689 名前:夏戦争・続(ほぼ非エロ)[] 投稿日:2009/09/09(水) 16:27:50
ID:BGiW+LLz
20分ほど電車に揺られ、夏希達の通う大学についた。
校門の近くまで行くと
「夏希ぃ~~!」と一人の女性が夏希めがけて走ってきた。
「あ~、真琴~!」
真琴というのは、夏希の大親友の紺野真琴である。
夏希が、大学に来てまだ間もない頃校舎で迷ってしまったときに真琴と出会った。
道を聞こうとしたが、真琴も迷っていたらしく一緒になってなんとか自分たちのクラスを見つけた。
そうゆう体験をしてことにより自然と仲が良くなってきた。
いまでは大親友である。
「おぉ~、お二人さん今日も一緒に登校ですか~?」
「あ、真琴先輩、おはようございます。」
と、照れながらも挨拶をする健二
「先輩、僕あっちで授業なのでまた。」
「うん、またあとでね。」
校舎に走っていく健二を眺めながら夏希達は自分たちの校舎に入って行った。
690 名前:夏戦争・続(ほぼ非エロ)[] 投稿日:2009/09/09(水) 17:12:22
ID:BGiW+LLz
数時間後・・・・
三人は大学近くの喫茶店にいた。
「でさぁ、二人はどこまでいったの?」と真琴
「ん?なにが?」と夏希
「だからぁ、もうヤッたのかって聞いてるの。」
真琴がそう言うと、健二はお茶を吹き出し、夏希はカップを取り落とした。
「えぇ・・まだなの?二人はもう2年も付き合ってんでしょ?」
確かにもう二年も付き合ってるが、そうゆう関係になったことはない。
何となく健二の方を見ると健二も顔を真っ赤にして夏希を見ていた。
なんとなく気恥ずかしくなって目をそらした。
「まぁいいや、そろそろ帰ろっか?」
家に着くと携帯が鳴った
「誰からだろう・・・あれ、これ健二君のだ!」
勝手にのぞくのは悪いかな・・・・そう思いつつ好奇心に負け夏希は健二の形態を開いた
見覚えのある卵頭のアバターが手紙を差し出す。
「え、真琴から!?」
思いもよらぬ人物からのメールに戸惑う夏樹・・・
さすがに内容見るのは罪悪感があるので受信BOXへ
「・・・・・・なにこれ・・・・」
そこには、ある人物からのメールが大半を占めていた。
夏希・・・ではなく真琴からだ。
気になりその中の一つを開いてみる。
「じゃあ、7時に家に来てね!」
あれ?7月14日?昨日か・・この日は佐久間君との約束があるって言ってたような
なぜ、健二は自分に嘘をついてまで真琴の家に行ったのだろう
しばらく考えていると、ある恐ろしい考えが生まれた。
そう、健二だって一人の男だ
男と女が夜に一つ屋根の下にいたら間違いの一つや二つあってもおかしくない
そう考えながら、夏希は不安な夜を送った・・・・
698 名前:夏戦争・続(ほぼ非エロ)[] 投稿日:2009/09/10(木) 17:58:45
ID:Li8WCPQO
翌朝・・
夏希はほとんどっと言っていいほど眠ることができなかった
目を閉じれば健二と真琴が・・・・
そんなこんなで夏希は重い足取りで駅へ向かった。
駅に着くと、いつも変わらない健二の笑顔があった。
「おはようございます」
「おはよう・・・」
「どうしたんですか?元気ないですね。」
「べつに・・そうだ、これ、はい。」
健二に携帯を差し出す。
「あ、ありがとうございます!僕が間違えちゃったみたいですね。」
そういって、健二も夏希の携帯を差し出す。
「じゃあ、行きましょうか」
「うん・・・」
そういって、間もなく来た電車に乗り込む。
夏希は昨夜から気になっていたことを聞いてみることにした
「健二君・・・」
「はい!なんですか?」
「その・・あたしのこと好き?」
「えぇぇ、なんでそんなこと聞くんですか?」
健二が、顔を赤くして言う
「いいから・・・」
