「一方でα1は先程の戦闘後、次のように移動しておる。Ω1はこの間にも演習場の上空一帯を周回飛行しておった」

そう説明があった後、画面上の青い二つの光点に「α1」「Ω1」の表示が加わると共にそれぞれが異なる動きを見せる。
Ω1は先の説明どおり演習場の上空を周回する軌道を取り、一方のα1はDoLLSの展開するポイントへ一直線に移動していく……かに思えた。

「あれ?どういうこと?」

誰かがすっとんきょうな声をあげる。
画面を見ていれば、誰もが声の主と同じ感想を持ったに違いない。
α1の光点がポイントから結構離れた位置でいきなり止まったかと思うとその場で急上昇する動きを示したのである。

「α1の動きに驚いたと思うが、これはここまでのガウォーク形態からファイター形態に変形した事とそれにより急上昇したからじゃよ」
「なるほど、ここでね」

α1が飛び立った後に起こった戦闘を知るヤオは、説明を聞きながら一人頷く。

「ここで、注目して欲しいのはそれまでガウォーク形態でホバリング移動していたα1がいきなりファイター形態へ変形したかと思うと急上昇を開始したことじゃ。今から出す映像を見て欲しい」

すると、スクリーン上に新たな画面が開く。
映し出されたのは、ビル街で何かの作業を行なっているX-7の姿である。
3機一組で行動しているのは、α1と交戦したジュリア達と同じだがこちらは機体の一機がコンテナを装備しており、かなりのトラップをそこかしこに仕掛けているのが分かった。
ディッカーと呼んでいる工兵仕様の機体だ。

(そういえば、今回はコンテナユニット装備のA型も参加してたわね)

ハーディは映像を見ながら、該当する機体が誰に割り振られたのか思い出す。
模擬戦に参加した機体は基本的にすべて通常型であり、不公平が生じないようにくじ引きで決定されていた筈である。
そこに、岸田博士の説明が再び行われる。

「今映っているX-7の一機は肩部にコンテナユニットを装備していてな。これは今後開発されるオプション装備の一つとなっておる」

一旦ここで画面が切り替わり、コンテナユニットを装備したX-7の映像が表示された。
新たに映し出された映像を見ると、コンテナユニットは肩部と腰部にそれぞれ追加装備として取り付けられるようになっている。
これは背面への装備は搭乗/脱出ハッチの関係から行えず、主に兵装マウントにボックスを取りつける形でしかコンテナを装着できないためである。

博士の説明が終わると、画面が模擬戦時の映像に戻る。
画面のX-7はコンテナユニット内の装備品を用いてビル街の一角にトラップを設置していく。
それも、ジュリア達が仕掛けたワイヤー式トラップの様な物ではなく、センサーにより標的の位置を割り出して起動する制度の高い物だ。

センサーは仕掛け終わったのか、3機のX-7は最後に組み立てた台座付きの機銃を据え付けようとする。
だが、そこでX-7はそれらの装備をそのまま放置するとその場を離れていった。
MAP画面を見ると3つの光点が市街地エリアの中心部へと移動していくのがわかる。

「見ての通り、3機はあと少しでトラップの設置が完了するのを途中で放り出してしまったわけだが、これには理由がある。丁度同じ頃、同じ市街地エリアで行われていた先程の戦闘が終了したんじゃ」
「つまり、それによりDoLLS側は全員集合を命じたということか……」
「そういうことじゃよ。模擬戦時の通信記録を見るとDoLLS01から全員に対して『現在の行動を中断し、指揮官の下に集結せよ』と発せられておる」

陸自幹部の呟きに対して岸田博士は、模擬戦にあったヤオから全員に送られた通信内容を読み上げる。
それを聞いたヤオは「あちゃー」という表情を作り、額に手を当てる。
同時に、模擬戦の際参加していたDoLLSのメンバーがどの辺りにいるかを把握しておきながら「何をしていたか」の確認まで気を回せなかった事を痛感していた。

(これがハーディなら、自分のミスを指摘した上で的確な指示を出してたかもしれないわね……ま、終わったことをどうこう言っても仕方が無いか)

