あいつのことか
ああ 知っている
話せば長い
そう 古い話だ
知ってるか?
エースは3つに分けられる
強さを求める奴
プライドに生きる奴
戦況を読める奴
この3つだ
あいつは―
彼は『片羽の妖精』と呼ばれた傭兵、『彼女』の相棒だった男
《よう相棒 いい眺めだ》
《ここから見ればどの国も大して変わらん》
私は『彼女』を追っている
―あれは雪の降る寒い日だった
"新たなる血、新たなる戦い"
《『エリアB7R』で大規模な戦闘!》
《援軍か?どこの隊だ!》
COOL COMBAT ZERO
《ガルム隊へ 撤退は許可できない》
《だろうな 報酬上乗せだ》
A RECORD OF THE TSUNDEREN WAR
《こちらクロウ隊のPJ 可能な限り援護する》
《落ちるなら 俺の見えないところで頼む》
"Roger that!"
ツンデレ戦争には謎が多い
誰もが正義となり
誰もが悪となる
そして誰が被害者で
誰が加害者か
一体『平和』とは何か
《ツンデレ戦闘機接近 全機撃墜し 制空権を確保しろ》
《玄関でお出迎えだ》
AIRSPACE B7R "THE ROUND TABLE"
エリアB7R-通称『円卓』
A GRAND STAGE FOR MASTERS OF THE SKY
エースたちに与えられた舞台
《野犬狩りだ》
A PILOT THAT LIVES BY PRIDE
THE STRATEGIST
《円卓の鳥だ!油断すんな》
A MAN WHO UPHOLDS HONOR
《円卓がなんだ 俺がやってやる!》
THE FALLEN
THE BRINGER OF DEATH
A MAN WHO LIVED FOR BATTLE
《空戦にルールは無い ただ敵を殺すだけ》
THE REBORN VETERAN
《この戦いは どちらか死ぬまで終わらない》
A WOMAN WHO UNDYING FAITH
A REVOLUTIONARY
THEY CALLED THEM "THE KNIGHTS OF THE ROUND TABLE"
人は彼らを『円卓の騎士』と呼んだ
《受け入れろ 小僧 これが戦争だ》
CHANGING ENCOUNTERS 変化する出会い
TWISTING FATE 変わる運命
《連合の犬が!》
AN UNCHANGEABLE WORLD 変われない世界
《撃てよ 臆病者!》
"Comeoooooon!!"
COOL COMBAT ZERO THE TSUNDEREN WAR
THERE IS ONLY ONE ULTIMATE RULE IN WAR-
交戦規定は唯一つ
《生き残るぞ!ガルム1》
SURVIVE
“生き残れ”
という妄想をした俺はだめ人間ですかねorz
妄想は勝手だが、スレ違いの投下はいただけない
>>603
こちら管制機スカイアイ、聞こえるか?
君のコールサインは「男603」だ
貴機はこのスレッドの管制下に入った
まもなくお題が見える、全機撃墜せよ
つ【飛行機に乗るクー】
<<
>>603を生きて返すな>>
<<コックピットを狙え>>
<<火を噴いて(ry
そんなことやってるとPJの彼女を素直クールにしちまうぞ
>>606
いや、PJの彼女は素直クールであってるらしい‥‥‥
>>607
なんとっ・・・
ちょっくら相棒にPJ落としてもらってくる
↓以下、いつもの素直クールスレ
【飛行機に乗るクー】
《こちら基地司令部 全機あがったようだな》
男「こちらオウル1、オーディションに遅れてすまない」
《焦らせるのも戦術のうちか、傭兵?では編入試験を開始する、模擬戦を開始せよ》
男「オウル1交戦!」
?「オウル2交戦!」
ギュイイィィィーーー!
男「(こいつ、出来る!)なぁ、あんた名前は?」
?「…クー、皆はそう呼んでる」
Bee!Bee!
《オウル1 レーダー照射を受けているぞ!》
男「(ちっ、いつの間に!?)今回はあんたのk どんっ!
男「くぉ!なんで実弾が飛んでくんだよ!?」
《どうした!?状況を説明しろ!》
クー「オウル1、大変よ!片羽が無くなってる!」
《両機模擬戦を中止!オウル1、基地まで帰還できそうか?》
男「…こちらオウル1、行けそうだが滑走路が汚れるな 掃除係を呼んどいてくれよ?」
クー「無謀だわ、脱出レバーを引いて!」
《オウル1、君を信じるぞ 危なくなったら迷わず脱出しろ、いいな!》
男「オウル1、了解 RTB」
クー「…オウル2、RTB」
…ヒューーーーンシュゴッッッ!
《両機、よく戻ってきた!》
男「…ふぅ、落ちるかと思ったぜ?」
…ヒューーーーンシュゴッ!
男「(うそだろ、俺は女に墜されたのか!?ヤキが回ったか…)」たったったっ!
クー「…オウル1、私と結婚してくれ!」
男「…おぃおぃいきなり冗談はないぜ、お嬢ちゃん?」
クー「私は本気よ?まぁ時間はいっぱいあるわ、また後で会いましょ」かつかつ…
男「(…なんなんだよ、あいつは!?)」
…書いててgdgdになってしまったorz
VIPのお題の物を投下したいと思います。
お題【手紙で告白】
3レス程お借りします。
『手紙で告白』
授業終了の音が鳴り響く、それは同時に昼休みになった事を示す。
朝飯を抜いて来た俺には救いの音だ。
俺は鞄から弁当を取り出すと、急いで開け食べ始める。
「男、ちょっと良いだろうか?」
俺の食事を邪魔する奴は許さな――。
顔を上げた先には、艶やかな長い髪、透き通るような目を持った女子がいた。
つまりクラスメイトのクーさんだ。
「俺に何の用?」
「これを渡しに来たんだ」
彼女は俺に白い紙のような物を渡してくる。
俺はそれを受け取る。どうやら手紙のようだ。
俺は疑問に思い質問する。
「この手紙、何?」
「君への恋文だ」
「なるほど恋文ね……え?」
「最初は君に直接告白しようと思ったのだが、友達が手紙にしろと言うのでな」
教室が騒がしくなってきた、どうやら俺達の状況に気付いたらしい。
俺は何とか頭の中を整理しようとする。
「えと、恋文って……」
「ん? 内容について知りたいか、では大まかに」
「いや、そんな事言って――」
彼女は淡々と話し出す
「まず最初に君を好きになった理由が書いてある、そうだな一番好きな所は優しい所かな」
いや、聞いてない。
「次に私について書いてある、読めば私の事が全て分かるぞ、
ここでは詳細は省かせて貰おう、私の秘密を知るのは君だけにしたいからな」
俺は回りを見る。
他のクラスメイトは、俺達の話に聞き耳を立てているようだ。
誰か俺を助けろ。
「次に将来について書いてある」
「将来?」
「ああ、子供は3人は欲しいな」
……この手紙には、どれほど先の未来が書かれているのだろうか、読むのが怖い。
「そして最後は――」
彼女は真剣な表情になる。
「君を愛している、私の恋人になってくれ」
「え……よ、よろしくおねが――」
「という流れで書いてある、どうか読んで欲しい」
これは嫌がらせか?
