168名前:アイドル(石川県):2007/04/29(日) 21:47:45.11 ID:sj2r9NmS0
  クーが台所で夕食を作っているようだ。
  たまには手伝おうかな。
  そう思い、クーに近付き話し掛ける。
 「クー、僕も手伝うよ」
 「いや、大丈夫だ、君は休んでいてくれ」
 「いつもクーに作って貰うのも悪いし、お願い、手伝わせて」
 「ふむ……分かった、君はステーキを作ってくれ」
 「了解ー」
  僕はフライパンに肉を乗せると火にかける。
 「……私には妻の負担を減らしてくれる夫がいる、こんなに幸福で良いのだろうか」
 「クー、大袈裟だよ……」
  そう言いながら僕は肉の焼け具合を見る。
  もうちょっとかな。
 「この状況は二人の共同作業という事になるな、思わず結婚式を思い出した」
 「ケーキカットの事?」
 「そうだ、あの時の君は緊張してガチガチだったな」
 「……注目を浴びるのは苦手なんだ」
 「まあ、そういう所が可愛い――あ、焦げてるぞ!」
 「え!」
  クーはフライパンのステーキを急いで皿へ取り出す。
  ステーキは真っ黒になっていた。
 「クー、ごめん」
 「気にするな、誰でも失敗するさ」
 「うん……あれ? そのフライパン、焦げ跡が……」
 「む、まるで文字のように見えるな、これは――」


  保守

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最終更新:2007年05月04日 17:40