567 名前:カズマ誘拐凌辱ラスト1/20[sage] 投稿日:2009/08/31(月) 23:49:16 ID:???

体がだるくて、力が入らない。
後ろの男に預けている背がずるずると下がってきても、
佳主馬はぼんやりとしながら呼吸を整えていた。
(…最悪だ)
埃っぽい部屋も、気持ち悪い大人たちも、今の自分も。
悔しさに滲んでくる涙をぐっと飲み込む。

「ちょっと…もう離してよ」

目の前の男をギロリと睨みつけると、男は小さく笑ったようだった。
コフ、とマスクの奥から籠った音がする。

「残念だけど、そういう訳にはいかないな。まだ何もしてないじゃないか」

男の言葉に佳主馬は目を剥いた。
これだけのことをしておいて、何もしていないとはなんという言い草だ。
一瞬で頭に血が上り、どうにか男に一発食らわせてやりたいと思ったとき、
佳主馬はようやく自分の体がずるずると下がっていることに気付いた。
今や、男の膝に背中を乗せ、大きく尻を突き出すような格好になっている。
更にぐっと膝を抱え上げられれば、先端を濡らしたままの性器も、
その下の一番恥ずかしいところまではっきりと晒されてしまう。
赤ん坊がおしめを替えられるような体勢に、
佳主馬の心をよぎったのは羞恥ではなく強烈な不安だった。


568 名前:カズマ誘拐凌辱ラスト2/20[sage] 投稿日:2009/08/31(月) 23:49:52 ID:???


「な、に…?」
「佳主馬くん…体、柔らかいねぇ…」
担当を決めているのか、先ほど佳主馬の性器に触れた者ではなく、
犬のマスクをした者が佳主馬の正面に回った。
あられもない格好で不安そうに自分を見上げる少年の姿をじっくりと眺めて、
男はたまらないというような溜め息をついた。
「そうだよね、キングカズマだもん、毎日ハードな特訓してるんだろうね…それも見たいなあ」
一人言のように呟きながら、確かめるように太腿の裏を撫でる。
その手が忍ぶようにそろそろと、佳主馬の後腔に触れた。

「ち、ちっちゃい穴だなぁ…」
「ひっ!!」

男の太い指先が襞をくすぐり、軽くねじ込むような動きを繰り返す。
佳主馬のそこは、当然ながら固く閉じて指の侵入を頑として受け入れない。
蒼褪め硬直する佳主馬となんとか入り込もうとする男の後ろで、
することのない男たちが他人事のように呑気な会話を交わしている。
「あれ、入るかな」
「いや無理だろ」
「えーっと、ローション持ってきてたよな…」
「馬鹿、そっちじゃねえよ。後ろのカバン取って」
どうやら佳主馬に対する時だけ、一応紳士ぶってはいるらしい。
男たちは佳主馬が聞いたら目を白黒させそうな下卑た冗談を言い合いながら、
ごそごそと荷物を漁った。


569 名前:カズマ誘拐凌辱ラスト3/20[sage] 投稿日:2009/08/31(月) 23:50:20 ID:???


「ほらこれ使ってやれよ」と親切な男に渡されたローションを両手に取り、
犬マスクの男は涎を垂らさんばかりに嬉しそうだ。
「こっ、これで痛くないからね、ちょっと待っててね」
「いいっ!いらないっ!」
「大丈夫、大丈夫」
「なにがっ…、っ!!」
必死な佳主馬と心底楽しそうな男の会話はちっとも噛み合っていない。
捧げるように突き出された尻にたっぷりとローションを垂らし、
襞の1つ1つに浸透させるように、ぬるぬると丁寧に塗り広げる。
「う…っ、つめた…っ!」
「あああ、ごめん、ごめんよ。でもこれ、すぐ気持ち良くなるからね。大丈夫だよ」
この状況で一体何が大丈夫なのだ。
佳主馬は涙目で男を睨みつけた。
「うーん…もういいかな…」
くるくると馴染ませていた指先が、わずかに後腔にもぐりこむ。
そこは初めての経験に強張ってはいたが、ローションの滑りが指の侵入を助けた。

「う…、あ、あ……」
ぬち、と音を立てて、男の太い中指が根元まで佳主馬の体内に収められた。


570 名前:カズマ誘拐凌辱ラスト4/20[sage] 投稿日:2009/08/31(月) 23:51:01 ID:???


