77 名前:しょたほも続き 1[sage] 投稿日:2009/08/14(金) 07:48:21 ID:VVWjYxiu
カズマ君の訝しげな視線が直に肌に感じれてじりじりと痛い。
一般的に考えればこんなシチュエーションで勃起する、なんて事はあり得ないワケでして。
本来なら、この出来事は彼の記憶に残る恥ずかしい青春の苦い思い出その1ページに記されるはずでして。
その立会人である僕は彼の痴情を見た上でそれを笑って済ませれる、彼に尊敬されるべき「大人な男」になれたはずでして。

「…ねぇ、なんで勃ってんの…」
オナニーしていた中学生の少年に欲情している高校生の僕。
…………完全に立場が逆転したよ!!
ひきつった笑みを張り付けたまま股関を押さえる僕はカズマ君の瞳にはどう映っているんだろう…。
むしろ見様によっては少年をオカズに股関に手を伸ばして喜んでいる変態に見えない事もないんじゃないか。
いやあり得ないあり得ない僕は草食系男子の代表にも選ばれるくらいなんだよ声を高らかにして言える僕はやってません!
不意にカズマ君と目が合った。眉を寄せ、戸惑いの色を隠せないカズマ君の瞳は微かに揺れている気がする。

「間違ってたら失礼だけど。………もしかしてお兄さんてそういう趣味のヒト?」
困惑した表情のまま口に出された質問に対して肯定も否定も出来ない情けない僕。眉を見事な八の字の形にし、うるうると涙目になっている僕は、自分でもさぞ無様なんだろうとしか思えない。
「答えて」
カズマ君がこちらを睨んだまま強い口調で言う。…もう、ごまかせない。


78 名前:しょたほも続き 2[sage] 投稿日:2009/08/14(金) 07:51:59 ID:VVWjYxiu
正直にほんと、数学以外に取り柄の無い頭だなぁと思う。
「…わからないんだ…お、男の子見てちんちん勃ったのはじめてだから…」
「…………」
カズマ君の少し目尻が吊りあがった形の目が大きく丸く見開いた。カズマ君自身、そんな馬鹿正直な答えが返ってくるとは思わなかったらしい。
「あ、違っ!!あのその…ぼ、僕も若いからさ!敏感なんだよね僕、いやらしい事に!」「……………」
「だからさ!なんていうの?体が勝手に反応しちゃう?わかるでしょほら、僕すぐ鼻血出ちゃうし、そういう事に対して正直なんだよ!」
「……………」
「で、でも男子にちんちん反応しちゃうのはヤバいですよね!!どんだけ節操ないんだって話ですよ僕ホント自分で自分が恥ずかしいってゆうかラブマシーンどころかこれじゃ露骨にエロマシーンだっていう」
「…………黙れ」

ぽつりと、聞こえるか聞こえないかくらいの大きさで、一人言の様にカズマ君が呟いた。その呟きが耳に届いた瞬間に僕の身体及び思考機能はストップした。ただ興奮のあまりにまた滴りだした鼻血と、自制の聞かない僕の陰茎だけは熱と固さを持ち続けていてどうしようもない。
カズマ君は、固まってしまった僕の視線から逃れる様に、ぷいと背中を向けてしまった。

79 名前:しょたほも続き 3[sage] 投稿日:2009/08/14(金) 07:56:04 ID:VVWjYxiu

「…流石に自分が男の人にそんな対象にされるとは思ってなかった」
「………う」
「そりゃ、キングカズマ宛てのメッセージで変な書き込み見るときもあるけど…でも単なる嫌がらせだと思ってた」
「…………」
「……………僕見て何で興奮するの?男同士なのに変だよ」
「……ごめんなさい………」
「また、そうやって謝る…。男らしくない。そこんとこ減点対象だから」
「……すみません……」
謝りながらも、目は背を向けたカズマ君に集中してる。視線を感じない分、まじまじと眺める事が出来る。しかしほんと小柄な子だな…こんな子でもやっぱりちんちんしごくんだよなー…なんてぼんやり思っていた。

「……まぁ、お兄さんに変なもの見せちゃった僕も悪いんだとは思うし、さっきの事も黙っててくれるんだから、悪くは言えないけど…」
「………?」
「…まぁ、僕より断然恥ずかしい奴だよね、お兄さんって」
「………はい」
図星だよ。年下の君よりも大人げない、節操の無い僕だよ……カズマ君が首だけ動かしてちらりと僕を視界に入れる。
「…このままお兄さんを部屋に帰らせたら、どうなる?お兄さん、僕をオカズにする?」
「…………………」
答えられない。てか答えられるか。本人目の前にして、そんなこと…言えるワケないじゃないか。まぁ、多分そうなるんだろうけど…
「僕のオナニーを思い出してお兄さんもちんこシゴくワケだ。…ちょっと気持ち悪いね」
「……………」