そこで思い直して、ヤオは再びスクリーンに目を向ける。
説明はまだ続いていた。

「トラップを設置していた3機が移動してすぐにα1がこの地点に来たのじゃが、案の定そのままにされていたトラップ用の装備は発見されておる」
「そりゃ、隠しもせずに丸見えとなるところに放置すればバレますよ……あのチームはナガセと誰だったか……」

半ば呆れた様なフェイエンの呟きは、そのすぐ後ろに座っているナガセにもしっかり聞こえていた。

『……あら……あたし達後でやばそうかも……』
『つーか連帯責任ですよ、分隊長殿』
『これは反省文モノですね……』

ナガセと共に顔を青くしているのは、彼女と同じチームで行動していたエルヴィラ・モス准尉とアデーレ・ヴィルツ曹長だった。
まさか、自分達のミスがDoLLS全員を危機的状況に陥れる事になるとは思って無かったのである。

その間にも岸田博士の説明は続いていたが、そこでスクリーンに新しい映像が表示された。
映し出されたのは、ファイター形態に変形し急上昇するYF-19の姿である。
同時にMAP画面も平面図から3D立体図に切り替わり、そこにYF-19の識別マークが航跡であるラインを残しながら移動する様子が表示される。

「見ての通り、α1は急上昇して一旦市街地エリア全体が把握できる高度へ到達しておる。そして、ここから機体を反転させて一気に急降下を仕掛けたんじゃ」
「ま、あれだけ隠しもせずほったらかしにされてたら嫌でも何かあると思うだろ」

イサムの一言が堪えたのか、ナガセはウッと呻いたかと思うとそのままのけぞってしまった。
残る二人の呻き声は聞こえなかったが、思いっきり凹んだのは間違いない。

一方、映像の方は3DMAPの部分が地上を見下ろす映像に切り替わり、急降下するYF-19の映像と対比するような状態になる。
地上の様子は映像を見る限りかなり混乱している様で、指揮官であるヤオ達を除く全ての機体がリニアキャノン、アサルトライフルといった火器を上空に向けていた。

「皆の動きを見るのはこれが始めてね」
「我々は、離れた所にいましたし……」

映像を見ながらヤオとフェイエンは感想を述べる。
模擬戦の時は、ビルを隔てて他のメンバーとは別の場所にいた為個々の機体がどの辺りにいたのかは無線と重力波通信によるブリップ表示で、おおよその位置を把握するのが限界だった。
実際の映像を見ることで、誰がどのように動いたか、果たして連携は取れていたのかを知ることが出来るのは重要だと二人は思い映像に注目する。

スクリーン上の右半分には、急降下するYF-19が地上から放たれる対空攻撃を僅かな動きで回避する様子が映し出されている。
一方、左半分にはそのYF-19を迎撃し、対空攻撃を続けるDoLLSのX-7が多数映し出されていた。

(やはりこうなるか……)

ヤオがそう思ったのは、双方の映像を見てしばらくしてからのことだった。
それまで正確に狙い撃たんとしていたYF-19への対空攻撃が、徐々に乱れたものへと変化していく。
同時に、YF-19の高度も下がっていくのが映像の一角に表示されているアナログ高度計の動きによって判った。

どれだけ撃っても命中しないという現状に焦りと苛立ちを感じ始めた者が集中力を欠いて撃ちまくる行動に出ているのだ。
狙撃仕様のX-7はまだそうでもないが、アサルトライフルやサブマシンガンを装備した機体は射撃モードをオートや三点バーストからフルオートに切り替える者が増えていく。

そして……戦いの流れは次の瞬間大きく動いた。

YF-19の側面に配されたウェポンベイが開き、多数のミサイルが白煙を引いて飛び出す。
地上から迎撃していたDoLLSはというと、放たれたミサイルが自分達に向かって高速で突っ込んで来るという事態に目標をYF-19からミサイルへと変更する機体が続出した。

