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149 :ほんわか名無しさん :2007/02/02(金) 01:41:33 0 私には好きな人がいる。 そして、私が好きな人にも好きな人がいる。 ・・・だから、私は彼を遠くから眺めるだけ。 普段の私からは考えられない行動だ。 いつも通りに行動するなら、私は既に彼のところへ行き自分の思いを打ち明けているだろう。 けれど、それはできない。 それは、私が好きな彼にとって迷惑な行為だから。 そんなことをすれば、きっと彼のことだ。 私を傷つけないためにどうすればいいか悩むだろう。 もしかしたら、自分の思いを殺して私の思いに応えてしまうかもしれない。 ・・・だから、私は彼を遠くから眺めるだけ。 ・・・・・・これが彼のためだと、言い聞かせて。 151 :ほんわか名無しさん :2007/02/02(金) 02:13:27 0 クー「・・・。」 男「・・・クー・・・・・・大丈夫・・・?」 クー「・・・男、これは何の冗談だ?」 男「・・・あはは・・・・・・もっと、うまく助けるつもりだったんだけど・・・。」 クー「・・・冗談、だろう? これは・・・。」 男「・・・ごめん、ね・・・・・・。」 クー「なんで・・・どうしてなんだ? どうして私を庇ったんだ、男っ!」 男「・・・。」 クー「聞いているのかっ! どうして私なぞを庇った!」 男「クー・・・。」 クー「君に・・・君にひどいことをしたのは私だ・・・。そして、怒りに身を任せ 君の家を飛び出したのも私だ。」 男「クー、それは・・・・・・」 クー「頭の中では君が悪いことなど何もしていないのは分かっていた。けれど、 それでも私は君に謝ろうと家に戻らなかった。 そして・・・そして、道路に飛び出したのも私だ。」 男「・・・。」 クー「どうして・・・どうしてなんだ、男・・・。 君は・・・どうしてそこまで、優しいんだ・・・!」 男「・・・クー。」 クー「・・・なんで・・・私なんかを庇って、君がこんな事に・・・・・・。」 男「・・・・クー、僕は・・・君が好きだから。」 クー「・・・・・・。」 男「・・・月並み、だよね・・・・・・。陳腐だよ、ね・・・。でも、それでも・・・僕は君が、好きだから。」 クー「・・・・・・。」 男「だから・・・これで、いいんだよ。 僕は、大好きなクーが護れて・・・・」 幸せだよ、と。 彼はそう言い残して、天国へと旅立っていった。 私は今でも、彼の事が好きだ。 彼を失ってから早5年。 一時たりとも彼のことを忘れたことはない。 彼との思い出は増えない。 彼との事は全てが過去となり、未来も、現在もなくなった。 けれど・・・・・・。 それでも私は、彼の事が好きだ。 周りの友人達や母親からは間違っていると非難される。 「天国にいる彼はそんなことを望んでいないよ」と。 それはそうだろう。 彼が・・・私の事を心から思ってくれていた彼が、そんな事を望むはずはない。 これは、私の、彼に対する精一杯の反抗。 ・・・私は、彼を許さない。  私なんかの為に命を捨てた彼を、決して許さない。 だから――   ――――――私はずっと、君を好きでいてもいいだろう? 男。 ---- 159 :ほんわか名無しさん :2007/02/03(土) 01:37:04 0 ク「私の愛する男よ。君のことを考えない時はなかったよ。今日も一緒にごはんを食べよう」 男「///…。クー、そんなに大声で恥ずかしいこと言わないでよ。僕の友達が見ているよ…」 友人A「おい、冬だってのにこの部屋熱いな」 友人B「地球温暖化だというが、この部屋の温暖化レベルはすごく高いな。地球の危機だぜ」 男「ほら、あんなこと言われているよ。恥ずかしいな…」 ク「私が君のことを愛していることを君に伝えるのはいけないことなのかね」 男「いや、そうじゃないんだ。むしろとても嬉しいんだけど…ただ、声の大きさとか、言葉とか…」 ク「ふむ。君がそういうのなら検討してみよう」 ――― ク「私の愛情表現を彼は受け取っているはずだ。現に男と2人きりの時は恥ずかしがりながら、 すごく嬉しそうな顔をしてくれるからな。しかし、男が少し言葉とか言っていたな。彼が恥ずか しがらず、かつ愛情を伝えられる表現を考える必要があるかもしれないな」 ――― ク「おーい。男よ。今すぐ君とキスをしたいくらい愛しているよ」 男「クー…///」 友人A「いつからここは南半球になったんだ」 友人B「まったくだ。冬だってのに夏の気候のようだな」 ク「ふむ。