突然、彼女は俺をじっと見つめてくる。
「口元にご飯粒が付いてるぞ」
「ど、何処に?」
彼女の細い指が俺の口元に触れる。
「な、何を!」
「取れたぞ」
彼女の指先にはご飯粒が摘まれて――って食べた!
「ふむ、これが君の好きな味か、覚えておこう」
教室が急に静かになる。
今の行動には皆、驚きを隠せないようだ。
「では、良い返事を期待してるぞ」
そう言うと、彼女は俺の席から離れて行った。
彼女は自分の席まで行き、座る。
鞄から弁当を取り出すと、黙々と食べ始めた。
……この状況、何?
以上です。
ありがとうございました。
>>614
GJ!
吹いた。
その辺の、「恋に対する常識の無さ」がクーの可愛さだなー、と、すごくすごく思う。
>>614
GJ!
クーには、「口元のご飯粒は口でとるほうがいいよ」と助言しておきます。
クーなら次回はやってくれるはずだ。
あと、「よろしく…」を無視される主人公が妙に可愛いw
自分も VIPのお題消化させてください。
あっちがあんなに早く落ちるとは思わなかった……。
百合ネタです。3レスくらいかな。
つ【部室で二人きり】
【年下の彼女】
「あ、ジャケット」
春だというのに、校舎を出ると外の風はまだ冷たくて。
そこでようやく、あたしはジャケットを部室に忘れたことに気がついた。
ちょっと面倒にも思ったけれど、この寒さの中、家まで歩くのは気が重い。
部屋の窓を見るとまだ電気はついている。誰かしら残っている部員がいるのだろう。あたしは部室に引き返すことにした。
(あれ、空ちゃん)
部室の中は、中等部の後輩、空ちゃん一人だけだった。
なぜか彼女はあたしのジャケットを着て、嬉しそうにくるくると回っている。かわいくって天使みたいに見える。
微笑ましく感じつつも、どこか気後れしてしまい、扉の前であたしは立ちつくしていた。
空ちゃんがあまりに楽しそうで邪魔をしたくなかったし、あまりに綺麗で可憐で見とれてしまってもいた。
あたしのジャケットは、以前ライブ会場で手に入れた、某英国ロックバンドのオフィシャル品だ。空ちゃんも彼らのファンなのかな。
などと考えていたところで、空ちゃんと目があってしまう。
「こんにちは」
なんとなくばつの悪さを感じながら、部室に入る。
「部長っ」
空ちゃんは満面の笑みでこちらに飛びついてきた。
普段の空ちゃんはあまりにクールで大人びていて調子を狂わされることが多い。
今日の彼女は、珍しく年相応の可愛らしい振る舞いで、あたしはどこかほっとしていた。
「空ちゃん一人? 他の部員は?」
「ええ、もう皆さんお帰りに」
「やれやれ、仕方のない人たちね」
空ちゃんは無論高等部の正式部員ではない。
鍵の管理などもあるのだ、彼女を残して帰るなんて部員たちもどうかしている。明日きっちり言っておかなくては。
ま、それはそれとして。
「空ちゃん、そのジャケットあげよっか」
「ええっ、よろしいんですか」
空ちゃんは目を輝かせる。
「ええ、構わないわ。それを着た空ちゃんがとても嬉しそうだったから」
「ありがとうございます、嬉しいです、大事にします」
「それにしても、空ちゃんが彼らのファンだとは知らなかったわ」
あたしが某ロックバンドの名を口にしたとたん、空ちゃんの顔色が曇る。
「は?」
「だからファンなんでしょう、その」
あたしがジャケットのロゴを指差すと、空ちゃんの顔色はますます曇り、どこから見ても不機嫌な顔つきに。あれ?
空ちゃんはジャケットを脱ぎ、あたしに突きつける。
「知りませんよ」
「え?」
「そんなバンドなんて知りません、お返しします」
「え? だってさっきはあんなに嬉しそうにしてたじゃない」
はあ、と空ちゃんはため息をつく。
そこには、先ほどまでの年相応の空ちゃんはいなかった。そこにいたのは、いつもと同じ、内面だけなら私より年上かと思うくらい大人びた空ちゃんだった。
「部長も本当にこういう方面には疎い方ですね。そういうところも好きではあるのですが、いささか歯がゆくもありますよ」
指示語ばかりでわけのわからない科白を空ちゃんは口にする。
「え?」
「つまりは、こういう事です」
空ちゃんはいきなりあたしに口付けをした。深くて甘い、大人のキス。
とっさのことで、あたしは身動きもできない。
「おわかりでしょうか。私は部長が好きなんです。恋しているんです。このジャケットは部長のものだったから欲しかっただけですよ。
やっと私の気持ちに気が付いてくださったと喜んだのですが、勘違いだったようですね、残念」
あたしは呆然としていた。
「このジャケットはお返し致します。そのかわり、もっと別なものを頂きたいんです。ご理解、くださいますよね」
空ちゃんは、にっこりと笑う。
しかしその笑みは、先ほどまでとは全く異なったものだった。
先ほどまでの笑みが、何の意図も無い無邪気な子どもの笑いだとしたら。
今の笑みは、その魅力で相手を篭絡しようとする、大人の微笑み。
あたしは彼女に心を奪われ、その場にへたり込みそうになる。頬が、熱い。
「部長の都合もあるかと思いこれまでは人目を気にしていましたが、どうもそれでは埒があかないご様子。
明日からは私の全てをかけて部長の御心を頂きに参ります。本気ですので御覚悟くださいませ。それでは、今日のところはこの辺で失礼いたしますね」
そう言って、空ちゃんは帰っていった。引き止める間もない。
……なんて、娘なんだろう。
あたしは胸の疼きを覚えていた。彼女に対して友情以上の好意を抱いているのを自覚した。
だけど、五つも年下の、しかも同性の女の子に対して、恋愛感情を抱いているとは思いたくはなくて。
いや、認めよう。あたしは彼女に恋してる。この胸のドキドキは、切なさは、そうとしか思えない。
「明日からは、人目もはばからず、か……」
どうすればいいんだろう。
あたしは、自分自身がどうしたいのかさえわからず、生まれて初めて本気で途方にくれていた。
以上でした。
昨日 VIPで初めて百合ネタを投下したんだけど、妙に癖になってしまった……
GJ!これからも百合クール書いてくだしあ
>>614
さすが素直クール
凡人にできないことを平然とやってのける!
