270 名前: ほんわか名無しさん [sage] 投稿日: 2007/02/14(水) 08:05:48 O
男「じゃ、行ってくるよ」
ク「ああ、いってらっしゃい……事故に遇うなよ」
男「うん、大丈夫だよ」
ク「不審な輩に出くわしたら、すぐに交番か民間に逃げ込むんだぞ」
男「はいはい」
ク「この時間は車も飛ばしているからな。道路を渡る時は、右を見て左を見て、もう一度右を……」
男「朝の星座占いでビリだったからって、心配しすぎじゃない?」
ク「それとこれとは別問題だ」
男「…でも、一応兄としての威厳というものが……」
ク「昔からそそっかしい所は直っていないようだからな。ほら、さっそく忘れ物だ」
男「え?別に忘れ物なんて何も……」
ちゅっ
男「!?」
ク「ん、これでよし」
男「う……かなわないな、ほんとに」
男「じゃ……いってきます、クー」
ク「いってらっしゃい、兄さん。今日も、君の好物を作って待っているぞ」
272 名前: ほんわか名無しさん [sage] 投稿日: 2007/02/14(水) 20:21:28 O
バレンタインで一つ投下
クー「男、バレンタインのプレゼントだ」
男 「ありがとう……これ?」
クー「そうだ」
男 「口紅?」
クー「中身はちょっとちがうがね」
男 「チョコレート……って、まさか!!」
クー「察しがいいな、その通りだ」
ヌリヌリ
男 「ちょっと、待――」
ちゅ
クー「……これは君とキスをするための口実だから、こっちに別のものを用意してある」
男 「…………これは?」
クー「『オペラ』というケーキだ、あまり甘くないから全部食べられるはずだ」
男 「……ちょうどいい甘さだね、美味しいよ」
クー「その言葉が聞けて嬉しいよ、ありがとう」
男 「あ、これって層になってるんだ」
クー「ああ、これから先も二人で色々な事を積み重ねて行きたい、という願いを込めて作ってみたんだ」
男 「……ありがとう、これからもよろしくね、クー」
クー「こちらこそよろしく。……ところで、ホワイトデーは少し期待してもいいだろうか?」
275 名前: 1ページ [sage] 投稿日: 2007/02/14(水) 22:19:55 0
友人A「今日はバレンタインだな」
友人B「しかし、今日もあいつとクーちゃんが見せ付けてくれるんだな」
友人A「うらやましいぜ」
友人B「まったくだな。少しは幸せを分けて欲しいぜ」
(コンコン)
友人A「噂をすれば何とやらだ。どうぞ開いてますよ」
ク「男よ。今日はバレンタインだろう。ほらチョコだ」
男「あれ、これ10円チョコだよ」
ク「不満なのかね」
男「そうじゃないよ。クーの気持ちは十分伝わっているよ。ありがとう」
ク「そうか。そうだ、ゼミ室にいる他の皆さんもどうぞ」
友人A「おう。すまんな」
友人B「10円チョコか…。まあチョコには縁が無いと思っていたからな。クーち
ゃん。悪いね」
ク「では男よ。私はまだやることがあるのでな。じゃあ」
(バタン)
友人A「…おい、何かずいぶんとあっさりじゃないか」
友人B「何があったんだろう。あいつ、なんかチョコをじっと見つめてるぞ」
友人A「クーちゃんの機嫌を損ねたのかね」
友人B「さあ、俺はわからんな」
男(クー、忙しかったのかな…きっとクーは僕を驚かせようと思ってすごいの
を作って家で待っているんだ。クーを待たせちゃいけないから今日は寄り
道しないで早く帰らないとね)
男「ただいまー。…あれ、誰もいない。普段ならクーがいるのにな。もしかしたら
早く帰りすぎただけなのかもね」
―――
男「…クーが帰ってこないなぁ…。この時期だからクーの研究とかが忙しいのかも
しれないなぁ…。…ん?携帯がなっている。きっとクーだ!もしもし?」
友人A「おう」
男「なんだ」
友人A「なんだは無いだろう」
男「ごめんね。所でどうしたの?」
友人A「いや、お前に話そうかと悩んだんだがな」
男「何があったの?」
友人A「いや、いつかは知ることだろうから、今言っておこうと思ったんだが、帰り
際に大学の中央広場でクーちゃんを見たんだ」
男「クーが?」
