・・・その間に立ちはだかっていた二人の男性信者は、力なくドサッと床に倒れこんだ。
あまりのスピードに殺された事にも気づいていないだろう・・・。
「うわああぁ〜!!」 叫び声を上げながら部屋を出る児島!
叩きつけるように扉をしめようとするが、メリーの鎌がそれを許さない。
逃 が し は し な い !
第二十二話
メリーは入り口の隙間に鎌を差し込む。
ドアを押し開ける必要は無い。
挟まった鎌を捻れば勝手にドアは開かれる。
通路には他にも何人かの男女がいる。そのせいでどうしても児島は思うように進めない。
動く人形の姿のメリーを見て、信者達は驚愕の悲鳴をあげる。
通路に出て児島の姿を確認したメリーは一瞬、動きを止めた・・・。
だが、次の瞬間またもや弾けるように、児島の背後に襲いかかった!
彼女は廊下に出た瞬間、無意識のうちに狭い通路の空間把握、有効な鎌の軌道を計算していた。
振り回すより、穿つような動きで鎌を突き出し、間合いの遠い位置から最低限の手首の返しで、
児島鉄幹の足首を切り落とした。彼の右足首が転げ落ちる!
「 ( ヒ イ イ イ イ ィ ッ ! ! ) 」
声にならない悲鳴をあげる児島鉄幹!
だがメリーは追撃しない。その廊下にいた男女は余りに悲運といえよう。
メリーは左右に散らばる男女の姿を確認すると、無慈悲な・・・無差別な鎌の攻撃を開始した・・・。
阿鼻叫喚とはまさにこの事・・・。
悲鳴と血しぶき・・・転げまわる犠牲者・・・、もはやピクリとも動かないただの肉塊・・・・。
最終的に命のある者は・・・恐怖におののく児島鉄幹ただ一人。
メリーは動けない児島の首根っこをひっ捕まえると、
細身の腕では考えられない怪力で彼のカラダを宙に持ち上げる。
「ヒッ・・・た 助けてくれぃ! 誰かーぁッ!?」
メリーは児島を持ち上げながら先ほどの部屋に戻った・・・邪魔が入らないように。
児島は、最後の力でドアにしがみつくが、大した抵抗にはならない。
・・・メリーは「聖魔祭司」児島鉄幹の耳元で、小さく、しかしはっきりした声で、
最終更新:2007年04月17日 14:51