738 名前:夏戦争・続(ほぼ非エロ)[] 投稿日:2009/09/14(月) 16:43:47
ID:bCXoDL68
そういったとたん、健二の脈が下がり始めた
「ダメッ!それ以上喋っちゃ!」
その心配は、必要なかった。
健二の意識が遠のき始めた
もう、それは、近づているのかもしれない
「健二、男だろ!しっかりしろ!!」
「夏希を、おいて先に行くつもり?」
親戚一同からの励ましもむなしく、完全に意識がなくなった
「だめだ!瞳孔が開きかけてる!」
万作から悲痛な声が上がる
その時____
「夏希!」
誰かと思い振り返ると、そこには真琴がいた。
右手に包帯を巻いてかなり焦っている様子だった
「真琴、どうしたの?その手・・」
「いいから、早く来て!!」
「でも、健二君が__」
「いいから早く来る!!!」
夏希は、真琴の剣幕に、驚きつつ健二のそばを離れた!
(まっててね・・・)
そう、心で思いつつ真琴について行った。
そこは陣内家の屋敷の庭のある一角だった
「ねぇ、真琴。こんなところに連れてきて、なにするつもり?」
「今から・・健二君を助る。」
739 名前:夏戦争・続(ほぼ非エロ)[] 投稿日:2009/09/14(月) 17:11:01 ID:bCXoDL68
夏希は、真琴のいってることの意味を理解することができなかった。
「へぇ?」
「だから、健二君を助けるの!」
「で・・でも、どうやって?なんでここなの?」
真琴は夏樹の質問を無視し、おもむろに包帯ほどき始めた。
「え・・なんで・・・・?」
そこには、6割方消えた、真琴の右腕だった。
しかも傷口からどんどん真琴の体が光の雫となって消えていた
「私は、未来から来たの。」
「へぇ・・・?」
「私のいる時代は、{タイムリープ}と言って時間を自由に行き来できる装置が開発されているの、私はそれでここに来た」
真琴に言ってることは、信じられないが真琴の顔は真剣だ
「それで・・・私は何を・・?」
「手、貸して!」
おずおずと、手を差し出すと真琴はいきなり痛いくらい夏希の手を握る
「真琴・・・・手、痛い」
「我慢して」
30秒ほどすると真琴が手を離した。
すると、驚くことに夏樹の手の平に{01}といった形をしたあざができた
「これで、夏希は時間を飛ぶことができる」
「え・・・・どうゆうのこと?」
「いい?夏希は、これから過去に戻って健二君を助けるの・・、といっても、夏希は何もしなくていいの。
普通に、過ごしていれば、健二君は死ぬことはないんだから」
そこまで言うと、息を吸い込み、真琴がまたしゃべりだした
「私は、過去を変えすぎた・・・。過去を、変えすぎてしまうと未来の人が消えてしまうことがあるの。そして、私は今ここで消えようとしてる。」
「・・・・」
確かに、真琴の言う通りもはや右腕だけではなく体の7割が消えていた
「だから夏希!健二君を助けてあげて。」
夏希は、決心した
「わかった」
真琴は、安心したように、座り込んだ・・といっても下半身はもう消えて見えなくなっているのだが・・
「たぶん、過去に戻ると、夏希の記憶からは、私は消えると思う。」
「え・・」
「でも、大丈夫きっとまた会えるから・・」
「ホント?絶対だよ?」
「うん・・・じゃあまたね・・・」
「ちょっと待って、どうすれば戻れるのよ!!」
「あ、わす・・・・」
そこで、真琴の姿は完全に消えた
746 名前:夏戦争・続(ほぼ非エロ)[] 投稿日:2009/09/16(水) 16:23:05
ID:M6P1zxdn
蝉の声が懐かしくなる10月半ば――
夏希は川面に映るきれいな夕日を見ていた
あの後、健二は息を引き取り旅だっていった・・
健二の葬式には陣内家一同が参列しめやかに行われた
この一カ月、夏希は変わってしまった
太陽のような笑顔は身をひそめ、らしくない暗い顔ばかりしていた
理由は、健二の死ではなく真琴の致命的など忘れでもなく健二を信じれなかったことだった
夏希が、あの時点で、健二を信じていればこんなことにはならなかった
後悔ばかりが胸に浮かぶ・・・・
過去に戻る方法も一応自分なりに考えてやってみたが結果は今が物語っていた
752 名前:夏戦争・続(ほぼ非エロ)[] 投稿日:2009/09/17(木) 17:00:24
ID:6RfVz2Sw
「帰ろ・・・」
夏希は、家に向かった
数年前から変わらない帰り道・・・
変わったと言えば・・
目から自然とあふれる涙・・・今日で3回目だ・・
2年前はこの涙を止めてくれた人はもう…
健二への未練がまた、あふれ出す…
それと、夏希は真琴のことを考えた
彼女は、自分は未来から来たと言ったがホントなのだろうか?
真琴が光となって消えたのは、悪い夢ではないだろうか?