そこにシビれる
GJだ
>>620
百合ネタ良いね
私は前1回だけ百合ネタ書いたけどギャグだったからなぁ…
>>620
百合はよいものです。
みなさんにお勧めの一冊
むっちりむうにい「絶対×浪漫」
一迅社のHPで一話分が読めます。
人、ボール、歓声。
様々なものが飛んでは跳ねる校庭。
その隅にある、学校のシンボルである大きな椎の木――
さらにその足元にあるベンチに……いた。
騒がしさに包まれた昼休みの校庭において、
そこだけ異なる風が吹いているかのような……。
見ていて痛くなるくらいぴんと伸びた背筋。短く切り揃えた髪が揺れてる。
「ごめんね、待ってた?」
「いや、気にする必要はないぞ。それより昼食はもう済ませたのか?」
「うん、とっくとっく」
軽く手を振って彼女の横に腰を下ろす。
「で……。このわたしを呼び出すなんて只事ではないですな」
彼女の顔を覗き込むようにして言ってみるが、彼女は前を向いたままだ。
「……うん。お前には、事前に言っておこうと思ってな」
「え? 何よ何よぉ」
姿勢を戻し、改めて彼女の顔を横から見た。
あれ?なんかちょっと……耳が赤い?
「今日の放課後、決行する」
「けっ……こう……?」
あの、決行って。なんか、恐いんスけど……。
相変わらず彼女の視線は動いていない。
が、よく見ると、スカート越しにも分かる形の良い太腿の上で、
二つの拳がきつく握られていた。
「ヤツに……伝える。想いを……」
「ッ!」
彼女の瞳が初めてわたしを捉えた。
「……そう……」
そっか……そっかぁ……そっかぁ!!
「ね?マジ、マジだよね?ね!ね!ね!!」
思わず彼女の両肩を掴んで無理やりこちらを向かせ、
ガックンガックン揺すってしまった。
「おっ、ほっ、本当だっ」
「……」
息がかかる距離から、彼女の瞳の中を覗き込む。
「よかった……」
「お、おい! まだ実際にヤツに言ったわけでは……」
長かった……長かったよぉ。
気がつけば最終学年のわたし達。彼女に想い人がいることを知ってから早2年。
時には学校で、時には電話で、時にはお互いの家に泊まり、
わたしと彼女は”ヤツ”について、”ヤツ”を想う彼女について、話をしてきた。
だが……。
「ね、カワイイよねぇ~、これぇ」と同意を求められても
必要とあらば「私はそうは思わない」と即答する彼女が……、
めずらしく早起きしてわたしが作った弁当をつまみ
「あと3時間は早起きして作り始めたほうがいい」と言った彼女が……、
男どもからの告白を毎度毎度あまりにきっぱりはっきり断るので
「振られたんだという余韻すら残してもらえない」と評される彼女が……、
そんな彼女が、”ヤツ”に想いを伝えることだけは、できなかったのだ。
彼女を見ていてどれほどイライラしたことか……。
何度わたしが言ってしまいたいと思ったことか……。
いっそのこと彼女も”ヤツ”も気絶させて素っ裸にひん剥いて
抱き合わせてロープでグルグル巻きにして頭から水をかけてやろう、
何度そう思ったことか……。
しかし、そう、無駄ではなかったのだ。
「おい、おい!大丈夫か?」
「はふぇ?!」
気がつくと目の前に、何かを心配しているような彼女の顔があった。
いけない、どうやらわたしは一人の世界にいたらしい。
咳払いをし、彼女の横に座りなおす。
「ん……。で、なんて言うか決めたんだ?」
「いや……」
おい……いやって……。
「だがいい! 決めた、決めたのだよ。すべてをありのまま伝えると……」
「……」
まっすぐな背筋はそのままに、彼女は静かに立ち上がった。
風が通り、砂が舞う。
「お前には本当に感謝してる」
「おいおい、なんだよぉ」
「結果がどうなるかは分からん」
顔だけをこちらに向け、彼女は続けた。
「ただ一つだけ分かっていることがある。結果に関係なく、
私のお前に対する友情は何も変わらないということだ」
「……馬鹿。そんなこと言ってどーする!かならずヤツを落としてこいっ!」
わたしは思わず立ち上がり、彼女の背中を平手で強く叩いた。
一瞬だけびっくりした彼女の顔に、ゆっくりと不敵な笑みが浮かんだ。
「うん、行って来る。後で会おう」
「馬鹿、来なくていいから。そのまま処女くれてやってこい」
生徒であふれる校庭の真ん中を、まるで何も存在しないかのように、
彼女はまっすぐに歩いていく。
あ、歩いてるのに手だけが「気をつけ」をしたまま……。やっぱ緊張してるんだ。
その姿が校舎の中に消えるまで、わたしはずっと彼女の背中を見ていた。
「はぁ……」
なにかすごく疲れた気がする。
よっこらしょ、とベンチに腰を下ろし周りを見渡した。
あれ、そういえばまだ昼休みなんだよね。放課後まで2時間もある……。
なんか気張って送り出しちゃったけど……もつかな、彼女。
……まぁ、いいか!
「おしっ!」
わたしは走り出す。
購買に売れ残っているだろう、硬いコッペパンと冷たい牛乳を求めて。
お粗末さま
>>621-623
ありがとう。これからも百合ネタ書くようがんばるつもりです。
かなりよさそうなので「絶対×浪漫」、注文してみましたよ。楽しみです。
>>627
GJ! 超GJ!