男が恥ずかしがっているな…この表現はだめか…。では、男よ、私を抱いてくれ」 男「///…クー。愛してくれるのは嬉しいんだけど、昨日の事覚えてないのかな…」 ク「いや、覚えているぞ。だから、今このようにして、どの表現方法なら恥ずかしがらないかを実 験しているのだ。とりあえず3000種程度ピックアップしたのだが、これもだめか…。では、次だ。 男よ、今夜は君のベッドで共にすごしたいのだが」 ---- 160 :ほんわか名無しさん :2007/02/03(土) 02:32:13 0 男「……でさ、今度の日曜のことだけど」 彼女「あ、うーん…ごめんね。ちょっとレポート入っちゃってて」 男「なんだ、そっか。映画のタダ券もらったからさ、一緒に行こうと思ったんだけど」 彼女「ほんと、ごめんね。月曜までに仕上げなきゃいけないレポなんよ。あのセンセー、うるさいから」 男「やれやれ、それじゃ俺も手伝うよ。何か出来ることあるだろ」 彼女「わぁ、ほんと?ありがとー!大好き!」 男「ゲンキンだよなぁ…」 彼女「えへへ、そんなことないよ~♪……あ、クーちゃん!」 クー「ん?…ああ、君か。こんにちは」 男「よぉ、何してるんだ?」 クー「………別に」 男「(なぁ、俺って嫌われてないか?)」 彼女「(えー?そうかなぁ…人見知りしてるだけじゃない?)ね、クーちゃん。あのね、レポートの手伝いだけど…やっぱりいいや」 クー「ほう。目処が立ったのか?」 彼女「あはは、それはぜーんぜん。でも男くんが手伝ってくれるみたいだから」 クー「……なんだと?」 男「(うっ、ものすごい目で睨まれた…)あ、あー…えっと。クー、お前が手伝うならそっちのほうがいい。お前のが頭いいしな」 クー「…いや。彼女は君に頼った。ならば君は、その信頼に応える義務がある」 男「そりゃそうかもしれないが…でも」 彼女「じゃあじゃあ、二人とも手伝ってくれればいいよー!」 クー「な…!?」 男「お、そりゃあいい。三人でやろうぜ?」 彼女「きっまり~♪それじゃ日曜に私の家にお願いね。あっ、次の講義始まっちゃう!またね~♪」 男「おう、終わったら電話しろよ~」 クー「……まったく、彼女はいつも強引だな」 そして日曜。約束の時間までまだあるというのに、俺とクーは駅でばったり出会ってしまった。 電話したがまだ彼女は寝ているそうなので、近くの公園のベンチで時間を潰すことにしたんだが… 男「………」 クー「………」 男「……えーっと。何聞いているんだ?」 クー「パッヘルベルのカノンだ。君も聞いてみるか?」 男「パッへル…何?」 クー「クラシックだが…その顔だと興味はなさそうだな」 男「あー、えっと。ごめん」 クー「……そうか」 男「………」 クー「………」 男「(……か、会話が続かねー!いや、これは仲良くなるチャンスだ。それはムリにしても、せめて嫌われてる理由を聞きださないと…)」 男「あの、さ。突然こんな事聞くと気分悪くするかもしれないけど…どうして俺のこと嫌ってるんだ?」 クー「……何?何と言った?」 男「(うげ、また睨まれた…)いや、クーは俺のこと嫌ってるんじゃないか、って…」 クー「そうか。だがそれは君の誤解だ。私は君を嫌ってなどいない」 男「でも時々睨んでくるし」 クー「睨んでなどいない」 男「俺が顔を見せると急に黙り込むし」 クー「黙ってなど…いない」 男「あんまり俺と関わりたがらないし」 クー「そんなことは……ない」 男「いや、あのさ。気使ってウソとかつかなくていいからな?」 クー「ウソなんかついていない。別に君の事は嫌いじゃない」 男「はっきり言ってくれれば俺だってなんとかするからさ」 クー「だから…別に嫌いではないと……」 男「悪いところ、言ってくれないか?気分が悪くなるかもしれないけどよ、彼女の友達と仲悪いままっていうのは落ち着かないからさ」 クー「だから、嫌いではないと言っているだろう!」 男「じゃあなんだよ、いつもの態度は!」 クー「それは私が男の事を好きだからだ!君の前に出ると言葉が出なくなってしまうんだ!君の目を見れなくなってしまうんだ!」 男「……え?」 クー「あ……」 男「………」 クー「………」 男「あの、さ」 クー「………には」 男「…?」 クー「…彼女には言うな。わかってる、叶わない恋だと言うことくらいは。勝手な言い分だが、君も今日のことは忘れてくれ」 男「……」 クー「…帰る。彼女には連絡を入れておくから……」 無表情のまま涙を拭った彼女の表情が、今でも心にしこりとなって残っている。 あれから三年。俺も社会人になった。彼女とは自然消滅の形で別れ、今は仕事が恋人だ。 