体内に異物である他人の指が入っているというのは、純粋な恐怖に近い。
「…ぬ、抜いて…」
理不尽なことをされているのに、お願いしなければならない自分の立場が
佳主馬は悔しくて仕方なかった。
それでも、自分の体の中に目の前の男の指が入れられていると思うだけで怖気が立つ。
体がカタカタと震えるのを抑えることが出来なかった。
「ねぇ、抜いてよっ…」
しかし男は聞こえた様子も入れた中指を動かすこともなく、
「はあ」だとか「ああ」だとか唸るような声を上げている。
佳主馬は中に入っているものをあまり感じないようにそこから意識を逸らしていたが、
男のおかしな様子に不安が募る。
そろそろと見上げた時、マスク越しに目が合った。
その途端、たまらなくなったかのように男は激しく指を動かし始めた。

「こっ、こんなところ触られたことないよねっ?僕が初めてだよねっ!?」
「ひっ!!やっ、やだっ、や、あ、あ!!」

奥まで入れた指で、ぬちぬちと音を立ててかき回す。
初めての体にはきつ過ぎるはずのそれは、たっぷりと塗られたローションのおかげで
苦痛をさほどもたらさなかった。


571 名前:カズマ誘拐凌辱ラスト5/20[sage] 投稿日:2009/08/31(月) 23:51:37 ID:???


肌に触れた時は冷たかったはずのローションは、
いつの間にか火傷しそうなほど熱く感じられる。
じん…、と奇妙な熱を帯びていく下半身に、佳主馬は思わず熱い溜め息を零した。

「はぁ、あ、あ…あ……!」
「お尻の穴、気持ち良くなってきた?」

2人の様子をじっと見守っている男が声を掛けてきたが、それどころではない。
奥まで差し込んだ指をぐるりと回したかと思えば、
ギリギリまで引き抜いて襞をくすぐる。
男の指は激しいだけでなく執拗で、
佳主馬の反応を見ながら的確に弱いところを探り出した。
いつの間にか、佳主馬のものは足の間で再び頭をもたげている。
佳主馬は裏切られたような気持ちで勃ち上がって揺れる自身を見下ろした。

「気持ちいい!?佳主馬くん、僕の指気持ちいいのっ!?
うああ、キングカズマが僕の指で気持ちよくなってるよおおっ」
「ちっ、ちが、ちがうう……!」

男の言葉を振り払うように、佳主馬はなんとか自由になる膝から下を思いきり蹴り上げた。
興奮して身を乗り出していた男の顎に見事ヒットし、
外れかかっていた犬のマスクがぱさっと落ちた。
当の男はダメージどころか当たったことにも気付かない様子で、
鼻息荒く佳主馬の体内をこすり上げるのに夢中だ。
攻撃したはずの佳主馬の方が、男の顔を見てしまったことに衝撃を受けていた。


572 名前:カズマ誘拐凌辱ラスト6/20[sage] 投稿日:2009/08/31(月) 23:52:20 ID:???


