注意
キャラがありえないくらい壊れています。
- 直接表現はないので年齢制限はありませんが危険かもしれません。
- BLリヒト
- 計算ダークルルスス
- 無邪気ダークエクレメス
- ドMオロロージョ
- ルル⇒キラ
- リヒ⇒キラ
- オロ⇔エク(←ありえないくらいベタベタラブラブ
うちのXepherはこんなのじゃないやい!って方はすみません。
僕もこんなのじゃないと思います。
それでもよろしいという方だけどうぞ。
苦情は…ここまで壊した責任としてお受け取りします(苦笑)
それでは、つたないですが。
なんだか違和感を感じて、寝ていた意識が覚醒しだす。
目をあけると、ピンクだった。
…いや、こう言っても意味がわからないのはわかっている。
だが、そうとしか言えないほど、ピンクだったのだ。
『inprison』
状況を整理しよう。
まずは目を開けてみる。
―ピンクだ。
目を閉じてみる。
―黒だ。
ということは、別に目がおかしくなったわけではなさそうだ。
次に、手を動かしてみる。
左手は…よし、動く。肘も曲がる。
右手は…と思うと、肘は曲がりそうにない。何か乗っている?
指を動かしてみる。
「…んっ」
は?
何かが聞こえた気がして、あたりを見回す。
見回してもどうせあたり一面がピンクなだけなので意味がなかったが。
もう一度指を動かしてみる。
「…ちょっと、やめ…っ、あん」
…。
急速に頭の回転が上がっていく。
よく考えれば最初のピンクで気づけ、という話なのだが
寝起きはどうしても思考能力が落ちてしまうので仕方がない。
と、いうことで。
自由な左手で目の前のピンクをかきわけ、その先を辿り…
思いっきり、振り下ろした。
バシン!という痛そうな音が俺の部屋に鳴り響く。
「い…ってぇな何すんだよ!」
「五月蝿い黙れとりあえずそこをどけ。あと服を着ろ」
「いやでーす。今日はバレンタインなのでバレンタインプレゼントをキラーにあげるんでーす」
ああ、今日はバレンタインか。確かに昨日リヒトはいそがしそうにしていたな。
ということはルルススがどこかへ行っていたのもそういうことか?
「今ルルススのこと考えてただろ」
「…よくわかったな」
「俺の前で別の女のこと考えんなよ」
「別の女というが女はルルススしかいないんだが?」
「俺は綺麗だから男としても女としてもカウントするんだよ」
…あぁ、そうですか。はいはい。
で、そういえばバレンタインプレゼントと言っていたような気がする、が…?
「で、バレンタインプレゼントって何なんだ?」
「俺」
即答だった。
「断る。そういった話は夜にしてくれ。というかこんなところをルルススに見られたらどうするんだ」
「…いや、それは怖いんだけどさ…夜だともっと邪魔されそうだから、いっそ早いうちに、と」
時計を見ると、まだ朝の4時半。殆ど夜といってもいい時間か。
ルルススはいつも7時に起きるので、早くてもせいぜい6時くらいだろう。
少し思案してみる。
たまにはリヒトの言うとおりになってやってもいいか。
「…まぁ、まだ夜だしな。いいぞ」
「ホント?なんか今日はキラーが優しくて嬉しいな」
「いつもルルススに押し切られてる気がするからな…」
確かにね、とリヒトは苦笑して、俺の寝間着を脱がせようとボタンに手をかけた。
瞬間。
バーン!!!
部屋のドアが勢いよく開く。
俺とリヒトが驚いてそちらを見る。
そこには予想通り、碧髪の鬼姫が…予想外に、笑顔を浮かべて立っていた。
話は少し戻って、バレンタインデー前日のお昼。
「できたー!」
「ルルススちゃん、上手に出来たわね。これでキラーさんもいちころね★」
「うんうん!エクレメスちゃん手伝ってくれてありがとうねー!」
ということで、ルルは明日キラーとリヒトにあげるチョコレートをつくりにエクレメスちゃんの家に来ています。
ちょうどいまラッピングまで完成したところ。
かたちも上手くできて、満足!なんだけど…
「うーん、でもこれで大丈夫かなぁ…」
やっぱり心配。初めてのお菓子作りだし、どうしても自信がない。
そんなルルの気持ちがわかってくれたのかな、エクレメスちゃんが元気付けてくれる。
「ルルススちゃんなら大丈夫よ…だって、そのチョコレートに精一杯こめたものはなぁに?」
「うん…うん、そうだよね!大丈夫だよね!」
「ええ。絶対大丈夫よ。エクレメスさんがついてますからね」
そういって頭をぽんぽんってしてくれた。
やっぱりエクレメスちゃんは素敵。
将来はエクレメスちゃんみたいな素敵な女性になるんだ…!