「えっと・・・その・・もちろん・・・す・好きです」
「ホントに?絶対?」
「は・・はい」
いつもの、しどろもどろの受け答えも、今では怪しく聞こえてしょうがない
二人の間では、隠し事は絶対なしと決めてきた。
と言っても、夏希や、健二はすぐ顔に出るのでわかってしまうのだが・・
「そう」
健二は、何事だろうと訝っている。
大学に着くといつものように真琴がやってきた。
「おはっよ~・・あれ?二人ともどうしたの?何、二人にもとうとう倦怠期?」
「そんなんじゃないよ」
「そう?じゃあ、早く教室行こっ!健二君じゃあね」
「はい!」
心なしか、二人がアイコンタクトをとったように見えた
一時限目は、数学Ⅱだった。
昨日寝てないせいか、なんだか眠くなってきた
講師の声がドンドン遠くなってきた
「で、ある・・・・して・・Xが・・」
何も聞こえなくなった・・
「ら・・・・はら・・・・篠原!!」
「はい!!」
「いまわ、お昼寝の時間じゃないんだぞ」
「あ、はい、すいません」
「では、続けるぞ・・・」
702 名前:夏戦争・続(ほぼ非エロ)[] 投稿日:2009/09/11(金) 17:05:12 ID:IROSFhnR
授業後・・・
「夏希ぃ~!どうしたの?寝不足?」
「うん・・ちょっとね・・あれ?それどうしたの?」
朝は、きずかなかったが真琴の右手に手首まで包帯が巻かれている・・・
「あ、これ?え~とね、大したことないよ」
少し焦っているように見えたのは、気のせいだろうか?
「そう」
「それよりさぁ、また数学のレポートかぁ・・、一昨日みたいに、健二君にお願いしようかな・・」
「えぇ?」
「いや~、全然間に合わなくてさぁ、一緒に手伝ってもらったんだ・・あ、それで何かギクシャクしてたんだ~納得♪」
「違うよ、そんなんじゃない」
「大丈夫、なにもしてないよ~」
そう言って、真琴はトイレに向かった。
「もう、真琴たら・・・」
そういいつつ、なんだか夏希は胸の奥のつっかえが取れたような気がした
705 名前\:夏戦争・続(ほぼ非エロ)[] 投稿日:2009/09/12(土) 15:14:50
ID:lKtaom/o
その時、夏希の携帯が鳴った
「誰だろう・・・あ、万里子おばさんだ」
携帯の画面に「陣内万里子」と表示されている
「もしもし?おばさん?」
「あ、夏希?いきなりだけど日曜までに上田に帰れる?」
「え?なんで?」
「えーとねぇ、何か侘助が見せたいものがあるって言ってて日曜にみんな集まるんだけど」
「え、侘助おじさんが!?・・多分帰れると思うよ。夏休みだし」
「そう。じゃあ彼氏も連れてきなさいよ(笑)」
「うん、わかった。あ、友達も連れてきていい?」
「あ、真琴ちゃんね?いいわよ。」
「わかった、じゃあまたね」
そういって電話を切った夏希は真琴を探し始めた
706 名前:夏戦争・続(ほぼ非エロ)[] 投稿日:2009/09/12(土) 15:40:46 ID:lKtaom/o
日曜日・・・・
3人は新幹線に居た
「早く着かないかな~」と真琴
「真琴、興奮しぎだよ~」と夏希
「だって久しぶりなんだもん」
「え、真琴先輩、行ったことあるんですか?」
健二が、驚いた様子で言う
「え、あ・・行ったことないよ・・・間違えた」
真琴が、苦笑いをする
その時、次は上田~上田~
「あ、もう着くみたいだよ」
電車とバスを乗り継ぎようやく到着したころにはもう、親戚の皆はそろっていた
「あ、夏希と健二とお友達さんがついたぞ~」
懐かしい声が叫んでる
「おぉ~ついたかぁ!」
向こうから、万助がやってきた
「おぉ~、二人とも久しぶりだなぁ・ん?そこのお嬢さんは誰だ?」
夏希の隣にいる真琴を指さして万助が言う
「あ、私の友達の真琴」
「あ、はじめまして」
真琴が、頭を下げる
「お、そうかぁ~まぁ、ゆっくりしてけ。おい、健二ちょっと荷物運ぶの手伝ってくれ」