マスクの下から現れたのは、もちろん知らない男の顔だった。
しかし、それまでアバターのマスクという、
バーチャル世界の顔をつけていたのだ。
佳主馬の理解を遥かに超えているということもあり、
この悪夢のような状況はOZの中の出来事のようで、
どこか現実味がなかった。
しかし今、佳主馬の目の前にいるのは道ですれ違っても何も不思議じゃない、普通の男だ。

生身の男が自分に欲情している。
その事実を突き付けられ、佳主馬は改めて今置かれている状況の異常さを知った。

「は―――っ、は―――っ……」
体を触られているのは佳主馬なのに、
男の方がすっかり熱く興奮し切っている。
生臭い息を吹きかけられ、佳主馬は吐き気を催した。
「も、もういいかな…」
ちゅくちゅくといじっていた指を抜くと、
男はぱんぱんに張りつめたジーンズの前から自らのものを取り出した。
むわ、と男の臭いが部屋中に広がる。
グロテスクな生き物のようなそれから、佳主馬は目が離せない。
色濃い先端から先走りがだらだらと垂れ、涎のように見えた。

「そういう」行為があると、知識では知っていた。
男同士で可能だとも。
だけど、自分がその行為の対象になるなんて、考えたこともなかった。
セックスするつもりなのだ、この男たちは。
自分と、セックスを。

「……っ!!」

ぞわ、と今まで感じたことがないほどの恐怖が現実のものとなって佳主馬を襲った。


573 名前:カズマ誘拐凌辱ラスト7/20[sage] 投稿日:2009/08/31(月) 23:52:55 ID:???


「や、やめてよ……」
「ふ――……ふ―――……」
「ねぇ、聞いてんの?これ犯罪だよっ!い、今なら、まだ…」
佳主馬の必死の説得も、男には何の効果もない。
怯えた目で自分を見上げる佳主馬を宥めているつもりなのか、
ゴムを填めたものを見せつけるようにぶるんぶるんと上下に振る。
「だ、大丈夫だよ、ホラ、ゴムも使うし、ねっ?」
何がどう大丈夫なのか、佳主馬にはさっぱり分からなかった。

足をしっかり広げられ、暴れることも出来ない。
佳主馬は濡れた先端が自らの後腔へともぐり込むのを、為す術もなく見つめた。
「うっ…、い、ぎ……っ!」
「いた、痛いよ佳主馬くん…、ほら力抜いて」
「う、るさいっ!!あ、っぐ、う、ううっ!」

めり、と音を立ててなんとか亀頭が収まったと思えば、
息をつく間もなく、男は奥までずず…っと腰を進めてきた。


574 名前:カズマ誘拐凌辱ラスト8/20[sage] 投稿日:2009/08/31(月) 23:53:41 ID:???

入ったぁ…という感慨深い呟きも他の男たちのまばらな拍手も、
佳主馬の耳には入らない。
あまりの衝撃に、ひゅう、と呼吸にならない呼吸を繰り返す。
「…かは……っ、」
数秒置いて、ようやく感覚が状況に追いついてきた。
腰から下がずんと重く、熱を帯びている。
男性器が根元までみっちりと、佳主馬の体内に収められていた。
「あ……あ、ウソ……」
理解が追いつくと、じわじわと体を貫く痛みが襲ってきた。

今まで経験したことのない鈍い痛みが体の中心からずんと響いて、耐えられない。
「い、っ、痛ぁ、痛いぃ……っ」
堪え切れなかった涙がぽろ、と零れると、堰を切ったかのように
次から次へとぽろぽろ溢れた。
痛い、と子供のように泣き始めた佳主馬を見て、
男は自分の方が傷ついたような顔をした。
「キングカズマが痛いなんて言っちゃダメだよ…」
窘めるみたいに頬を撫でられ、佳主馬は一瞬、痛みよりも怒りが勝った。

「痛いんだよっ!抜けよ馬鹿!」

抑えられた手を振りほどいて、男の脂ぎった頬を力いっぱい張り飛ばした。
掛け値なしに、最後の気力だった。


575 名前:カズマ誘拐凌辱ラスト9/20[sage] 投稿日:2009/08/31(月) 23:54:21 ID:???