上手いなあ。こんな文章書けるようになりたいです。
素直クールの友達視点てなんか斬新やね
Morning gloryの続き投下します
5レスほど借ります~
「あのぅ……何で僕の下半身をそんなに見つめt」
「何故脱がないのかね、早く着替えないと朝食は食べれないし何より遅刻してしまうのだが」
「クー……男の着替えを見るのは良くないと思うよ」
「男の着替えなど頼まれても見たくはない、ツヅミだからこそ良いのだ」
僕はため息を一つしてから、クーの手を取り部屋の外へと連れ出した
「いきなり手を取られ心拍数が少し上がったが、積極的なキミも良いモノだな」
「そんな事言ってもダメだからね、とにかく着替えは見たりしたらダメだよ」
「ツヅミが言うならば仕方ない、だがツヅミにこうして躾をされるのもなかなかに良いな」
「絶対に誤解されるから他の人には言わないでね………」
部屋に戻りクーが覗いていないか、ドアを確認しながら僕は着替えを済ます
まさか男の僕が覗きの危機に会うなんて夢にも思わなかった
ネクタイを締めて寝癖をワックスで直し、部屋を出てクーに一声かけて階段を降りリビングへ向かった
僕はリビングのドアを開けるや否や、ご飯を食べながらTVを見ている母さんに軽く注意をする
「おはよう、母さん。ていうか、知らない人を勝手に部屋に上げちゃうって危機感無さすぎるよ……」
「おはよう、ツヅミ。とても素敵な女の子がツヅミの婚約者と名乗るのですから
お母さん、嬉しくて喜んで上がっていただいたわぁ」
「そ、そういえば結婚前提でお付き合い始めたんだった……」
女の子に告白されるなんて無かったし、スゴイ美人に告白されたモノだから
こんな事は二度と無いだろうし、色々と決心して付き合う事にしたからすっかり忘れていた……
「主南さんも朝ごはん食べますか?」
「いえ、私は家で食べて来ましたので大丈夫です。あと私の事はクーとお呼び下さい
私の義母上になる方にその様に気を使っていただく訳にはいきません
お義母様の御子息に相応しい妻になれる様、厳しくご指導をお願い申しあげます」
「あらあら、そんなに固くならなくても良いんですよ~」
「ちょ、ちょっとクー!? 母さんの前で三つ指ついたりしないでよ~!!」
父さんに助けを求めようとしたが、既に出勤したみたいだ
クーが来た時点で何かを察知して逃げたのだろう……
僕は渋々椅子に着いてご飯を食べる事にした
「ツヅミったらダメじゃないの、こ~んなに可愛い彼女が居るのに一人でご飯食べて
クーさんに食べさせていただきなさい!!!」
「流石はお義母様、例え食事であっても愛しい人の世話は手を抜きたくはないものです
さあツヅミ、私が食べさせるから口を開けるのだ」
時間もあまりないので僕は半ばヤケになって口を開いた
クーの白く綺麗な手が僕の顎に添えられ、口にご飯が入る
「よし、良い子だ。お義母様の料理は美味しいだろう」
「あらあら、仲睦まじいわねぇ」「もうどうにでもしてよ……」
こんな調子で食事も終わり、ようやく登校出来そうだ
歯磨きを済ませ、鞄を手に取り玄関へと向かおうとしたらクーに肩を掴まれた
「ツヅミ、少しネクタイが曲がっている」
そう言うとクーは僕のネクタイに手をかけ、少し緩めてからまた締めなおした
「うむ、これでよし」
ネクタイを直してもらったお礼を言おうとした瞬間、唇に暖かく柔らかい感触
鼻には甘く心地よい香り、視界にはクーの顔が広がっていた
「クーさんたら情熱的ね~」
「ツヅミを誰よりも愛していますから
ではお義母様、高校に行って参ります
昼食は私が弁当を作って置きましたので安心してください」
「学食があるから面倒で作らなかったけど助かるわぁ、二人とも行ってらっしゃい」
「行って参ります」
「あ…う、うん……行ってくるよ」
呆気に取られている僕の手を取り、玄関でローファーを履くクー
僕は回らない頭のまま、とりあえずスニーカーを履いた
再び手を取られ玄関から出た
「私に朝からキスをされるのは気分が受け付けないのか……?」
家の門の前でクーに突然言われる
顔を見ると普段のクールな彼女ではなく、少し不安げに僕を見つめていた
「そっ、そんなことないよ!! ただスゴく突然にクーにキスされて気が動転してたんだ」
「決して私の事が嫌いになったという訳では無いのだな?」
「とんでもないっ、そんな事は無いから安心して」
そう言うとクーは僕を優しく抱きしめた
ああ……クーは心が落ち着く良い匂いがする
「ツヅミは私が嫌いでないと解ったし、学校へ行こう」
「そうだね、あんまり時間無いし早歩きでね」
クーは僕から離れて通学路を歩き出した
僕も彼女の隣に並び一緒に登校する
「今日は突然押し掛けてすまなかった」
「いや、大丈夫だよ。結構驚いたけどね」
「少しでもツヅミと一緒に居たかったのだ、許可してくれるならば毎日でもキミを起こしたい」
僕もクーの事を知りたいし、クーと居ると何だか楽しいし暖かい気持ちになれる
だから断る理由も無いので即OKした
「じゃあ、これからもよろしくね。僕もクーと一緒に居ると楽しいから」
「本当か? 明日からはキスをかかさないからな」
「……あまり過激なのは控えてね」
という事で毎朝、クーが僕を起こしに来る事になった
クーの行動力と熱意はスゴイなぁ、僕には足りない部分だから憧れる
騒がしくなるだろうけど、クーとの楽しい朝が明日から始まる
そう思いながらクーと通学路を歩いて僕は学校に向かった
これでMorning gloryはおしまいです
それでは失礼しました~
──15:00──
**高等学校・屋上機械室内で待機中。
現在屋上に人影なし。両ターゲットは間もなく現れると思われる。
撮影は行うが、室内の騒音により撮影機材に付属のマイクでの集音は不可。
又、集音器が不調。装備課に要報告。
──15:34──
ターゲットK(以後・K)、確認。
学校指定の制服を着用。
10時半方向、距離約6mのベンチに、こちら側を向いて着席。
口元に動き(暗唱か?)。動きが小さく読唇術による読み取り不可。
口元以外は動きなし。表情に気になる点なし。
──15:39──
K、起立。
ターゲットM(以後・M)、確認。
急いで駆けつけてきた模様。
身長約170cm、中肉、黒髪。上・学校指定の体操服、下・ジャージ着用。
こちらに背を向けているので人相の確認は不可。
モップを所持、用途不明。攻撃的な姿勢はうかがえないが、要注意。
両者の相対距離、約1.5m。
──以後、詳細な時間は表記せず。映像での確認求む──
K──発言。読唇の結果(以後略)、語尾「……すまん」と思われる。
M──うなずく。容認の意思表示か。
K──口を数回開閉、両肩が上がる。深呼吸と思われる。
発言──「好きだ」と思われる。
M──状態に変化なし。
15秒経過。
M──首を回す。周辺状況を確認か。尚、人相は確認できず(要映像確認)。
何か発言している模様。
K──発言──「……ちがう」と思われる。語気強めか。
発言中にMとの距離を約70cmに縮める。
発言続くも顔を下に向けているため読み取れず。
M──Kと同じく顔を下に向けている状態。
尚、両者の足元に気になる物体・現象は確認できない(要映像確認)。
K──M所持のモップを奪取。緊急展開準備指令を発令。
モップを投棄。後、Mの両腕を両手でホールド。
発言──「好きなんだ」と思われる。2回繰り返す。
緊急展開準備指令を解除。
10秒経過。
M──わずかだが、頭部が上下。うなずきか。
K──Mの上半身を完全にホールド。緊急展開準備指令を発令。
両者の距離0m。尚、Kの顔はMの肩越しに視認可。
発言──「ありがとう」と思われる。
緊急展開準備指令を解除。
顔面に光る物体を確認(特に両まぶた下、要映像確認)。
再び発言も読み取れず。
12秒経過。
K──Mに対しテイクダウン、マウントポジション。緊急展開準備指令を発令。
下着を確認。白・青のストライプと思われる(要映像確認)。
発言──「……処女……」。頭髪に隠れ詳細確認できず。
M──上半身を起こす。
何か発言している模様。
K──上記の状態でMの上半身をホールド。
M──Kの上半身をホールド。
両者の顔面を含む上半身は完全に密着していると思われる。
10秒経過。
M──Kに対するホールドを解き、両手を上下に激しく振る。発作か?