冬、疲れた体でベンチに座るといつもクーを思い出す。ガキの俺にはどうしようも出来なかったあの涙を。 男「……もう一度、クーに」 今ならどうにかできると思っているのか。俺のくだらない願いは星空に消えていく。 目を閉じたままついたため息は、例外なく白く凍って――― ?「こんばんは。久しぶり…いや、ただいまかな」 目を見開く。聞こえてきた声は、間違いない。あいつのものだ。 会ったら、まず最初に何を言ってやろう。色々考えていたはずなのに、それはため息と一緒に消えてしまった。 だからせめて。俺は言ってやろうと思う。笑顔で、あいつに。 「ああ…おかえり、■■■」 fin. ---- 167 :ほんわか名無しさん :2007/02/03(土) 18:23:49 0 1/3 男「ふぅ。今日も平凡な一日だったな」 (ピンポーン) 男「ん、誰だろう。こんな時間に」 (ガチャ) 男「ええと…。どちら様ですか?」 ク「うむ。ここなら大丈夫だな。すまないが、少しかくまってもらえないだろうか」 男「はい?」 ク「ちょっとしたことがあってな。今晩だけでいいから、ここにいさせてもらえないだろうか」 男「(何だろう?この女の子。だけど困っているようだし)いいですよ。どうぞ」 ク「すまない。お礼はする」 男「汚い部屋だけど、こんな所でいいのなら」 ク「ありがとう。所で、食事は摂ったかね」 男「いえ。まだだけど。おなかが空いているの?」 ク「そうじゃないんだ。君のおなかが空いているかと聞いているんだ」 男「まだご飯を食べてはいないんで、おなかは空いてるけど…」 ク「じゃあ、台所と冷蔵庫の中を少し借りるがいいかね?たいした物はできないが…」 男「えっ!そんなことしなくていいのだけど…」 ク「いや。これくらいのお礼はさせてくれないか」 ――― 男「すごくおいしい。こんなおいしい料理を食べたのは久しぶりだよ」 ク「そんなに喜んでもらえると嬉しいな」 男「ふぅ。ごちそうさま。すごくおいしかったよ。所で、まだ名前を聞いてなかったけど…」 ク「クーだ」 男「クーさんか。いい名前だね」 ク「そうかね。しかし、君は見ず知らずの私をかくまってくれたんだ。本当に優しいな」 男「最初、顔を見た時、とても困っているように見えたんでね」 ク「本当に君は優しいな。所で、いまさらながら、私がここにいて大丈夫かね?君の彼女とかにあ らぬ誤解を受けるかもしれんぞ」 男「彼女なんていないから大丈夫。クーさん」 ク「すまない。君ほど優しい人間なら彼女の1人位は普通にいると思ったのだが…。本当にすまない」 男「気にしてないから、顔を上げてよ。クーさん。ケーキがあるんだ。一緒に食べようよ」 2/3 (ピンポーン) 男「ん…。今度は誰だろう?」 (ガチャ) 友人「おーい。一緒に飲まないか?」 男「うわっ。酒臭いな」 友人「今、節分パーティをやっているんだ。お前も来いよ」 男「僕はそんなににぎやかなの得意じゃないし…」 友人「ん…。お前いつ彼女ができたんだよ。そんな奴には豆をぶつけてやる」 ク「!」 男「やめてよ。痛いじゃないか。かなり酔っているんじゃないのかい」 友人「付き合いの悪い上に勝手に彼女を作ったお前と彼女に豆をぶつけてやる」 男「痛いな。…大丈夫?クーさん」 ク「…もう…いやだ…やめて…くれ…」 男「…おい!いくら僕でも怒るよ。豆をぶつけるなら僕だけにしてくれ!それにこれ以上ふざける なら僕の家から出て行ってくれ!」 友人「怒るなよ。悪かったな。でも、パーティはまだやっているから気が向いたら来いよ」 男「クーさん、大丈夫?あいつ悪い奴じゃないんだけど…酒を飲むとね…」 ク「…すま…ない。かばって…くれるなんて…君は本当に…優しいな」 男「今、落ち着くためのお茶を持ってくるから、そこで待っていてね。クーさん」 ――― 男「落ち着いた?クーさん」 ク「…段々落ち着いてきた。君には本当にすまないことをした」 男「もしかしたら、聞いていいのか分からないんだけど…。クーさんはどうしてうちに来たの?」 ク「やはり、言わねばならんか…」 男「いや。クーさんが言いたくなければいいよ」 ク「君は信頼できる男だ。よし話そう」 3/3 ク「驚かないで聞いて欲しい。私は鬼の血がわずかだが入っている女なんだ」 男「えっ!クーさん、冗談はやめてよ」 ク「本当だ。ただ、人間のほうが強いから日常生活を送るのは特に支障が無いんだが、毎年この時期 になると、そのわずかな鬼の血がうずいてしまってな…」 男「この時期というと…。そうか、節分か!」 ク「うむ。そうだ。このわずかな鬼の血が反応するんだ。