一瞬の後に、逆上した男に殺されるかもという心配が心に上ったが、
男は怒るどころか感動したように熱っぽい瞳で佳主馬を見つめてきた。
佳主馬の張り手で唇の端が切れていたが、気にした様子もない。
「…そうだよ、それでいいんだ」
「え……?」
「キングカズマはどんな時だって負けちゃダメなんだ」
男は腰の動きを止めると、
「ず、ずっとずっと見てたんだ…」
状況にあまりにそぐわない、静かな声で告白を始めた。

「最初にラブマシーンにやられた時も、きっとパワーアップして帰って来るって信じてた…
わ、分かったような顔して酷いこと言う奴いっぱいいたけど…僕はずっと信じてた…」

佳主馬の目にも、見えるようだった。
あの騒動の時、手のひらを返したようにキングカズマを叩く者たちで溢れかえっていたOZの中で、
ひたすら祈るように王の帰りを待っていた犬のアバターが。
応援も罵倒も、佳主馬にはどうでもいいことだったけれど。
「や…やり方はちょっと強引になっちゃったけど…ホントにホントに好きなんだ…」
「ぅあっ!!」
真摯な告白に佳主馬がわずかに気を緩めた時、
男は再び動き出した。
みっちりと埋めた佳主馬の中で、更に奥を抉るように激しく腰を使う。
佳主馬の制止も懇願も、今度はまったく耳に届かない。
男は「好きだ」と涎を垂らして叫びながら、佳主馬の中で達した。

581 名前:カズマ誘拐陵辱10/20[sage] 投稿日:2009/09/01(火) 00:06:05 ID:???
ちゅぽ、と水音と共に男がようやく佳主馬の中から出て行った。
いつの間にか、抱えられていた足は解放されていたが、
閉じる気にもなれなかった。
(…帰りたい……)
もうそれしか頭にない。
帰って夕飯を食べて、そして自分の布団で眠りたい。
男たちの正体も回り続けているカメラのことも、もうどうでもいい。
ごそごそと自分のものの後始末をする男を見上げながら、
そんなことばかりを考えていた。
「終わったんならさっさとどいてくれ」
夢見心地の男を押しのけてベッドに上がってきたのは、
1人マスクでなくウサギのお面をつけている男だ。

「ごめんね、つらかっただろう?初めてなのに、よくがんばったね」

何が起きるのかも分からず、ぼんやりと見上げる佳主馬の頭を優しく撫でる。
佳主馬が気を抜いていられたのは、そそり立つ赤黒い性器を目にするまでだった。

「大丈夫だよ、僕は優しくするからね」
「あ……、や……」

佳主馬は絶望に目を見開いた。
抵抗も忘れて震えだす体を開かせて、
男は佳主馬の中を最奥まで突き入れた。

582 名前:カズマ誘拐陵辱11/20[sage] 投稿日:2009/09/01(火) 00:08:17 ID:???

「佳主馬くんの中、とても温かいよ…」
男はゆるゆると腰を使いながら、凌辱に項垂れる小さな性器を
ローションをたっぷり使ってしごき上げた。
すぐに熱く痺れるような快感が足の間から広がり、佳主馬はたまらず喘ぐ。
体の中からじんと響く痛みと前から与えられる抗えない快感に、
佳主馬はいやいやと頭を振って身悶えた。

「っは、はあぁ、ううっ、や、やめ、抜いてよぉっ…!」

奥まで挿れたものをぐるりと回すように動かれると、
痛みと快感がごちゃごちゃに混ざって佳主馬は訳が分からなくなる。

「うっ、うあぁ、っく、う、う……っ!」

男の手が戯れに、汗の粒の浮いた胸へ伸びた。
ローションを纏った指で、いつの間にかぴんと尖っていた乳首を
ぬるりと転がすように弄ぶ。
前をいじられるのとは違う、しかし背筋を走る確かな快感に佳主馬は戸惑った。

「おっぱいをいじられるのも気持ちいいのかな?男の子なのに困ったね…」
「ちっ、ちがう、ってば、あ、あ、んあ…っ」

きゅううっときつく抓まれて、痛みよりも射精してしまいそうな快感が込み上げる。
男が佳主馬の最奥で放った時、佳主馬も男の手の中で白濁を弾けさせていた。

583 名前:カズマ誘拐陵辱12/20[sage] 投稿日:2009/09/01(火) 00:09:30 ID:???