K──Mに対するホールドを解く。
発言──「私は幸せ者だ」。
起立。緊急展開準備指令を解除。
M──Kの腕につかまり起立。
何かを発言。
両者並んで階段方向に歩行開始。
Mの人相はKの体に隠れて確認できず。
K──発言──「……処女……いつ……」
逆光気味で詳細確認できず。
両者視界外へ。
──16:06──
撤収。
男「奥様、お呼びでしょうか」
女「映像とレポート見せてもらったわ。こんなところでしょうね」
男「はっ。……しかし、奥様」
女「なに?」
男「なぜ、このような……」
女「あら、決まってるじゃない。
夕食のときにあの子に呼んで聞かせるためよ。楽しそうでしょ?」
男「……」
──メモ──
早急に次の就職先を探すべきと思われる。
おしまい
何コレ?
20-30分かけてよく読んだが、やはり理解できなかった
オレがアフォなだけかも知れんが
作者じゃないので、間違ってるかもしれないが、
①Kが素直クールで、Mが男。
②4/4の男はKの家の使用人で、女は素直クールの母親。
③1~3/4は素直クールの告白を、使用人が盗撮してレポートしたもの。
④1/4で素直クールが告白。
⑤2/4で男はドッキリかと疑うが、再度の告白に受け入れる。素直クール泣く。
⑥3/4で素直クールは「処女をもらってくれ」と要望。男は何とか言い逃れるが、
素直クールは「で、処女はいつもらってくれるんだ?」と再確認。
と、解釈した。
個人的には、こういう新機軸への挑戦は大歓迎したい。
実に新鮮だよ
GJ
こっちもちょっと違うアプローチを考えてみようかな
>>598-599
消えてるのはミラーの超保管所のほうで(トップページが鯖会社のデフォルトになってたからたぶん契約切れ)
オリジナルの保管庫(わかりにくい)は無事
ほす
今週はVIPも無事に持ったことだし
このあたりでほの板ももっと盛り上げたいね
ということでお題をくれると嬉しいな
避難所のアドレスどこだよ
ググレカス
過去ログ保管所は消えてるのね
ほす
ほし
ほ
おはよう、と鏡の前で繰り返してみる。
「……顔色が少し悪いな」
やはり昨晩脳裏から離れなかった彼の姿のせいだろうか。
「笑顔、か」
電話越しに友人としていた会話を思い出す。
「好きな男は笑顔で落とせ、と言っていたな」
自称『常に新しい恋を探す女』が口癖の親友の顔が浮かぶ。
「確かにいつも笑顔なら好感を持ちやすいだろう。だが私に同じ事が出来るだろうか?」
自分でも無表情だと思う顔を眺めながら悩む私に、壁掛け時計が八時を告げる。
「そうだな、行こう」
新たな学年で隣の席になった彼が、私と同じ通学路を使うと言う情報も、深夜に
話し相手になると言う対価を払って入手済み。
「上手く笑えるだろうか?」
一抹の不安を覚えつつ私は玄関の扉を開けた。
――告白の日の朝・その一コマのイメージで
GJ
続きに期待
続きが気になる
GJ!!
投下行ってみます。
3レス程お借りします。
『幸せな家庭』
「わたしね、大きくなったらパパのお嫁さんになるの」
娘は目を輝かせて、そう言ってくれた。
俺は娘に「将来の夢は何?」と聞いてみたのだ。
すると、こんなに嬉しい事言ってくれた。
可愛い事言ってくれるなあ。
これこそ、幸せな家庭によくある状況の一つじゃないだろうか。
俺は隣を見る。そこには愛する妻――クーが座っている。
クーは娘を眼光鋭く睨んでいる……え?
「何で睨んでるの?」
「済まない、今は早めに白黒決着をつけなければならない。君はしばらく口出しをしないでくれ」
クーの声には凍りつくような冷たさがあった。
俺は思わず黙り込む。
クーは娘を見据えると、ゆっくりと口を開く。
「娘よ、その夢は諦めろ」
「どうして?」
娘は不思議そうな顔をしている。
「君のパパは、すでに私の夫だ。諦めるんだ」
「いや! わたし、パパ好きだもん」
「確かに彼ほど出来た人はいない。君が惚れるのも分かるし、私も彼を愛している。
……そうだ、君は何歳だ?」
「え、えと……五さい」
クーは、それを聞いて不敵な笑みを浮かべる。
「妻は夫の最大の理解者である必要がある。
一緒にいた年月が長く、彼の事をより理解する者が適している」
「わたし、ずっとパパと一緒だったよ」
「残念だったな。君が一緒にいたのは五年間だが、
私は高校1年の時から、つまり十二年間一緒にいるんだ」
「十二って五より多いの?」
「ふむ、五は君の片手の指で数えられるが、十二は両手の指を使っても足りないぞ」
娘は意味を理解したらしく黙り込んでしまう。
「どうやら私の方が妻に適しているようだな。それに君には根本的な問題がある」
俺はクーの言おうとしている事を悟る。
まさかクーの奴、あの事を言う気か?
「君と彼は親子だ、親子では結婚は出来ない」
「そんな……」
娘は今にも泣き出しそうだ。
俺は、すぐにクーを止めに入る。
「その辺でやめとけ。子供の言う事だからそこまで言わなくても――」
喋ってから気付いた。
俺の言葉は、どう考えても娘に対しての失言だ。
娘を見ると涙目になっている。
「わ、わたし本気だよ!」
「あ、ごめん。今のはそういう意味じゃ――」
クーが俺の言葉をさえぎって喋り始める。
「ふふ、どうやら君のパパは私の味方のようだな。娘よ、叶わぬ夢はさっさと捨てるんだな」
「うぅ……」
娘は大粒の涙を流し始める。
今のは言い過ぎだ。
俺はクーの頭を軽く叩く。
「親は子供の夢を大切にしてあげないと駄目だろ」
頭を叩かれてショックを受けたらしく、クーの表情は沈んでいく。
「そうだな……。私は娘が産まれた時に良い母になると君に誓った。
でも今の私は子供の夢を壊すような非道な女になってしまった。君に嫌われても仕方ない……」
「ちょっと待て、俺はそこまで言って――」
「うぅ……」
クーの目から涙が静かに流れ落ちる。
俺は思わず言葉を失う。
そして、二人は俺の前で泣き続ける。
「わ、わたし……ぐす……お嫁さんに……」
「君に……き、嫌われては……うぅ……生きていけない……」
……俺の幸せな家庭は何処に行った?
