713 名前:カズマたんinOZ(触手あり) 1[sage] 投稿日:2009/09/02(水)
18:37:55 ID:???
夢の中でこれは夢だと自覚することなんてよくある事だ
佳主馬はぱちぱちと瞬きを繰り返し周囲を見渡した
気が付いた時、既にそこにいた
辺りに広がる光景は彼にとってある意味馴染み深いものであった
仮想空間OZ
どうしてそこに自分がいるかはわからないが夢なんてそんなものだ、と佳主馬は冷静に判断を下す
わからないのはどちらかと言うと自分の風体の方だった
格闘用グローブ、真紅のジャケット、ゴーグル
今の佳主馬の格好はキングカズマそのものだった
いわば本人によるコスプレ状態
「…自分がOZと現実を混同するような区別がついてない
人間だとは思いたくないんだけど」
自分の夢設定に少しガッカリしながら佳主馬は耳をひっぱる
つんつんとリアルな感触がする
体に毛は生えていないものの、佳主馬の頭の上にはゆらゆら揺れるウサギの双耳
尻にはふさふさしたウサギの尻尾がついていた
「まあいっか」
夢は夢
なら思う存分好き勝手してこの世界を楽しもう
とん、と地を蹴り、ふわり、と白い空間に浮き上がる
体が軽い
コマンド入力しなくても思うがままに飛び回れる
「意外と…うん、結構楽しいかも」
くるりと宙で一回転をして佳主馬は微笑んだ
714 名前:カズマたんin OZ(触手あり)2[sage] 投稿日:2009/09/02(水) 18:40:17 ID:???
「ふう…ここならちょっと休めるかな」
人気のないエリアを見つけ佳主馬はとある場所に降り立った
「カズマさんがフィールドに入りました」
声と共にブンと音を立ててホログラムが立ち上がり寂れたバーの内装が映し出される
店に乱雑に置かれた椅子の中から適当なソファーを選び座り込む
キングカズマはOZ内では超有名人だと言う事を佳主馬はすっかり失念していた
「…そんなところまで再現しなくていいのに」
自分の夢に対して文句をつける佳主馬
中央広場についた途端に多数のアバターたちに話しかけられ
逃げたショッピングモール街ではそれ以上の人だかり
とにかく人がいない方へいない方へ!
選択して逃げていくうちにあからさまに怪しげな雰囲気の場所へ来てしまったが
どうせ夢、何とでもなる
「この先は18歳以上の方専用ゾーンとなります…」にこやかにアナウンスする
女性型インフォメーションアバターの忠告を蹴り飛ばしてやっと一息つけたのだ
誰も見ていないので行儀悪くごろんとソファーに寝そべる
最初仰向けの体勢でいたらどうにも尻尾が邪魔でごろごろと何度か姿勢を変え
最終的にうつ伏せして体を丸めることで落ち着いた
ぴるぴると長い耳が震えるのを視界の端に捉え佳主馬は眉を潜めた
「…変な夢」
疾走してきた疲労感は余り感じないが精神的にとても疲れていた
いつの間にか彼は目を閉じ眠りこんでしまった
ブン
「unknownさんがフィールドに入りました」
715 名前:カズマたんin OZ(触手あり)3[sage] 投稿日:2009/09/02(水) 18:44:42 ID:???
シシシッ。
頭の中に響いた耳障りな甲高い笑い声に佳主馬はがばりと飛び起きた
「うわっ?!」
いや飛び起きようとして失敗した
体を起こした途端何かに両腕を強く引っ張られ体勢を崩してしまったのだ
「え?うわっ何これ?!」
佳主馬は真っ黒なコードで全身ぐるぐる巻きになっていた
シシシッ
また笑い声がした
「この声…まさか」
その声に彼はとても聞き覚えがあった
忘れようにも忘れられない
背筋に悪寒が走り冷や汗が吹き出る
最悪の予感に恐る恐る振り返る…
「ラブマシーン…?」
「ちげーよただのバグ」
突然聞こえてきた他人の声にばっとそちらを見る
店の扉の外、フィールド外にいつの間にか何人かのアバターの姿があった
佳主馬を捕まえていたものは確かにラブマシーンとは姿形が違っていた
正体不明の崩れかけた黒いポリゴンの塊が床にべちゃりと這っており
それから無数のコードがこちらに向かって伸びていて佳主馬の体を拘束していた
「最近この辺をよくうろついてんだよな」
「てゆーかそいつ知らないとか初心者?」
知らない、こんなの見たことないと返答するとアバター達はどっと爆笑する
その様子に佳主馬はむっとした
高揚した感情に合わせて兎耳もぴんと真上を向く
先ほどから体の上を細いコードがゆっくりやわやわと這いずり回っていて
その感触が気になるが今はそれより彼らが癪に触った
(…嫌な夢)
現実世界でカズマをいじめていた男子生徒とアバター達の印象が重なりカズマは唇を噛んだ
716 名前:カズマたんin OZ(触手あり)4[sage] 投稿日:2009/09/02(水) 18:49:16 ID:???
