1話


ナツミ 「わぁ・・・おっきな月・・・」
レイド 「君の世界の月は、これとは違うのかい?」
ナツミ 「え・・・あたしの世界の月って、もっと光が弱くて・・・」
レイド 「月の光は、魔法の力の源だって話がある。降り注ぐ月光を浴びることで、世界の全ては活力を得ているそうだ。ある召喚師の言葉の受け売りだがね」
ナツミ 「召喚師・・・ですか 確か、この街にもいるんですよね?」
レイド 「ああ 領主様の相談役として三人の召喚師がいるよ。この街が今の姿になったのは、彼らの力によるところが大きい。・・・いい意味でも、悪い意味でもね」

三人の召喚師か・・・レイドさん、なんだか複雑な顔してたなぁ

2話


レイド 「君にとっては、あまり嬉しくない結果になってしまったな」
ナツミ 「何もわからないよりはずっとましですってば・・・それに、まだあきらめてません、あたし!キールも一緒に、帰る方法を探してくれますし」
レイド 「あの人は私の知っている召喚師たちとは違うみたいだな」
ナツミ 「どうですか?」
レイド 「城にいる召喚師たちは自分たちの利益のためだけに動いている最低な連中だったよ。私はずっと、召喚師はそんな利己主義者ばかりだと思い込んでいたんだが・・・。考えを改めておく必要があるのかもしれんな」

召喚師にも、いろいろいるんだ・・・

3話


ナツミ 「あのイムランって人がレイドさんが今まで話してくれていたお城の召喚師なんですね」
レイド 「ああ、金の派閥に属する召喚師・・・マーン三兄弟の長男だ。彼の知恵と召喚術の力で、サイジェントの街はここまで大きくなったと言ってもいい」
ナツミ 「うーん、そんなすごい人には見えなかったけどなぁ・・・」
レイド 「ははは、見た目と能力とは別物だよ。能力と人間性も、別物だしね・・・」
ナツミ 「あの人、レイドさんのことを露骨に軽視してませんでした?」
レイド 「それはきっと、私が彼らのことを嫌っているせいだろう。彼らとは、いろいろとあったからね・・・」

レイドさんがそこまで嫌うなんて、よほどの事情だねぇ・・・

4話


レイド 「ジンガを見ていると、懐かしい気分になるよ。私も見習いだった頃は彼のようにがむしゃらだったからね」
ナツミ 「レイドさんがぁ?」
レイド 「おいおい、驚くことはないだろう」
ナツミ 「でも、なんか想像できませんって・・・。今のレイドさんは落ち着いてて、無茶なんか絶対にしそうにないし」
レイド 「余計に年を重ねていることが、そう見せているだけだよ。心はいつも迷ってるし感情に振り回されたりもしている。理想に向かって迷わずに進もうとする彼が、うらやましいくらいさ」

レイドさんにも、そういう時期があったんだ。意外だねぇ・・・

5話


レイド 「そんなことがあったのか・・・」
ナツミ 「レイドさんだけには、話しておこうと思って」
レイド 「秘密を作ることで一番苦しんでいるのは[パートナー]なのかもしれないな。・・・わかった 君がそう決めたなら、そうするといい。他のみんなには、私がそれとなく話しておくことにするよ」

レイドさんの言うとおりなのかもしれない・・・

6話


レイド 「君は私たちとバノッサの争いを、自分の責任だと思っているんじゃないのか?」
ナツミ 「・・・はい」
レイド 「だったら、それは君の勘違いだよ。争うことを避けようとはしてきたが、いずれ彼らとこうなることは確実だったんだ。むしろ君がいたことで結果的に最悪の事態は回避されたんだよ」
ナツミ 「???」
レイド 「今のバノッサは縄張りの拡大よりも、召喚術を手に入れることに目を奪われている。君が標的になったことで、子供たちやリプレが狙われにくくなってきたんだよ」
ナツミ 「・・・それって・・・」
レイド 「君にとっては災難かもしれないが、私たちも全力をつくす。もう少しだけ、耐えてくれないか」

なんか、複雑な気分だなぁ・・・

7話


レイド 「すまないな 私の問題に君たちまで巻き込んでしまって」
ナツミ 「そんな・・・仲間の問題はみんなの問題でしょ!」
レイド 「ラムダ先輩を変えてしまったのは、私の責任なんだよ」
ナツミ 「え?」
レイド 「これは私が、ずっと昔に犯した罪の報いだ。私だけが受けるべき、報いなんだ!」
ナツミ 「でも・・・」

レイドが、どんな罪を犯したのかわかんないけど・・

8話


ナツミ 「モナティに本当のことを伝えるか迷って、思ったんです・・・。それが正しくても、相手が望んでないことを一方的に押してつけていいものか、って。アキュートのやろうとしていることは、あたしがモナティにしたことと同じ・・」
レイド 「・・・そうだな。私もそう思うよ」

ラムダたちはやっぱり まちがってるよ!