もしかしたら、遺伝子レベルで恐怖の感情が   呼び覚まされているのかもしれん。こういったことは往々にして生存に関わるからな」 男「だけど、クーさんは何で僕の家を選んだの?」 ク「うむ。それは単純なことだ。まず第一に君の家の前には豆をまいた形跡が無かった。それに第二 に君の玄関にはひいらぎといわしの頭が無かった」 男「節分なんてイベント自体を忘れてたからね」 ク「家にいても、自分一人だけで、よその家から聞こえる鬼は外の声がとても怖かったんだ。しかし、 今日は優しい君に出会えてよかったよ。久しぶりにこの日を安らかに暮らせそうだ…」 男「クーさんがこんな汚れた部屋でこんな僕ごときで落ち着くなら、それでいいけど…」 ク「自分を卑下してはいけないな。君は本当に素晴らしい男だ」 男「そういわれると照れちゃうな…///。そうだ、お菓子があるよ。一緒に食べようよ」 ――― 男「…。もう朝か…。あのままコタツで寝ちゃったんだ…」 ク「おはよう。男よ。朝食ができているぞ」 男「そんな事しなくても良かったのに…。でも、おいしい食事がまた食べられるから嬉しいな」 ク「そうだ。お礼の件なんだが…」 男「いいよ。おいしいご飯が食べられたことと、彼女ができたみたいで嬉しかったから…」 ク「そうか…。…所で、男よ。昨晩聞いたが、君は彼女がいないな?」 男「生まれてこのかた彼女はいないし、欲しいとは思うけど…」 ク「よし!お礼は決まった。私が君の彼女になってやろう。いや、なって欲しい。私は昨晩の君の優 しさにやられてしまったんだ。迷惑はかけないから、一緒になって欲しい。私の愛する男よ」 ---- 176 : ◆098PR7A.iI :2007/02/03(土) 22:24:22 O ある日、少年は夢を見た。 それは目覚めの直前だったからか、深い眠りの最中だったからか それはもはや夢とも呼べない、水面へと浮かび上がる間に消えゆく泡のような、淡く儚い幻想のようなものではあったが、 少年は夢を見た。目覚めて目蓋を開けた時の眩しい朝日、それに目を細めた瞬間に、危うく忘却に置き去りにしてしまいそうな夢を。 朝日が放つまばゆい光と、家の前の通学路を走りゆく小学生達の弾むような笑い声に、まだ重い目蓋を手の甲で擦りながらこじ開ける。 首に感じる鈍い痛みと、傍らに無造作に転がる天文学の雑誌を見て、またやってしまったのかと少年は苦笑した。 その苦笑も机上に置かれた時計を見て焦りの表情へと変わるが、少年はまるでこの事態に慣れたかのように再びフローリングの床へと身を横たわらせる。 「…あーあ、二日連続の寝坊か…もう良いや、今日も休んじゃえ」 …どうせ、父さんも寝坊したんだ…親子揃って低血圧、朝は弱いもんなぁ… 言い訳にもならないことを考えているうちに、目蓋はまた重くなってくる。そうして完全に目を閉じそうになったとき、部屋のドアが勢いよく開けられた。 「…朝だ!」 「…そんなの知ってるよ、父さん」 「…なんで起こしてくれなかった!?」 「…いい加減に目覚ましで起きてよ…まあ、僕が言える立場じゃないけどさ。…じゃ、僕、寝るから…」 そして僕は再び眠りにつこうと、机の横に投げっぱなしになっていたタオルケットを手繰り寄せた。 「何言ってんだ、今日は平日だろ!学校だろ!それをこんな時間になって…」 「それは父さんも同じですー。今から準備したって遅刻するし、だったらもう一眠り…」 「それを言うなら俺も同じ!同じように寝坊したのに、俺だけ遅刻で怒られるのは納得できん!」 …なんか、親として怒るべき部分がずれてる気がする。でも僕は気にせず、籠城を決め込むようにタオルケットに包まった。 「ふふ…晴樹、お前だけのうのうと休めるとは思うなよ…」 「うー…なんだよ父さん、気持ち悪いなぁ…良いから、早く仕事に行きn」 「既にまひる君を呼んだ。彼女なら引き摺ってでも、お前を学校へ連れて行ってくれるだろうからな」 「…マジカナ?」 「マジダヨ♪」 「邪魔するぞ、晴樹。ああ、お父様もこちらにいらっしゃいましたか。おはようございます」 「おはようまひる君、ではこいつをよろしく頼んだよ。俺は仕事に行かねばならないからね」 「了解しました、お父様。…なんだ晴樹、まだ着替えてもいないじゃないか。」 さっきまでの邪悪な笑いは何処へやら、爽やかな笑みを浮かべて父さんは部屋を出て行った。 「…ごめんねまひる、すぐに準備するから玄関で…って、なんで手をわきわきさせてんの」 「深いことはハァハァ気にするな、それよりハァハァ急ごうじゃないかハァハァ」 「気にするなって…ちょ、なんで息まで荒いの」 まひるが、両手をわきわきさせながら、鼻息を荒くしながらにじり寄ってくる。