「ぼ、僕も……」
自らの精液で腹を汚し呆然と天井を見上げる佳主馬に、
ずっと後ろから押さえつけていた牛のマスクの男が這い寄った。
投げ出された足を抱え、ぐいぐいと挿入しようとする。
「おい、お前のは無理だろ」
2番目に佳主馬を犯した男が、壁に凭れかかって一服しながら呆れたような声を掛けた。
他の男たちも、すっかりリラックスした様子でベッドの上で絡まる2人を見ている。

「無理じゃないっ!」

男は弾けるように叫んだが、実際、佳主馬の腕ほどもあるそれは、
どう考えても入りそうになかった。
ぬ、ぬち、と丸い亀頭がこすれるだけで、ちっとも進まない。
「うぅ、クソッ…」
ただでさえ小さな佳主馬のそこは、2人もの凌辱を受け痛々しく腫れている。
ローションでしとどに濡れているとは言え、
ぷっくりと腫れたそこを少しでも広げようとする男の動きは、
佳主馬に苦痛しか与えない。
男が腰を進めようとする度に、佳主馬はろくに動かない体を痛みに引き攣らせた。

「う、っぐ、うう……っ、」
「ね、先っぽだけでいいから、ねっ?」

息を荒げながら挑戦を繰り返していたが、
男はふと思い立ったように膝立ちで佳主馬の顔の近くへ寄った。

584 名前:カズマ誘拐陵辱13/20[sage] 投稿日:2009/09/01(火) 00:11:13 ID:???

「…これ、13歳なら…知ってるかな…」
舌舐めずりしながら、固く隆起したものを柔らかい頬にぐりぐりとなすりつける。
「佳主馬くん、ほら、あーんして…」
褐色の肌に、ナメクジが這ったような跡が残った。

「……それ、したら…もう、お尻しない…?」

性器を顔面に押しつけられても払いのける力もなかった佳主馬が、
泣き濡れた瞳で見上げていた。
「う、うんっ、もちろんだよ!約束する!だから、ねっ!?」
「ん……」
さほど抵抗もなく、佳主馬は口を開いた。
唇を味わうようになぞってから、青臭いものが口いっぱいにねじ込まれた。

「んぐ……っ!」

佳主馬は思わず噛んでしまいそうになるが、
男が噛み合わせを押さえる力の方が大きかった。
「ううっ、お、お口ちっちゃいなあぁっ」
佳主馬の頭を押さえ付けながら、
粘膜で包まれる感触に男は感動したように天を仰いで叫んだ。

「か、佳主馬くん…ほら、舌でぺろぺろして…」
「うっ、うう、うぶ…っ、」

顎が外れそうなほど大きなもので喉を何度も突かれ佳主馬は嘔吐きそうになるが、
それでも必死で舌を這わせた。
今自分が何をしているのかなど、まったく考えられなかった。
呼吸の苦しさも口いっぱいに広がる臭いも、それを嫌だと思う気持ちも
麻痺してしまったようで、何も分からない。
(これが…終わったら…帰れる…帰れる…)
心の中でぐるぐると、呪文のように唱え続けた。

585 名前:カズマ誘拐陵辱14/20[sage] 投稿日:2009/09/01(火) 00:13:09 ID:???

「…うっ……、はぁ…」
数分もしないうちに男が達した。
口の中でなく顔面に精液をぶち撒けられたのが幸いだったのかどうかは、分からなかった。

「はぁ……」

佳主馬はごろりと仰向けになり、
顔を拭うことも忘れて汚れた天井を見上げていた。
いろいろ考えなければならないことがあるはずなのだが、
疲れきっていて頭が回らなかった。
鳥マスクの男がベッドに乗り上げてきたのをぼんやりと眺めていたが、
その手が張りつめた性器を取りだしたのに気付いて泣き声を上げた。

「も、もうしないっていったのにぃっ…」
「ご、ごめんね、これだけ、これだけだからっ」

腰から下の感覚は既にない。
ずるずるとベッドの上を這うようにして必死に逃げても、
容赦なく足を掴まれ引き戻されてしまう。
「ごめんねごめんね、すぐだから、すぐッ」
うええ、と子供のように泣きだした佳主馬にしばし躊躇いを見せたが、
結局やめるつもりはないらしい。
小さな尻を両手で掴み、赤く腫れた後腔へと自身を突き入れた。

586 名前:カズマ誘拐陵辱15/20[sage] 投稿日:2009/09/01(火) 00:15:38 ID:???

