だいにわ
「姐さーん、待ってくださいよー。」 犬が後ろから走ってきた。
「はよぉ、しぃ! 村についたで!」
うりぃ・めりーと犬の大冒険、彼女達は村から村、町から町へとさまよい歩く。
「ハァ、ハァ、姐さん? いっつも思うんですけど、何で雉と猿は一緒に来ないんですか?」
「ああ、あいつらか? あのな、あいつらも大変なんやで?
猿はな、娘が有名大学に進学するとかで、塾行かせたり、学費稼ぐのに大変なんやと。
あの娘、今まで遊びまわっとったからなぁ。」
「へぇ・・・あ、そういえばエテ公のくせに援交してたんですよね! へへっ・・・・?」
ギャウーンッ!?
犬の首筋にめりーの全体重をのっけたエルボードロップが炸裂する!
致命的な何かが砕けた音がした。犬の首が明後日の方向に曲がってしまう。
「われ、いつからそない寒いギャグかますよーになったんや、ボケェッ!!
おもろい思うとんかァァ!!」
「アゥ・・・アゥ・・・あね さん・・・、いまのいちげき・・・なんかヤバい です・・・」
「知るかいアホーッ! ・・・しゃーないなぁ ゆっくり歩いたるさかい、はよこんかい!」
首が曲がってしまっているためか、犬は真っ直ぐ歩けない。
それでも哀れな犬はようやくめりーに追いついた。
「・・・そんでな。」
「は、はい!」 犬はすっかり怯えている。
「雉の方はな、羽がのうなっとるさかいにな、はえ揃うまでまだ時間かかるんよ。」
「・・・え、こ、こないだ姐さん、全部引っこ抜いてから、その後はえ揃ったんじゃ・・・?」
「あー、また、引っこ抜いた、ついついおもろうてなー。」
可哀想な雉さん、いや、犬の方が悲惨のような気がするが・・・。
「それになー、街中歩くときにゃ、あいつら、目立ちすぎるやろ? あとな、今はな、犬?」
「は、はい!?」
「ウチにはオドレだけでじゅーぶんや。」
犬はちょっと、立ち止まって、・・・尻尾を振って再び歩き出した。
「お? 見てみぃ、あの家。白羽の矢ぁ、ささっとる、あれが今回のターゲットやで?」
最終更新:2007年04月15日 00:55