それでも、とっさの目標変更にも関わらずミサイルの多くを目標への命中前に撃破したのは流石DoLLSと言えるだろう。
最終的に全てのミサイルを落とすには至らず、対空砲火を潜り抜けて目標であるX-7を捉えたミサイルは全てが直撃した上に中破以上の判定を出したのも事実だが……。

「正直この攻撃には驚いた者も多かった筈じゃ。なにしろ、ここまでα1はミサイルを使うそぶりなど欠片も見せんかったからの」
「相手の作戦勝ちね。戦闘機なら機銃以外にミサイルも持っているものと疑ってかかるべきだったわ」
「ですけど、あれだけのミサイルを一度に放つなんてやはりとんでもないですよね」
「機体の性能にも驚かされましたけど、ミサイルの性能についても同じです。あれだけ小型なのに命中したX-7は全て中破以上の判定というのも驚かされました」

YF-19による攻撃時、他のメンバーから離れた場所にいた事で難を逃れたヤオ、セルマ、フェイエンは岸田博士の説明を前にそれぞれの感想を口にする。
戦闘中は遠くから無線通信により攻撃を受けた際の混乱振りは分かっていたが、模擬戦終了後に整備ハンガーへと引き上げたX-7がペイント弾まみれだったのを見て誰もが唖然としたものである。

しかもそれが、小型のマイクロミサイルが与えた存在だったのだからその衝撃は大きかった。

「これなら、航空部隊も投入するべきだったかもしれませんね……」
「そうかもしれないわね……でも」

フェイエンの言葉に、ヤオは答えかけて言いとどまる。
その言い方にセルマは首をかしげ、フェイエンは納得がいったという顔をした。

ヤオの脳内では、すでに自分達が出現する少し前に東京上空で起こったという大規模空中戦の主役の片方であった2機の可変戦闘機と今日対峙した2機、特に今回交戦したα1はイコールの存在となっている。
同時に空戦時の高い機動性能、そして変形機構を活用することによって「失速」を柔軟に機動として用いる空戦スタイルがヤオには容易に想像できた。

基本21世紀初頭レベルの航空機技術者でも容易に分析出来たオムニ軍の戦闘機と違い、ここまで無茶苦茶な機動性能と重装甲、高火力を備えた戦闘機を相手にしてDoLLS航空隊の機体で勝てるのだろうか?と言う疑問がぬぐえなかったのだ。

「もし、そうしていたら今頃更に大きな損害を出す結果になっただけね」

そう言ったのは一連の会話を聞いていたハーディだった。
今回の模擬戦には参加せず、観戦する側に回った彼女は模擬戦終了後の判定を見て2機のAFVが見せたのは高い性能の片鱗に過ぎないと分析しており、冷静に言い切ったのである。

「言われてみれば確かにそうです。自分達の航空機では捕捉すら困難です。ましてや撃墜は……」
「なにより、今回上空に留まっていたもう一機の機体が本気になっていた可能性があるわけだから、そうなったら結果は見えてるでしょ」

ハーディの言葉に、三人は航空部隊を壊滅させた2機が自分達を駆逐する光景を頭に思い浮かべる。

「冗談じゃないわね……白旗を揚げていいなら真っ先にそうするわ」
「逃げたくなりますね」
「戦闘ヘリが可愛く思えますよ」

ヤオ、セルマ、フェイエンはそれぞれの感想を口にすると同時に、今後もあの機体を敵に回さず済むという事実に安堵していた。
三人の様子を見てハーディも「私も同感よ」と肩をすくめて見せる。

そうやって彼女達が会話を交わしている間にも、映像の方は市街地中央へYF-19が降り立った所まで進んでいた。

「さて、ようやく今回の模擬戦におけるクライマックスじゃ」
「いよいよだな」
「お前は結局飛んでいただけだったけどな」

壇上の岸田博士による一言を聞きながらガルドが短く呟く。
それに対して、イサムはすかさず突っ込む。

大型スクリーンには、YF-19と3機のX-7が対峙する様子が映し出されていた。
ガンポットを地に置き、ファイティングポーズを取るYF-19を前にヤオとフェイエンのX-7が左右に展開し、セルマの機体はそのまま後方に待機する。