獣のような四つん這いの体勢を取らせるも、
佳主馬は手を着く力すら残っておらず、べしゃっとマットにくずおれた。
腰だけを高く上げ、マットにしがみついて後ろからずくずくと犯される。
「おいおーい」
「約束は守ってやれよー」
「だ、だって俺は約束してないもんっ…」
止めるでもない冷やかす声が飛び交うが、男の腰は止まらない。

「もうやだ、やだ、やだあああ……」

佳主馬は力なく泣き叫んだ。
意地など、欠片も残っていなかった。
(誰か助けて)
次から次に、脳裏にいろんな顔が浮かんだ。

祖父の日焼けした逞しい顔、自分を一人前として扱ってくれる父の顔、
妹を守るんだと教えてくれた、亡くなった曾祖母の前歯の抜けた笑顔、
そしてこの夏出会ったちょっと頼りない人。

(たすけて)

最後に浮かんだのは、ぴんと突き出た2つの耳。真っ赤な瞳に、不敵な表情。
赤いジャケットを翻して、縦横無尽に駆け回る力強い手足。
半ば無意識に、テーブルに置かれたパソコンに向かって手を伸ばしていた。
開かれたままの画面には、見慣れた姿が映っている。

世界で一番強い、もうひとりの僕。
あそこでなら、僕は誰にも負けないんだ。

伸ばした手は宙を掻き、力なくマットに落ちた。

587 名前:カズマ誘拐陵辱16/20[sage] 投稿日:2009/09/01(火) 00:18:09 ID:???

佳主馬が意識を取り戻した時、
部屋には何もなかったかのような秩序を取り戻していた。
衣服は整えられ、汚れていたはずの体も綺麗に拭かれていたが、
体を起こしたときの異様なだるさと痛みに、
あれが現実の出来事だったと思い知らされた。

「気がついたかな?よかった、そろそろ起こそうと思ってたんだ」
男たちは全員マスクを外して、思い思いにリラックスしていた。
好青年と言ってもいい、若い男がにこやかに話しかけてきた。
「さて、送ってくよ。立てるかな?」
ダンスの誘いよろしく伸ばされた手を、佳主馬は音を立てて払いのけた。

「アンタら何したか分かってんの…もう人生終わりだよ」

挑発するようなことは言わない方がいいと頭で分かっていても、
もう止められなかった。
ここまで好き勝手にされて大人しくしているだなんて馬鹿げている。
もともと、やられたらやり返す性質なのだ。
「そうかもねぇ」
しかし男たちは、佳主馬が気味悪さを覚えるほどに落ち着いていた。

「…何、呑気なこと言ってんの。僕が警察に行ったら、全員刑務所行きに決まってる」
「そうなれば、僕らは逮捕されて罰せられるだろうね。でも、それだけだよ」
「何…言ってんの?」

壁に凭れかかっていた男が紫煙を吐き出して、気軽な世間話をするように尋ねた。

「妹の名前、もう決まってるの?」

588 名前:カズマ誘拐陵辱17/20[sage] 投稿日:2009/09/01(火) 00:20:30 ID:???