9話


ナツミ 「イリアスさん、わざとあたしたちに負けてくれたんですよね」
レイド 「ああ あいつなりに、考えてくれたんだろうな。だがこれで、騎士団はまた召喚師たちに失敗を責められるだろう」
ナツミ 「そんな・・・」
レイド 「私は、何をしているんだろうか?ラムダの跡も継げず、必死に踏みとどまっているイリアスにすら、何もしてやれない。私は、私は・・・!!」

レイドは自分のことを責めすぎてる・・・

10話


レイド 「本当は、私にもわかっているんだよ。犠牲を払わなければ現実を変えることはできないだろう。けれど、私はそれでも犠牲を認めたくはないんだ。甘い、だろうか?」
ナツミ 「甘いかも・・・。でも・・・レイドの考え方 あたしは好き。どうせ幸せになるんなら、みんな一緒がいいに決まってるし」
レイド 「ああ・・・そのとおりだな」

レイドは過去をふりきれたみたい

11話


レイド 「君が正してくれなかったなら、私はまた同じ過ちを繰り返してしまうところだった。本当にありがとう」
ナツミ 「・・・あたし、べつにたいしたことしてないと、思うんだけどな」
レイド 「私もラムダ先輩も 結局は騎士道に逃げていただけだったのかもしれない。自己犠牲という言葉に酔って、周りのことが見えなくなっていた。フフフ、もう騎士ではないというのにな」
ナツミ 「それ違うよ!レイドも、ラムダも、立派な騎士だよ あたしはそう思う!でも、ちょっとだけ、騎士でいることを大事にしすぎちゃったのかなって・・・?でも、もう大丈夫 今のラムダとレイドはだれよりも立派な騎士だと思う」
レイド 「ナツミ・・・」

レイドは騎士だよ 今だって・・・

12話


レイド 「・・・気になるな。どうして黒装束たちは自分たちで宝玉を使わなかったんだろう?」
ナツミ 「あっ!?」
レイド 「使えない事情でもあるのか、それとも・・・。いずれにしろ、二人の口からきちんと説明をしてもらわないとな」

たしかにヘンだね。それは・・・

14話


レイド 「誓約者にエルゴか 正直、私には理解できない次元の話だよ」
ナツミ 「あたしもです・・・けど、現実は現実として受け止めないと」
レイド 「・・・すまんな 戸惑っているのは私より君のほうなのに。この街を守ることも、この世界を守ることも同じことのはずだ。そう思って私は君についていくよ」
ナツミ 「よろしくね レイド」

みんな戸惑ってるんだよね・・・

17話


ナツミ 「びっくりした~ まさか、レイドまであんな無茶するなんて・・・」
レイド 「ああ、自分でも驚いているんだ。たしかに常識で考えればあんなことをしたのは無茶だった。だけど、あの時の私は何もしないで後悔することのほうが怖かったんだよ。このまま、君を失ってしまうことのほうがね」
ナツミ 「レイド・・・」
レイド 「自分の気持ちに正直でいることの大切さを、君は私に示してくれた。それを私は忘れないでいたいと思っている だから・・・。私は君を守ろう 自分が本当に大切だと思う者たちのために この剣を振るおう」

あたしなんかのために無茶なことしてさ

ED


あれからどれくらいたったかな?いくつもの問題や戦いを超えて。
まだ、あたしは答えを出せない。でもね・・・いつかはきっと見つけてみせる。
だって、あたしは一人じゃない。頼りになる仲間が側にいてくれる。
だから、きっと見つかるはずだよ。
みんなが幸せになれる、とっておきの答えが・・・ね?


「君には、最高の答えが見つけられる 私はそう信じているよ」
最終更新:2009年08月22日 13:57