小学校の頃にあった、校庭キャンプ。
──僕は、病院の定期検診の為、休まざるをえなかった。
小学校最高学年に行く、遊園地。
──アトラクションには一切乗れないと知らされて、僕は行かなかった。
大体、この病気の所為で僕は、クラスメイトから1,2歩遅れている。イベントに参加出来なければ──当然話が合わなくて──友達は、少ないと言うより、片手で数えられる程しか居ない。
だから・・こんな、同世代の人と沢山話をしながら寝たのは、久し振りと言うより・・初めての経験かもしれない。
──野宿だけど。
「えっと・・、アイリ達は何時もこんな感じなの?その・・寝る場所、とか。」
僕は、「仲の良い証拠」らしい呼び捨てを許されたアイリに、思い切ってそう聞いてみた。
「そうだよー?あ、もしかして純は野宿初めて?あははー、貴重な体験だねぇ。」
「・・時々野獣も出るが──・・全て我等が祓うので、純は安心して寝ていろ。」
「え・・いや、安心して寝ろって言われても・・」
そして僕は、右、左、右と横断歩道で安全確認でもするように左右を見回してから、溜め息をついた。
「熟睡は・・無理だと思うなぁ・・。」
何たって、広い野原のど真ん中に、堂々とテントを張って寝ているのだから。ちなみに、寝心地はあまり良いとは言い難い位である。
「シカシ寝ナケレバ明日、辛イゾ?ズット歩クノデ・・」
アイリの枕元に羽をうずめるローが、閉じていた片目を開いてそう言った。
「歩く・・と言えばさ、ローは飛ぶの、疲れないの?羽をパタパタやってさ。」
「我等ノ『飛ブ』ト言ウ行為ハ、純達人間ニトッテノ『歩ク』事ト同等ノ疲レシカ感ジナイ。例エバ片羽根ガ折レテイレバ、片足ヲ骨折シテイル様二感ジルノダ。ナノデ、ソノ苦痛デ飛ブ事ハ出来ナイ。人間モ、松葉杖ガ必要ダロウ?」
「うん・・、良く、出来てるんだね・・」
と、僕は言い掛けて、咳が出た所為で言葉を切った。
「・・やはり昼間、叫んだのが悪かっただろうか。大丈夫か?」
「うん、ありがと・・。でも寝る前に、水を飲んでおこうかな・・確か、近くに小川があったよね?」
そう聞きながら立ち上がる僕に、アイリが頷いて返してくれた。
「暗いから、気を付けてね?それとも灯りいる?クロ-ク起こすよ?」
「いや、そこまでしなくても・・大丈夫だよ。じゃ、ちょっと・・」
「野獣に、襲われるな。タチが悪いから・・」
そう心配してくれる華美月に手を挙げて軽く返しながら、僕はテントを後にした。
最終更新:2008年05月11日 18:25