能。
この状態では戦闘力が大きく上昇するが、自我が消失し機械的に戦う戦闘マシーンと化す。
使用中の記憶が失われることと肉体への負担が大きいことから、シャルナークはこの技をあまり使いたがらない。
『蜘蛛の足は一本にあらず(ヘッドレス・スパイダー)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:― 最大捕捉:―
幻影旅団の団員を召喚する宝具。
しかしシャルナークは旅団のリーダーではないため、召喚できるのは一人だけ。
一度使用すると、他の団員を召喚することはできなくなる。
また、団長であるクロロは召喚不可。
召喚の対象となるのはノブナガ、カルト、シズク、マチ、フィンクス、フェイタン、
フランクリン、コルトピ、ボノレノフ、ウボォーギン、パクノダの11名。
【weapon】
「携帯電話」
宝具の媒介として使用するアイテム。
彼自身によってカスタマイズされている。
【人物背景】
世界中で恐れられる盗賊集団「幻影旅団」の創設メンバー。団員ナンバーは6番。
優れた頭脳と豊富な知識を持ち、団長不在時には団員たちに指示を出すこともある参謀的存在。
しかし頭脳労働専門というわけではなく、戦いになれば他の団員に劣らぬ戦闘力を発揮する。
【サーヴァントとしての願い】
盗賊はただ奪うのみ。ゆえに、聖杯を奪う。
【マスター】赤司征十郎
【出典】黒子のバスケ
【性別】男
【マスターとしての願い】
聖杯に興味は無いが、自分が勝つのは当然のこと。ゆえに、勝つ。
【weapon】
特になし
【能力・技能】
「天帝の目(エンペラーアイ)」
「未来を見通す」と言われる眼力。
その正体は他者のわずかな筋肉の動きや呼吸から、次の動きを完璧に予測する人間離れした洞察力。
「カリスマ」
1年生から主将を務め、先輩を格下として扱ってもまったく不満の声が出ないほどのカリスマ性を持つ。
【ロール】
穂群原学園の1年生
【人物背景】
かつて帝光中学バスケ部にて、「キセキの世代」と呼ばれる天才たちを率いた司令塔。
良家の跡継ぎとして厳しい教育を受けており、亡き母から教わったバスケを唯一の心の安らぎとしていた。
しかし爆発的な成長を見せるチームメイトたちを前にして、「いつかついていけなくなるのでは」という焦りと恐怖に支配されていく。
やがて紫原との1on1で追い詰められたことがとどめとなり、二重人格者に。
以降は新たに生まれた人格が、常に表に出た状態となる。
卒業後は京都の洛山高校に進学し、1年生でありながら主将となりインターハイを制覇する。
今回はウィンターカップ開始直前からの参戦。
【方針】
優勝狙い
最終更新:2017年03月19日 23:57