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韓国学の学び方


韓国学とは朝鮮半島のことについて過去から現在を扱う歴史学、言語を扱う韓国語(朝鮮語)学、思想・哲学を扱う朝鮮文学、民族の風習・伝統を扱う民俗学、さらには政治、経済、法律、国際関係等、韓国を総体的に知る学問のことです。地域研究の一分野として位置づけられていますが、「私の専門は韓国学です」と銘打っている人はあまりおらず、普通は各分野に細分化されています。よって韓国学を学ぶといっても何らかの分野に分かれて勉強することになります。

学べる場所

あなたが高校生でこれから大学で韓国学を学びたいと思うのであれば、おそらく第一に思い浮かぶのは「韓国語」を学べる所でしょう。東京外国語大学の朝鮮語専攻、神田外語大学の韓国語学科、富山大学の朝鮮言語文化コースなどが知られています。それ以外にも大小の外国語学部(学科)で韓国語が学べるようになっていますので、韓国語専攻はそれほど難しくないはずです。ただ、「韓国語」を専攻とする場合、英語が当然できて第二言語として学ぶことを前提とするべきです。「英語ができないから韓国語を…」という人は就職活動のときにとても辛い思いをするでしょう。
韓国学は「韓国語」を勉強することだけではありません。もし専門としたい分野があれば、外国語学部(学科)よりも専門分野を専攻することを勧めます。たとえば韓国経済を学びたいのであれば、韓国語学部(学科)ではなく経済学部に所属するべきです。各大学のHPで韓国関連の研究をしている研究者がいるかどうかを確認すれば意外と多くの所で韓国学研究をしていることが分かります。この場合、講義は韓国と関係のないものを多く履修しなければならない点で不満になるかも知れませんが、学部生の場合は英語と幅広い知識を第一に勉強するべきで、韓国にこだわっていると就職活動で泣きます。

留学

韓国学を学ぶ最も手っ取り早い方法は直接韓国に留学してその社会を経験することでしょう。留学の仕方については色々な情報がすでに溢れていますで、ここでは注意点のみ紹介します。

語学堂

まず、自費で韓国に直接留学する方法。大抵は大学に付属している語学堂(語学院)に留学することを指します。短いのは夏休みの2週間コースから1セメスターずつ正規で入学することもできます。敷居が低いので若者だけでなくおばちゃん達までも語学堂に籍を置いて韓国滞在を楽しんでいます。語学堂で注意することは、第一に、語学堂はただの語学学校で韓国学を学ぶところではないということです。とある人に語学堂を留学として履歴に紹介したりもしていますが、とても可笑しなことです。AEONやNOVAに通ったことを履歴書に書く人はいないでしょう。俗に「留学」とは呼びますが、語学堂はあくまで「滞在」です。第二に、韓国語を全く知らないで語学堂に行くのはお金の無駄です。少なくてもハングル検定4級に合格する程度でないと、効果がないです。韓国で「カナダラ」や「ハナ、トゥル、セッ」を勉強する意味などないでしょう。さすがにこういう日本人は殆どおらず、初級班は中国人と結婚移民者が多いです。第三に、地方大学の語学堂は絶対に避けるべきです。「日本人のいない環境で~」などという広告に釣られて怪しい大学の語学堂に入ると回りは全員中国人の中でぼっちにされます。またこういう地方大学は拝金主義且つ教育意欲が低いのでまともな授業を受けられず、韓国に対するマイナスイメージだけを持って帰ることになります。お金さえ払えば拒否られることはないので、ソウルの有名大学の語学堂に入ることをオススメします。

交換留学

私が勧めるのは交換留学です。お金はかかりませんし、学校がきちんと手配してくれますので安心です。自費で語学堂に通う人と違うのは「交換留学」という手続きを踏んでいることで学部の授業を正規に履修できることにあります。交換留学の場合も最初は語学堂に入ることになるので、地方大学の場合は先輩などの情報に注意する必要があります。ハングル検定4級くらいで留学し普通に勉強すれば、半年で韓国語能力試験6級が取れます。韓国学を勉強するためには次の半年で学部の授業を履修する1年コースの留学が必要でしょう。卒業が遅れるかも知れませんが、きちんと勉強すればけっして後悔はありません。