昔からの付き合いだから、この次にはどうなるかわかっているわけで… 「仕方ないなハァハァ寝起きで着替えるのもハァハァ時間がかかるだろうハァハァし手伝ってあげようハァハァほらばんざーいフヒヒ」 「やめてぇえぇえええええぇ!!!!」 少年は夢を見た。記憶には無いのに懐かしく、しかし何故か悲しくなるような夢を。 …だがそんな夢も、朝の喧騒に少しずつ掻き消える。 ---- 197 : ◆098PR7A.iI :2007/02/05(月) 09:57:26 O 少女は駆けた。すらりと伸びた足は軽やかにアスファルトを蹴り、腰までもある艶やかな黒髪を踊るように風へなびかせて。 その走りはすれ違う人々皆が振り向くほどに華麗で、かつ少女らしい躍動感があったが、残念なことに道行く人はほとんど見られなかった。 「まったく、無駄に派手な抵抗ばかりして…冗談に決まってるのに、余計に時間がかかったじゃないか。」 「まひるのやることは、全然、冗談に、見えな…ま、まひる早すぎ、ちょっと歩こうよ…」 少年は駆けた。…いや、駆けていると呼べるだろうか。 その足は、地面を蹴るには程遠く靴の踵を引き摺り、右へ行ったかと思えば左へ行ったり… 何より、その目を見事に渦巻きを描いて回していた。 「まったく、只でさえ遅れそうだというのに…仕方ない、その様子ではいつ倒れるかわからないしな。」 「はあっ、はぁ…ごめんね、僕のために…」 「晴樹が倒れたら、遅刻どころの話じゃなくなるからな…第一、そう言うなら寝坊なんかするな。」 「う…ご、ごめんね…」 …ほんとに、まひるは言いたいことをズバズバ言うなぁ…と、少年は心の中で呟きながら頭を垂れた。 「まあ、昔からのことだからな…いい加減、晴樹の世話役にも慣れたよ。不本意ながら、な。」 「わかってるよ、感謝してるってば…昔から、まひるには迷惑かけっぱなしだもんね…」 「うん、一応理解してるようだな…。それにしても、随分と頑固なまでに二度寝に執着していたようだな。何かあったのか?」 声色は先ほどまでと変わり無いが、首を傾げながら少年の顔を覗き込んで問うあたり、どうやらまんざら不本意というわけでもないらしい。 「何か、って…別に何も無いよ?」 「うーん…ほんとに、か?」 「うん、ほんとに。…でも、なんでそんなこと?」 「いや、なんと言うか…」 少女は、隠し事を打ち明ける子供のように、どこか恥ずかしいような表情で、 人差し指で頬をかきながら、少しばかり考え込んだ。 「…晴樹があんなに駄々こねたの、小さいころ以来だったから、さ。」 「…だ、駄々って…」 少年は、そのあまりに子供扱いな言葉に一瞬顔を引きつらせたが、 少女のどこか遠くを見つめる表情を見て、朝の自分を思い返した。 …いつもなら、絶対に逆らわないまひるの言葉を聞いても、それでもずる休みを決行しようとした自分。 どうして? また眠って、ずる休みをしてまで何があっただろう。 せいぜい、夢を見るくらいで… …夢? なんだろう、何か大切なことを忘れてる気がする。 別に、忘れても何が問題があるわけでもないことだけど… それでも、大切な何かを。 「よし、休憩は終わりだ。…校門までラストスパート、倒れるなよ晴樹!」 「わ、ちょ…待ってよまひる!」 『…晴樹があんなに駄々こねたの、小さいころ以来だったから、さ。』 追憶の続きは後回しにしなくては、と少年は思った。 とにかく今は、自分の前を駆ける少女の後を追い、一刻も早く校門をくぐらなければならないのだから。 電線の上の雀は、小刻みに首を傾げながら、二人の少年少女を可笑しそうに見下ろしていた。
151 :ほんわか名無しさん :2007/02/02(金) 02:13:27 0 クー「・・・。」 男「・・・クー・・・・・・大丈夫・・・?」 クー「・・・男、これは何の冗談だ?」 男「・・・あはは・・・・・・もっと、うまく助けるつもりだったんだけど・・・。」 クー「・・・冗談、だろう? これは・・・。」 男「・・・ごめん、ね・・・・・・。」 クー「なんで・・・どうしてなんだ? どうして私を庇ったんだ、男っ!」 男「・・・。」 クー「聞いているのかっ! どうして私なぞを庇った!」 男「クー・・・。」 クー「君に・・・君にひどいことをしたのは私だ・・・。そして、怒りに身を任せ 君の家を飛び出したのも私だ。」 男「クー、それは・・・・・・」 クー「頭の中では君が悪いことなど何もしていないのは分かっていた。けれど、 それでも私は君に謝ろうと家に戻らなかった。 