「あ、はい」
健二が万助についていく
「さっ!上がって」と夏希が言う
まだ真新しい門をくぐっていった。
707 名前:夏戦争・続(ほぼ非エロ)[] 投稿日:2009/09/12(土) 16:04:37 ID:lKtaom/o
真琴に、一通り家を説明し、居間に戻ると親戚の皆が勢ぞろいしてた。
「あ、夏希と真琴ちゃん早く座って。昼ごはん食べましょう」
雪子が言う。
時計を見たら、もう3時だった。
親戚みんなで、少し遅い昼食が始まった。
みんなと、こうして話していると2年前を思い出す
「そういえば、侘助おじさん。見せたい物ってなんなの?」
「あ?そっか、そういえばそうだったな夕食の時に見せてやるよ」
「え、なんで・今じゃだめなの?」
「まぁ、俺は今見せてもいいんだけどな、シシシシシ」
「そうだ、夏希悪いんだけどお昼ご飯終わったら子どもたち外で遊ばせてきてくれない?」
万里子慌ててが言う
「あ、いいよ。健二君はどうするの?」
不思議に思ったが侘助がどこか行ってしまったので、今見ることはあきらめた
「あ、すいません。ちょっとやることがあるので」
「そっか、じゃあ、みんないこ!」
ワーイと、子供たちが叫び走って玄関に向かっていった
(みんな元気だな・・・こんな暑いのに・・)
子供たちのパワーに圧倒されながらも玄関に向かう夏希
玄関に行こうとしたが、その前にトイレに行くことにした
(あれ?誰かはいってる?)
誰だろうと思いつつ待っているとなぜか、トイレから話声が聞こえた
708 名前:夏戦争・続(ほぼ非エロ)[] 投稿日:2009/09/12(土) 16:27:12 ID:lKtaom/o
「だから、わかっていると思うけど夏希には絶対ばれないようにしてね」
「はい!わかってます。」
真琴と健二の声だった
(なんで、トイレなんかで話しているのだろう。それに、あたしにバレない様にするって・・・?)
そう思っていたら、玄関から子供たちの声が聞こえた
「夏希ねぇ~ちゃん~、はぁ~やく~」
夏希は、急いで玄関へと向かった
2時間後・・・
(あぁ…疲れたぁ…)
それもそのはず、遊びたい盛りの子供たちを相手に鬼ごっこやらかくれんぼ
などをさせられ、どっと疲れた。
子どもというのは、疲れというのを知らないだろうか?
そんなことを考えつつ居間の扉を開けたそのとき・・・
そこには、信じられないような光景があった
視界に入ったのは健二と真琴だった
しかし二人は並んで立っているわけでもなく
数学のレポートを教えてもらっているのでもなく
いわゆる、健二が真琴を押し倒したような体制でいた。
712 名前:夏戦争・続(ほぼ非エロ)[] 投稿日:2009/09/13(日) 11:14:20
ID:SdmhPRwx
「・・・っ!」
夏希の中で何かが崩れた。そんな気がした
目の前の光景に頭がついていけてない。さっきまで、五月蠅かった蝉の音がふと消えた
健二と真琴が何やら話しているが全く聞こえない。意識が遠のいていく
夏希が今に入って数秒後、ようやく健二が夏希の存在に気付いた
急いで夏希の方にかけより居間の扉を閉めた
「えっと・・ど・・・どうしたんですか…?」
健二が、ひきつった笑みを浮かべる
「何してたの・・・・?」
「え・・・っと、その・・・」
健二が二ヤつきながら、いい訳を考えているのがわかる
唇をかみしめる夏希の顔に一筋の涙が流れる
「夏希先輩・・・・?」
「そうゆことなの・・・・?」
「・・・・・え・・?」
健二が驚いた顔を見せる
これ以上健二のそばにいたくなかった
気がついたら夏希は居間を飛び出し、はだしのまま外へ走り出していた。
「夏希先輩!」
健二が慌てて走り出す。
夏希は走った。とにかく健二のそばから離れたかった
信じていた健二が・・・
