小説1

とあるE.G.O.の施設内

「唯我独尊(マッシュ)!」
少年の手が光り、木が地面をもぐる。
そして地面から顔の形をした立方体が現れ、口をあける。
その先にはポニーテールの女子高校生がいた。

「!スパークリングプラズマ!」
手からプラズマの玉を発生させてその立方体を破壊する。

「旅人(ガリバー)!」
今度は地面に升目が発生し、真由美のいる区画の升目から板が飛び足して閉じ込めようとする。

(これに捕まるとまずいわ!)
真由美は気をこめて空を飛んだ。身体が金色に光る。

耕助はそれを確認するや「花鳥風月(セイクー)!」と叫び、 羽を広げて空を飛ぶ。

真由美と耕助の相対位置と速度が並んだ。
(これは・・・なら!)
耕助も身体を赤いオーラで染めた。

まず動いたのは耕助だった。
「鉄(クロガネ)!」
腕から木でできた大砲が真由美に向かって飛び出す。
(甘い!)
真由美はそれを避けて、上からけりを入れようとする。
しかし、すんでのところで背後に回られて、逆に蹴りを入れられ、落とされ、衝撃で発生した砂煙が舞う。
その後を耕助が真由美の落下地点に向かった。

砂煙が晴れたところでは、二人がガチンコの殴り合いをしていた。
お互いに能力でパワーを上昇させていたため、一般人なら即死ものの攻撃を繰り出していた。
だが、殴り合いは止まなかった。
お互いに知っていたのだ。
技を繰り出そうとすれば、その隙を付かれることを。
しかし、どこかで決着をつけなければならない。
お互いに渾身の力を込めて拳の一撃を放った。
お互いに顔にヒットし、お互いに殴り飛ばされ、気絶した。

「・・・すごいわ。植木って子。真由美とあそこまで戦うなんて。」
見ていた東海林光がつぶやく。
「あれ以上が、かのアノンって奴なの・・・?道理で極星のレイナが再起不能、皇帝が恐怖に怯えるわけね・・・。」

レイナ・アークトゥルス。
魔剣姫の二の名を持ち、皇帝の片腕として以前真由美たちと互角以上に戦った女。
その女が全身の骨を砕かれて瀕死にされたのだ。
「・・・あ、ノン・・・あんな化け物が・・・。」
皇帝曰く、圧倒的だったらしい。
不意打ちでもなく、ただ、どんな攻撃も避けられ、どんな防御もいとも簡単に打ち破られたのだ。
アノンは皇帝には手を掛けず、
「どうせ皆後を追わせてあげるから。それまで強くすることだね。」
といって、去っていったという。

そして、アノンは全勢力に通告した。
「えー、今から僕は世界を滅ぼします。今の世界、そして宇宙、そして異次元。全てを滅ぼします!」

その通告を聞いたイレイザーが急遽地球に戻り、
ここにアノン、能力者たち、四勢力連合、極星帝国、イレイザーの争いが始まったのだ。
ここで一番のとばっちりを食らったのは能力者たちである。
アノンの一味と見なされて襲われる奴らもいた。
そのため、神は特例として四勢力連合、極星帝国、イレイザーの全員を能力者としてエントリーした。そしてルールはアノンを倒した人間に空白の才を与えるというものに変えた。

能力者たちの一部は他の勢力にスカウトされた。
植木たちはE.G.O.にスカウトされた。

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最終更新:2008年03月24日 04:32