126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 19:24:31.57 ID:R+SCyDD1O
お題・最近冷えてきたなぁ
家には長いスカートしかない。彼からミニスカートをはいてくれと頼まれたら、たぶんはくだろうけど。
たまに、女友達から、からかわれる。いつまでたっても進展しないなら、ミニスカートでもはいて誘惑したら、と




そういうものだろうか?私にはよく解らない。いまのキス止まりの関係も悪くないし。
それに、もう秋。ミニスカートをはく季節でもない。
今日は、彼の所属するサッカー部の県予選が行われる日。彼には黙って、スタンドから応援する。
ボランチのポジションから必死にボールを追う彼。普段、私といる時には、決して見せない顔。私は、サッカーボ



ールに嫉妬する。
子供の頃から、冷めた娘と言われた。別にそれが嫌ではなかった。
ただ、今、熱くなってサッカーをする彼を見ていると、生まれて初めて劣等感を感じる。
「俺、高校を卒業したら、プロサッカー選手になりたいんだ」
そんな、子供みたいな事を彼は言っていた。私は・・・私は、何になりたいんだろうか?
同点で迎えた後半のロスタイム、敵のペナルティエリアまで攻めあがった彼が、相手選手に倒され、PKをもらった




エースFWが、そのPKを慎重に決める。我が母校の勝利だ。
仲間と抱き合って喜ぶ彼。私は、そっと、スタンドを後にした。
翌朝。登校前。いつものように、コンビニの前で待ち合わせ。
眠そうな顔をしてやってきた彼に、缶コーヒーを差し出す。
「昨日の試合、かっこよかったよ。これは、頑張ったご褒美だ」
「ありがとう・・・なんだよ、観にきてくれるんなら、先に言ってくれよ」
いつもの照れ笑いを見て、少しほっとする。この笑顔は、私だけのものだ。
「もう、秋だね」
「そうだね。最近、冷えてきたなぁ」
「うん・・・寒いから、腕を組んで歩こう」
「えっ?」
顔が赤くなる彼を無視して、強引に腕を組み、体を預ける私。
もう、ミニスカートをはけないけれど、自然に体を寄せあえる。私は、この季節が大好きだ。

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最終更新:2006年09月12日 23:26