10 名前:健二の後始末①[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 09:30:16 ID:k0Ue3hBT
2011年三学期、久遠寺高校物理部にて
「健二くん!! どういう事?!!」
どがっ!!!と部室のドアが乱暴に開いて夏希先輩が飛び込んできた。冬服の紺色のブレザーに同色ベストと
スカート、学校指定の黒ストッキングに身を包んだ夏希先輩は、明らかに怒りのオーラを周囲にぶちまけていた。
「せっ先輩?……」
3年でとっくに推薦で受験を終わらせた夏希先輩は、指定された登校日以外は学校に来る必要は無かった。
僕とはOZ経由やリアルで時間を作ってしょっちゅう顔を合わせてたのに、何故部室に来る必要があったのか。
どうしてそんなに怒ってるのか……まさか、正月の理香さんとの事がバレた?!!!
「お正月に上田に行った時、理香さんと何があったの?!!」
うわああああああ!!!!!!!!!やっぱりそうだ!!!!!!!!!!バレたんだああああああああああ
!!!!!!!!!!殺されるうううううううううううう!!!!!!!!!!!!!!!!!
っていうか、何でバレたの?
憤怒の表情で、夏希先輩は僕に迫った。佐久間が風邪で休んでいて一人で部室にこもっていた僕を、助ける者
なんか一人もいやしない。いや、仮に佐久間がいたとしても、速攻で逃げるか先輩をはやし立てるかのどっちかだろう。
うん、あいつはそういうヤツだ。

11 名前:健二の後始末②[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 09:43:45 ID:k0Ue3hBT

先輩は僕が座っていた椅子に強烈な蹴りを入れた。僕は無様に部室の床に転げ落ち、怒りに震える夏希先輩を見上げた。
「あ、……ああああ………」
先輩は僕のお腹の上に馬乗りになると僕の胸倉を掴み、いきなりキスをした。
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
どうして良いのか分からず目を見開く僕に構わず、夏希先輩の舌が僕の口の中を強引に這い回る。
舌と舌を絡ませ、歯茎の裏表全てを舐めあげ、僕の口の中に溜まった唾液を残らず吸い上げ飲み下し、
ようやく先輩は僕の口を開放してくれた。半開きになったお互いの口の間に、二人の唾液が銀色の糸
のように伸びた。
「はあ、はあ、はあ、…せんぱい……」
「ずっと、気になってたの!」
「ええ?!」
「年末に私と翔太二兄ぃがコンビ二に行った日、大雪で渋滞した日、うちに帰ったら健二くんと理香さんが
妙によそよそしかった。それまで普通に話ししてたのに、急に目を合わさなくなった。どうして?!!」
そ、その時点ですでにバレてたなんて………
「まだあるわ。東京に帰る日、タクシーの後ろで二人で話しこんでたでしょ!ルームミラーから見えてたのよ。
あんなオシャレした理香さんを見るの初めてだし、健二くんとの間の雰囲気が普通じゃなかった! 何話してたのよ!!」

12 名前:健二の後始末③[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 09:55:20 ID:k0Ue3hBT

「そ、それは………」
「それに最近の健二くん、様子が変! 妙におどおどして私の顔色うかがって……何かを隠してるとしか思えない!!
いったい私に何を隠してるの!!」
そう言って先輩は僕の胸倉をつかんで身体をゆさぶった。なんて事だ。僕の顔に全部書いてあっただなんて。
駄目だ。もう駄目だ。ごまかすのは不可能………誰か助けて!! 理香さーん!!
僕の願いも空しく、夏希先輩の手は胸倉から首へと伸びた。先輩のしなやかな指が僕の貧弱な首根っこを捕らえ、
そのままぐっと食い込む。
「うぐっ!」
「健二くんがもし他の女と浮気したら、私……健二くんを殺すかも!!」
ああ、やっぱりか。斬られるんじゃなくて絞め殺されるんだ。当然だよな。僕が理香さんとセックスしたのは事実だし、
先輩からどんな目にあっても文句を言える立場じゃない。そう思う最中でも、先輩の指の力は少しずつ強くなってきた。
ああ、苦しい、苦しいよ……。

13 名前:健二の後始末④[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 10:07:52 ID:k0Ue3hBT

「だから健二くん………」
先輩の声がかすむ。泣いているのかもしれない。僕のせいだ。全部僕が悪い。いっそこのまま夏希先輩に絞め殺されるのもありか。
それで先輩が納得してくれるなら、僕はもうそれで良いです。もし死後の世界が本当にあったとしたら真っ先に栄お婆さんに
謝りに行こう。約束を破ってしまって申し訳ありませんでしたって言おう。会えればの話だけど。
「……健二くん……」
先輩の声が良く聞き取れない。いよいよ僕も終わりか。本当に短い人生だったよな。
「死なないでえええええ!!!!!!!!!!!!!」
「はあ?!」
思わず僕は声を上げた。良く見たら先輩の手は僕の首ではなく頭の後ろにしがみつき、顔を僕の胸に押し付け泣きじゃくっていた。
息が苦しいのは、単に先輩の体重のせいだったのか?!
「死んじゃいやあああああ!!!! 私に殺されても死なないでええええええ!!!!!死んじゃだめええええええ!!!!!!!
うわああああああああああ~~~~~~~~~~~~ん!!!!!!!ああああああああああ~~~~~~~~~~~~~~~
ん!!!!!!!!!!!!!!!」
「先輩、日本語が変です!」
「だって、ぐすん、だってえええええ!!!!わああああああああ~~~~~~~~~~~ん!!!!!!!!」
僕の胸の上で、夏希先輩は赤ん坊のように大泣きした。先輩がこれだけ泣きまくる姿を見るのは去年の夏以来か。
僕は別の意味で死にたくなった。

