メリーはこのタイミングで社長室の電話を鳴らす・・・これも彼女の能力の一つなのだろう。
 ジリリリリリ・・・ン ジリリリリリ・・・ン 
小伏晴臣は、メリーが天井から現れ今に至るまで、身じろぎ一つしていなかったが・・・
ようやく三度目のコールが鳴る前に、その重い腕を動かした。
  「・・・はい・・・。」
呪われた人形・メリーは小さく、はっきりした声で受話器を通じて話しかける。
  「・・・もしもし、わたし メリー・・・、今、あなたの後ろにいるの・・・。」
既に着地は済ましていた、
後はこの赤いフードの男が後ろを振り向くだけ・・・。
だが、「天聖上君」小伏晴臣は、そうはしなかった・・・、
フードの下の、半分だけ露わになっている顔を歪めて、こう電話口につぶやいたのである。

  「 ・ ・ ・ や っ と 会 え た ね ェ ェ 、  エ ミ リ ィ ィ ィ ・ ・ ・ ! 」


最終更新:2007年04月18日 08:15