以上です。
ありがとうございました。
>>667
GJ! 娘に嫉妬するクーもかわいいなあ
クー容赦なさすぎワロタ
投下行ってみます。
2レス程お借りします。
『母の日』
「母よ、これを見て欲しい」
そう言うと、クーは手に持っていた紙を机の上に置いた。
――どうやら何かのチラシのようだ。
私は、そのチラシを読む。そこには、ある温泉旅館の紹介文などが書いてあった。
私はクーに聞く。
「これが、どうしたんだ?」
「もうすぐ母の日だ。母には父と一緒にここに行って貰う。日頃の感謝の気持ちだ」
クーがこんな気が利いた事をしてくれるとは思わなかった。
しかし私は、ある疑問を持つ。
「温泉旅館と言えば、男君と一緒に行くんじゃなかったのか?
そのためにクーはバイトしてただろ」
「……いや、実は母のためだったんだ」
クーの喋り方に違和感を感じた。
どうやら嘘をついているようだ。しかし、何故?
そう思っていると、クーは私に問い掛けてくる。
「母よ、何故難しそうな顔をしている。行きたくなかったか?」
「いや、是非行かせて貰おう」
愛する夫と、旅行に行けるチャンスを逃すわけにはいかない。
この際、クーが嘘をついている事など関係ないな。
私の返事を聞いて、クーは満足そうな表情を見せる。
「日取りは決めてある。今度の土曜日からの一泊二日だ。ゆっくり日頃の疲れを癒して来てくれ」
「ああ、ありがとう」
私は夫との旅行の事に考えを移す。
普段、子供の前という事で色々と行動を抑えていたが、旅行の間は抑えなくても良いわけだ。
ふふ、楽しみだ。
「私は用事を思い出した。では」
クーはそう言うと、別の部屋に行った。
しばらくして、その部屋から話し声が聞こえる。
電話でもしているのだろうか?
いや、そんな事はどうでも良い。
今は旅行中にする事をリストアップしないと――。
「……私だ。……いや、その事は諦めた。……本当だ。今日は違う用件なんだ。
君はこの前、勉強を教えて欲しいと言っていただろ。なので、私の家で泊りがけの勉強会をしよう。
……いや、君の学力向上のためには二日必要なんだ。……本当だ、信じてくれ。
……その点は大丈夫だ。君が叫び声を上げれば、私の親が助けに駆けつけてくれるはずだ。
……決心してくれたか、嬉しいぞ。
……それでは今度の土曜日に。……では、失礼する」
以上です。
ありがとうございました。
>>664-666が素でほのぼの家族に見えた俺エドモンド本田
可愛いよ大人げ無いクーも可愛いよw
>>671-672
次の土曜の朝、クーん家に来た男とクー母が鉢合わせ。
娘を『くれぐれも』ヨロシクね、と挨拶するクー母と呆然と立ち尽くす男
そして明後日の方向見ながら知らん振りしてるクーが目に浮かぶww
書き手さん皆GJ!
維持
―ピキーン!
クー「む…近くに男がいるな?電波を感じ取ったぞ!」
クー「やぁ、男。」
男「あ、クー。こんなところで会うなんて偶然だね。」
クー「そうだな。だが実を言うと電波を感じて探しあーゲフンゲフン何でもない。」
男「なに、そのわざとらしい咳払いは…」
クー「そんなことより、暇か?」
男「まぁ、暇って言われれば暇だけど…」
クー「そうか。ならちょっとお茶でもしていかないか?」
男「いいよ。」
クー「良かった。この前良い店を見つけてね。」
男「そうなの?センスがいいクーが認めるくらいのお店なんだから、きっと本当に良いお店なんだね。」
クー「あぁ、良い店だ。さぁ行こうか。」
男「うん。」
―数分後
男「ね、ねぇクー?なんか、さ…その……さ…」
クー「なんだ、男よ?」
男「こ、ここら辺の町並みって…俗に言う……ピンク街ってとこじゃ…」
クー「む、着いたぞ。」
男「…って、あれ?こんなところに喫茶店がある?」
クー「ふふふ、男、この通りを歩いていて一体何を想像していたんだ?」
男「な、なんにも想像してないよ!///」
クー「…ちょっと期待したか?」
男「……正直ね。」
クー「そうか、なら躊躇う事はない。行こうか。」
男「えっ、ちょ…待ってクー!ダメだよ!僕たちまだ…」(カランコローン)
クー「何がダメなんだ?喫茶店に入っては行けないのか?(ニヤニヤ)」
男「あっ、え……ぅー……なんか、今日のクーは意地悪だ…」
>>677
電波受信
↓
アホ毛装備ver.クー
という連想が浮かんだ
神スレほす
ほし
ほ
し
おんぼろドアの取っ手に指を掛けちょっとだけ力をいれてやる。するとドアは、その見た目とは裏腹に素晴らしい勢いでレールの上を滑っていった。
「うぃ~っす」
真正面にある窓から夕日が射し込んでいて、思わず目を細めた。
視界の中で人影が片手を上げる。久美──クー先輩だ。逆光なので表情は影のままだが、耳が隠れる程度の短い髪と、細い眼鏡のフレームがキラキラと光ってる。
「今日は遅かったな」
「や、バスケやってて」
先輩は膝の上に広げていた本を閉じると、それを折りたたみ式の安っぽい机の上に置いた。後ろ手にドアを閉めて先輩に近寄っていくと、カバーのかかっていない本の表紙が見えた。
「あ、これ」
「知ってるのか? クラスメートが貸してくれたが、男子向きではない」
「いや、妹が」
うん、たしかそうだ。妹がきゃっきゃ言って読んでたやつだ。ボーイズラブってやつですな。
しかし、アニキの前でそんな本を読んでる妹ってどうなんだ? もしおれが妹の前でフルカラー女体図鑑をきゃっきゃ言って見たりしたらどうなるだろう?
「なるほど、妹か……。ちなみに君は男子とキスしたことはあるか?」
「ありません!」
「そう……。よくキスの味をミントの味とかレモンの味とかって言うだろう? 男子同士でキスしても同じような表現をしたくなるものなのか、経験があれば聞きたかったのに」
先輩は残念そうにそう言うと、薄いピンク色の眼鏡のフレームを細い指で押し上げた。
まったく、この人は突然びっくりするような質問や発言をしてくる。衆人環視もおかまいなしで、しかも多分にセクシュアルなものもが飛び出すから、こっちはたまらない。
「ん? それは?」
先輩がおれの胸元を見つめている。
あ、そうだそうだ、忘れてた。
ちょうど先輩の真後ろにある古い戸棚から救急箱を取り出す。それを机の上に置き、パイプ椅子を引っ張り出して先輩の隣に座った。
「怪我をしたのか?」
座っている事務用の椅子をクルッと回し、先輩がこちらを向く。
ちなみに、今先輩の可愛いお尻の下になっている椅子の座面には、「部長用」と書かれたデカいシールが張ってある。張ったのは先輩だが、なんでそんなことろに張ったのかはよく分からない。
しかも、インクがボタボタ状態の極太マジックで書いたあと、すぐにその上に座ろうとしたので、「すぐに座るとスカートにインクつきますよ」と言ってやったら、なるほどと頷いて椅子の前に正座し、しばらくシールに向かってフーフーしていたっけ。
さらに付け加えておくと、ここは「部」じゃない。
おれがいきなり救急箱を出したせいか、心なしか先輩が心配そうにこっちを見ている。
「ちがいます、怪我じゃないですよ。ん~、あった」
どう見ても効果が切れていそうな無臭の湿布やら薄く埃がついた包帯やらをどけ、おれが探し出したのは針と糸。バスケをやっているとき、学ランのボタンが取れてしまったのだ。
糸の先をナメナメし、針の穴へと狙いを定める。うわっ、ちっちゃいなこれ。
なかなか糸を通せないでいると、横から細く白い手が出てきた。
「貸して」
先輩がおれから針と糸を取り上げる。
ペロン。
あっ! 舐めちゃった、先輩舐めちゃったよ!?