言葉の意味がすぐには飲み込めず、ぽかんと男を見上げる佳主馬に
男たちは優しく諭すように続けた。
「言っただろう」
「キングカズマはOZの救世主だ。世界中に君のファンがいるんだよ」
「ここにいるメンバーだけじゃない」

「僕達の中には、赤ちゃんと遊ぶのが大好きな奴もいるんだ。キングカズマの妹なら、きっと大歓迎だろうね」

「あ……、」
再び、佳主馬の体が大きく震えだした。
今度は尋常ではないほどに。
許可もなく隣に座った男が、みるみる蒼褪めていく佳主馬を慰めるように肩を抱く。
佳主馬に、それを振りほどくことは出来なかった。
「何も難しい話じゃない」
肩に回された手に力が入る。
耳に心地良い低い声が、言葉の上では励ますような台詞を続ける。

「すべては君次第だ、キングカズマ」

589 名前:カズマ誘拐陵辱18/20[sage] 投稿日:2009/09/01(火) 00:23:44 ID:???

(いいかい佳主馬。お前も陣内家の立派な男だ。お前が母さんと妹を守るんだよ)
(兄妹ってのは悪くねぇぞ)
(ありがとう、って言ってるのよ)

頭の中がわんわんとうるさい。
佳主馬は男に手を引かれるまま、ふらりと立ち上がった。
男は佳主馬の様子に小さく笑って、艶やかな髪に口づけを落とした。

さあ、もう晩御飯の時間だ。
おうちにお帰り、佳主馬くん。お母さんが待ってる。
だけど、どこにも逃げ場なんてないよ。

ぼくらはOZで繋がっているんだから。

590 名前:カズマ誘拐凌辱ラスト19/20[sage] 投稿日:2009/09/01(火) 00:59:00 ID:???

プルルルルルルルルルルル。

あ、お父さん?
うん、届いたけど。またイカばかりなんだもの、食べ切れないわよ。
馬鹿ねえ、0歳児が食べる訳ないでしょう。
ちょっと待ってね、今変わるから。
そうよ、すっかりいいお兄ちゃんなんだから。

「佳主馬、電話!」

受話器の話口を手で押さえながら、聖美は振り返った。
明るいリビングでは、ようやく首の座った長女を佳主馬が膝に乗せて
あやしてやっているところだった。
長めの前髪からぎょろりとした大きな瞳が覗く。
「ん」
よっこらしょ、と佳主馬は赤ん坊をしっかりと抱いたまま立ち上がる。
その動きに遊んでもらっていると思うのか、
娘は楽しそうな声をあげてきゃっきゃと笑った。

――パパよりもお兄ちゃんが好きみたいね。
夫に伝えたら、ひどく情けない顔をすることだろう。
想像して、聖美は小さく笑いを零した。

軽く見えて誰よりも責任感の強い夫、無愛想だけど家族想いの息子、
そしてこの秋誕生した、宝物のような娘。
絵に描いたような、幸せな我が家。

慣れた手つきで受話器と娘を交換しながら、
聖美はその幸せを味わうように深く息を吸った。
甘いミルクの香りが鼻をくすぐり、娘の体温が暖かく胸を満たした。


591 名前:カズマ誘拐凌辱ラスト20/20[sage] 投稿日:2009/09/01(火) 01:00:07 ID:???
『おう、佳主馬!最近OZにも来てねぇみたいだからよ、どうしたかと思ってな。どうだ、兄貴は大変か?』
「…慣れればそうでもないよ」

佳主馬に代わった途端、がなり立てるような父の声が、
ハンドフリーにしている訳でもないのによく聞こえた。
腕の中の娘にも祖父の声が聞こえたのか、
しきりにそちらに手を伸ばそうとする。
それに気付いた佳主馬が産毛に守られた柔らかな頬を
そっとくすぐってやると、娘は嬉しそうな声を上げて、
ぷくぷくの手で兄の日焼けした指をきゅっと握った。

「大丈夫だよ、師匠」

世界で一番大切なもののように、
佳主馬は小さな手をそっと包んだ。
いつになく低い声に引っ掛かりを感じて、
聖美はふと顔を上げる。

「僕が守るから」

夏より幾分やつれた息子の横顔を、聖美は不思議そうに眺めた。



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最終更新:2009年09月05日 02:20