第四話
二人の踊りは激しさを増し、時には二人で向かい合って踊り、
時には別々にそれぞれ観覧席まで出向いて踊る。
・・・まるでショーパブだ。時々、信者や一般参加の男どもに魅惑的な視線を投げかけている。
痩身のかすみは、胸に長い数珠のようなものを垂らし、またそれが揺れる度に、
乳房や薄いピンクの乳首が刺激的に映える。
グラマラスなはるかの方は、一応タンクトップをつけてるが、乳首が浮き出てあまり意味がない。
ひらひら舞うごとに、胸や太もも、お尻の肉が揺れている。
・・・さっきっから性器のワレメまでチラチラ見える。
会場を一周する頃には、音楽のボリュームも静かになり、二人は舞台の出入り口に戻っていった。
受光式は早くも熱い興奮に包まれている。
・・・今更だが、これがこの教会の特色である。そしてこの先は、
もっとエロティックな儀式が控えている・・・それに参加できるのが、高いお布施を払う者だけ・・・、
というシステムなのだ。

 「・・・では、続いて・・・(緊張して)、
 我らの指導者『天聖上君』小伏晴臣様ッ!
 その忠実なる執行者『聖魔祭司』児島鉄幹様ッ! お願いしますッ!!」
先ほどに負けないくらいの大きな歓声とスポットライト・・・違うのは、今度歓喜の声を上げたのは、
信者席の女性達だ。中高年から若い女性たちまでほぼ全員だ。
先頭は赤いフードのあるローブに身を包んだ男・・・顔はほとんど見えない・・・、
彼がこの教会の教祖「天聖上君(てんせいしょうくん)」小伏晴臣だ。
これまでの彼の経歴は、一切謎に包まれている。
次が教会のナンバー2、毛髪のない初老の男性、児島鉄幹。
以前は地元の自動車会社に勤務していたが、教祖と会って真理に目覚めたという。
ほとんどの事は彼が仕切っているとの噂もある。

・・・この時点で、会場にいる誰もが・・・、
これから近い未来に起きる出来事を予想することができなかった・・・。
それほどの熱気と興奮が、早くも渦を巻いていたからである。
我々がこれまで姿を見てきた、一体の「人形」が近づいている事に・・・。


最終更新:2007年04月16日 10:21