「・・・メリー!? 君『達』は私をからかいに来たのか!?
どうやって私の番号を知った?
何が 『わたしメリー 』 だ!? 何が 『お屋敷の前にいるの 』 なんだ!?」
第十七話
丸山の豹変にこちらが驚かされた。
「・・・? ちょ・・・え? 何のことです!? 今の電話のことですか?
私はあなたの番号なんて知りませんよ!」
丸山は立ち上がってこちらを見下ろした。
戦ったら、間違いなく勝ち目はないな・・・。
「では、何故 『メリー』 などと口にした!?」
「ですからそれは遺書に・・・・・・!」
いかん、余計なことまで言ってしまった。
丸山はニヤリと笑って、再び落ち着きを取り戻した。
「・・・お帰り下さい。先生には伝えておきますよ・・・。」
有無を言わせぬ態度・・・、
担がれたのはこっちだったのか・・・。私は万策尽き、落胆しながらコートを取ろうとした。
その時、またもや丸山の携帯が鳴った。
彼は 「またか」 とでもいう風に画面を見た。
「もう演出は終わりだと、言ってあげるんですな。」
「?」 私は未だに何のことか分らずに、彼から携帯を受け取った。
電話に出ろというのか?
携帯を耳に当てると、聞いたことのない女の声で、小さく、はっきりとした音声が流れてきた・・・。
「 わ た し メ リ − 、 今、こ の お 屋 敷 の 中 に い る の 」
それを聞いた瞬間、全ての身体の毛が逆立った・・・!
また、全ての謎というジグソーパズルが組みあがったかのような錯覚に陥った。
私は声にならない声をあげ、叩きつけるように携帯を丸山に返した。
今度は混乱したのは丸山のほうだ。私の錯乱振りが演技ではないと感じたらしい。
すぐに携帯を耳に当てたが、もう切れているのだろう、
すぐさま携帯を閉じて私に怒鳴りつけた。
「おい! 『メリー』 とは誰だ!? 何者なんだ!?」
私は先ほど取りかけたコートと手袋を握り締め、震えている事しかできなかった・・・!
「の・・・呪われた・・・少女の 人形・・・?」
最終更新:2007年04月13日 13:40