でもどうやらドキっとしたのはおれだけみたいで、先輩は眼鏡の奥で片目を瞑って針と格闘中。わずかに首を傾けそうしている先輩が妙に可愛くて、さらにドキドキしてしまった。
「通った」
「あ、はい、すみません」
先輩から針と糸を受け取ると、出来るだけ先輩の顔を見ないようにしてボタンを付けることに集中する。鎮まれ~鎮まれ~。
先輩が話し掛けてくるが、こちらはいたって普段通りだ。
「君は偉いな。今どき女子でも出来ない子はいる」
「うち、おふくろいないですからね~。一方で妹がいるし」
「こういうのは君がやるのかい?」
「そうっすね、自分の分くらい自分でやれよって言ってるんですけど……。あ、この前は学校で使うからっていうんで巾着袋作らされたんですよ」
そんな会話をしているうちにボタンを付け終えた。一丁上がり!
針と糸を救急箱に閉まっていると、先輩が学ランを手にとってまじまじと見ていた。
「見事な手際だ」
「ははっ、そんな大袈裟な」
「着てみてもいいかい?」
はい!?
おれが返事をするより早く、先輩はセーラー服の上から学ランに袖を通す。
「うん、いいな。男の子の匂いだ。帰るまで貸してくれ」
よく分からない感想をもらしながら、先輩は満足げだ。いや、まぁいいんですけどね。
おれは身体が大きいほうじゃないんだけど、先輩が小さいので、袖が余ってしまっている。それが可愛いと言えば可愛い。
学ラン・セーラーという需要があるのかどうか分からない先輩を眺めていると、もう一つ、忘れていたことを思い出した。
ガサガサとデイバッグをあさり、中からビニール袋を取り出す。
「先輩も食べます?」
机の上で輝くのはアルミホイルに包まれた二つのお握り。一つは梅干、もう一つは鰹節。おれは伝統的なものを愛するのだ。
「君が作ったのか?」
「はい。今日妹が遠足なんですよ。たくさん作ってくれって言われて、ご飯炊きすぎちゃって」
「そうか。一つもらおう」
「どうぞどうぞ。あ、卵焼きもあります。箸はないんで指で」
ビニール袋からタッパーも出す。中にはいっている卵焼きは妹の大好物だ。これもせがまれてたくさん作りすぎた。
先輩が卵焼きを一切れ摘み、口に運ぶ。
「これは……いい味だな。どうしたらこんなに美味しく作れるんだ?」
「特別なことはしてないですよ。まぁ、どうせ作るんなら旨いに越したことない、と思って作ってはいますけど」
先輩は聞いているのかいないのか、今度は小さな口でお握りをはむはむしている。
「もう一つ聞いてもいいか?」
「ふぁい?」
「どうしたら君の妹になれる?」
ぶっはぁっ!
窓から射す夕日、そのオレンジ色の帯の中を米粒が飛んでいく。よかった、先輩と向かい合わせに座ってなくて……。
そうじゃない! なにを言ってるんだ、この人は。
「妹って、なんですか、それ」
「話を聞いていると──」
キィっと椅子を鳴らしてこちらを向くと、先輩が腕を伸ばしてきた。指先がおれの口元に触れる。指で摘んで見せたのは、米粒。あ、すんません。
「君の妹は君に対して多大なる影響力を持っているらしい。それが非常に羨ましい」
「いや、無理ですから。先輩ですから、年上ですから、妹は年下ですから」
おれはそれだけを一気に言い切った。先輩は指先の米粒を見つめながら首をかしげている。
しばらく沈黙が流れ、
「そうか。無理か」
納得するのにそんなに時間が必要だとは思えないんだけど……。
「まぁ必ずしも妹である必要はないか、うん」
パクッ。
あっ! 食べちゃった、今度は食べちゃったよ!?
「ごちそうさまでした」
先輩は丁寧にそう言って頭を軽く下げる。米粒のことなんか何も思ってないようだ。またおれだけドキドキかよ。
誰かがここにいたら、二人しかいないのにやたらと騒がしいと思うだろう。ただ、騒いでいるのはおれかもしれないが、原因は先輩だ。それだけは言っておきたい。
そうこうしているうちに、帰宅を促すアナウンスが流れ始めた。
学ランはしっかり返してもらい、先輩と二人で玄関へと移動する。部活終わりや駄弁っていた奴らで、下駄箱の辺りはけっこう混んでいる。
と、その人ごみの中で先輩が足を止めた。
「考えたんだが、君の妹になるのはあきらめよう」
突然なんですか? しかもその話ですか?
「まぁ、今日は間接ではあるがキスもしたことだし」
ちょっとぉ! こんな人がいることろで、な、なにを!
周囲にいる人の動きが、一瞬止まった気がした。
「しかもあれは、間接ではあるがディープキスだった」
ヒソヒソ……。
「一回目は何度も舐め回していたし、二回目は咀嚼もした」
ヒソヒソヒソ……。
おおゴッド、みんながこっちを視ています。これは新しい趣味に目覚めよということですか? 無理です。視られるより視るほうを好むようにおれを創ったのはあなたです。
居たたまれなくなったおれは、自分の下駄箱へとダッシュした。
いや、嫌いじゃないよ、むしろ好きよ、クー先輩。でもね、うぶな少年に何故この仕打ち?
俯きがちに玄関を出ると、そこには当然のように先輩が立っている。
「どうした? 帰ろう」
溜息を一つつき、先輩の後ろをとぼとぼとついていく。
家まではまだ遠い。願わくば、どうか先輩が電車の中で「男子はよく自身の陰嚢のことをおいなりさんと言うが、酢飯の味はするんだろうか?」などと言い出さないことを……。
おしまい
良作にGJ!
なんか続きとかあったらむっちゃ楽しみだ
>>687
これはすごくいいな
GJ
こっちもほの板にも投下しないとなぁ…
ジャアッ!
