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「違う、偉大なお方だ!」
「偉大なのは、ラナ様。」
「ラナって言う人は下道だもん!」
「下道はフィリックとかいう奴だっ!」
 上からレオ、華美月、ノース、アイリの言葉なのだが・・質問して、余計に意味が分からなくなってきた。
 フィリック=偉大=下道?
 いや、偉大と下道は絶対に「≒」だからこれは違うか。だから
フィリック≒偉大=下道=ラナ
で・・あれ?余計に意味が分からない・・大体ラナは此の式にいるのか?
「待って、あの、ちょっと・・整理したい。偉大なのは、誰?」
『ラナ様!』『フィリック様!』
「・・それじゃあ、下道なのは・・・?」
『フィリック』『ラナ』
「・・・。」
 僕の目が、段々冷めて来ているのを見て、アイリが突拍子も無くクロ-クに話題を振った。
「そう言えばクロ-クは、さっきから何も喋って無いけど!どう思ってるの?」
「・・そんな低レベルな言い争いをせずとも、ラナ様が偉大でフィリックが下道以下だと言う真実は変わらん。」
 クロ-クは造作も無くそう答え、興味無さそうにまたセラフィアと対峙した。
「かっわいくなぁい・・」
 ノースはクロ-クのその対応を聞いて、拳を握ってフルフルと震えだした。
「じゃぁ、セラフィアは!?まさか、あいつと同じこと言わないよね!?」
 ノースがビシッとクロ-クを指しながら、今度は同じく一言も喋っていないセラフィアに話題を振った。
「えと・・。私達の意見は元々違うのですし、話し合いで解決出来るとは思えません。なので、純様の信頼できるお人の意見を信用なされば、それで良いのではないですか?」
 いや、それはまぁもっともな意見だが・・
「・・え、いや・・えーっと・・・」
 少し質問をしただけなのに、何でこんな事にるのだろう。ここで下手な人を選べば──例えばクロ-クを選べば、ノースには絶対恨まれる、という風になってしまうだろう。
しかし、選んでも誰にも恨まれない人は・・この場合、居ないのではないだろうか。さっきの言い争いを聞いていれば、ラナを慕っているのは華美月、アイリ、クロ-ク、フィリックを慕っているのはノース、レオ、セラフィアと言うのは一目瞭然だ。なので・・誰を選んでも、その他のチームの人に恨まれてしまうと思う。だから、僕は──・・
「選べない・・。ごめん、選べないよ。ラナさんとかフィリックさんとか・・会ってもないのに、偉大とか下道とか決めちゃうのは駄目だと思うし。せめて、2人に会ってから決めたんじゃ・・ダメかな?」
 僕がおずおずとそう言うと、渋々4人は了承してくれて、セラフィアは笑って返してくれた。クロ-クだけは僕の方に背を向けたまま無反応だったが・・まぁ、いいだろう。これで最低、誰にも恨まれては無いと思う。
 そう一安心した僕に、突然アイリが聞いてきた。
「でも純、これからどっちに着いて行くの?私達は別行動だよ?」
 まぁ暗に「こんな人達とは一緒に行動したくない」と言っているのだろうが、はてそれは困った。どうしようか・・。
「・・これもきっと、僕には決められないよ。だからさ、これで決めても・・いいかな?」
 ──僕が指差したのは、一本の小枝だった。

「純・・あれはひどいよ~」
 アイリがあの状況を思い出し笑いしながら、僕にそう言った。
「でも、決めれな・・いや、ごめん。」
 僕は、少し屁理屈を言いかけたが、素直に謝った。僕も、あれはちょっとひどいかなー・・と思っていたから。
 ・・僕は、どっちに着いて行くのか、棒倒しで決めたのだ。
「シカシジュン、此レカラ直面スル問題モ、全テアノ方法デ解決出来ルトハ思ワナイ事ダ。キット、痛イ目ヲ見ルゾ。」
ローが僕の上から、そう言ってきた。
「問題、って・・?」
 僕が聞き返すと、それには華美月が答えとも言えない答えを返してくれた。
「・・『鍵』の解決する『問題』については、ラナ様に会ってからだ。なので今日は、まず・・」
 華美月はそこで言葉を切って、見えて来たテントを振り仰いだ。
 僕は、それだけで意味が分かって・・そうだね、と笑って返した──。
最終更新:2008年07月17日 22:52