そして・・・そして、道路に飛び出したのも私だ。」 男「・・・。」 クー「どうして・・・どうしてなんだ、男・・・。 君は・・・どうしてそこまで、優しいんだ・・・!」 男「・・・クー。」 クー「・・・なんで・・・私なんかを庇って、君がこんな事に・・・・・・。」 男「・・・・クー、僕は・・・君が好きだから。」 クー「・・・・・・。」 男「・・・月並み、だよね・・・・・・。陳腐だよ、ね・・・。でも、それでも・・・僕は君が、好きだから。」 クー「・・・・・・。」 男「だから・・・これで、いいんだよ。 僕は、大好きなクーが護れて・・・・」 幸せだよ、と。 彼はそう言い残して、天国へと旅立っていった。 私は今でも、彼の事が好きだ。 彼を失ってから早5年。 一時たりとも彼のことを忘れたことはない。 彼との思い出は増えない。 彼との事は全てが過去となり、未来も、現在もなくなった。 けれど・・・・・・。 それでも私は、彼の事が好きだ。 周りの友人達や母親からは間違っていると非難される。 「天国にいる彼はそんなことを望んでいないよ」と。 それはそうだろう。 彼が・・・私の事を心から思ってくれていた彼が、そんな事を望むはずはない。 これは、私の、彼に対する精一杯の反抗。 ・・・私は、彼を許さない。  私なんかの為に命を捨てた彼を、決して許さない。 だから――   ――――――私はずっと、君を好きでいてもいいだろう? 男。 ---- 159 :ほんわか名無しさん :2007/02/03(土) 01:37:04 0 ク「私の愛する男よ。君のことを考えない時はなかったよ。今日も一緒にごはんを食べよう」 男「///…。クー、そんなに大声で恥ずかしいこと言わないでよ。僕の友達が見ているよ…」 友人A「おい、冬だってのにこの部屋熱いな」 友人B「地球温暖化だというが、この部屋の温暖化レベルはすごく高いな。地球の危機だぜ」 男「ほら、あんなこと言われているよ。恥ずかしいな…」 ク「私が君のことを愛していることを君に伝えるのはいけないことなのかね」 男「いや、そうじゃないんだ。むしろとても嬉しいんだけど…ただ、声の大きさとか、言葉とか…」 ク「ふむ。君がそういうのなら検討してみよう」 ――― ク「私の愛情表現を彼は受け取っているはずだ。現に男と2人きりの時は恥ずかしがりながら、 すごく嬉しそうな顔をしてくれるからな。しかし、男が少し言葉とか言っていたな。彼が恥ずか しがらず、かつ愛情を伝えられる表現を考える必要があるかもしれないな」 ――― ク「おーい。男よ。今すぐ君とキスをしたいくらい愛しているよ」 男「クー…///」 友人A「いつからここは南半球になったんだ」 友人B「まったくだ。冬だってのに夏の気候のようだな」 ク「ふむ。男が恥ずかしがっているな…この表現はだめか…。では、男よ、私を抱いてくれ」 男「///…クー。愛してくれるのは嬉しいんだけど、昨日の事覚えてないのかな…」 ク「いや、覚えているぞ。だから、今このようにして、どの表現方法なら恥ずかしがらないかを実 験しているのだ。とりあえず3000種程度ピックアップしたのだが、これもだめか…。では、次だ。 男よ、今夜は君のベッドで共にすごしたいのだが」 ---- 160 :ほんわか名無しさん :2007/02/03(土) 02:32:13 0 男「……でさ、今度の日曜のことだけど」 彼女「あ、うーん…ごめんね。ちょっとレポート入っちゃってて」 男「なんだ、そっか。映画のタダ券もらったからさ、一緒に行こうと思ったんだけど」 彼女「ほんと、ごめんね。月曜までに仕上げなきゃいけないレポなんよ。あのセンセー、うるさいから」 男「やれやれ、それじゃ俺も手伝うよ。何か出来ることあるだろ」 彼女「わぁ、ほんと?ありがとー!大好き!」 男「ゲンキンだよなぁ…」 彼女「えへへ、そんなことないよ~♪……あ、クーちゃん!」 クー「ん?…ああ、君か。こんにちは」 男「よぉ、何してるんだ?」 クー「………別に」 男「(なぁ、俺って嫌われてないか?)」 彼女「(えー?そうかなぁ…人見知りしてるだけじゃない?)ね、クーちゃん。あのね、レポートの手伝いだけど…やっぱりいいや」 クー「ほう。目処が立ったのか?」 彼女「あはは、それはぜーんぜん。でも男くんが手伝ってくれるみたいだから」 クー「……なんだと?」 男「(うっ、ものすごい目で睨まれた…)あ、あー…えっと。クー、お前が手伝うならそっちのほうがいい。お前のが頭いいしな」 クー「…いや。彼女は君に頼った。