宙を舞っていた色とりどりの野菜がフライパンへと戻ってくる。
その中からピーマンを一切れ摘んで口に放り込む。あっち! ん~、ちょっとだけ醤油。
フライパンを数回揺すり足した醤油を馴染ませると、野菜炒めを皿に移した。このまましばらく冷ます。
できた~。
今日は休日。いつもだったらまだ夢の中にいる時間だが、今日はクー先輩と二人でのサークル活動がある。
何をしているサークルかというと、いわゆる社会科見学だ。なんか小学生みたいだけど。
訪れる場所は、街の工場や会社やその他諸々。ほとんどの場所は学校の名前と、学校の活動であることを言えば、見学させてくれる。
普段訪れる機会が無い場所ばっかりだし、その非日常的な空気になんかとってもワクワクするし、それこそ小学生の頃から好きなんだよね。
場所を決めるのは先輩。だからとんでもない所へ連れて行かれることもある。試飲を目的にワイン工場に行こうとしたり、着いてみたらラブホテルの前だったり。
ちなみにラブホテルへ連れて行かれた日、休日だったのになぜか先輩は制服姿だった。ホテルへ突入するのを断念させたあとで理由を聞くと、「場所と合わせ、私なりに君の嗜好を吟味した」と言われた。
そんな結構めちゃくちゃな活動だが、今日は安心。近くにある水産試験場だそうだ。何をしているところなのかはよく知らないが、鰻がいるらしい。
試験場に行った後は、隣接する大きな公園で弁当を食う予定になっている。先輩も作ってくるらしいので、お互い持ち寄っての昼飯だ。
「ん~美味しそう」
背後から間の抜けた声がする。真美だろう。
「おまえの朝飯の分もあるから。おれはもう食った。とりあえず顔洗ってこい」
「ん」
パジャマ姿の真美が洗面所に消えていく。こいつを起こすのに目覚まし時計は必要ない。何か食い物を作っていれば勝手に起きてくる。
おかずは全部出来たので、次に広げたアルミホイルの上にお握りを載せていく。今日は梅干、鰹節、鮭、昆布の四種類。
海苔を取り出し、ここで巻いてしまうか別に持っていくか悩んでいると、玄関でチャイムが鳴った。
あれ、先輩か? 確かに先輩が迎えに来る予定だが早くないか?
エプロンをしたまま玄関に向かう。ドアを開けると、
「やあ、おはよう」
やっぱり先輩だった。しかし、
「おはようござ……いま、す」
なんだ、それは?
服はいい。スニーカーにデニムのミニ、フード付きのスウェット、いつもの眼鏡に肩にはトートバッグ。
しかし首から下げているそれは、双眼鏡? しかもデカくて傷だらけで、なんか軍とかで使うやつじゃないのか? だいたい今日は鳥じゃなくて魚見にいくんだよな?
先輩もおれの視線に気付いたらしい。
「これか? 昨日物置で見つけたんだ。なんか使ってみたくてね」
「はぁ」
なんだ、この人も子供っぽいところあるんだな。ちょっと可愛いかも。
「エプロン姿か。板についてる」
「え? あ、ども」
「とてもいい。ムラッとする」
朝ですよ~新しい朝ですよ~。
おれが密かに憧れていた、「年下の男が年上の女を可愛いと思いフッと笑う」図は、あっという間にどこかにすっ飛んでいった。
「あれぇ……」
どうやら洗面所から出てきた真美が先輩を見つけたようだ。先輩の視線もおれの背後へと向いている。
「妹です。こんなところじゃなんなんで、すぐ準備するから上がってください」
「そうか。じゃあ失礼しよう」
先輩は靴を脱いで上がるとクルッと回り、床に両膝をついて脱いだ靴を綺麗に揃えた。こういうところはしっかりしているというか。
もっとも、前に屈んだときに首から下げた双眼鏡を床板に打ちつけ、「ガンッ!」と凄い音をさせたのだが。
狭い居間に案内し、とりあえず椅子に座ってもらった。おれは台所に駆け込み急いで準備をする。
「すいません、すぐ出来ますから」
「いや、こちらこそ朝からお邪魔して申し訳ないな。で、はじめましてだね、國木田久美です」
「あ、はじめまして、妹の真美です。不束な兄ですがよろしくお願いします」
いきなり何を言ってるんだと思い、振り返って真美の顔を見ると、あ、目がキラキラしてる。先輩は先輩で、興味深そうにしげしげと真美を見ていた。
あ~、なんか分からないけど早く家を出たほうがいい気がする。出たい。
「よく話には聞いているよ。真美さんは随分お兄さんに愛されてるようだね」
「え~、わたしがいないところでいったどんな話してるんですかぁ?」
おい真美、なんかおかしいぞ、その返しは。おまえは誰だ? おれのなんだ?
「しかし愛に甘えているばかりなのはどうだろう? 君もいつか独り立ちしなければならない」
それはおれも言ってやりたい。が、なんでいきなりそんな話題に?
知らず知らずと、おかずを弁当箱に放り込む手つきが乱暴になる。さらに、お握りをアルミホイルで包むが、隙間が出来て海苔が見えてる。
一方居間では、二人の女子によるよく分からない会話が継続中だ。
「可愛いパジャマだね。君によく似合ってる」
なんか妙に「可愛い」が強調されてなかったか?
「え、そおですかぁ。うれしぃ~」
こいつは何も感じてないようだ。
「私はもちろんネグリジェだ、透け透けだぞ」
「きゃ~、だいた~ん」
ちくしょう! 箸箱! 箸箱はどこだ! あった!
「できた! 準備できました!」
狭い台所のあちこちに身体をぶつけながら居間へ飛び出す。まだ家から一歩も出てないのに、すでに汗だくだ。
「え~、もういっちゃうんですかぁ?」
「うん、残念だけど。でも、いずれきっちり話をするときが来るだろう」
「わぁ~たのしみ~」
これ以上この場に居たくないおれは、立ち上がった先輩の手を掴んで玄関に向かった。その後ろを真美がとてとてと追いかけてくる。
スニーカーを突っかけ、すでに靴を履き終えた先輩を玄関からそっと、しかし力を込めて押し出す。
「お邪魔しました」
「気をつけてね~」
「夕飯までには帰ってくるから」
「帰れないかもしれ──」
「いってきますっ!」
玄関のドアを閉め、そこでやっと一息ついた。横にいる先輩が、靴のつま先をトントンと打つ。
顔を上げると、空に薄く輝く月が見えた。その、向こう側が透けて見えそうな白さが、今の自分の状態を表しているように思えた。まだ朝なんだけどなぁ。
おれの前に先輩の手が差し出される。
「さあ、行こう」
帰ったら真美に何を言われるのか、訊かれるのか、そんなことが過ぎった頭を振り、おれは先輩の手をとった。
おしまい
>>687
>>694
GJ! 超超GJ!
相変わらずやわらかでやさしい文章がすごくいいですよね。
こんな文章書きたいー
ほし
ほし。
誰かいるー?
いるぜ
最終更新:2007年09月23日 03:36