「さぁぁ、かわいがってやるぞお、マリィィ!」
第七話
転がるようにエルマーは寝室に突入した。背丈が小さい分、兵士の腕をかいくぐってこれたようだ。
ベッドの上では、既に領主はマリーの長いスカートをまくりあげ、
露わになった弾力のある太ももから、無理やり下着を剥ぎ取ろうとしていた。
「・・・姉ちゃんを・・・放せぇーッ!!」
この場合、エルマーが酒に酔っていたのは、やはり不幸なことだったのだろうか?
彼は、手前の机の上にあった領主の兜を手に取り、全力を持って領主の頭に叩きつけたのだ。
ドガッ・・・!
力の加減もできず、兜の角の突起物なども、全く考慮せずに叩き付けたのである。
「・・・ぐぅおおおおぉぉ・・・!!」
領主は頭を抱えてうずくまってしまった、かなりの激痛のようだ。
「このガキ・・・!」 兵士はすぐにエルマーを取り押さえた。
「・・・エルマー? エルマーッ!?」
マリーは必死に下着をはきなおし、エルマーの元へ駆け寄ろうとした。
だが、それも他の兵士に取り押さえられる、・・・場の雰囲気はかなり険悪だ。
「・・・こぉの小僧ぉがぁ・・・!!」
領主は頭を押さえながら、ゆっくりと身体を起こす。
その目には、自らの愉しみを邪魔されたことに対する殺意が宿っていた。
「おい! その女そのまま抑えてろ!」 領主はエルマーを抑えてる兵士に目配せして、
兵士にエルマーを抱えさせたまま、3人で寝室を出て行った・・・。
「放せよぉ・・・! 姉ちゃーん? 姉ちゃんを・・・ 」
「待って! エルマーをどうするの!? エルマー!?」
マリーは必死で兵士の腕から逃れようとするが、どうにもならない。
そして彼女の最悪の予感が的中する。
砦の外と思われる辺りから、
エルマーの絶望的な悲鳴が彼女の耳に届いた・・・。
「・・・エルマー・・・ 」
マリーの身体は石のように硬直してしまった・・・もはや暴れることすらできないほど・・・。
最終更新:2007年04月14日 01:02