しかし、夢ではなかった
真琴は夏休みが終わっても大学には来ないし、夏希の手には謎のアザが残っていた
真琴・・・・
河原では子供たちが水着姿で川に飛び込んでいる
夏希の頭に健二が浮かび、真琴が浮かび・・・・
その時だった
夏希の頭に奇跡のような考えが浮かんだ!
871 名前:夏戦争・続(ほぼ非エロ)[] 投稿日:2009/09/24(木) 17:18:56
ID:dGIbkVXC
インフルにかかってしまいました
待っていた人(おそらくいないが)は、スイマセン・・
では、続きをどうぞ
夏希は苔のはりついた石に足を滑らせしたたか尾骶骨を打ちつけた
「い、いったぁ~い・・・」
河原で子供たちが大笑いをしている
まあ、大の大人が川で滑ったら笑われるのも仕方がないかな?
そんなことを考えながら夏希は河原に上がった
「どうしよ・・・」
夏希は小さくつぶやきながら、手のひらのあざを見る
それは、1か月前と相変わらず01と表示されていた
夏希は手のひらを頭に当て健二が亡くなってからの日課のような事を始めた
(もどれ・・・・もどれ・・・)
何度もやっていて、結果は分かっているのだが思わずやってしまう
そのたびに、健二との日々を思い出し涙があふれてくる
しかし、いつもとは何かが違うような気がした。
何かしなければ・・・今何かをしなければ本当に、大切なものを本当に失ってしまう気がした
夏希はいてもたってもいられず川に向かって走り出した
戻れ・・・・
必死に走りながら健二のことを思う
しかし、目の前は変わってはいなかった
戻れ・・・・!
どこか・・・どこか近くで、空気が乱れるような・・そんな音が聞こえたような気がした
戻れ・・・
目を開けると川と陸の境の2mほど上に陽炎のような空気の乱れのような穴が見えた気がした
夏希は、突然の出来事に驚きつつも覚悟を決めた
「いいいいっっけけけぇぇぇぇーーーーーーーー」
渾身の力をこめ大きく地面をけり上げた。
880 名前:夏戦争×時駆少女[] 投稿日:2009/09/25(金) 16:53:25
ID:f/lH1NV7
こっちの方がふさわしい気がするんで変えました
では、続きでござんす
―――――――――・・・
どこかで音が聞こえる・・・・・聞き慣れた・・・何の音だろう
そこで夏希は、ハッと目を覚ました
「ここは・・・・あれ?私の部屋?」
なぜだろう・・・確かに夏希は河原にいたのだが・・・・・
川に飛び込んでから一体自分はどうしたのだろう
そう訝りながら部屋を見渡すとあることに気がついた
「あ・・・あれ?」
10月の柴犬のはずのカレンダーが、7月のチワワに戻っていた
(これって・・・・過去に戻れたの!?)
そう思いつつ音の発信場所を探る
やっと見つけた・・・携帯電話だ・・・
メールを夏希のアバターナツキが開く
「何かありました!?電車来ちゃいますよ?」
見覚えのあるメールには月の胸が躍った
(戻れたんだ・・・本当に・・・)
実感がじわじわと押し寄せる
しばらくしてから、夏希は急いで着替えを済まし駅へ向かった
夏希は走った・・・愛しい、小磯健二の顔を一秒でも早く見たくて・・
急いで駅に滑り込み健二を探す
見当たらない・・・・前はこの辺にいたのに・・・・
夏希の心に不安が立ち込める・・しかし――――
「夏希先輩?」
881 名前:夏戦争×時駆少女[] 投稿日:2009/09/25(金) 17:07:50 ID:f/lH1NV7
振り向いた先には・・・この2ヵ月半ずっと胸に思い浮かべていた人物の、どこか間の抜けた顔があった
「先輩どうしたんですか?電車行っちゃいま・・うわっ」
夏希は夢中で健二の胸に飛び込んだ。
健二は突然の出来事に驚き・・・そして、急に泣きだした夏希に2度びっくりし・・・
「あ・・・ごめん」
「い、いえ、どういたしまして」
しばらくし、落ち着いた夏希が健二の顔を見上げる
そして、夏希は背伸びをして健二の口に軽くキスをした
「な・・夏希先輩!?い、一体何かありました」
急に、泣きだしキスをしてきた彼女にどきまきしながら健二が言う
「何でもない」
夏希は、健二に笑顔を見せた。
そういえば、笑うなど何か月振りだろう
これもそれも、最後の希望を託してくれた・・・
「真琴・・・ありがとう・・・・」
「へぇ?真琴・・ッテ誰ですか?」
健二が聞いた。何をとぼけたことを言ってるんだと思いながら
「そりゃ・・・・あれ、誰だっけ?」
「ホントに大丈夫ですか?どこか悪いところでも」
「何でもいいでしょ…あ、電車来たよ。乗ろっ?」
「はい」
真琴・・・・誰だっけ…さっきまで覚えてたはずなのだが・・・てか、何私泣いてたんだろう?
あれ?なんか悪い夢でも見たのかな?なんか大事なことを忘れていくような・・・
それでもいいと夏希は思った。
また・・・いつか思い出せる気がするから
それに、今は健二がいる
今は、健二さえいれば何もいらないそう思える夏希であった
―――完―――