80 名前:しょたほも続き 4[sage] 投稿日:2009/08/14(金) 08:00:34 ID:VVWjYxiu
しばらく考えた末に、カズマ君は体制を変え、こちらに四つん這いになって音も立てずに近づいてくる。思わず後退る僕。でもこんな狭い部屋じゃ逃げる場所なんかない。身体中変な汗でびっしょりだ早く着替えたい。
忍び寄ってきたカズマ君が猫さながら、体を僕に密着させ肌を擦り寄せてきた。僕の心臓の鼓動はバクバクいってて聞こえそうだし、汗臭くないか気になって仕方ない…。
零距離から感じる互いの息遣いに、情けない事にはっきりと僕の股関が反応した。耳元で彼が囁く。
「………していいよ。ここで」
びくっ、と肩が震える。思わぬ彼の言動に、下半身が期待しているんだろうか、ますます興奮が治まらず鼻から血がだらだらと流れっぱなしになっている。
「どうせシゴくってわかってんなら、今ここでしても同じだよ。…だったら見ててあげるよ、その方が嬉しいんでしょ?」
「…あ…う……」
か、完璧に変態さん扱いじゃないか…いや確かに他人の目に移れば僕は完全に変態っぽいかも知れない。でもいま自分の中でなけなしの理性と共にこの誘惑と戦っているんだ、まだ負けてない!!
擦り寄せられた彼の胸元を覗けば、もう少しでタンクトップ越しにちらりと乳首が見えそうだ。ぽたぽたと鼻血が僕のパジャマに点を作り染み込んでいく。
それに…これまた部屋が薄暗いのがまた雰囲気を作っている。普段のカズマ君ならこんな積極的に他人と関わろうとはしなかったろう。
異常。男の子に股関が反応する僕も、そんな僕に対して逃げる事もせず挑発してくるカズマ君も、異常だった。
「フェ…………」
「…?」
「フェアじゃない…」
漸く絞り出すように声を出した。
「こんなのフェアじゃない…これじゃ、僕だけ恥ずかしい変態じゃないか、そんなのフェアじゃない…」
「……………」
若干、鼻声になっていたのに自分でも気が付いた。あまりにも情けない僕に涙が出てくる。
「…対等なのがいいんだ?そっか、そうだよな…僕もそう思うし…」



81 名前:しょたほも続き 5[sage] 投稿日:2009/08/14(金) 08:05:35 ID:VVWjYxiu

カズマ君がうーんと、一人ごちる。彼は目線を床に移し、僕に鎖骨を見せつける。無意識なんだろうけど、そういう態度が僕にとっては性的な意味でよろしくないワケで…。

「じゃあさ、僕の体触っても…いいから」

ぶっ、と鼻血の勢いで挿してた鼻栓が押し出された。 急いで新しいティッシュを箱から抜き取り、応急処置をする。
「………鼻血すごいよ大丈夫?」
「大丈夫ですッッ!!」
カズマ君もティッシュを数枚取り、血で汚れた部分を拭き取ってくれる。
なんでこんなに接してくれるんだろ。確かに不器用ながら、他人に親切に出来る子だとは思う。でも進んで人と関わるのが好きなタイプじゃないはず。
……もしかしてただ、エッチな事がしたいんじゃないだろうか?
先程まで自慰に浸っていた彼は、まだその熱に浮かされているんじゃないだろうか。
そこに僕という他人の接触で、おかしな方向に火がついてしまった。
誰だって欲望にはなかなか逆らえないものだと思う。
抗えない。特に性的興味が沸きだしてくる、思春期に差し掛かったばかりのの男の子には。
僕もほんの数年前の事を思い出す。僕も当時そうだったかもしれない.。

82 名前:しょたほも続き 6[sage] 投稿日:2009/08/14(金) 08:10:54 ID:VVWjYxiu
……ただ、そういったものに対する嫌悪感も抱いていたはず。
異性に対しての興味と恐怖。彼と同い年のとき、僕はその二つがせめぎあっていた。

「…お兄さん?」
今の彼には性的興味の方が強いらしい。いや、同性であり、自分よりも年上である僕に、そういう警戒が和らいでいるんじゃないだろうか。
だからいやに積極的なんだ、きっと本番の心配は無い、と思っているから。挿入されるべき場所が自分にはない、て思っているから。
「お兄さん、聞いてる?ねぇ」
鼻にティッシュを摘めたまま固まっている僕の肩に、カズマ君の手が重なる。
「…………いいよ」
覚悟を決め、ぼそっと口にした。僅かにぴく、と彼が反応する。
「いいよ、じゃあここでする。……君の言う通りにするから…」

彼の顔が一瞬驚きの表情になったかと思うと、今度は薄く微笑んでみせた。
「…言い方が駄目。もっとちゃんと、僕におねだりしてみせてよ」



続く

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最終更新:2009年10月17日 00:11