友人A「いいか、落ち着いて聞けよ。クーちゃんが別の男と楽しそうに歩いていたん
だ。その上、何かプレゼントらしき包みをを男が持っていたんだ」
男「えっ!そんな…。クーが…別の男と…」
友人A「おーい、もしもし?だめだ、あいつショックで受け答えができなくなってる」
―――
男「そんな…クーが…どうして…」
男「もしかしたら、僕がクーの愛にこたえられなかったのかもしれない。クーが好きだ
って言っても僕は恥ずかしがるしかできなかったからな…。考えてみれば、クーは
僕にはもったいなさ過ぎる位の女の子だったね…。クーも僕じゃなくてもっといい
男と付き合ったほうが幸せだよね…。そうだ…これで良かったんだよ…。クーの幸
せを考えればね…。一人ぼっちにはもう…慣れっこだよ…」
男「…グスン…クー…。会いたいよ…。でも、もうクーとは会えないんだ…。あの時、
愛しているよって言われたときにどうして僕もだよって言えなかったんだろう…
何でクーが抱きついたときにも抱き返してあげられなかったんだろう…。クー、
僕は君のことが大好きだよ…。君がまた来てくれたら僕は絶対離さないよ…」
(ガチャ)
ク「男。ただいま。遅くなってすまない」
男「クー!クーが帰ってきてくれた!僕のところに帰ってきてくれた!クー!僕はクー
のことを愛しているよ!絶対君のことを離さないからね!」
ク「男よ、どうした。君が普段なら恥ずかしがって言えないことをそんな大声で言って
いる上に抱きついてくれるのは私は嬉しいのだが、君が泣いているのは悲しいぞ」
男「クー…クーが帰ってきてくれた…僕は嬉しいよ…」
ク「泣いている君も愛おしい…じゃなかった。早く涙を拭きたまえ。一体何があったの
だね?事態がつかめんのだが?」
男「クーが…クーが…グスン…僕を見捨てて…別の…男と…」
ク「私が君を見捨てる?どんな冗談だそれは。私は君のことを誰よりも愛しているん
だぞ。そんなことがあるわけがあるまい」
男「だって…別の男に…プレゼントを…渡して…」
ク「ああ、あれか。そのことは今持ってきたものに関係している」
男「え?」
ク「しかし、君も早とちりをする男だな。別の男と付き合っていると思っていたんだろ
う。安心しろ。私は君のことが全宇宙のどの生命体よりも大好きだ」
ク「つまりだ…。君はケーキが好きだったろう」
男「うん。大好きだよ」
ク「うちの研究室の同期に男だというのにケーキ作りのうまい奴がいてな。そいつに教わ
っていたんだ。それであいつはその代わりにに今日は彼女の誕生日だから彼女に似
合いそうな服を見て欲しいとか言ったのだ」
男「つまり、その包みはその同期の男の人が彼女に渡すプレゼントだったの…」
ク「うむ。後、君は普段から恥ずかしがって、皆の前で恥ずかしいこと言わないでって
言うだろう。だから今日は君のゼミ室ではあっさり目にしてみた」
男「ごめんね。いつも通りのクーでいいよ。どんどん恥ずかしいこと言っていいよ」
ク「そうか。ではこれからもどしどし言わせてもらうぞ。で、本題なのだがそいつに教わ
って私が作ったのがこのチョコレートケーキだ。ケーキ専門店の味に勝てるとは思
わないが、食べてくれるかな」
男「そうだったんだ…。それなのに僕は…。クー、ありがとう。本当にありがとう…」
ク「私は君が私を熱烈に愛してくれたことが再確認できて嬉しかったぞ。よし、今切る
からな…。どうだ味のほうは?」
男「おいしいよ。こんなおいしいケーキ初めて食べたよ」
ク「君が喜んでくれて本当に嬉しいよ。男よ愛しているぞ」
男「僕もだよ。クーのこと大好きだよ。そうだ、クーも一緒に食べようよ」
ク「よし、では頂くか。…ふむ。我ながらなかなかうまくいったな」
男「こんなおいしいケーキ食べるのがもったいない気がするなぁ…」
ク「気にしないで食べたまえ。愛する男のためならいつでもいくらでも作ってやるぞ」
285 名前: ほんわか名無しさん 投稿日: 2007/02/16(金) 10:14:29 0
男「あ~、バレタインか。そんな日もあったなぁ」
ク「チョコを貰えなかったからって現実逃避は良くないぞ?
