突然の衝撃、強烈な破壊音、部屋中に飛び散るガラスの破片。
部屋の誰もが金縛りにあったかのように動けない!
そして処刑執行が今、始まる!
うぅ・・・ らぁ らぁーッ!!
第二十一話
「呪われた人形メリー」が、カルト教会ダイナスティ幹部達の前に姿を現した!
薔薇の刺繍のドレスを纏い、そのか細き腕には一振りの鎌!
青白い程の滑らかな肌と純白のコルセット!
銀色に光り輝く神々しい高貴な髪と、透き通る程のグレーの瞳!
メリーは着地するや否や、息もつかずに手にした武器を振り上げる。
その「死神の鎌」の、凶悪な間合いの中におさまった幹部は、
驚愕と恐怖でのけぞるだけしかできない。
まるでダンスでも踊るようななめらかな動きで鎌を一閃・・・カラダを捻ってもう一閃ッ!
あっという間に二人の男のカラダから血しぶきが飛ぶ。
・・・一人の首は半分ほどちぎれ、もう一人は咽喉をざっくり切られている・・・。
すぐに部屋の扉が開き、男性信者があわただしく入ってくるが、
人形が鎌を振るって幹部を切りつけている異常な事態に、すぐにはカラダを動かせない。
その間にも別の幹部がおぞましい鎌の餌食になる。
(この場に残るは二人・・・)
「ギャアーァッ!!」 児島の妻が、その顔をありえないほど歪めて悲鳴を上げる。
手近には外から入ってきた信者がいるが、彼らは後回しだ。
メリーは瞳をギョロッと動かして、飛び上がりざま上段から鎌を振り下ろす。
体重だけはいかんともしがたいメリーは、その武器の形状からも、
遠心力を利用した攻撃が最も効果的だ。
・・・死神の鎌は児島の妻の肩口を越え、背中から心臓めがけてつきたてられる。
メリーは、その中年女性のカラダを踏みつけるようにして鎌を外す。
児島鉄幹が逃げようとしている。信者のカラダを押しのけながら出口に向かう。
メリーが先に信者を切らなかったのは、
彼らが、児島が逃げる時の障害物になると判断したからだ。
・・・が、児島が先に逃げてしまえば、信者達はメリーの障害物以外の何物でもない。
狼が獲物の咽喉元に飛び込むように、信じられない程の跳躍力で、メリーは出口までに辿り着く。
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最終更新:2007年04月17日 14:38