「──そんなのやだよっ」
いきなり、テノールぐらいの低声がそんな少女のような声を出した。
するとその中学生ぐらいの少年は、自分の声に驚いてきょろきょろとあたりを見回した。
『なんだこれ!?いきなり・・どうなってんだッ!?』
それからすぐ少年の頭に、そんな声が響いた。
「・・え?私・・・男?」
それから少年はまた少女のような言葉遣いでそう呟くと、ぺたぺたと自分の体を調べ出した。
『な・・っ誰だお前!?触んなよ──ッ』
そして頭の中に響く声が、さっきより一層強くそう叫ぶと、
いきなり少年の胸元あたりが光りだした。
ややあってその光りが収まると──少年はさっきと変らずそこに立っていた。
「今の・・、何だったんだ?」
『あれ・・?私、さっき確かに・・・』
そして少年は不思議そうにそんな声を出し、
頭の中に響く声は驚いたような声を出した。
それから少年は、いきなり思い出したように胸元を探り始め、
ややあって 服の中から群青色のペンダントが出てきた。
「これ・・あいつにもらった・・・・・?でもさっき、光って・・」
『──っ!?それっ・・・』
頭の中に響く声は一瞬驚いたような声を上げ、さっきあった出来事を想い出した──
アナタ ハ 死ンダ ノデス
ソレデモ 生キ帰リタイ ト 言ウノナラ──
すると死神は何もない場所に群青色に光るペンダントを出現させた。
コノ ペンダント ヲ 通ジテ
コレヲ持ツ者 ト 一心同体 ニ ナルコトガデキマス
シカシ 死ンダ ペナルティ ニヨリ
アナタ ノ 一番叶エタイ願イ 以外 ハ 全テ 忘レマス──
頭の中に響く声を出す少女はそんな回想を終了し、自分が何を覚えているのか確かめてみた。
自分の名前──分からない
なぜ死んだのか──分からない
私の願い──あなた、に 笑ってもらう・・・?
なに、それ・・?「あなた」に笑ってもらう・・?
「あなた」が誰なのかも覚えてないのに?
でも、それが──私の「一番叶えたい願い」。
そして・・・私はそのために、命まで浴した。
なら──
『・・ねぇ』
私は少年の頭に声を響かせ、切り出した。
『どうしても・・・叶えたい願いがあるの──』
最終更新:2007年12月14日 20:27