「で、いつ渡すつもりなの?」
「どうしようかなぁ…明日の朝一番か、夜かどっちかにしようと思ってるんだけど」
うーんでもリヒトよりも早く…や、ゆっくり時間のある夜のほうがやっぱり…うーんうーん…
だめだ、やっぱり答えが出てこないや。
あ、そうだ!
「オロロージョにいつがいいか聞いてくればいいんじゃないかな!」
出番が本当になさそうだし。
「あ、そうね、それがいいわね。出番が本当になさそうだし」
…エクレメスちゃん、言っちゃった…
自分を棚に上げて言うのはなんだけどエクレメスちゃんはかなり腹黒いと思う。しかも天然で。
今流行りの無邪気ダーク?そこが素敵なんだけど。
ということで、オロロージョにきいてみた。
「ん、あぁ…エクレメスにもらえるならいつでもいいかな」
「もう…オロロージョったらv」
だって。
そしてそのままノロケ大会に突入したので聞き流しつつ考えをまとめてみる。
好きな女の子だったらいつでもいい、ってことだとすれば
やっぱり一番最初のほうがインパクトがあるかなぁ…
24時になったらすぐに渡す?でもそれじゃあなんだか早すぎる気もするし…
また考えがループしそうになっていたときに、耳へ都合よくオロロージョのノロケが入ってくる。
「でもやっぱり起きたときにエクレメスが隣にいるって嬉しいな」
「いつでも隣にいるじゃない、もう」
「そうだけどさ。一日を愛してる女の子と一緒に始められるってのはやっぱり最高だよ」
「あたしもよ、オロロージョ」
…ちょっと殺意が沸いたけど(もちろんオロロージョに。エクレメスちゃんは素敵だからおっけー)
今のはいい話だった。やっぱり朝にしよう。
ということで、がんばって早起きして朝渡すことに決めたのでした。
ちなみにそれからノロケはルルが帰るまでおわらなかったんだけど別に言うまでもないよね。
話はバレンタインデーに戻る。
「る…ルルススさん、おはようございます」
「おはよう、リヒト♪」
「怒ってますか?」
「怒ってるように見える?」
「…」
怖い。満面の笑みが、だからこそ怖い。
怖いけど、怖いって言ったら負けだと思う。
次の言葉が出てこなくて視線を泳がせているしか出来ない。
それに気づいてか気づかずか、ルルススが口を開いた。
「今日はねー、バレンタインだから2人にチョコをあげにきたの★」
俺はキラーと目を見合わせる。
ややあって、キラーが未だ笑顔を崩さないルルススに問いかけた。
「こんな早い時間にか?」
「うん!だって2人には早く食べてもらいたくってー早起きしちゃった★」
「早起きってレベルじゃねーだろ…」
俺はぼそっとつぶやく。
ルルススは聞こえたのか聞こえてないのか、ラッピングを開けチョコトリュフを2つ取り出して
起き上がってベッドに座った俺とキラーに1つずつ渡してきた。
「…上手じゃないか」
キラーは素直に感想を漏らす。
…くやしいけど、確かに上手に出来ている。
それでいて手作り感満載というか、なんといえばいいんだろう…手作りにしては上手、といったレベルにうまくおさまっているといえばいいのだろうか。
これは確かにもらったら嬉しいよな…。
「ほんとっ!?ありがとー★ねね、食べて食べて★」
キラキラした目で見つめてくるルルススの期待にこたえてか、キラーがチョコを口の中に放り込む。
なんだか悔しいので俺はしばらく手が止まっていたが、ルルススの笑顔に圧されて一口に食べた。
「どう?」
「うまい…」
「おいしい…」
味も申し分ない。
ルルススのがんばりがちゃんと実っている。
一瞬キラーを取り合っている相手だということも忘れて素直にルルススを褒めたくなった。
「ねぇ」
ルルススが意を決したように、言葉を発する。
俺とキラーは、言葉の真剣な響きにつられルルススの顔を見つめた。
「キラーは…ルルのこと、好きだよね?」
真摯な眼差しがキラーの瞳を射抜く。
…誤魔化せない。
ルルススは、本気だ。
キラーは一瞬俺を見たあと、
「ああ、好きだ」
と、答えていた。
わかっていた。そう答えることは、わかっていた。
確かに胸は痛むが、俺もルルススは好きだから…ルルススなら、仕方ないと思う。
「わーい★じゃあ、ルルに何されてもへーきだよね?」
「は?」
あまりにも突拍子のない発言につい声が出てしまう。
一体何が言いたいんだ?そう聞こうと思った瞬間。
「…っ、ぐ」
キラーののどからくぐもった声が漏れた。
「どうしたキラー?何か変なモンでもはいってたの………っ!」
そして時間差で、俺の体にも異変が起こった。
「わぁ、すごいすごい!ねぇ、どんなかんじ?」
ルルススは目を輝かせてキラーとリヒトに問いかける。
だが、キラーもリヒトもその問いに答えることは出来なかった。
(何が、起こってるんだ…?)