「ここからは、ノーカットで終わりまでのぶっ通しじゃ。余計な解説無しで見たほうがいいじゃろう」

そう言ってマイクを置いた岸田博士も、壇上から降りると最前列のど真ん中に「予約席」と書かれたプレートの置いてあるシートに座った。
どうやら、博士は娯楽映画を見るのと同じ感覚で終盤の映像を見るつもりらしい。

そこから先の映像は、当事者以外の誰もを驚愕させるものだった。

突如、セルマ機から多数の信号弾が放たれたかと思うと、直後YF-19の後背に向けて生き残った他のX-7が援護射撃を行なう。

その強襲に不意を突かれたYF-19がバランスを崩した一瞬を狙い、ヤオとフェイエンのX-7が突進し間合いを詰める。
誰もがそれを見て、この勝負はついたと思った時それは起きた。

背後からの不意打ちで動きの止まったYF-19が突進に移ったかと思うと、フェイエン機の正面に出てそのままピンポイントバリアを展開したシールドで殴り飛ばす。
吹っ飛ばされたフェイエン機がそのまま広場の一角にある建物に突っ込み、動きが止まる場面では誰もが驚くと同時に人型兵器同士の格闘戦を目の当たりにして息を呑んだ。

だが、戦いはまだ終わらない。

ヤオの機体は、フェイエン機の戦闘離脱に動きを止めることなく突進を仕掛けた勢いそのままにYF-19へと拳を繰り出す。
同時にイサムのYF-19も右の拳を繰り出していた。

両機の拳がぶつかり合った瞬間、ピンポイントバリアとスタンポッドの電撃が火花を散らし、その衝撃で二機の周囲に土煙が生じる。
その場面がスクリーン上に出た直後、それを見た誰もが驚きの声を上げ同時に興奮したのは当然と言えるだろう。

YF-19によりジリジリと背後のビルへと押されるヤオ機が、その背後につくセルマ機の協力で押し戻そうとする。
そこで、模擬戦終了のテロップが表示され、両者共に戦闘状態を解除したところで映像も終了した。

「これで一連の模擬戦は全て終了じゃ。既に結果は冒頭で述べたとおり『引き分け』という事になっておるが、それが何を意味するのかは情報が一般に公開されるまで各々が考えてもいいじゃろう。以上じゃ」

再び壇上に戻った岸田博士によるこの一言の後は、簡単な質疑応答で終わったが特にこれといった質問がされることもなく自由に解散となった。
もっともこれは、映像を見て観ていたものの多くが二機の可変戦闘機が機密の塊である事は容易に想像出来たから「質問しても多分真相を知るのは無理」と分かっていたからだろう。

ちなみに、DoLLSの中ではもっとも機密に詳しいナミに対しても質問する者がいたが結果は空振りだった。
いくらコドウッド大佐のお仕置きがあるかもしれないといえど、うっかり口を滑らすヘマをやらかす程ナミもパニックには陥ってなかったのである。


解散後、参加した主要な面子は再びSCEBAIの食堂内で談笑していた。
一通りやることが終わったあとは、模擬戦前のどこかギクシャクした空気も完全に消え去ったことで色々と世間話を楽しんでいたのである。

「そうそう、この作品で主人公が言う台詞なんだよな」
「いやー、まさかあの時の台詞が映画のキャッチフレーズとは知らなかったわ」
「あれはパイロットなら思わず口にしたくなる台詞だからな。思わず口をついて出てしまったってわけさ」

食堂に置かれている大画面液晶テレビに映し出されている映画「紅の豚」を見ながらそう話すのは、模擬戦の終盤で最大の見せ場を作ったイサムとヤオである。
DoLLSのメンバーには作品のタイトルを知っている者は何人かいたが、実際に見たことがあるものはごく少数だった為、残った時間を映画の鑑賞会にしたのだ。
イサムの私物である映画のDVDを前に誰もが興味津々という感じであり、その間にもそこにいた全員の会話は弾んでいた。