2年前、自分のことを大好きだといった健二が・・・・
世の中のすべてが信じられない気持だった
気がついたら見知らの崖に居た。
目からとめどなく涙があふれ出す
しばらくすると、息を切らした健二がやってきた。
「せんぱ・・」
健二がこちらにやってくる
「こないで!」
ぴくりと、健二が肩を震わす
「何で来たのよ・・・」
713 名前:夏戦争・続(ほぼ非エロ)[] 投稿日:2009/09/13(日) 11:37:54 ID:SdmhPRwx
ポツリ・・・ポツリ・・・雨が降ってきた
震える体を押さえながら夏希が言った。
「え・・それは、夏希先輩が・・・その・・泣いていたから・・どうしたのかと」
「どうかしたかですって!」
「え・・・?」
「こないでよ・・あのまま二人で続きやってればいいじゃない・・・」
「夏希先輩?なんか勘違いを・・」
「勘違い?じゃあ、二人で何してたのよ!」
「えっと・・その・・」
夏希が、鼻で笑った
「言えないじゃない!だからその・・・してたんでしょっ!」
「ちっ違います!」
「え・・・?」
「僕と真琴先輩は・・・」
健二が、何かを決心したような顔をした
「夏希先輩の・・その・・誕生日会の・・準備を・・・」
「誕生会!?」
ふと考えると、それもそのはず今日は何を隠そう7月19日なのだ
雨が、本降りになってきた
「え・・じゃあなんで・・その・・真琴と・・・」
「あれは、僕がテーブルの角に転んで・・真琴先輩の上に・・」
そういえば、テーブルの上の皿が落ちてたような・・・・
「ホント・・・?」
「あ、ハイ!」
「・・・・・・」
夏希は自分の考えが、すべて杞憂なことを悟った。
「ゴメン・・・その・・勘違いしてた」
「・・・・・・そうですか。」
「ゴメンね。健二君のこと信じられなくて」
健二えの怒りはとっくに消え、今は申し訳なさでいっぱいだ
「大丈夫ですよ・・その・・僕も勘違いされるようなことしてたし・・・」
「許してくれるの?」
「はい、勿論です」
「・・・ありがとう」
信じられないような豪雨の中だったが夏希の心は健二の優しさに感謝する心でいっぱいだった
「その・・帰りましょうか」
健二が、手を差し伸べる
「うん・・」
夏希が手を伸ばす・・・・・・その時だった
ゴオォォォォ・・・・・・・
「ん?何の音」
夏希があたりを見回す
その時、夏希が立っていたところが崩れた
「きゃぁぁぁぁー」
夏希が悲鳴を上げた
「せんぱーい」
どこかで健二の声が聞こえた
714 名前:夏戦争・続(ほぼ非エロ)[] 投稿日:2009/09/13(日) 11:48:19 ID:SdmhPRwx
「うっ・・・うぁ・・」
夏希は、頭を必死にかばいながら落ちていった。
「うあぁ・・」
やっと止まったところは道路だった
「・・・・っ・・・」
痛みに耐えながらも立ち上がる夏希
(死ぬかと思った・・・)
ほっとした夏希だが、夏希の不幸はそれだけでは済まなかった
プゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーー
トラックの甲高いクラクションが鳴る。
後ろを見ると8mほど先に10tトラックが見えた
逃げようと思ったが体が動かない
いや、動けたとしても間に合わなかっただろう
死を確信した夏希は意識が遠のいてくのを感じた
(健二君を疑った罰なのかな・・・)
そんなことを思った瞬間夏希の意識が飛んだ
が、意識が飛ぶほんの少し・・・ほんの少し前に、車のフロントガラスに白い影が見えた
そんな気がした
715 名前:夏戦争・続(ほぼ非エロ)[] 投稿日:2009/09/13(日) 12:04:56 ID:SdmhPRwx
体がやけに重い・・・
私、死んだのかな・・・
そんなことを思っていると、なぜか、懐かしい感覚がした