キラーは全く理解が出来なかった。
ただでさえ急展開の連続だというのに、最後の最後で体が動かなくなってしまったのだ。
「あ、そっかー答えることも出来ないよね。えへへ★」
ルルススは一人自由な体で、楽しそうに歌う。
「あのね、昨日エクレメスちゃんと一緒にチョコつくってたの。
それでね、キラーをリヒトに取られないようにするにはどうすればいいのかなーって相談したんだ」
エクレメス。
その名前を聞いたキラーとリヒトは2人同時に、一人の哀れな青年の顔を思い浮かべた。
無邪気攻めのエクレメスの愛を一身に受け続ける青年、オロロージョ。
オロロージョが女性と2人で話しているのを見かけたエクレメスが
いきなり問答無用でオロロージョを泣きながら殴り倒し骨折打撲で全治一ヶ月の重傷を負わせたのは有名な話だ。
オロロージョはただ道を聞かれていただけらしいのだが、それでも
「いや、でもエクレメス以外の女の子としゃべってたのは事実だし」
と反省していたなんてエピソードもある。
あの2人はドSとドMでしかもベッタベタに愛し合っているので釣り合いが取れているが…?
「そしたらね、いいものがあるわよっていってお薬を入れてくれたの!
体が動かなくなるお薬、なんだって。
リヒトが動けない間にキラーを襲ってきせーじじつをつくっちゃいなさいって★」
(あの女…)
キラーとリヒトはまた同時に同じことを考える。
だが、悪意なくやっているのがわかるだけにエクレメスを責めるわけにもいかず
2人はやり場のない怒りを持て余すしかできなかった。
「と、いうことでぇ」
そういってルルススはリヒトの体を隠している毛布を引っぺがし、ベッドからリヒトを引き摺りおろす。
そしてキラーを押し倒し、キラーの寝間着のボタンを外しながら
「ちょっと早いけど…ホワイトデーのお返し、もらっちゃうね★」
と嬉しそうに告げたのだった。
(ち、ちょっと待てルルスス!一体何を考えて…!)
(ってゆうか俺はこのまんまかよ!ずっと見てなきゃいけないのかよ!!)
2人の思いは外に出すことを許されず、ただただルルススの為すがままになっていくキラーの姿とそれを動けずに見るしかない産まれたままの姿のリヒトがそこにあった…。
おまけ そのいち
バレンタイン当日になった瞬間の0時。
「はい、オロロージョ、あーん」
「あーん」
エクレメスはルルススと一緒に作った例のチョコレートをオロロージョの口へ持っていく。
「おいしい?」
「すっげー美味い!さすがエクレメスだな、何を作らせても世界一だぜ」
「やだぁ、オロロージョったらv
ところで、今日はバレンタインだから」
「ん?」
「今日はわたしがリードしてあげるわね」
もうこれ以上はお話できないのだが、翌日オロロージョは病院に運ばれたらしい。聞くところによると衰弱死寸前だったとか…?
おまけ そのに
ルルスス『ねぇ、キラーはルルのこと…好きだよ、ね?』
―少女はうつむいたまま、何かを噛み締めるように、目の前に居る青年に問う。
↑と、見せかけてただ痺れ薬が効いてくるまでの時間稼ぎをしていただけでした。
どうせ好きっていってくれるのはわかっていたルルスス。さすが計算ダーク。
エクレメス『ルルススちゃんなら大丈夫よ…だって、そのチョコレートに精一杯こめたものはなぁに?』
―笑顔の天使は、その表情を崩さずに少女に問う。
↑痺れ薬でした。
リヒト『俺の前で別の女のこと考えんなよ』
―桃髪の青年は、顔に傷を持つ青年の目を視線で射抜く。
↑別のって言ってもルルススですが。
キラー『…』
―哀を背負った青年の口からは何の言葉も出てこなかった。それどころか、口を開くという動作すら出来なかった。
↑そりゃ、しびれてますから。
オロロージョ『…』
―残念ながら彼にまともな出番はない。もしかすると一番哀を背負っているのは彼なのかもしれない。
↑思ったより出番が出来てしまってこれだけオチがありません。
最終更新:2009年11月28日 11:35