「…で、これどうやってほどくんだよ」
「やべぇwマジで初心者だったw」
「夏だねえ~」
カッと頭に血が上る
「だから知らないってば!こんなとこ普段なら絶対来るもんか!」
「ああ普段はキングカズマの追っかけしてるんだろ?」
「外見パーツ全部同じにしちゃうとか完全にお子さま臭いなりきり」
「違う!僕はっ」
「うん本物なんだよね?わかったからカズマたんw」
からかうよう名前を呼ばれ佳主馬は屈辱に身を震わせた
ギュッと拳に力を込める
こいつらも変なバグも今すぐぶちのめしてこんな夢なんかとっとと目覚めてー
「なあカズマたん、俺らの事より放っておいていいのそれ?」
「何が、うわ、ちょっ…?!」
指さされた方を見て佳主馬は焦った
ずるりと何本かのコードがズボンの裾からウェストから中に入り込もうとしている
慌てて体を捩る佳主馬を逃すまいとするかのように拘束が硬くなった
「やめ、気持ちわるい…っ」
入り込んだコードは佳主馬の腹や足をスリスリと撫でさすり更に奥へ向かおうとする
ゾワリと鳥肌が立った
「カズマたんにいい事教えてやんよwそいつそうなったら一回やるまで離れねーの」
「それだけで終了だから害がないっちゃないわな」
「すげえうぜーけどな、何も喋らねーし」
「や、やるって何…」
ぞくぞくと肌をあわ立たせながら佳主馬は問い掛ける
先ほどとはまた違った嫌な予感しかしない
その間にもジャケットの下にコードが蠢き薄い胸を撫で回していた
(ん…んっ)
思わずあげそうになった声を首を振って噛み殺す
動きにあわせてふるふると兎耳が震えた
「そりゃアダルトステージなんだから一つだろ」
「バグとセックルプレイw」
「1人で自演寂しいけど頑張って」
「セッ…」
佳主馬は絶句した
717 名前:カズマたんin OZ(触手あり)5[sage] 投稿日:2009/09/02(水) 18:51:08 ID:???
一瞬で血の気が引く
彼らに取っては「プレイ」「なりきり」
そうだろうが、佳主馬には感覚がリアルな感触がある
佳主馬はここに「いる」のだ
(なんて悪夢…!)
早く早く覚めて!
「いやだっ!離せっ!!」
全身に力を込め無茶苦茶に暴れるが拘束は解けない
それでも諦めず動かせる部分、爪を立て引っ掻き、噛み付き、足をバタつかせ抵抗を続ける
「このっ!このっ!」
暴れる佳主馬の腰が浮く
その隙間にするりと一本のコードが入り込む
「ちくしょう、はな、…ッッ?!」
ざわっ!!
そこを撫でられた瞬間佳主馬は今まで感じたことのない感覚を覚えた
「あっ!やっ…」
ゾクゾクゾク!
コードはそこを無遠慮に撫で回す
その度にえもいわれぬ感触が佳主馬の体を駆け巡り力が抜けていく
「あーあ、カズマたんウサギだから」
「あそこって動物は性感帯なんだっけ?」
「あと首の付け根とかな。ほら猫とかも押さえると大人しくなるじゃん」
尻尾の付け根、尾てい骨の上側
人間の佳主馬が意識して触ったこともない場所をバグは愛撫していた
「く…うぅ…あっ…」
とうとう全身の力が抜け佳主馬は四肢を放り出した
(こんなの…こんなのって…)
「やだ…」
悔しさの余りじわりと目に涙が浮かぶ
その涙もコードが触れ、゛舐め゛取った
「う…っ」
718 名前:カズマたんinOZ(触手あり)6[sage] 投稿日:2009/09/02(水) 18:51:48 ID:???
おお、と見物しているアバター達から声があがる
その驚きの原因を佳主馬は自分の体で知っていた
コードの外見が画像が切り替わるようにモザイクの残像を残しながら変わっていく
それと同時にぬちゃりとした濡れた感触が肌に伝わりどこか生臭い匂いが周囲に立ち込める
佳主馬の体を戒めていたコードはその全ての先端をヌメヌメと光る触手に変化させていた
「や…気持ちわる…」
いやいやと力なく首を振ってもまとわりついてくる触手は離れようとしない
佳主馬の頬には涙の筋と共に触手の出す粘液のテラテラとした跡が付いた
抵抗しようとする度に尻尾の付け根をあやされ、反抗する気力さえ奪われてゆく
そして代わりに佳主馬の中に芽生えつつある感情があった
(それだけは認めたくないっ…)
ぼんやりと霞み始めた思考の中、佳主馬は必死に否定する
(これは夢、そうだからこそ認めたくない、ああ、でも、だけど…)
「あ…あ…あぅ…」
触手が全身を這いずり回る
胸板を揉みしだき小さな乳首を舐め回し脇腹をさすり臍の窪みへ先端を突っ込む
「いやぁ…やだあ…ああ…」
腿の内側に吸い付き関節の柔らかい部分に擦り付け足も手も指の股までしゃぶりつくされる
「ひあぁ…っ、誰、か」
耳をねぶられ佳主馬には本来あり得ない器官…兎耳をコリコリと愛撫され尻尾を撫でられる
ー気持ちイイ
「誰か、助け、て」
「あ、オレらROM専だから」
ぬぷん
縋りつくようにのばされた指先も触手に包まれた