出典: 無用百科事典『数寄ペディア(Sukipedia)』
テクノカットは、1970年代末から80年代前半にかけて日本で流行した髪型。本来はテクノ音楽グループYellow Magic Orchestra(YMO)のメンバー(細野晴臣、高橋幸宏、坂本龍一)の髪型を指し、彼らの人気の上昇とともに模倣され、浸透した。
YMOのヘアメイクを担当した美容師、本多三記夫によると、YMOのデモテープと彼らの衣装「赤い人民服」に刺激を受けて、1978年に前衛的な髪型として考案。「YMOカット」と呼ぼうとする動きを抑え、「テクノカット」と命名したという。しかし、YMOの髪型は、ドイツのテクノ音楽グループ、クラフトワークのそれを真似たものであるという指摘もある。
YMOの髪型はメンバーや時期により差が大きいために、テクノカットがどのような髪型を指すか厳密に定義することは難しい。メンバーや時期の違いを超えて見出すことができる、だいたいの共通点として、斜め一直線に切り落とされたもみあげと刈り上げられた襟髪をあげることができる。とくに、前者のもみあげを落とすことが当時、斬新であったために、テクノカット=もみあげを落とした髪型とする見方が根強く定着することとなった。そこから、もみあげを落とすことを、もみあげを「テクノにする」と表現する理容師も現れた。