なんだっけ・・この感覚・・・・
居間で、パーティーの準備をしていた万助が、その異変に気付いた
(ハヤテの奴・・やけにうるさいな・・)
気にしないようにしようと思ったがなぜかいやな予感がした
ためしに庭に向かっていくと、その予感が的中した
「なっ・・・・万作ーーーー早く来てくれぇー」
「・・・・・・」
夏希の意識が戻った・・
夏希は自分が生きていることを悟った。
目を開けてみると、そこには、母の雪子がいた
「かあさん・・・?」
「夏希・・?夏樹!みんな、夏希の意識が戻ったわよ!!」
(あれ?なんでここにいるんだ・・・確か私はトラックに・・)
「・・・・・・っ!」
頭が割れるように痛い
「夏希!まだ動いちゃだめよ!」
「何で私ここにいるの?みんながここに運んできてくれたの?」
母の雪子が目を逸らした
「ねぇ、なんで?」
「それは・・健二さんが・・・」
「健二君?健二君が運んできてくれたの?」
「うん・・・」
「そうなんだ・・お礼言わなくちゃ」
夏希は隣の部屋とを仕切るふすまを開けた
716 名前:夏戦争・続(ほぼ非エロ)[] 投稿日:2009/09/13(日) 12:14:25 ID:SdmhPRwx
そこには、親戚一同が集まっていた
そして、中心には健二がいた
しかし、健二はみんなにお礼を言われているわけではなかった
「なっ・・・・」
そこには血まみれの健二がいた。
「夏希か・・・目が覚めたか・・・」
万作が夏希を一瞥し再び健二に向き直る
「ねぇ、なんで健二君が・・・」
その時・・
「夏・・・きせ・・・先輩、気が・・ついたんですね」
喘ぎながら健二が言う
その時、すさまじい音で誰かがやって来た
「おい、みんな捕まえてきたぜ!」
そこには、見知らぬ男と翔太がいた
「だれ・・・?」
「お前たちを引こうとしたトラックの運転手だ。」
翔太が言う
717 名前:夏戦争・続(ほぼ非エロ)[] 投稿日:2009/09/13(日) 12:24:15 ID:SdmhPRwx
「引こうとした何て人聞きが悪いっすよ」
運転手の男が言う。年は、20代前半だろうか
「じゃあ、これはなんだ。」
翔太があるものを取り出した
それは、ビール瓶6本ほどだった
「こんなもん飲んでて、まともな運転できるのかよ!」
「おい、翔太やめろ!。そいつを、追及してもどうにもならない」
太助が言う。
「くっ・・どうなんだ万作おじさんよ」
「かなり厳しいな・・」
「厳しいって、どうゆうことよ!」
夏希が叫ぶ
「ろっ骨が折れて肺に突き刺さっている。呼吸がうまくできていない」
「そんな・・・」
718 名前:夏戦争・続(ほぼ非エロ)[] 投稿日:2009/09/13(日) 12:38:24 ID:SdmhPRwx
「何で・・・ねぇ、なんでこんなことになったのよ」
いまいち状況を理解できていない夏希は誰かに説明を求める
「俺が、おまえたちを見つけた・・・」
万助が言うにはこうだった
庭に出てみると、血だらけの健二が夏希をおぶって庭で倒れていたらしい
夏希は頭を打っていて気絶していただけなので大したことはなかったが健二の方は
ひどかった。
口は何とか聞けるようだが、万作が言ったように肺に折れたろっ骨が突き刺さり
呼吸ができなくなっている。
「でも、引かれそうになったのは私だし健二君は・・・」
そう言いかけた時、夏希の記憶がよみがえった
夏希が死を覚悟したとき、健二が転がるように山を下りてき、夏希を力いっぱい
押してトラックの進行方向から逸らす
だが、自分は逃げるのが間に合わなく・・・
「なんでよ・・あそこに出れば健二君だって無事じゃ済まないってわかってたでしょ?」
「それ・・は・・・」
親戚中が健二に注目する
「約束・・・した・・から・・」
「約束!?」
「栄・・お婆さん・・と・したからです」