ならば君は、その信頼に応える義務がある」 男「そりゃそうかもしれないが…でも」 彼女「じゃあじゃあ、二人とも手伝ってくれればいいよー!」 クー「な…!?」 男「お、そりゃあいい。三人でやろうぜ?」 彼女「きっまり~♪それじゃ日曜に私の家にお願いね。あっ、次の講義始まっちゃう!またね~♪」 男「おう、終わったら電話しろよ~」 クー「……まったく、彼女はいつも強引だな」 そして日曜。約束の時間までまだあるというのに、俺とクーは駅でばったり出会ってしまった。 電話したがまだ彼女は寝ているそうなので、近くの公園のベンチで時間を潰すことにしたんだが… 男「………」 クー「………」 男「……えーっと。何聞いているんだ?」 クー「パッヘルベルのカノンだ。君も聞いてみるか?」 男「パッへル…何?」 クー「クラシックだが…その顔だと興味はなさそうだな」 男「あー、えっと。ごめん」 クー「……そうか」 男「………」 クー「………」 男「(……か、会話が続かねー!いや、これは仲良くなるチャンスだ。それはムリにしても、せめて嫌われてる理由を聞きださないと…)」 男「あの、さ。突然こんな事聞くと気分悪くするかもしれないけど…どうして俺のこと嫌ってるんだ?」 クー「……何?何と言った?」 男「(うげ、また睨まれた…)いや、クーは俺のこと嫌ってるんじゃないか、って…」 クー「そうか。だがそれは君の誤解だ。私は君を嫌ってなどいない」 男「でも時々睨んでくるし」 クー「睨んでなどいない」 男「俺が顔を見せると急に黙り込むし」 クー「黙ってなど…いない」 男「あんまり俺と関わりたがらないし」 クー「そんなことは……ない」 男「いや、あのさ。気使ってウソとかつかなくていいからな?」 クー「ウソなんかついていない。別に君の事は嫌いじゃない」 男「はっきり言ってくれれば俺だってなんとかするからさ」 クー「だから…別に嫌いではないと……」 男「悪いところ、言ってくれないか?気分が悪くなるかもしれないけどよ、彼女の友達と仲悪いままっていうのは落ち着かないからさ」 クー「だから、嫌いではないと言っているだろう!」 男「じゃあなんだよ、いつもの態度は!」 クー「それは私が男の事を好きだからだ!君の前に出ると言葉が出なくなってしまうんだ!君の目を見れなくなってしまうんだ!」 男「……え?」 クー「あ……」 男「………」 クー「………」 男「あの、さ」 クー「………には」 男「…?」 クー「…彼女には言うな。わかってる、叶わない恋だと言うことくらいは。勝手な言い分だが、君も今日のことは忘れてくれ」 男「……」 クー「…帰る。彼女には連絡を入れておくから……」 無表情のまま涙を拭った彼女の表情が、今でも心にしこりとなって残っている。 あれから三年。俺も社会人になった。彼女とは自然消滅の形で別れ、今は仕事が恋人だ。 冬、疲れた体でベンチに座るといつもクーを思い出す。ガキの俺にはどうしようも出来なかったあの涙を。 男「……もう一度、クーに」 今ならどうにかできると思っているのか。俺のくだらない願いは星空に消えていく。 目を閉じたままついたため息は、例外なく白く凍って――― ?「こんばんは。久しぶり…いや、ただいまかな」 目を見開く。聞こえてきた声は、間違いない。あいつのものだ。 会ったら、まず最初に何を言ってやろう。色々考えていたはずなのに、それはため息と一緒に消えてしまった。 だからせめて。俺は言ってやろうと思う。笑顔で、あいつに。 「ああ…おかえり、■■■」 fin. ---- 167 :ほんわか名無しさん :2007/02/03(土) 18:23:49 0 1/3 男「ふぅ。今日も平凡な一日だったな」 (ピンポーン) 男「ん、誰だろう。こんな時間に」 (ガチャ) 男「ええと…。どちら様ですか?」 ク「うむ。ここなら大丈夫だな。すまないが、少しかくまってもらえないだろうか」 男「はい?」 ク「ちょっとしたことがあってな。今晩だけでいいから、ここにいさせてもらえないだろうか」 男「(何だろう?この女の子。だけど困っているようだし)いいですよ。どうぞ」 ク「すまない。お礼はする」 男「汚い部屋だけど、こんな所でいいのなら」 ク「ありがとう。所で、食事は摂ったかね」 男「いえ。まだだけど。おなかが空いているの?」 ク「そうじゃないんだ。君のおなかが空いているかと聞いているんだ」 男「まだご飯を食べてはいないんで、おなかは空いてるけど…」 ク「じゃあ、台所と冷蔵庫の中を少し借りるがいいかね?たいした物はできないが…」 男「えっ!そんなことしなくていいのだけど…」 ク「いや。