14 名前:健二の後始末⑤[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 10:32:43 ID:k0Ue3hBT

「ぐすっ、ずっと気になってたから今日、思い切って理香さんにメールしたの。お正月に健二くんと何かあったの?って。
帰り際の理香さんと健二くんがすごく良い雰囲気で、その後の健二くんが私の前で妙にビクビクしてるけど、理香さん何か
知らない?って」
そ、それはまた直球勝負な……。
「理香さんは………何て言ってました?」
「寝ぼけるなって」
「へ?!」
「あたしと健二くんの間に何か特別な事なんてあるはず無い。健二くんなんてあたしから見たら、真吾や祐平と区別が
つかない。そんなガキに手を出すほど飢えちゃいないわよって」
理香さん、そんなひどいごまかし方を……。
「あんたが信じなくてどうすんの?って言ってた。あんたが自分の彼氏を信じてあげなくてどうすんの?って」
「先輩……」
ああ、理香さんて本当に大人の女性なんだ。良かった……危ないところだった……。
「だけど私、あんな理香さん見たこと無くて!すごくきれいで!私なんかよりずっと大人っぽくて! だから私……
健二くんが理香さんと浮気してるもんだとばっかり……」
理香さーん!! やっぱりバレてまーす!!
「不安なの!怖いの!自信無いの!健二くんが……私から離れるんじゃないかって……私を置いてきぼりに
するんじゃないかって……だから…だからお願い……」
夏希先輩は鼻をすすって、まくしたてる様に言った。
「私の勘違いだって言って!!私の早とちりだって!!私がバカだって言って!!理香さんの言うとおりだって!!
健二くんの口から言って!!健二くんの言葉で言って!!私の考えてる事を否定して!!お願いだから言って!!
お願いだから!!……うわあああああああああ~~~~~~~~~~~ん!!!!!」
先輩、そんなに思いつめてたんですか。やっぱり僕のせいだ。悪いのは僕だ。理香さんを巻き込み、大好きな夏希先輩を
こんなにまで悲しませてしまった。早く何か言わないと。僕の言葉で、夏希先輩にちゃんと伝えないと。
「一周忌です」
「ええ?……」
僕は夏希先輩の目を、正面から見つめて言った。先輩の目は真っ赤に腫れて、涙があふれ出していた。



15 名前:健二の後始末⑥[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 10:43:53 ID:k0Ue3hBT

「夏に、栄おばあさんの一周忌がありますよね? それに顔を出せって、理香さんから強く言われたんです。
ほら、僕今年3年だから受験勉強が忙しくなるでしょ? 時間取れるかどうか分からなくて」
「そう……なの?」
「はい。夏希先輩にも説明しなきゃって思ってたんですけど、先輩が気を悪くしたらいけないと思って、
どうしたら良いか分からなかったんです。それでオドオドしてるように見えたんです」
「だって、理香さん滅多にメイクしない人なのに……」
「大人の女性ですもん。そういう事もあるんじゃないですか?」
「それは……そうだけど……」
僕は指の腹で先輩の涙をやさしくぬぐった。
「ごめんなさい夏希先輩。誤解させちゃったみたいです。首絞められても、文句言えないですね」
嘘だ。僕は大好きな夏希先輩に嘘をついた。理香さんから一周忌の話があった事までは事実だけど、
僕がオドオドしてた理由はそんな事じゃない。先輩が見抜いた通りです。
でもこの嘘は僕らのための嘘。僕と理香さん、そして夏希先輩を守るために言わなくてはならない嘘。
僕と夏希先輩はそれを必要としている。もちろん理香さんも。

16 名前:健二の後始末⑦[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 10:54:08 ID:k0Ue3hBT

「ぐすっ……健二くん」
「はい、先輩」
「エッチしたい」
「へ?!」
「健二くんとエッチしたい!! てかする!! 絶対する!!そうでもしないと収まらない!!
健二くんに気持ち良くなってもらわないと、健二くんに申し訳なくてしょうがないの!!」
そういうと夏希先輩は僕のスラックスのベルトをゆるめ、力任せにずり下げた。
「せ、せんぱい!!」
夏希先輩の手は構わずトランクスをもずらし、中で小さくおびえていた僕の物を取り出ししばらく見つめた後、
口を大きく開けて根元までふくんだ。
「ちょっ!先輩!そんなこと!!!!!ああああ、やめ、やめてください! 夏希先輩!!!」
僕の言葉を無視して、夏希先輩は僕自身を余す事なく舌先で舐めあげた。力任せで勢いだけの愛撫だったが、
僕はそれに妙に興奮して反応してしまった。先輩はブースト状態の僕のペニスを見つめ、笑顔でそれに頬ずりした。
「良かった……私でもこんなになってくれるんだ……良かった……」