14日はチョコに欲しそうな顔で女子の近くをウロウロしてキモがられてたじゃないか」
男「古傷にふれるなぁぁぁぁぁぁああ!!(´ノω;`)」
ク「やれやれ、しょうがない・・・ほら つチョコ」
男「・・・え?」
ク「当日は家に忘れて渡せなかったんでな・・・遅くなったが受け取ってくれ」
男「ほ、ほ、ほ・・・・ホンマデスカ!?姉さん!!!」
ク「ああ、私の気持ちだ。受け取ってくれると嬉しい。」
男「ぜ、ぜひ受け取らせていただきます!!」
男「と、言う夢を見たんですが正夢でしょうか?」
ク「・・・人の夢と書いて儚いと言うんだ。」
男「ですよね(´ノω;`)」
293 名前: ほんわか名無しさん [sage] 投稿日: 2007/02/20(火) 01:42:40 0
つ【本の好きな男とスポーツ好きなクー】
書店の親父「まだ立ち読みしている客がいるな…。ちょっとお客さん」
男「ああ、すいません。家に帰るのが待てなくて、今買いますから…」
店「なんだ。男君じゃないか。君だったらいくらでも見てくれていいよ」
男「そうもいかないですし…。それに家に帰るきっかけがなくなりそうで…」
店「ははは。本当に男君は本が好きだね」
男「この作家さんの新刊とても楽しみにしていましたからね。…あれ?あの人何やっている
んだろう…?…おじさん!あの人、万引きを!」
不良A「…ちっ!」
店「おいこら!逃げたか…。被害が無いのは何よりだったが…」
男「万引きが最近多いんですか?」
店「最近、結構増えていてねぇ。困りものなんだよ。例えば1冊当たりの本屋の儲けを10 %と
すると、1冊万引きされたら10冊売らないと取り戻せないんだよ…」
男「それは大変ですね」
店「今日は男君のおかけで助かったよ。ありがとう」
―――
男「さあ、新刊が楽しみだな。家に帰ってお菓子食べながら読もうっと」
不良A「おい、兄ちゃん。ついさっきは世話になったな。面貸せや」
男「えっ…僕のこと…」
不良A「ついさっきはよくもやってくれたじゃねぇか」
男「ええと…。こんな路地裏に連れ込んで…もうちょっと明るい表通りで話をしようよ…」
不良B「俺たちの大事な収入源をよくも邪魔してくれたなぁ」
男「でも万引きはよくないと思うな…」
不良C「兄ちゃんのせいでシンナー代が足りねぇんだ。どう落とし前をつけてくれる」
―――
ク「今日はいい買い物日和だ。男を誘おうとして連絡が取れなかったのは残念だが、大方本屋
で熱中しているのだろう。…ん?あれは男ではないか。友達と一緒にいるみたいだな。おー
い。男よ。…ん?何かジェスチャをしているぞ。甘えん坊さんめ。こっちに来いということだな」
男(クー、こっち来ちゃだめだったら!)
