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定性的リスク分析

  • 重要度や緊急度、発生確率などから、リスクの優先順位を決めておくと良い。
    PIマトリックスを作成するのも一つの手。

  • リスク要因を探し出す場合には、過去のリスク要因やドキュメントのレビュー、チームメンバーへのヒアリング等が有効。
    また、色々なケースをサキヨミ想定すること。

  • リスクを考えるときはQCDや契約上の問題、各種の不確定要素に主眼を置くと考えやすい。
    不確実性が高くなる物としては、例えば以下のようなものがある。
    • 新技術:理解不足による進捗遅延や新技術自体に「洗い出されていない初期の不具合」が存在しているケース等
    • 物理リソース確保:ハードウェア、ソフトウェア等
    • 人員リソース確保:有識者の確保や病気等
    • 性能達成
    • 対向システムの進捗状況
    • スコープや仕様の曖昧さ

  • リスクはタイプ別にリスク区分をしておくと良い。

定量的リスク分析

  • 定性的リスク分析で決定した優先順位に従い、数値等で評価を行うと良い。

  • デシジョンツリー等も活用しよう。期待金額価値分析(EMV)として発生確率とそれぞれの利益(期待効果-費用)を掛け算することで、確率的にベストな選択をすることができる。

  • リスク事象の影響力を判断する感度分析と呼ばれる手法がある。トルネード図は感度分析の代表的な方法で縦にリスク要因、水平バーに影響度合いを表現させたものである。

リスク対応計画

  • 事故や災害等が起きた場合にどう対処するかをまとめたコンティジェンシープランを立てておくと良い。

  • 方針を決めるときには代替案も考えておき、検証しておくと良い(最初から直感や決めつけで行動するのは危険。

  • 計画を立てる時にはマネージメントリザーブと呼ばれる予備費(バッファ)を設定しておくと良い。

  • 最悪のケースが発生した場合の引き際も考えておく。

  • リスク対応策を実施した直接の結果として生ずるリスク(二次リスク)が発生する場合もあるため、注意する。

  • 100%起こるリスクは、リスクではなく単なる問題。

■リスク対応種別(マイナス要因)
分類 説明
回避 リスクの原因を取り除く、リスクが発生しうる作業を行わない
転嫁 外部委託等でリスクを第三者にゆだねること
軽減 リスクの発生確率を下げる。リスクが発生した時の影響度合いを軽減する
受容 リスク対策にかかるコスト等を考慮し、意識的にリスクに対する対策を打たない
エスカレーション 上位者に判断を仰ぐ

■リスク対応種別(プラス要因)
分類 説明
活用 プラス要因が確実に起きるように、不確実性を取り除くこと
共有 好機を掴むのが得意な第三者に権限の一部または全部をゆだねること
強化 好機の発生確率を上げる。好機が発生した時の影響度合いを強化する
受容 好機が来たら受け入れるが、意識的に好機に対する対策を打たない
エスカレーション 上位者に判断を仰ぐ

■リスクまとめ例
分類 発生条件 問題 問題が発生したとみなす契機 対策種別 対策 対策責任者 発生確率 緊急度 対策の効果
費用 開発者のスキル不足 労務費の増大 労務費が計画値よりも20%高い 軽減 有識者のサポート体制を整える PL 40% ×有識者を確保できなかった

リスク監視

  • リスクが発生したとみなす基準を考えておき、その基準値を超えた場合はリスク対策を実施すると良い。
最終更新:2025年04月29日 08:59