そう、ここまでは良かった。
これで済めばよかったのだが、その流れはセルマの言った何気ない一言により変わることになる。

「考えてみれば、お二人が戦闘機のパイロットならダイソンさんの『飛べないロボットは』発言の意味も侮辱や挑発と勘違いしないで済んだんじゃないですか?」

それに反応する様に、模擬戦で真っ先に撃破された三人の一人であるエイミーもつぶやく。

「そうそう、技研に出入りしていたらあの機体について分からなくてもパイロットの所属ぐらい分かったんじゃない?」

エイミーの一言に反応したのか、ヤオが思い出したような顔をしてナミの方を向く。

「テストパイロットについては技研側に任せっぱなしだったし……って一人知っている人間がいたわよねぇ……ナミ?」
「あー、えー、それはさぁ……ははは……」

ヤオからいきなり話を振られたナミは、その場をやり過ごそうと笑ってごまかそうとする。
しかし、間髪いれずヤオは彼女に詰め寄る。

「つーか、機体の事は話せないにしてもパイロットの素性ぐらい説明しておけば模擬戦の撤回も出来たでしょーに!」

本来ならここで普通に「ごめんなさい」と言っておけばナミにとってもそこで済んだのかもしれない。
だが、彼女はなんとか言い訳を考えた上で口を開いたのである。

「ほらね、それは何と言うかアレよ。今後は同じサイズの敵と戦うわけじゃないしいいデータも取れるしなによりその口実作る手間がはぶけ……っ!言っちゃった!」

ナミはそう言って、今自分が間違いなく死刑台の床を踏みぬいた死刑囚も良い所な発言だったと言う事実に気付きあわてて口をふさぐ。
だが、それはもう手遅れ以外の何物でもなかった。

既に、その場にいた全員が「顔は笑っているが目は笑ってない」という表情に変わってしまったからである。

「どうやら、お仕置きが必要みたいね……」
「仲間をダシにするとは良い根性してますね、中佐」

ヤオの言葉に続いて、フェイスが額に血管を浮かべ口元をヒクつかせながらにじり寄る。

「あ、あはは……みんなそう怒らずにここは落ち着いて……」

自分にとって最悪の状況になっているのを理解した上でナミは、周囲を見回し全員の表情を伺う。
しかし……。

「前もって俺達の事を話しておいてくれなかったのかい?それはちょっとなぁ……」
「中佐、今度の件は酷すぎます。覚悟された方がいいかと思いますよ」
「あのギミック使う様に勧めたのはそういう裏があったんだ。ふーん」

女たらしなイサムも、気分を害したのか先ほどとは打って変わって声のトーンが変わっている。
それに続いてセルマとジュリアも白い目でナミを見ながら呟く。

「これは黙って首を横に振るレベルね。始末書と顛末書では済まないわ」

ハーディが最終判決を下す。
なぜか先ほどツノ大尉らが被っていた異端審問官の赤い鍔広帽を被り大きなロザリオを首から下げているのは何故なのか、ナミは猛烈に突っ込みたい気分であった。
が、ここで突っ込みを入れるのはもはや死亡フラグどころかまさしく魔女のようにその場で火あぶり……もとい袋叩きになるのが早まるだけである事は明確であった。

「その格好はどこか間違っていると思いますが。いや、この場合間違ってないのか」
「ナミ、お前こんな面白い話なんで俺に持って来なかった~っ!」
「おやっさんが……壊れた」
「上空から見ているだけで正解だったな。そんな事で貴重な機体が潰されてはかなわん」

ハーディの横では、ナミに変わってフェイエンがすかさずツッコミを入れ、コドウッドは技術屋として魂の叫びを上げる。
一方、ツノはコドウッドの台詞を聞いて自分の上司に持っていた幻想がガラガラと崩壊するのを感じながら椅子に座ったままひっくり返った。
そのような中、唯一ガルドだけが冷静に――思いっきり呆れながらも――ナミの口から出た真実に対する感想を述べる。

そして……。
最終更新:2012年09月08日 23:53