18 名前:健二の後始末⑧[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 11:09:52 ID:k0Ue3hBT

夏希先輩は校章の刺繍が入った紺色のブレザー、ベスト、スカートをあっという間に脱ぎ捨て、
黒ストッキングに手をかけた。
「夏希先輩マズいです! 校内にまだ人が……」
「同じ事を何度も言わせないで!!」
先輩はストッキングを下ろし、その下のオレンジのショーツもさっさと脱いでしまった。
夏希先輩の傷一つない真っ白な下半身が、最初からずっと横たわったままの僕の目の前にあらわになる。
先輩の大事な部分に生える黒くて淡い陰毛も、その先にある鮮やかなピンク色の肉片も。
「ああああああ………」
「ここでしょ?」
先輩はそう言うと僕の紺色ブレザーの懐のポケットから財布を取り出し、その中から常備しているコンドームを
探し出すと僕の財布をどこかへ放り投げた。
「ありがとう、健二くん」
「ええ?」
「いつも持ち歩いているってことは、私を大事にしてくれてるって事だよね? すごく嬉しい」
夏希先輩はコンドームを僕の物に嬉しそうに被せた。あの、僕の財布は……。
「これ、借りるね」
先輩は僕と佐久間の椅子からクッションを外すと、僕の両脇に置いた。その上に先輩は膝を突いて腰をかがめ、
僕のペニスを優しくつまんで膣の入り口に合うよう腰の位置を調整した。
「私は健二くんの物。そして健二くんは……」
僕のいきり立った先端が、夏希先輩の奥に沈みこむ。
「健二くんは私の物よ!誰にも渡さない!絶対に!」
「あっふあああああ!!」
夏希先輩の溶岩のような膣の熱さが、僕を根元まで包みこんだ。

19 名前:健二の後始末⑨[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 11:29:39 ID:k0Ue3hBT

「んっんっんっんっふっふう……」
「ああ、先輩、すごい…」
床に押し倒された僕の上で、夏希先輩が踊る。身体を後ろにそらせ、口を半開きにし、髪を振り乱しながら。
「先輩……」
僕は太腿の力だけで全身を上下させる夏希先輩に両手を差し出した。先輩と僕の手が、がしっと握り合う。
熱い。すごく熱い。手の平から伝わる先輩の体温が、普段よりずっと高い。夏希先輩、感じてるんですか?いつもより
気持ち良いんですか?
そう言えばOZのアダルトサイトで見たことがある。ケンカした後のセックスって最高に気持ち良いって。これってそういう
状態なのかな?
「あうっああうっあはあっはあっはあっはあっはああっはあっ…けん…じくん…」
「先輩、先輩、はああああああ……」
「あっあっあっあっあっあっあはああああああああ!!!!!!!……んん、きもちいい……すごいきもちいい……」
「夏希先輩、僕、もう……」
「駄目ぇ……」
「ええ?!」
「も少し…がんばって…」
先輩がどうしようもなく厳しい要求を僕に突き付ける。無理です。無理無理無理。だって先輩のここ、
本当に気持ち良いんですもん。心の底から出したくて仕方ない僕を無視して床に押し付けたまま、
先輩の腰がさらに激しくうねる。
「はあっはあっああっ来る! また来るよ健二くん! はうっはあっはああああああああ!!」
「先輩、僕、本当にもう!!……」
「うん!良いよ! ちょうだい!健二くんのを思いっきり!!」
「はい!あああっああっで、出るぅ!!……」
「あはああああ!!!!!……熱い…あ、つ、い……」
限界までガマンを強いられた後、僕は先輩の中で弾けた。先輩もひときわ大きく声を上げ、僕の胸に倒れこんだ。
目を閉じて荒い息をする先輩の頭に、僕は優しくキスをした。

20 名前:健二の後始末⑩[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 11:37:22 ID:k0Ue3hBT

「ね、夏希先輩」
僕を部室の床の上に押し倒し騎乗位で挿入したまま、僕の胸の上で気持ち良さそうに目を閉じる
夏希先輩の髪を優しく撫でた。
「うん」
「夏になったら、また一緒に上田に行きましょう」
「うん」
「栄おばあさんの一周忌に行きましょう」
「うん」
「夏期講習とかあると思いますけど、何とか時間作りますから」
「うん」
「それでですね」
「うん」
「そろそろ……抜いて欲しいんですけど」
「やだ」
「でも人が来るかもしれないし、バイトが途中で…」
「私とどっちが大事なの?」
「それは………先輩です」
「じゃあもう少しだけ、このままでいて」
「…はい。もう少しだけ」
そう言いながらも、僕は先輩の髪を撫でる手を離すつもりは無かった。
上田に行ったら理香さんと会おう。会ってちゃんと話をしよう。

ありがとうございます。そして、ごめんなさいって。

END

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最終更新:2009年10月25日 01:06