だいはちわ
 「あ〜、よぉ寝たわぁ〜・・・、ええ天気やなぁ?」
朝になりました。犬は背伸びをした後、後ろ足で顔をこすります。フンフンフンフンフン!
 「ふぁ〜あ、姐さん、おはようございます・・・。
 今日はどうします? 仕事は済んだことですし、次の土地に行きますか?」
 「う〜ん、どないしよかなぁ? 別に急ぐ事もないしなぁ?」
その言葉を聞いて犬は舌を出してニッコリ笑います。
 「・・・ハッハ〜ン、そうですよねぇ? 気になる男の子もいますもんねぇ?」
ここでうりぃ恒例のネリチャギ!!「ぅおらぁ!!」
 「ギャブッ!」
別名・脳天踵落とし。犬の耳と鼻から脳漿が飛び散りました。
 「アホ言わんかい!? あんなガキをどーせぃゆーんや!?
 ・・・まったく、・・・ただな、こんなもん、もらいっぱなしちゅーうのも気が引けるやろ?」
うりぃはケンダマを操りi始めました。
でも目が結構、真剣です。少なくともケンダマはまんざらでもないようですね。
 「す・・・す、素直じゃないなぁ・・・もぉぉ・・・。」
良く見たら、犬の目玉も飛び出てましたがすぐに治るでしょう。
とりあえず、二人はどこともなく村を歩き回る事にしました。
とは言っても小さな村です。
そのうち、彼らは昨日、仕事に入った家の前を通りかかりました。
 「あ・・・?」
そこでうりぃ達は見覚えのある男の子を見ました。梅八です。
彼もうりぃ達に気づきました。彼はしばらく黙ってましたが、
そのうち、肩を震わせて涙を流し始めたのです。
 「・・・う おいらの、お、おっとーがぁ・・・!!」
 「梅八・・・この家の子やったん・・・か?」
何ということでしょう、そういえば、この家のすぐ先に大きな一本杉があります。
 「・・・うりぃちゃん、おいらのおっとー・・・死んじゃったんだ・・・。」
さしものうりぃも何も言えません、・・・犬もオロオロするばかり。
 「・・・梅八・・・(すまん・・・)。」 ・・・そうなのです、時としてこういうことが起きるからこそ、
うりぃは他人と関わりたくはなかったのです・・・。      (つづく)
最終更新:2007年04月15日 01:32