不良A「兄ちゃん、何ついさっきから手を振ってやがるんだ?」
男「ええと…なんでもないですよ」
ク「男よ。君と会えて嬉しいぞ。…おや、普段の君の友達層とは違うな」
男「クー。ジェスチャが見えなかったの。来ないでって」
ク「君は私のことが嫌いなのか…」
男「そうじゃなくて…」
不良B「ついさっきからごちゃごちゃ何言ってやがるんだ」
男「彼女は僕とは関係ないんで…」
ク「恋人に関係ないとはひどいな。相当ショックを受けたぞ」
男「だからクー。危ないから今は僕から離れて」
不良A「兄ちゃん、そいつはお前の女か。見せ付けてくれちゃってよぉ。気にくわねぇな」
不良B「おい、そこの女。そんな貧弱な男はやめて俺の女にならねぇか」
不良C「しかし、この女幼児体型だぜ。おまえロリの気があるんじゃねぇのか?」
ク「男よ。こいつらは何だね。知能指数の総和が2桁にも達していないようなこの連中は?」
男「僕を恐喝しようとしているみたい。危ないからクーは逃げてよ」
ク「そうはいかん。愛する君の大ピンチだ。私が君を助けて見せよう」
男「いくらクーが護身術として武道をやっているとはいってもこれだけの相手じゃ…」
ク「無論、私のスポーツ武道で勝てるとは思わん。ただ、私は交渉術の心得もある。彼らも人
間だ。穏便に説得できるはずだ」
男「大丈夫かな…」
ク「あー、君たち…」
不良A「なんだぁ?有り金全部出す気になったかぁ?」
ク「いや、そうじゃない。どうすれば君たちは満足かな」
不良B「あの貧弱な男の有り金全てをよこして、俺の女になるんなら許してやってもいいぜぇ」
ク「ううむ。もう少し条件は緩和できんものかな」
不良C「しかし、あんな男のどこが気に入っているのか、俺にはわからねぇぜ」
ク「…私を幼児体型だとかけなす分にはかまわんが、私の男をけなすのだけはやめてほしい!
しかし、君たちはチンパンジー並みの知能だな。人間の言葉を話すのはやめてもらえんかな」
不良A「俺たちをチンパンジーだと…」
ク「申し訳ない。チンパンジーに失礼であったな」
不良B「女だと思っておとなしくしていれば付け上がりやがって!痛い目にあいてぇのか!」
男「…!クー!危ない!」
ク「男!大丈夫か!すまない。私がかっとしたばかりに…君をこんな目に…私なんかをかばわ
なくても…」
男「クー…。怪我は無さそうでよかったよ…。僕のことは気にしないで…早く…逃げて…」
不良B「へっ、俺のパンチをもろに腹で受け止めやがったぜ。さぁ女。おまえの男はそこで気絶
しているぜ。俺と一緒に茶でも飲みにいかねぇか」
ク「許さん…。許さんぞ…貴様ら…」
不良A「おめぇも痛い目にあいたいのか?」
ク「愛する男をこんな目に…貴様ら生きて帰れると思うな…」
不良B「しかたねぇな。こうなったら力づくでも俺の女にしてやるぜ」
ク「汚い手で触るんじゃない!」
不良C「何だぁ?じゃあ、俺のパンチで気絶させてから…食らえっ!…うっ」
不良A「おい?どうした」
不良C「この女。俺のパンチを受け止めやがった、しかも強く握って動かねぇ!」
ク「貴様らには地獄すら生ぬるい…」
ク「男!男!目を覚ましてくれ!お願いだ!」
男「…うーん。クー?…良かった。クーは無事だったんだ…」
ク「男よ。身を挺してかばってくれてすまなかった。ただ、格好良かったぞ」
男「クーを守れなかったんだ。格好良くないよ」
ク「いや、私にとってのヒーローは君だ。愛しているぞ。男よ」
男「えへへ…///。何か照れちゃうな。所で、クー?小腹が空かない?」
ク「あんなことがあっても小腹が空くとは大物だな。よし、ケーキでも食べに行くかね」
―――
男「よくあれだけの不良から気絶した僕を連れて逃げられたね。さすがクーだよ」
ク「さすがにそんなことはできない。少し説得をしてな、それで決着が付いた」
男「あんな険悪な状態から説得に成功したんだ。クーの交渉術はすごいね」
ク「たいしたことではないよ。所で、このスペシャルケーキを注文しようと思うのだが」
男「それ、すごくおいしいけど高いよ。誕生日とか特別な日には頼むけど…」
ク「心配するな。この金を見たまえ。ここは私のおごりだ」
男「こんなに一杯…。このお金、どうしたの?」
ク「実は説得中にあの連中が自らのを非を認めて、君の治療費と我々への慰謝料をくれた
のだ。さぁ、これだけ金があるんだ。好きなものを好きなだけ食べようではないか」
最終更新:2007年02月21日 13:43