ソノヒノキ対訳
これは人工言語アルカ というサイトの文学作品ソノヒノキ の冒頭部分をアスガル語に訳してみた、というだけの企画である。
それぞれの文に付く和訳のニュアンスが微妙に異なっているが、これは先ずアルカ文を見てそれをアスガル語に訳し、さらにそのアスガル語文に和訳を付けるという順番に作業を進めた為である。
アルカ
fir em soret, soret em har, har em ver, son vel faxik fia.
fis or took se skol.
tu sel et nie xalt fia tet lu almana ― ya, et tinka xalt lu almana.
白は青へ、青は赤へ、赤は黒へ変わり、そして闇が世界を覆った。
1日はいつもと同じように終わろうとしていた。
しかし世界にとって何でもないその日は、この少年にとっては非常に重要なものだった。
アスガル語
Liäc ba na biev, biev ba na roek, roek ba na noif, dä jïv qev ve kauv suët.
Juv niv vu niohtëp wot.
Ku juv bu nioh noeh bi liette, fä bu gav duat noeh bi me yükmo.
白が青になり、青が赤になり、赤が黒になり、そして闇が地上を覆う。
一日はいつものように終わりつつある。
この日は世界にとってはありふれていたが、少年たる彼にとっては実に特別であった。
解説 (というか、感想?)
アルカ文ではskol とnie という全く別の語形が、アスガル語文ではniohtëp とnioh というよく似た形に訳されている。一方、アルカ文で2回出てくるfia だが、前者にはsuët が、後者にはliette があてられている。このあたりの単純な一対一にはならない対応関係は面白いと思う。
さて、実際に音声を聴いてもらえば判る通り、両言語の聴覚印象はかなり異なっている。一方、このサイトでアスガル語の音声に関する解説を見て、人工言語アルカ でアルカの音声に関する解説を見ると、同じ高低アクセントの体系を持ち、用いられている音素にもそれほど大して差があるようには思えない事が解るはずだ。どこからこういう差が出てくるのかは実に興味深い。
おまけ
アスガル語文のアスガル文字バージョン画像 (クリックで別窓に元サイズ表示)
最終更新:2009年11月29日 20:16