L2SWにおいてブロードキャストフレームはヘッダを評価しないため、
ルータのルーティングのようにヘッダ(TTL)を読み込んで、
TTL=0となった時にパケット破棄するような処理が行われない。
そのため、ネットワーク内でループが発生し、
通信帯域を圧迫したり、ネットワークが落ちる問題が発生する。
そこで、BPDUと呼ばれる制御フレームをやり取りして
ネットワークがループ状態を形成していないか識別し、
通信が無限ループするのを防ぐためのプロトコルとして
スパニングツリープロトコルが存在する。
スパニングツリープロトコルではブリッジプライオリティの小さい値を持つルータ(*1)を
ルートブリッジとして決定し、そこからルートポートと代表ポートを決定し、ツリーを形成していく。
各ポートの種類の位置づけは以下の通り。
ルートポート |
ルートブリッジまでに最小のコストで到達できるポート。ルートブリッジでないスイッチごとに1つ設定され、ルートブリッジ側へ向かうイメージ |
代表ポート |
ルートブリッジのポートは全て代表ポート。ルートブリッジ側から下流ブリッジ(代表ブリッジ)に向かうイメージ |
ブロッキングポート |
上記の2つに該当しなかったもの。ツリー上では形式上つながっていないものとして扱われる |
ブロッキング指定していたポートにてポート障害が発生すると
そのポートがフォワーディング状態になり、フレームのループが発生し
処理に悪影響を与えることがある。
尚、スパニングツリープロトコルにも
- PCを接続しても直ちに通信が可能な状態にならない(約1分)
- VLAN(*)内へのユニキャストフレームの流出が増加する
- ブロッキングされたリンクでは通信を行わないため、負荷分散の効果が期待できない
といったデメリットも存在する。
(*)VLANでスパニングツリープロトコルを適用するには、
PVST,MST等を適用すること。
最終更新:2015年09月24日 12:36