入学

学部に最初から、または3年次に編入学する人がたまにいます。どういう事情なのかは分かりませんが、私はお勧めできません。韓国の学部に入学するメリットがないからです。あなたが日本人で日本で就職するつもりならば、日本の大学で日本の教養を身につけるべきであり、韓国人と同じ価値観に染まる必要はありません。更に韓国でしか学べないものが特にないからです。強いて言えば韓国語が上手になる事くらいでしょうか。しかし、韓国語が上手であることは就職には関係がありません。あくまで韓国語は英語の次の第二言語です。「韓国の文学部を出ました」となれば、日本で就職先はありませんし、韓国で外国人を雇う企業があるでしょうか? 恐ろしい冒険をしたくなければ、日本の大学を出るべきでしょう。もし韓国が好きで長期滞在したいのであれば、自費で語学堂に籍を置けばいいのです。

大学院

ただし、大学院の場合は高度な専門性を学ぶため正規入学をすることも可能でしょう。この場合は韓国学研究者志望であることが第一条件です。モラトリアムで遊びに大学院にいる(中年の)人も見かけますが、日本人の質が落ちるので正直迷惑です。さて、韓国で高度な専門性を学ぶ価値のある学問は限られているわけで、韓国語学、韓国文学、韓国史学くらいでしょう。この分野は日本で学ぶよりも韓国で学ぶ方が良い場合もあります(そうでないかも知れません)。私の主観では経済学や政治学は結局アメリカからの受け売りであり韓国の大学院で学位を取る必要はないように思えます。なにせその教授陣が皆アメリカで学位を取っているのですから。理工系は私の専門外で全く分かりませんが、アジア系留学生は多いです。しかし日本人がわざわざ韓国で学ぶならいっそアメリカに行くべきだと思います(主観ですが)。よって人文学の中の韓国学のみ韓国で学ぶ価値があると言えるでしょう。
大学院自体は入学が容易で、書類審査のみ、または簡単な面接です。推測するに大学の評価に外国人占有率があるからではないかと思われますが、中国人、日本人よりも英語圏の学生の方が喜ばれるのが実状です。入るのはそれほど難しくありませんが、韓国の場合、修士卒業は普通3年以上かかります。えっ?と思われるかもしれませんが、3年で卒業できるとよくできる方です。4~5年かかって卒業する場合も珍しくありません。言語学や言語教育学は語学教師養成の意味合いもあって論文らしい論文をかかずとも2年で卒業できるそうですが、歴史学に入ると2年で卒業は不可能でしょう。また、授業はとても厳しく、きっちりとレポートを提出しなければなりません。学期中はほかの事をすることはできず、ましてやアルバイトなどする暇はありません。そして何よりきついのが卒業条件に総合試験という専門の試験と語学試験を受けなければならないことです。語学試験は外国人の場合大抵韓国語ですので特に問題はありませんが、専門試験は大学によっては相当難しいです。これらも加わると大学院のハードルはとても高いことが分かります。大学院に入学する前に綿密な研究計画と事前に大量の読書が必要です。

奨学金など

各大学院では優秀な外国人学生を誘致するため外国人に対する奨学金を豊富に提供しています。ただし、優秀な外国人学生とは暗々裏に英語圏の学生を指すもので、大きく期待するべきではありません。さらに昨今韓国人学生達が学費引き下げのデモを繰り広げた余波で外国人学生に対する奨学金が削られる事態になっています。でも貰えるだけ文句が言えないのが辛いところです。
大韓民国政府招請奨学金なるものは学費と生活費(90万ウォン+韓国語優秀者は10万ウォン)が支給されるありがたい奨学金です。昔は韓国に行きたがる人も稀だったので申請さえすれば頂戴することができたらしいのですが、年々採用が厳しくなっています。この奨学金の注意点は、韓国に正規留学をしたことのない人が対象ということです。修士を自費で留学卒業した場合、博士はこの奨学金を使うことができません。また、応募者に対して採用が少なくなったので韓国語ペラペラでないと合格しないのではと思います。
ほかには日本政府が主管する「留学生交流支援制度(長期派遣)」があります。こちらは比較的取りやすいとの情報がありますが、準備にとても時間がかかりややこしいので、よく注意して情報を集める必要があります。また在日韓国人の場合は大小の支援団体がありますので日本人よりも奨学金が得やすいでしょう。
個人的な意見としては日本人は日本の大学に籍をおいて、大学を通じて留学する方がメリットが多く感じます。1年~2年の留学を支援する各種奨学金制度は日本の大学に籍を置いていることを条件にしていることが多いからです。また韓国で学位を取る必要性を十分に考えるべきでしょう。

最終更新:2014年10月20日 18:50