千鶴さんのサイトでありがたく連載中「
銃剣士アリーナ」の読者様からリクいただいたシャルの番外編です。
キャラ総出演とのことで。頑張ります!! [随時更新…]
今日の空は青く澄み渡っていて、お日様が心地よい光を地上に降り注いでくれている──
お日様、今日もありがとう・・・
なーんて言う性格なわけもなく、ラント婆さんに「晴れの日ぐらい外に出いっ」と庭に放り出されたシャルトスは、木陰ですやすやと眠っていた。
そして何を思ったのかハッ!!といきなり目覚めると、開口一番こう呟いた。
「お腹空いた・・・」
ゔ~と一通りうなってから、シャルトスは何か食べる物がないか 周りをキョロキョロ見回して・・・
白い、ケイト・フェラードによく似たウサギを見つけた。
「・・・・・・?」
シャルトスはあんな・・こう、生理的にムカつくウサギがいる物なのかと不思議に思い・・
「・・・・・まぁいっか」
と言ってもう一度安らかな眠りについたとさ・・・と、ふぅ。これでいいわね。大体何でこの私がケイト・フェラードなんて追い掛けなきゃいけないのよ。私が後を追うのはアリーナ様だけですわ!!それにしてもあ~お腹空いたわね。サムト、ロイヤルミルクティーを入れて来なさ・・・
「いやいやいや!!こらこらこらこらッ」
そう私に突っ込んだのはチェシャ猫っぽい格好をした確か・・千鶴とか言う人。ちなみに二足歩行。
「何勝手に終わらせようとしてんだよ!まだあたしとかはお姉とか出て来てないじゃんっ!!」
「別にいいでしょう。大体アリスが何でウサギを追って行ったのかわかりませんわ。きっと暇だったんでしょうねぇ・・・」
「お前もじゅうぶん暇だろうがッ!?」
「あなたと一緒にしないで下さい。私には主人公と言う重大な役目が・・・」
「だったらさっさとあいつを追いかけろよ!!」
そういいながらちづ・・チェシャ猫はビシッとケイトウサギを指差した。
「なぜ私が」
「今自分で主人公だって言っただろ!って・・はぁ。聞きそうにないね。ちょっと、作者!」
チェシャ猫がそう呼ぶと、シャルトスが休んでいた木陰を作っていた木がふり返って木の被り物をした作者が現れた。
「・・・・・暇なんでしょうねぇ」
「ちがっ・・役が足りなかっただけだ!!」
哀れんだ目を向ける自称忙しい主人公に文句を言いながら、作者はチェシャ猫に目を向けた。
「こいつがどうも動きそうにないから、ちょっと話を変えたいんだが」
「例えば?」
「・・・・アリーナちゃんを救いだす話にするとか」
「待ちなさいケイトウサギッ!!!」
そこには、チェシャ猫の言葉を聞き終える前にものすごい勢いでケイトウサギを追い掛け始めるシャルトスの姿があった・・
不思議の国のシャル
「やばいやばい・・」
首に下げた金の懐中時計を見ながらてけてけ掛けて行くケイトウサギ。
そしてその後ろから、ものすごい勢いでケイトウサギを追い掛けるシャル。
「やべ───っ!?」
さっきと違う意味で、そして身の危険を感じながら全力疾走するケイトウサギは、追い付かれる前にやがて深い深い穴の前まで来た。
そして躊躇なくそこへ飛び込むと、後ろからも同じようにシャルが飛び込んでくる。
それは、不思議の国への通り道でした。
目を開くと、低い天井からぶら下がった電灯が見えて、光の輪がドーナツのように思えた。
それを見てお腹がなったシャルは、自分は何でこんな事をしているんだろう・・と思って
「アリーナ様っ!!」
自分が何をしていたのか思い出し、ガバッと身を起こした。
と、そこまでは良かったものの ここは電灯で照らし出されただけの真っ暗闇。
どうする事もでなくて、シャルはとりあえず辺りを見回してみた。
上を見上げると、暗闇の中に自分が落ちてきたのだろう穴がポッカリと口をあけていた。
そして目の間には、戸の開いた一つの扉があった。
「ここから・・・どうやって出ろと?」
シャルがそう溜め息をつくのも分かるぐらい、その扉は小さかった。
ただ開いた戸の隙間からたくさんの花が見えるだけで、手の平を入れるので精一杯。
「確かアリスはここで 薬を飲んで小さくなるんですっけ」
そう覚えていながらも、シャルはめんどくさかったのか強硬突破し出した。
「土よ、我が前に道を開け」
短くそう唱えると、目の前にあった壁が弾け飛んで光が差し込んできた。
「不思議の国でも契約魔法は使えるのね」
変な所に感心しながらシャルは、無理矢理開いた道をくぐって行った。
最終更新:2010年06月03日 22:00