これくらいのお礼はさせてくれないか」 ――― 男「すごくおいしい。こんなおいしい料理を食べたのは久しぶりだよ」 ク「そんなに喜んでもらえると嬉しいな」 男「ふぅ。ごちそうさま。すごくおいしかったよ。所で、まだ名前を聞いてなかったけど…」 ク「クーだ」 男「クーさんか。いい名前だね」 ク「そうかね。しかし、君は見ず知らずの私をかくまってくれたんだ。本当に優しいな」 男「最初、顔を見た時、とても困っているように見えたんでね」 ク「本当に君は優しいな。所で、いまさらながら、私がここにいて大丈夫かね?君の彼女とかにあ らぬ誤解を受けるかもしれんぞ」 男「彼女なんていないから大丈夫。クーさん」 ク「すまない。君ほど優しい人間なら彼女の1人位は普通にいると思ったのだが…。本当にすまない」 男「気にしてないから、顔を上げてよ。クーさん。ケーキがあるんだ。一緒に食べようよ」 2/3 (ピンポーン) 男「ん…。今度は誰だろう?」 (ガチャ) 友人「おーい。一緒に飲まないか?」 男「うわっ。酒臭いな」 友人「今、節分パーティをやっているんだ。お前も来いよ」 男「僕はそんなににぎやかなの得意じゃないし…」 友人「ん…。お前いつ彼女ができたんだよ。そんな奴には豆をぶつけてやる」 ク「!」 男「やめてよ。痛いじゃないか。かなり酔っているんじゃないのかい」 友人「付き合いの悪い上に勝手に彼女を作ったお前と彼女に豆をぶつけてやる」 男「痛いな。…大丈夫?クーさん」 ク「…もう…いやだ…やめて…くれ…」 男「…おい!いくら僕でも怒るよ。豆をぶつけるなら僕だけにしてくれ!それにこれ以上ふざける なら僕の家から出て行ってくれ!」 友人「怒るなよ。悪かったな。でも、パーティはまだやっているから気が向いたら来いよ」 男「クーさん、大丈夫?あいつ悪い奴じゃないんだけど…酒を飲むとね…」 ク「…すま…ない。かばって…くれるなんて…君は本当に…優しいな」 男「今、落ち着くためのお茶を持ってくるから、そこで待っていてね。クーさん」 ――― 男「落ち着いた?クーさん」 ク「…段々落ち着いてきた。君には本当にすまないことをした」 男「もしかしたら、聞いていいのか分からないんだけど…。クーさんはどうしてうちに来たの?」 ク「やはり、言わねばならんか…」 男「いや。クーさんが言いたくなければいいよ」 ク「君は信頼できる男だ。よし話そう」 3/3 ク「驚かないで聞いて欲しい。私は鬼の血がわずかだが入っている女なんだ」 男「えっ!クーさん、冗談はやめてよ」 ク「本当だ。ただ、人間のほうが強いから日常生活を送るのは特に支障が無いんだが、毎年この時期 になると、そのわずかな鬼の血がうずいてしまってな…」 男「この時期というと…。そうか、節分か!」 ク「うむ。そうだ。このわずかな鬼の血が反応するんだ。もしかしたら、遺伝子レベルで恐怖の感情が   呼び覚まされているのかもしれん。こういったことは往々にして生存に関わるからな」 男「だけど、クーさんは何で僕の家を選んだの?」 ク「うむ。それは単純なことだ。まず第一に君の家の前には豆をまいた形跡が無かった。それに第二 に君の玄関にはひいらぎといわしの頭が無かった」 男「節分なんてイベント自体を忘れてたからね」 ク「家にいても、自分一人だけで、よその家から聞こえる鬼は外の声がとても怖かったんだ。しかし、 今日は優しい君に出会えてよかったよ。久しぶりにこの日を安らかに暮らせそうだ…」 男「クーさんがこんな汚れた部屋でこんな僕ごときで落ち着くなら、それでいいけど…」 ク「自分を卑下してはいけないな。君は本当に素晴らしい男だ」 男「そういわれると照れちゃうな…///。そうだ、お菓子があるよ。一緒に食べようよ」 ――― 男「…。もう朝か…。あのままコタツで寝ちゃったんだ…」 ク「おはよう。男よ。朝食ができているぞ」 男「そんな事しなくても良かったのに…。でも、おいしい食事がまた食べられるから嬉しいな」 ク「そうだ。お礼の件なんだが…」 男「いいよ。おいしいご飯が食べられたことと、彼女ができたみたいで嬉しかったから…」 ク「そうか…。…所で、男よ。昨晩聞いたが、君は彼女がいないな?」 男「生まれてこのかた彼女はいないし、欲しいとは思うけど…」 ク「よし!お礼は決まった。私が君の彼女になってやろう。いや、なって欲しい。私は昨晩の君の優 しさにやられてしまったんだ。迷惑はかけないから、一緒になって欲しい。私の愛する男よ」

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