1.いつもの口癖 - 4
「調べてきましたよ」
バン。
私は神様の前にある机に、少し乱暴に辞典を置いた。
「わぁ、意外と早かったですね」
人の苦労も知らずにほのぼのとそう言った神様は、辞典を手にとって「い」の欄をパラパラと探し始める。
「今回は、コミックワールドの“樺月夜”の世界に行ってきました」
「あ、い、いつもの口癖……“ありがとう”?また、ずいぶん真っ当な意見ですね。樺月夜の世界……そんなに真面目な人しかいなかったんですか?」
「いえ、そんな事は全ッッッ然なかったんですけど。その意見を出してくれたのがすごくマトモな子で、他の人がそれに賛成したんですよ」
「ふーん?きっと……あ、流れ星ですよマナ!!仕事が減りますように、仕事が減りますように、仕事が減りますようにッ!それから~………」
「………………。」
この人、本当に「神様」なんだろうか……
「ぁ、で、それから次の言葉ですよね。ん~……では“星降る夜に☆”で行きましょうか。あ、最後の☆は必須ですよ、必須!」
「………はぁ」
そして神様はさもおもしろそうに、言う。
「では、今度はおもしろくなるように頑張ってくださいね♪」
最終更新:2009年05月04日 22:48